■久しぶりの蓬莱作品に満足 蓬莱竜太の新作「エネミイ」を新国立劇場“Pitt”で見た。同氏の作品は、不思議なくらい「外れ」がない。しのぶさんのレビューは辛口だから、どこかに注文を付けないとおさまらないのだろうが。ボクは非常に満足だった。とくに高橋長英氏演じる父親は、矛盾や秘密を抱えている「本物の大人」にかなり近接していたと思う。同様に、林隆三と瑳川哲朗の演じる、年老いた活動家も、それぞれ異なる活動家としての思想や人生を舞台上に描き出していたのではないだろうか。
■団塊の世代は自分たちの歴史を語る責任がある 私事ながら、高校生の小論文を読んでいる。「理想の実現のためにはどうしたらいいと思うか?」の問いに、「今の時代、モデルになる大人がいないので無理だ」という回答。問いかけについて直接の回答になってはいないが、鋭い指摘だ。 団塊の世代は、それまでにそれぞれの誇りを持って仕事をしてきたことだろう。たしかにさまざまな批評が飛び交ってはいる。しかし、胸を張って自分たちの生きた本当の歴史を証言していいと思う。いや、しなくてはいけない。その行為こそが団塊の世代と呼ばれる人々の本当の存在意義の保証になると思われるからだ。嘘やごまかしで訳がわからなくなった現代日本だからこそ、である。
■「子どもは大人の背中を見て育つ」 高橋一生演じる主人公は、コンビニエンス・ストアーのシフト表作成という問題と戦っていた。それは誰が何と言おうと彼が何とかしなくてはならない【戦い】だった。彼の戦う姿勢は、かつてのコウイチロウ―いまの父親の戦ったときの姿に重なった! あのシーンは泣けた。 「子どもは大人の背中を見て育つ」。実際は見ていないのだろうが、なぜか感じ取っていたのではないだろうか。 さて、しのぶ様、読者諸氏、この感想をどうおもわれますか?
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