「観劇後に明日を生きる希望や勇気が湧いてくるもの。
疲れた心が癒され、元気になるもの。
私たちは、いつもそんな作品を追求してきました。」
音楽座のパンフレットからの抜粋です。素晴らしいと思います。私はそういうお芝居をこそ観たいのだ。
今回の原作は浅田次郎さんの同名小説「地下鉄(メトロ)にのって」です。舞台は黒っぽい灰色が基調になっていて全体的に暗いイメージでした。地下鉄だからかな?歌も踊りも全般的に地味目だった気がします。2幕の始めの歌と踊りは最高にかっこよかった。あそこからクライマックスまでずっと集中して観ていられました。
互いにわかりあえない父と息子のお話。息子が地下鉄で昔にタイムスリップして、戦後の闇市、満州出征、貧困だった少年時代など徐々に父の人生の時間をさかのぼり、激動の昭和を旅しながら真実を知っていきます。そこに腹違いの兄妹の悲恋のエピソードが重なって・・・。
誰もが必ず泣いちゃうメロドラマ的要素がふんだんに取り入れられていて、私は涙ぼろぼろ状態でした。会場中で鼻をすする音がしていました。
最後の締めのセリフは
「忘れろ。忘れろ。全部忘れろ。つらかったこと、悲しかったこと。苦しかったこと。全て忘れたら、最後には希望が残るから。」
でした。
私はお話としては「アイ・ラブ・坊ちゃん」の方が好きだったかも。でも存分に感情移入させていただいて、楽しませていただきました。音楽座ミュージカルはティッシュとハンカチ必須ね。
音楽座ミュージカル=http://www.ongakuza-musical.com/
※リンクは2005年に追加しました。