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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2002年05月27日

ひょうご舞台芸術『ロンサム・ウェスト』世田谷パブリックシアター05/10-19

 正式なタイトルは『ロンサム・ウェスト~神の忘れたまいし土地~』です。

 ひょうご舞台芸術ならではの正統派で上質な翻訳劇ですね。でも、ちょっと陰気すぎたかな~。陰気を狙うならそれを小気味良い毒だと思えるほどあっけらかんと笑わせて欲しかったです。

 いがみあう兄弟のお話。その度を超えた態度や言動があまりにバカバカしくって笑える、というものなんですがちょっと苦しめでしたね。前半は特に笑えなかった。つらかった。

 神父さんが空からブランコで降りてくる演出はすばらしい!長セリフにも泣けました。こういうところがさすがだと思うんです。

 辻萬長さん。これまたさすがでした~。でも、あまりにイヤな奴さがリアルすぎて・・・(笑)。好きになれなかったな~。下品さも底抜けだし。

 小島聖さん。彼女、抜群のプロポーションなんですよね。おっぱいがおっきくて足が思いっきり長くて細い。だからでしょうが下品でセクシーな役が多いですよね。いつももったいないと感じます。もっと狙いを絞ったエロスにすればすごく輝くと思うんだけど・・・。
 去年の松尾スズキ演出「悪霊」での演技(というより存在)が一番良かったな~。次は阿佐ヶ谷スパダイース「ポルノ」ですが、長塚圭史演出での彼女、楽しみですよね。

"The Lonesome West" by Martin McDonagh
作=マーティン・マクドナー 翻訳=鴇澤麻由子 演出=鵜山仁 美術=島次郎 照明=勝柴次朗 音響=望月勲 衣裳=前田文子 ヘアメイク=林裕子 舞台監督=北条孝 プロデューサー=中谷友和 三崎力 芸術監督=山崎正和 
出演=辻萬長 磯部勉 小島聖 横堀悦夫
世田谷パブリックシアター内:http://www.setagaya-ac.or.jp/sept/jouhou/2-6-1-69.html

Posted by shinobu at 22:05 | TrackBack

2002年05月23日

サードステージ『幽霊はここにいる』紀伊国屋サザンシアター05/09-06/01

 第三舞台『ファントム・ペイン』がちょっと困ったチャン作品だったので私、ちょっと迷ったんですけどね、北村有起哉さん目当てでチケットを取りました。

 えんげきのページの一行レビューでかなり不評だったのでそれを覚悟して行って良かったです。残念ながらお芝居の中に入って行けたのはほんの一瞬。しかもセリフ一言と一所作のみ(もち有起哉さんの♪)。

 とりあえず、全体的に、その・・・・・・。
    ダサイんですよね。
 ・・・・あっ、ご、ご、ごめんなさいっっ!
 一言でバッサリ・・・・我ながらひどいもんです。すみません。

 第三舞台の80年代っぽさがそのまま選曲と歌、そして踊りに出ているのはカラーだとしても、今は2000年代なんだからパロディーとしてやるならまだしも本気でやっちゃってる。そして演技と台詞回しの生っぽさが、いかにも内輪のお客様向け。客席のわざとらしい笑いも気になりました。

 ハイレグジーザスの中坪さんがまさに「ハイレグ!」という役なのも安直だし、オーディションで受かった新人役者さんたちを存分に出しているのは若手育成に貢献していると言えるかもしれませんが、ヘタな演技は単に邪魔なことも・・・。

 お話は鴻上さんらしい主張や思想が感じられず、普通のエンターテイメント。(阿部公房さん作です。本で読むと全然違うかもしれませんよね。)

 衣装はけっこう好きでした。レインコートとかイケてると思いました。でも舞台装置はねー・・・壊れそうで不安でした。照明はところどころ綺麗だし効果的でしたが、別に取り上げるほどでもないんですよね。オープニングの映像にはちょっとびっくり。映像で始まるお芝居って本当によくあるんですがあそこまでバリっと大々的なのは初めてでした。

 う~ん・・・・鴻上さん、自分の立場をぐっと客観的に考えて、演劇界の若者のために人肌脱いでくれてるのかな。でも、ただの観客にとっては、それはちょっと寂しいんじゃないでしょうか・・・。

