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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2001年07月08日

TSミュージカルファンデーション『天翔ける風に』07/17-24シアターアプル

 謝珠栄(しゃ・たまえ)さん構成・演出・振付、野田秀樹さん原作(『贋作・罪と罰』)のミュージカルでした。

 福井貴一(ふくい・きいち)さん目当てでチケットを取っただけだったので、どういう作品なのか全く知らず、そして全く期待せずに行ったら、豪華キャストだわ、シアターアプル満員だわ、カーテンコール5回やるわ・・・・。そして、すっごく良かったんです!!そうそう、ミュージカルってこういうのだったはず!楽しくってわくわくドキドキして、うっとりして・・・。

 そもそも謝さんは宝塚の男役トップスターだった方で、演出家としてデビューしてからは夢の遊眠社の振付を担当してらしたそうです。だから野田さんが脚本を提供したんですね。その野田さん、観に来てらっしゃいました。(小柄でびっくり。)

 群舞っていうのかな・・・アンサンブルっていうのでしょうか(どなたか教えてください。)沢山で踊るシーンがすごくいいんです。これを「振付」というんですね!複数の人が全く同じ動きをするのはすごく難しいけれど、ある部分だけピタっと静止することで動きがそろっているように見えるんです。かなりハードなステップやジャンプの合間に一瞬の静寂。そのテクニックというか、振付、いや、演出ですねー・・・。謝さん、すごいです。感動です。

 主要な役は8人で、後は群衆役などが男女あわせて12人だったのですが、その群衆が良かった。一人一人が立ってるんです。顔も良いしすごく生き生きしてる。なんか頑張って光っている人たちがいるだけで嬉しくなりました。これも演出の力だと思います。

 主役は宝塚の香寿たつき(こうじゅ・たつき)さん。大竹しのぶさんがやってた役です。凛々しい女塾生が好きな男の前で号泣するところが良かった。もちろん歌もダンスも抜群です。美人だし。ただ、なぜかラストは大竹さんそっくりで、ちょっとがっかり。

 福井貴一さん、かっこ良かった~っ。悪者役、初めて観ました。ステキ♪ミュージカルづいているようですが、ぜひぜひストレート・プレイで拝見したいです。

 ダメなお父さん役の石原慎一さん、近所の幼稚園のコンサートで見た人だ!と気づいてびびりました。こんなに有名なスターさんだったとは・・・ごめんなさい。

 ミュージカル独特の「しゃべったと思ったら突然歌いだしたっ!」という不自然さはもちろんありますが、「それはそれ」と準備して観られれば、かなり上質の作品だと思います。又、私は『贋作・罪と罰』を観てないから、より楽しめたのかもしれません。

Posted by shinobu at 2001年07月08日 17:00 | TrackBack (0)