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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2001年06月13日

加藤健一事務所『セイムタイム・ネクストイヤー』06/01-17本多劇場

 加藤健一事務所、初観劇です。 ウェルメイドなコメディーを加藤健一さん主演でやる劇団だと勝手に認識していたのですが、ほんとにそんな感じでした。お弟子さん、というか、加藤健一事務所に所属する若い役者さん達がロビーで受付業務を元気一杯やっておられて、なんとなく懐かしい気分。

 この「セイムタイム・ネクストイヤー」はそのタイトルの意味どおり、一年に一度、毎年同じ日に逢瀬を重ねる不倫カップルの25年間のお話。舞台は1951~75年のアメリカはカリフォルニア州の海辺のコテージ。16年前の初演から今回で4度目の再演となる人気作品で、ずっと加藤健一さんと高畑淳子さんのコンビだそうです。

 最初はいわゆる罪悪感というものに苛まれる普通のあつあつ不倫カップルだったのですが、年月が重なるほどに、お互い変化し合い、受け入れ合い、無二の親友となっていきます。移り変わる時代と環境、変わりゆく人の心。それぞれが切り取られてコラージュされ、各場面ごとに全然違う二人のコミュニケーションが成されますが、変わらないのは二人がお互いを必要としていて、お互いに求めて合っていること。そしてそれを素直に受け入れて、正直に表現すること。

 青年座所属の売れっ子演出家である宮田慶子さんの演出はふとした仕草や間(ま)などで笑わせてくれるし、泣かせてくれるように思います。

 それにしても加藤さんも高畑さんも素晴らしい役者さんだなー。役者という職業についてちょっぴり考えさせられました。

 前半70分、後半60分の長いお芝居でしたが、全然退屈しませんでした。

加藤健一事務所 : http://homepage2.nifty.com/katoken/

Posted by shinobu at 2001年06月13日 23:02 | TrackBack (0)