アタクシ大ファンのひょうご舞台芸術の第23回公演です。・・・・・・やっぱり間違いないよっ!私はココが現代演劇で日本一だと思う!!(←勝手にはしゃぎすぎ)
パンフレットを開くと1枚の小さなチラシが挟み込んでありました。「本作品が、2001年ピュリッツァ賞、トニー賞最優秀作品賞を受賞いたしました。」・・・すごいですよね。受賞する前に見つけてきて、日本語に訳して、既に上演しているんですから!
シカゴ大学の数学教授である父親(内田稔)とその娘2人(姉:秋山菜津子、妹:寺島しのぶ)、そして教授の弟子の青年(田中実)の4人芝居です。登場するのはその4人だけなのですが、他にももっと沢山の俳優が出ていたように感じました。それだけ物語に奥行きとリアリティーがあったのだと思います。
否応なしに受け継いでしまう才能と性格。それに助けられ、苛まれる子供。自分の子供に無条件に期待してしまう親。
人は「あなたのために」「よかれと思って」おせっかいをして人を傷つける。愛している気持ちは本物なのに。でも、それを伝えなければいけないんです。伝わったとき(お互いが伝わったと思ったとき)、そこには愛とそれ以上のものが生まれるのだと思います。
各シーンの間には長い暗転がありました。暗転の間に前のシーンのことを思い起こして柔らかい音楽と共にその世界に浸り、そして自分の現実世界を想い、涙が流れました。隣りに座っている人と泣くポイントが一緒だったのが可笑しかったです。
田中実さんってTVでしか拝見したことがなかったのですが元・無名塾の方なんですね。さすがに演技がお上手です。彼が出てきただけで舞台が輝いていました。爽やかで、すがすがしくって、温かいオーラで。何度も彼の「殺し文句」に殺されました(笑)。
寺島さんと田中さんのラブシーンは、観ている方が本気でトキめいてしまいました。あー恋って素晴らしい!!・・・な~んてしみじみ思う自分に笑えましたが(笑)。
舞台美術・照明・音響は今回は比較的地味めだった気がします。脇に徹して物語を際立たせた感じ。気付かないぐらい自然に、上品に。
終始ご機嫌だった私ですが、帰り道には自分のふがいなさに泣けてきました。すごすぎる・・・・こんなの作るなんて!今、そこで、一緒の空気を吸っている日本人が!!
初日、空席いっぱいありました。ぜひぜひ足を運んでいただきたいです。
"proof"
紀伊国屋サザンシアター:http://www.kinokuniya.co.jp/05f/d_01/hall/hall01.html