青年座劇場で行われた講義です。
ステージワーク・シミュレーションはもう4度目なんですね。私は今回が初めての受講です。
前田文子さんの衣裳、大好きなんですよ。宮田さんも大ファンだし。
青年座 : http://www.seinenza.com/
まず前田さんがきれい。おしゃれだし、美人。目に嬉しい。語り口も好き。講義の最後の方ではどんどんと本音(グチ)が出てきてすごく親しみが湧きました(笑)。休憩を挟んで合計およそ4時間ありましたが、勉強になりましたし楽しかったです。
受講者のほとんどは衣裳づくりを将来やって行きたいと考えている若者ばかりでした。皆さんの真剣なまなざしに、演劇スタッフ界の将来は暗くないんだなーと頼もしい気持ちになりました。
■講師 前田文子(まえだ・あやこ) 衣裳プランナー。
1995年伊藤熹朔新人賞、2002年読売演劇大賞スタッフ賞優秀賞を受賞。
1995年に文化庁派遣芸術家在外研修員としてイギリス留学。
■司会 宮田慶子(みやた・けいこ) 演出家。
1994年『MOTHER』で第29回紀伊国屋演劇賞個人賞、
1997年『フユヒコ』で第5回読売演劇大賞優秀演出家賞、芸術選奨文部大臣新人賞、
2001年『赤シャツ』『悔しい女』『サラ』『セイムタイム・ネクストイヤー』で平成13年度毎日芸術賞千田是也賞、第9回読売演劇大賞最優秀演出家賞を受賞。
【前田さんの本音トーク】
衣裳に一番大切なのは質感である。質感がデザインの90%を決める。
インドシルク・シャンタンが私の大好きな生地。
西洋の服のポイントはウエスト。胸とお尻を大きくしてウエストを細く見せるのが基本。
西洋の服は立体造型である。和服は平面。
時代物を作る場合はシルエットと質感だけを残して、後は自分でデザインする。
クラシックと現代が交わって新しいものが生まれる。根ざしているものが必要。
小劇場で好き勝手にやっていた。今思えば自由だった。勢い、パワーがあった。
皆さんに言いたいのは「発想は自由なんだ」ということ。
知ればいくらでも広がる。しかし、なんとなく狭くなる部分もある。
しかしながら言葉を知らなければ詩を書けないのと同じように、方法を知らなければ表現はできない。
だから私はテクニック、知識があった中で自分を操作していきたい。
お芝居を見た後に「面白かった」「つまらなかった」「よかった」「好きでした」とか感想を言われる事があるけれど「ほっといてください!」って思う。どんなお芝居でも賛否両論。人それぞれの感想があるのだから。
毎回、自分にとっての目的を設定する。(例:「アールヌーボーでやるぞ。」とか)
その目的をみんなと共有していくことが幸せ。そういう仲間達と仕事をやっていきたい。
スタイルを持たないのが私のスタイル。でも、尻尾は出ちゃうぞ、みたいな(笑)。
演劇の一つの要素であること。ケース・バイ・ケースにできること。
演出作業の一部になっていること。そういうのが私の今のスタイル。
宮田「その”尻尾”が何よりも大切なんです。そこが前田さんとやりたい理由。」
※もっともっと沢山お話をいただいたのですが(これの5倍ぐらいの量)WEB上に載せるのはここまでにさせていただきます。しのぶ
Posted by shinobu at 2003年01月05日 18:05