サードステージHP : http://www.thirdstage.com/

Posted by shinobu at 23:34 | TrackBack

2002年05月21日

JACROW『BAD TRIP』大塚ジェルスホール04/18-21

 JACROW(ジャクロウ)は中村暢明さん主宰するプロデュース・ユニットです。今回は、私が制作を務めるRel-ayの公演に出演してくださった役者さんたちが沢山出演されていました。スタッフも重なっててですね~、ほとんど身内ばかりな感じ。

 でも・・・・・ひいき目なしに面白かった!!

 ヤクザと警察、芸能プロダクションがらみの“ヤク”の取引。ありがちな題材ですが、なんともコミカルで一人一人のキャラクターが生き生きしていて、ドキドキわくわく笑って過ごせる1時間強。楽しかった~っ。ワルい男どもがかっちょ良かったっっ。

 西村晋介さん。エロ抑え気味でセクシーでした。どんどんと光ってくる感じ。
 桜井昭博さん。『千と千尋の神隠し』の“顔なし”の芸は絶品。
 長井教行さん。きびきびとした体の動きと台詞回しが良いですね。優しいキャラも観たい。
 吉永隆之さん。スーツの着こなしがさすが。アドリブ良かったです。
 牧村祐さん。『太陽にほえろ』キャラで輝いてました。
 コジマコウジさん。キュート。おそらくトラブルが発生していたんですが、完璧に処理。本番に強いですね~。

 思い出してみると全員はまり役でした~。男ばっかりで芝居を作ると、遠慮とか気遣いとかが無くって良いのかもしれませんね。
 中村さん曰く「JACROW過去3作品の中で最もマイルドな作品」だそうですが、今までの中で最も完成度の高い作品だったんじゃないでしょうか。

 CD販売や当日パンフレットも嬉しかったです。お得な公演でした。

JACROWのHP : http://www.jacrow.com
ニバイハンのHP : http://www.nibaihan.com/

Posted by shinobu at 21:51 | TrackBack

2002年05月04日

むっちりみえっぱり『その男 浮く』05/03-06王子小劇場

 独自の色を出す女の子6人組。何でも全員で話し合って決めているとか。私が制作をつとめておりますRel-ay(リレイ)と関係があって仲良くさせていただいております。

 面白い!!
 力の抜き加減、入れ加減がめちゃくちゃ独特!
 いったいなぜに蜷川幸雄?! でも爆笑!!!

 オープニングの爆発感ってばも~っ、あれはすごい狙いだと思います。若い頃の蜷川幸雄役と、年取ってからの蜷川幸雄役のものすごいギャップも。70年代アングラ劇団の座長とその劇団員とのやり取りなんて、激シュール。80年代ヒット曲とそのフィーバー振り等もちゃんとむっちり風に盛り込んでました。

 そして細かいところのこだわりのすごいこと。例えば平幹二郎・主演の「大塩平八郎」のポスター(なんで大塩!?)。新国立劇場のマークがデカデカとついてました。ちゃんと衣装着てメイクして撮影して、立派なカラー・ポスターを作ってるんですよね。

 最後、蜷川さんがなぜかフッラフッラ踊るんですが、あれが『浮く』ってこと?脱力感がたまりまへん。

 実はすごく主張もしているんですよね。
 「貴族なんてなってんじゃねーよっ、俺っっ!」

むっちりみえっぱり : http://hello.to/mucchiri_mieppari/


≪ひとことモノローグより≫

 むっちりみえっぱり『その男 浮く』05/03-06王子小劇場
 update: 2002.05.04 (Sat)

 ・・・スゴかった・・・・。

 めくるめく濃厚むっちり味の蜷川幸雄(!?)芝居。
 重箱の隅的こだわり。
 超独特のサービス精神。
 あぁ・・・まだまぶたと体に沁みついています。
 私はあのオープニングだけで大満足ですっ。

 GWの激渋スパイスに、いっちょ王子まで行っちゃって下さい!
 1500円という料金も新しい・・・。

Posted by shinobu at 04:53 | TrackBack