天然ロボットは湯澤幸一郎さん主宰の劇団です。湯澤さんというとカウンター・テナーの歌声をお持ちのひと癖もふた癖もある俳優さん。宮田慶子 演出『エレファントマン』での美声と麗しい女装姿が記憶に新しいです。チラシを見るからに、かなりコアなデカダン・ムード。ちょっと怖いもの見たさの心持ちで劇場にたどりつきました。
面白かった!わくわくした!うっとりした!ある猟奇殺人事件を題材にしっかりと作り込まれた推理モノなんですよ。ギドーの原作を現代の日本を舞台に置き換えて湯澤さんが脚色・演出されています。倒錯した性的嗜好と美少女退廃エロスを耽美に描き、そこに大人のウィットと軽快なギャグを適度に注ぎ込んで、不思議な統一感のある作品になっていました。湯澤さんテイストってこういうことなのでしょうか。一歩間違うと悪趣味なだけになりがちの題材ですが、しっかりした世界観でコントロールされていたので、完全に心を預けて観ていられました。
マッチ売り(?)の少女からマッチを買うシーン。ものすごくエロティックでした。ベビードール風の濃紺のワンピースのすそから見えるペチコートの白いレース。そしてその下ではガーターベルト用のストッキングが太ももを締め付けています。
「絶対に触っちゃだめよ。」
絶妙のチラリズムが芳しく危険な色香を放って観客の目をくぎづけにするんですね。さらに、それを成立させたのは湯澤さんの演技にほかなりません。
「やめて!触らないでって言ったでしょ」「白状したね」のやりとりには萌えました(赤面~っ)。
柔らかい動線を描いて伸びる手や足が、驚くほど力強い所作をとる。気高さにうっとりしてしまいます。
新谷真弓さん(NYLON100℃)。突き放した演技が魅力的でした。1つだけ残念だったのはヘア・メイクです。もうちょっとこだわって欲しかったな。初日だったからかもしれませんが。
湯澤幸一郎さん。かっこいいし美しい。高いようで太い声が胸に響きます。手が届きそうなほど近くで彼のHot&Coolな演技を味わえるこの機会を、ぜひ逃さないで欲しいです。
天然ロボット : http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Screen/7887/
≪ひとことモノローグより≫
◆ 『ホルマリンの少女』
update: 2003.02.19 (Wed)
湯澤幸一郎さんの劇団、天然ロボットを観に行ってまいりました。
面白かった!!
大人向けのロリータ・エロスと謎解きサスペンスです。
新谷真弓さん(NYLON100℃)、加藤直美さん(ベターポーヅ)出演。