2001年02月23日
新橋演舞場2月公演『さらば浅草パラダイス』02/01-26新橋演舞場
「浅草パラダイス」シリーズ第4作目だそうす。「さらば」ということで、今作品でラストでした。
中村勘九郎さん、柄本明さん、藤山直美さん(藤山寛美の娘)の芸を見せつけられました。柄本さんも勘九郎さんも女装するわコケるわで、究極のお笑い芸人でした。え?そ、そこまでやるの!?ってくらい(笑)。
柄本さんなんて、壁に突っ込んで頭からスライディング転倒したり、畳の下にずぶっとはまったり、ベンチに腰掛けて斜めに転げ落ちたり、顔に白い粉をかけられまくって、わらじで叩かれて、足で蹴られて、最後には刺されちゃうし・・・・。
お笑いの種類が、吉本新喜劇とかドリフターズ系統。ほんっとに体はってます。そうそう、志村けんさんが客席にいらっしゃって、彼の持ちネタ(?)「アイーンっ」のアドリブの嵐。
舞台も衣装も何回変わったら気が済むの!?って言いたくなるぐらい贅沢。Mr.マリックのマジック・ショーもあって、チャイナドレス美女のお色気もあって、まさに「エンターテイメント」でした。
それにしても・・・長い!!新橋演舞場では去年、劇団☆新感線の「阿修羅城の瞳」を拝見しましたが、全然違いました。全3幕で幕間が2回で計55分、上演時間と合わせて合計4時間半です。腰が痛いよーん。確かに予約しておいたお弁当を幕間に食べながら談笑したりは楽しいですが、これは・・・大人の社交ですね。私にはまだ早い、かな。
2001年02月20日
THE SHAMPOO HAT『アメリカ』02/14-18ザ・スズナリ
「とにかくラストが良い!」という、えんぺニュースの評判を読んで、当日券で行きました。
ほんと、ラストで大泣き。びょーびょー泣いちゃった。音楽(パッヘルベルの「カノン」)にヤられたのも大きな要因ですが。
極自然な演技で淡々と進む感じのシチュエーション・コメディーですね。本当に、役者さんの演技はめちゃくちゃ自然。演技しているようには見えないぐらい。
今回の題材は私小説のようでした。なんたって劇団員のお話なんだから。私も身に覚えの有ることばかりで、最初から走馬灯巡りっぱなし(笑)。
劇団に所属する男の子が一人暮らしをしている汚い四畳半(六畳?)が舞台。
「脚本、全然書けない。公演やめれるもんならやめたいよ。・・・公演が終ったらアメリカ行こっかな。」
脚本はないし、寒いし、お金もないし。時間は刻々と迫ってくるし。でも、何もしない。狭くて汚くて寒い部屋に、劇団メンバーがこたつに足を突っ込んだまま。だらだら。ぐたぐた。時間を持て余してタバコばっかり吸って。もー・・・匂いまで蘇ってきて、心が痛かった(笑)。
でも、最後はまるで映画「ニュー・シネマ・パラダイス」のラストを観た時みたいに泣かされてしまいました。
ザ・シャンプー・ハット : http://www33.ocn.ne.jp/~shampoohat/
※URL後ほど追加(2006/10/21)。
2001年02月16日
新国立劇場演劇『ピカドン・キジムナー』02/10-03/01新国立劇場・中劇場
タイトルからして私は足を運ばない種類の演目です(私は戦争ものが苦手なのです)。でも、新国立劇場演劇はできるかぎり全て観ようと思っているので、いやいやながら(苦笑)チケットを取って、一人で行きました。
でも・・・観てよかった・・・・・。
まず演出が栗山民也さん!そして照明が勝柴次朗さん!!サイコーです♪美術は妹尾河童さんでした。言うまでもなく、それだけで超豪華スタッフです。さすがナショナル・シアター。
巨大なガジュマルの樹が上手側に生えていて、その雄雄しい枝が上手から下手へと客席頭上の天井をつたって斜めに横切っていました。劇場全体が古いガジュマルの大木の幹に覆われている感じ。そして舞台中央にはめちゃくちゃリアルな沖縄の平屋。転換の時にはその家が舞台のつらから奥へと水平移動します。それがまたさりげないの!く~っスゴイっっ!!
