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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2003年04月17日

3軒茶屋婦人会『ヴァニティーズ』04/16-23本多劇場

 篠井英介さんが出演されるので、何も考えないでG2プロデュースの先行予約でチケットGETしました。男3人芝居、しかも全員が女装するってことだけは知っていたんですが。

 アメリカの60年~70年代を舞台にしたウェルメイドの三幕ものコメディーでした。オフ・ブロードウェイでロングランされた作品なんですね。
 時代とともに、それぞれの経験とともに変わりゆく、3人の幼なじみの女たちの生き様を描き、思いっきり笑わせてくれて、そしてほろりと涙させてくれます。

 G2さんがこんな翻訳ものを演出されるなんて!そこがまず良い意味で予想外。そして本多劇場だってこともすごく新鮮。パルコ劇場とかでやりそうですもの。

 本気のチアガール姿の男たちが出てくる一幕目は、ただただ3人の男優さんたちの見事な変身振りに感心するばかり。
 二幕目になると1人1人がその女性自身に見えてきて、徐々に感情移入して行けました。
 三幕目では、3人のそれぞれの悲しみに共感を覚えて、苦しくなって涙がこぼれました。

 転換の時に可動式の美術を移動させながらみんなで着替えるのがすごく可愛かった。西洋演劇によくありますが、セリフの嵐です。セリフの上にまたセリフを重ねていきます。3人とも演技がお上手だし、男性だからというのもあると思うのですが、無邪気に堂々とされているのが面白い。繊細すぎない、神経質さがないおかげで、より内面的なことがクローズアップされるんですね。これは企画の勝利だと思います。

 『ヴァニティーズ』は英語でVanity(虚栄)の複数形です。いたしかたない虚栄の積み重ねが人間を苦しめていくんですよね。またそれが無意識に張っているものだから手のつけようがない(苦笑)。それに気づいて、それを受け入れて、生きていけたらなって思います。

 前売り完売ですが当日券が出ていますし、4/20に追加公演がありますよ。

 G2プロデュースHP : http://www.g2produce.com/

Posted by shinobu at 2003年04月17日 15:24 | TrackBack (0)