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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2003年05月02日

「水と油」プレゼンツ『子どもが主役のマイム・パフォーマンス“胡桃の中”』05/11アサヒスクエアA

 去年、朝日舞台芸術賞 寺山修司賞、キリンダンスサポートを受賞したダンス・カンパニー「水と油」。エジンバラのフェスティバルでも日本人で初めて賞を取っていて、グローバルに評価されている男3人・女1人の4人組です。

 小学校4年生と5年生の男女7人と、水と油の3人とのマイム・パフォーマンス。子供のピアノやバレエの発表会のような、初々しい40分間でした。その後のトークは観ずに帰りました。

 突然、体が大きくなってしまった(小さくなってしまった)男。飛行機、カフェ、鏡、など。小学生の素朴な動きと水と油メンバーの優しい視線に胸が熱くなりました。大人と子供のからだの大きさの違いと遠近感を巧く使って、コミカルかつシックに見せたオープニングには感動。常に子供を主役に見せる構成になっているのがとにかく気持ちいい。

 衣装がいいですね~。色使いや形がフランス風です。男の子はシャツにネクタイ、女の子はワンピース。男の子達の真っ黒のコートがそれぞれ型違いで渋い!音楽も選曲もすっごく良かった。空間とマッチしていました。映画「ハリー・ポッター」のBGMがあった気がしたのですが(間違ってたらすみません)、それもすごくウキウキしました。

 アサヒスクエアAというホールは、あの黄色い雲(?)のオブジェが乗っかったヘンテコな形の黒いビルの中にありました。エレベーターがすごかった!ドアの取っ手がすごかった!トイレがすごかった!こんなところで発表会なんて。凄い。でもやっぱり千川小学校で観たかったかも。そもそも学校の体育館でやるイベントだったんですもの。こんな豪華なホールでやると趣旨自体が変わる気がします。再演してもらえて嬉しいんだけど。

 残念なことに受付、接客などの不手際が目立ちました。興行ではなく発表会的な催し物だったので、しょうがないかとも思いますが、やっぱりお金を取るんだし一般に宣伝もしているんだし、もう少ししっかりしてもらいたいですね。桟敷席はつらかったです。

 水と油の次の公演『急降下』は、世田谷パブリックシアターで8/21-24です。6/6(金)前売り開始。

 特定非営利活動法人 芸術家と子どもたち:http://members.tripod.co.jp/ASIAS/
 水と油 : http://www.mizutoabura.com/

Posted by shinobu at 2003年05月02日 00:22 | TrackBack (0)