Studio Life(スタジオ・ライフ)というと役者は全て美青年オンリー。うふふ。
作・演出がたった一人女性で、倉田淳さんという方です。
今回は少女漫画界の大御所、萩尾望都(はぎお・もと)さんの代表作である「トーマの心臓」と「訪問者」を2つ同時に観られます。ヨーロピアン美少年用詩的耽美派作品はまさにスタジオ・ライフの代表作なのでしょう。
両作品共にドイツを舞台としていて、物語は1964~1974年にまたがります。オスカー・ライザーという少年の幼少期(訪問者)から少年期(トーマの心臓)へと続くため、連続して観るとより楽しいはず。
私はスタジオ・ライフの以前の公演では「ドラキュラ」と「黒いチューリップ」を観ました。西洋の有名な文学作品を男性役者のみでやるってのは他にないですね。独特ですよね。もちろん女性役も男性がやります。これがなかなかHでね~(笑)。
★『訪問者』感想
そもそも私は萩尾望都さんの大ファンでしたので、この連鎖公演はとってもうれしい発見でした。
チケット発売後かなり早めの時期で良い席はほぼなくなっていて、正直なところ驚きましたね~。かなり固定客が付いているんだろうなと思いつつ劇場に入ると、案の定座席は女性客で埋め尽くされ、いわゆる演劇鑑賞の雰囲気はなく、なんとなく甘ずっぱいムード(笑)。
いやー・・・・いいことだと思います。役者さん目当てのお客様がいてこそ、自然とお芝居にも人が集まるんですし。私もほぼそうですし♪
「訪問者」ってすごく暗くて寂しくて悲しいお話なんですよね。それをそのままちゃんと暗く寂しく悲しくやるってのはすごいです。きっと作・演出の方は萩尾望都さんの原作をとことん愛しているんでしょうね。おかげで私は後半ではぼろぼろに泣きっぱなしでした。あー・・・・こういうのに弱い!子供の不幸ってほんと、スゴイです。
噂の美形男優さんは皆さん演技がとってもお上手でした。特に父親(グスタフ・ライザー)役の甲斐政彦さん。←ハンサム♪抑制した演技から瞬間的に爆発する時、その感情がはっきりと際立って伝わってきました。
3時間はちょっと長かったかな~と思いますが、でも一つお話をきちんと観られてよかったです。
図らずして「訪問者」からの観劇になったのですが、ラストシーンが「トーマの心臓」につながっていて、すごく物語に膨らみが出てよかったです。2本の柱が最後のシーンだけ門扉になるところ。ユリスモールの登場もじわっと来ました。
★『トーマの心臓』感想
「訪問者」に続き、またまたボロボロに泣いてしまいました・・・・。
「訪問者」の主人公オスカーが転入した寄宿舎付き男子校、シュロッターベッツ校が舞台のお話。いわゆる美少年愛では終らない、めちゃくちゃ重たいテーマを扱っています。しかも答えを出している!
いやー、萩尾望都さんってすごいです。やっぱり。
それを忠実に脚本化して舞台化された倉田淳さんもすごい。
原作漫画を読んだ頃、私は作品の伝える意味がちゃんとわかってなかったんですね。このお芝居のおかげでやっとその意味がわかったりして、それも感涙でした。
相変わらず美しかったです。品があります。セリフも立ち姿も。すごくきちんとしています。真面目。キャラクターだけで売っている役者さんとかいないです。
それにしても男同士のキスシーンとかってやっぱりドキドキしちゃう。いやーん。
美男子同士だから成り立つってのがこのスタジオ・ライフのすごいところですよね。きちんとわかってて開き直ってそれを売りにしているんだから。
劇場で原作漫画を販売してくださっていたので「訪問者」「トーマの心臓」ともに買いました。舞台上で使用されているマグカップまで売ってました。いや、ステキなんだけどね、ちょっとミーハーすぎるかなって(笑)。ちゃんと自制して買いませんでしたよっ。
私は偶然「訪問者」の方から観たのですが、すごく運がよかったかも、と思います。
「トーマの心臓」はNHK衛星放送で近々放映されるそうです。
男優集団 スタジオ・ライフHP : http://www.studio-life.com/
Posted by shinobu at 2001年01月07日 01:47 | TrackBack (0)