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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2003年05月20日

燐光群『屋根裏』05/08-21梅が丘BOX

 去年、読売文学賞・紀伊國屋演劇賞・読売演劇大賞 最優秀演出家賞を受賞した作品です。作・演出は坂手洋二さん。先日の『マッチ売りの少女』@新国立劇場も衝撃的でした。

 面白かった!!わくわくどきどきした!!!狭くて暗い屋根裏から果てしない想像力の宇宙へと大冒険させてもらいました。小さな劇場でスシ詰めになりながら、みんな一緒に小さな舞台を覗き込んでいること自体が最高の醍醐味です。あぁ、何を書いてもネタバレになってしまう・・・・・!

 「屋根裏」キットが全国的に流通している、ごく近未来の東京。舞台上の小さな「屋根裏」が、学生の引きこもり部屋、監禁男の巣、雪山の避難所、江戸時代の民家の屋根裏、ホームレスの家、防空壕など、様々に姿を変えていきます。

 今までに私が観た燐光群の作品の中で一番笑えました。わははっ!って笑えます。ほんとに。「『屋根裏の散歩者』というと江戸川乱歩の作品です。そう、コナンのおじいちゃんです。」とかもアリでした。

 役者さんが皆さん、ものすごくセクシーでした。なぜなんだろう。お互い狭い箱(屋根裏のセットと、劇場)に詰め込まれて、身近に感じたから?いや、本当に密接だったんだと思います。私がその屋根裏の箱の中に一緒にいるように感じたからじゃないかな・・・。あの”屋根裏タイムマシン”に乗って、時代を超えて空間を越えて、一緒に旅したんだと思います。

 人がいっぱい同時に出てくるシーンはすごく燐光群っぽいですが、私は個人的にあんまり好みじゃないです。『ピカドン・キジムナー』、『マッチ売りの少女』@新国立の方が好み。それから、坂手さんの脚本の最後の締めはいつも「長い」とか「つらい」とか感じちゃうんですよね。説明になっちゃうから。オムニバスということにして、放ってくれてもいいんだけどな、と私は感じました。

 梅が丘BOXは久し振りでした。狭いくてつらい!しかも2時間以上ありました。でも、それでも、面白かったです。さすがです。お薦めです。

 “松葉杖の男”の人が前説をやってくださったのですが、最高に嬉しかったです。
 「お客様に窮屈な思いをさせてしまって、本当に申し訳ございません。万が一、天変地異などが起こった場合にはこの松葉杖の男が(自分を指差して)、責任を持って皆さんを安全な場所にご誘導いたしますので、どうぞご安心下さい!」

 これから行かれる方はぜひともチケットを予約して開場時刻までに行って、どうぞイス席をGETしてくださいね。明日(21日)までです!

燐光群 : http://www.alles.or.jp/~rinkogun/

Posted by shinobu at 2003年05月20日 01:17 | TrackBack (0)