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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2002年11月07日

こまつ座『雨』10/27-11/08紀伊國屋ホール

 『雨』は1976年初演で今回で8演目。井上ひさしさんの傑作戯曲の一つです。女優の三田和代さん目当てで当日券をGETしました。辻萬長(つじ・かずなが)さんも好きなんですけど。

 紀伊国屋ホールの一番前の席なんて初体験。すんごい迫力でした。また当日を狙おうかな。

 舞台は江戸時代の今でいう山形県のあたり。拾い乞食のトク(辻萬長)は、ある雨の日に紅屋喜左衛門という紅花作りの名人と間違えられる。喜左衛門には美しいオタカという妻がいるそうな。トクはまんまと喜左衛門になりすまそうと企んで・・・という筋書きで始まるちょっとHな時代ものサスペンス。

 でもね、先が読めちゃったんですぅ・・・だからサスペンスとしては楽しめませんでした。
最初っから期待しすぎてたからかな。前売り完売だったし。
 いわゆる井上戯曲でした。歌あり踊りあり、愛あり恋あり、主張あり。トクが人をどんどん殺していく様が怖かった。辻さんの早替え見事でしたね。一番前の席だと仕掛けがわかっちゃって残念でした。幕が開くなり雨の演出。気持ちよかったです。でも何度もだと飽きちゃう。

 三田和代さんにお会いできただけで天にも上る気持ちでした。彼女が演じるのはオタカ。そう、絶世の美女役。登場するなり思いっきり訛った山形弁を美しい声でとどろかせて、観客の笑いを独り占め。その立ち姿、表情、潤んで輝く瞳、聞く人全ての心を癒してくれる声。涙なしには見つめられません。なんでこんな素晴らしい女性がこの世にいるんだろう。神様は日本を見捨ててないよっ!

 当日券に並んでいる人にイスを用意してくれました。こまつ座さん、ご親切をありがとうございました。

紀伊国屋書店 : http://www.kinokuniya.co.jp/

Posted by shinobu at 2002年11月07日 20:09 | TrackBack (0)