2002年08月26日
蜷川幸雄 演出『夏の夜の夢』08/16-09/1シアターコクーン
ご存知シェイクスピアの『夏の夜の夢』です。
1994年の初演から何度となく再演されている名作だそうです。
私にとって蜷川演出ってかなりの当たりはずれがあるのでチケット入手に勇気がいるんですが、今回は松田洋治さん目当てでチケットを取りました。
も~・・・・・当たり!超大当たりでした!!
もうちょっとでスタンディングオベーションしそうでした。
一言で言うと、和風な演出なんですよね。まず舞台が石庭。そう。あの岩石がぽつぽつ置いてある砂の庭です。豪華で艶やかだけれどどこか暗闇のイメージを髣髴させる和風の衣装をまとって妖精の王(平幹二朗)と女王(白石加代子)が高笑いをしながら舞台の底から歩み出てきます。人間以外の生き物が棲まう深い森のイメージが劇場を支配し、すっかり気分は樹海でした。妖精パックが無言の踊り手でセリフは舞台下手で弁士(松田洋治さん)がしゃべります。舞台の穴から何人もそのパックが出てくるところもわくわく感増大。
妖精界の外の人間世界の演出もお楽しみ満載でした。ハーミア、ライサンダー、ヘレナ、ディミートリアスの四角関係は若々しくてアクティブ。大笑いでした。
また、海外公演でも評判だったのが道化の人たちの登場シーン。焼きそば屋台にバイクと自転車でかけつけるんです。これはすごい。やっちゃった演出が成功しています。役者さんがまた上手なんですよね~。劇中劇のシーンであんなに笑えたのは初めてでした。
サービス過剰なシェイクスピア和風お祭り芝居。ぜひぜひ1度は体験して欲しい。お薦めです。