舞台は1972年の沖縄本島のとある民家。沖縄が日本に返還された日から半年間ほどのお話。子供達の夏休みや思春期の悩み、大人の純愛などが静かに、ほがらかに描かれるなかに、沢山の重たいトピックが織り交ぜられていました。
○米軍と沖縄民間人との関係
○沖縄が日本に返還されてからの生活の変化
○原爆被爆者の後遺症と、被爆者差別
○日本人とは区別された韓国人被爆者と沖縄人被爆者の待遇
○現在の在日韓国人差別問題
など。
キジムナーとは、ガジュマルの樹に住むと言われる沖縄の子供の妖精です。その民話と被爆者のエピソードをダブらせながら、美しく、悲しく物語は進みます。
脚本は坂手洋治さんの書き下ろしです。栗山民也さんと「黒い雨」を劇化しようと話していたところ、新作になったそうです。坂手さんといえば劇団「燐光群(りんこうぐん)」の作・演出家で、1999年に「天皇と接吻」で第7回読売演劇大賞の最優秀演出家賞と優秀作品賞を受賞されています。
こういう作品を国立劇場で上演することが本当にすばらしいと思います。爆弾がどうだとか、戦争がどうだとか、そういうことじゃないんです。その時、人間はどうなったか。どう思ったか。そして、どうしたか。
いつか、私の子供が中学生ぐらいになった時に、ぜひ観て欲しいと思いました。
新国立劇場 : http://www.nntt.jac.go.jp
2001年02月13日
花組芝居『かぶき座の怪人』02/13-25全労災ホール/スペース・ゼロ
初日、拝見してまいりました~。私、花組芝居初めてだったんです♪男優のみの劇団で、歌舞伎をもとにした作品など多く上演されてます。本格的です。
・・・・すごかった。新感線か、花組か、って感じですね。舞台も衣装も照明も豪華絢爛でした。歌舞伎(と呼んでおきます)もすごい。
座長の加納幸和さんは、他の劇団やプロデュース公演に客演されるのをよく拝見していたのですが、やっぱりご自分の劇団の本公演が一番なんだろうなーと思いました。水を得た魚って感じ。ものすごく女性らしかった、というか、女性にしか見えなかった。あ~・・・思い出すだけで切なくなってくる!!
私のお気に入りはグローブ座・カンパニー「十二夜」「リア王」ですごく素敵だった植本潤さん♪やっぱり超キュートでお上手でした。
桂憲一さんは、ラッパ屋「ヒゲとボイン」や泪目銀座「夢から覚めても」の時とは全然違うイメージで、すごくセクシーでした。ファンになっちゃったっ。
今回は再演なんだそうですが、脚本が大幅改定。3時間の大作です。なんと、泪目銀座の作・演出家の福島三郎さんと加納さんの合作なんです!もー・・・福島さんにまたまたホロリとさせられてしまいました。
とってもよくできた脚本と芸のしっかりした役者さん、妥協の無い衣装、舞台装置、小道具。こりゃ無敵ですな。
花組芝居 : http://www.hanagumi.ne.jp/
2001年02月10日
アラン・エイクボーン作『パパに乾杯!』02/06-11博品館劇場
日本では3度目の再演になります。私は2度目♪
若いカップルと壮年夫婦の4人芝居。めちゃくちゃ笑えるラブコメです。4人の登場人物の個性がとっても巧く表現されたお芝居なんですよね。とにかく脚本がすごい!誰でも、2度目でも、思いっきり笑えます!!
またまた佐藤オリエさんが笑わせてくださいまいした♪上手いんだよな~。
パパ(フィリップ)役の木場勝巳さんのダイナミックにトボけた演技が最高。
元・光GENJIの山本淳一さん、残念ながらつらかったですぅ。前回の大沢健さんがめちゃくちゃハマリ役だったので、ちょっと痛かったですね。
渡辺めぐみさん、スタイル最高。豊かな巻き髪がうらやましい。雰囲気がぴったり。
もし4度目の再演があったら・・・・行きます!
出演:佐藤オリエ、木場勝巳、渡辺めぐみ、山本淳一
作:アラン・エイクボーン 演出:山田和也
銀座博品館劇場 : http://www.hakuhinkan.co.jp/theater/index.htm
2001年02月09日
高島政信・七瀬なつみ主演『コミック・ポテンシャル』02/05-21ル テアトル銀座
英国の喜劇作家アラン・エイクボーン氏の新作です。私は「パパに乾杯!」(今度で日本再演3回目)と「恋の三重奏」を観たのですが、どちらとも上質のラブコメで、とにかく笑えるしホロリとさせくれました。
今回は近未来のTV局を舞台にした、脚本家志望のお坊ちゃまと女優ロボットの純愛ドタバタ。残念ながら作品としてはそんなに面白くなかったのですが、ロボット役の七瀬なつみさんがめちゃくちゃ可愛らしかった!!
彼女自身は34歳でいらっしゃるのですが、役柄は20歳にプログラムされた女優ロボット。いろんなセリフがインプットされているという設定なので、いきなり姐さん言葉になったりお婆さんになったり変幻自在。コロコロと演技が切り替わるのが見事でした。あと、スタイルが抜群なんだよなー。
去年の新国立劇場・中劇場での「欲望という名の電車」ではかなりハードなラブシーンとかもさらりとこなしていらっしゃいました。TVドラマでは「ぽっかぽか1、2、3」や「ナースな探偵1、2、3」。CFではミツカン「五目ちらし」に出演されているそうです。
2001年02月05日
NODA MAP スペシャル・ステージ『2001人芝居』02/03-28スパイラル・ホール
野田秀樹さんの一人芝居。タイトルは「にせんひとりしばい」と読むそうです。
野田さんに触れた。
そう。
彼に直接触った感じでした。
芝居とかステージとかライブとか、そういう枠組みではとらえられなかったです。
「面白かった」とか「感動した」とか、そういう感想じゃないんです。
今の、この瞬間の、野田秀樹さんを目撃し、彼の発するベクトルを感じました。
まっすぐにプラス思考なオヤジ。素晴らしかった。
演劇界の「大御所」のように言われて実際にそのように扱われることに対して、野田さん自身あまりいい気持ちはしていらっしゃないのでは、と勝手に想像しているのですが、そうされても仕方ないだろうと思える立派な人物でした。
出会えたことに感謝。私もがんばろう。