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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2001年06月18日

松竹六月公演『蜘蛛巣城』新橋演舞場06/04-28

 シェイクスピアの「マクベス」が基となっている黒澤明監督の映画「蜘蛛巣城」の舞台化です。

 鷲津武時(わしづ・たけとき)役に中村吉右衛門さん、その妻・浅茅(あさじ)役に麻実れいさん。つまり、吉右衛門マクベスと麻実マクベス夫人という超豪華キャストです。

 ストーリーや登場人物が少々変わっていましたね。原作よりも日本的な無常観やわびしさ、虚しさが増していた気がします。マクベス夫人の妹、なんていう登場人物も効果的でした。

 大殿様(ダンカン王)を殺す決意をして実際に殺しに行くシーンは「マクベス」で何度も観ているのですが、初めてそのシーンで泣けてきました。殿の寝間へと向かって静かにふすまを開いていく2人の所作がどうしようもなく悲しく、美しく映ったからだと思います。人間の弱さとそれゆえの罪。永遠のテーマだなー・・・。

 演舞場の舞台セットってハリボテっぽいのが多い気がするのですが、今回もやはりそうでした。場ごとにセットが変わるから軽くする必要があるのかもしれませんが、でもちょっと心もとなすぎたかな。大きな木の門が開く時にゆらゆら揺れたりするとねー。

 麻実さん、めちゃくちゃ大和撫子でしたー・・・。可憐でかよわい、しかし強い意志を兼ね備えた良妻賢母的イメージ。宝塚の男役をしていたなんて想像できないほどの女らしさでした。やっぱり凄い人だ。

 ダンカン王のバカ息子役の茂山宗彦(しげやま・むねひこ)さんがとてもキュートでした。『花形狂言少年隊』の一員?(笑)。会場中の笑いを彼一人でかっさらってました。

 物の怪(もののけ)の老婆役でピーターさんが出ていらしたのですが、池端慎之介というお名前なんですね。

松竹ホームページ : http://www.shochiku.co.jp/

Posted by shinobu at 2001年06月18日 01:53 | TrackBack (0)