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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2001年03月14日

佐藤しのぶソプラノ・リサイタル『人間の声』03/13東京オペラシティー・コンサートホール

 世界にはばたく日本のソプラノ歌姫、佐藤しのぶさんのコンサートです。

 佐藤しのぶさんと1台のピアノで贈る『フランス音楽の夕べ』ということで、第1部ではフランスを代表するフォーレ、ドビュッシー、グノーの歌曲(オペラ曲含む)、第2部ではF・プーランク作曲、ジャン・コクトー作詞のモノ・オペラ(一人歌劇)『人間の声』でした。

 歌。 最高でした。彼女の声って、ソプラノでも柔らかくて厚みがある方だと思うんですよね。高い音もキンキンしないでソフトに暖かく聞こえる。優しく包んでくれる。

 『人間の声』というオペラは「5年間一緒に暮らしていた男に捨てられて3日目の女」の話なんです。それだけでつらい。なのにストーリー自体がほぼ全て電話での対話、それも女の声だけ(つまり男の声はセリフになってない)で進むからもっとツライ。キレそうな女。実は既にキレていて、自殺未遂も図っていて・・・・。
 「今となっては電話だけが二人をつないでいるの。」
 「あなたが不器用で私を愛している人でよかった。もし器用で私を愛していない人だったなら、電話は最高の武器になるわ。・・・。意地悪?ごめんなさい!そんなつもりじゃなかったのよ!」
 100年前の作品なのに、今とちっとも変わらない。恋は同じなのね。電話も。携帯も。

 衣装も素晴らしかった!第1部は音楽がロマン派、作詞がP・ヴェルレーヌ、ビュシーヌ、という耽美派系で、薄く曇った水色のドレスにおそろいの刺繍入りショールを羽織って清純・知的な美少女風。第2部では打って変わってストーンとまっすぐ床に落ちるスマートな黒のビカビカのドレス。ラメ入りの黒地にピンクと緑のあでやかな扇子のパターンが沢山、こぼれるような輝きで、その上にはおなじみの栗色の豊かな髪が腰の辺りまで。眉間まで香り立つほどの色香と艶っぽさに女の私もノックアウトでした。

 そして予期せぬアンコール曲、ビゼー(フランス人)作・オペラ「カルメン」の『ハバネラ』!真っ赤な無地のロングドレスに真っ黒の巨大なコサージュ。満場の拍手、ブラボーの嵐。もー・・・スターなんですよね・・・・。

 この日の模様は、4月5日(木)NHK BS2で朝8:05~9:00に放送されます。

※レビューをアップしたのは2013年11月29日です。

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 2001年03月14日 15:22 | TrackBack (0)