友人に薦められて観に行きました。わざわざ吉祥寺まで。
クール。
残酷なストーリーの中に、なぜか一条の光と透明感。
そして若さ。
今ありがちな乾いた感じではないんです。適度に体温を感じる程度の湿度がありました。つまり温かみ、ですね。
舞台は、階段を降りてくる地下の部屋(倉庫)、という設定なのですが、Star Pine's Clubの舞台そのものを、それ自体が部屋であるように使っていました。Clubの階段がその部屋の階段なのです。それが非常に効果的で、話にリアリティーを持たせていたと思います。大道具はイス1つのみ。あとはほんの少しの小道具だけ。それもまた役者を際立たせる役割を担っていたのだと思います。
ストーリー自体は非常にハードな内容なのであまり私の好みではないのですが、なぜかそんなにイヤな気持ちはしませんでした。それどころか残酷さにわくわくしてしまったぐらい・・・。
作・演出家である夏井孝裕さんは1999年に「knob」という作品で第四回劇作家協会新人戯曲賞を受賞されているそうです。この「MARKET」は1996年の作品だからというのもあるのでしょうが、さすがに物語的には少し古い感じがしました。でも、発信してされ、伝わってくるモノ・コト(何か)は今にも通じるものだと思いました。
役者さんも上手かった・・・・。テンションが超高くて自然。
また、上演時間が1時間だったことが良かったです。内容が濃密なので長いとつらかったと思います。あの短さだったからこその説得力ですね。
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Posted by shinobu at 2000年10月25日 01:05 | TrackBack (0)