壺会(つぼかい)の第4回公演。桐朋学園短期大学部芸術科演劇専攻だった内海詩野さんと高橋朋子さんの劇団です。今は劇団員が4名に増えたみたい。『蜜月』は「みつげつ」と読むようです。
面白かった!けど、長かった・・・・。
阿佐ヶ谷アートスペース・プロットじゃなくても、2時間半・休憩なしっていうのは無理ですね。
登場人物は女ばかり。あるお屋敷のお嬢様とその侍女たち。そこで年に一度開かれる夜会に訪れる友人達と、1人の予定外のお客様。「呪われた」部屋で熱く甘く語られる、女達1人1人の本当の気持ち。
脚本はかなり饒舌(じょうぜつ)です。耽美的なセリフを、捲くし立てるようにしゃべりまくります。言葉がフランス人っぽいんですよね。率直で情熱的で、投げっぱなし。直球でぶつかって来るようで、実は語尾で自己完結することが多いです。「私はこう思うの、貴方は間違っているわ!でも、別にいいけどっ、貴方は貴方だし。」みたいな感じ。
でもみんな、伝えたい、わかって欲しいと切望しています。精一杯強がりながら。それが女の子っぽくて可愛い。何度か泣きました。「自分はなんて醜いんだろう!」と気づいた秋吉(あきよし)役が良かった。
壺会といえば、私にとってはとにかく衣裳が目玉!センス抜群です。色彩感覚や型、全体のバランスが際立って良いです。衣裳だけで満足。退屈しません。舞台写真はこちら。
第2回公演『エトワール探偵団』は1960~70年代の西洋レトロな感じだったのですが、今回はアンティークきものを使って、全体的に大正時代の和風テイストでした。プリーツ・スカート、アクセサリー、靴とのコーディネートもとてもかっこ良かった。アレンジが巧いんですよね。
とにかく1時間30分に収める努力を見せて欲しいです。もったいない。そこに納まったら、もしかすると今年のしのぶの小劇場ベストテン入りは堅かったんじゃないかなー。
あと、細かいことなんですが言葉があまりに美しいので、たまに出てくる”ら抜き言葉”が気になりました。
キャスト=高橋朋子/内海詩野/山村亜希/高田あゆみ/高安智美/早川恵里子
作=高橋朋子 演出=壺会 美術=柿崎浩司 照明=加藤九美(F.STAFF.rise) 音響=曳野洋幸 美術制作=BAT crew 舞台監督=渡辺秀幸
版画=YO.U チラシデザイン=岡村一男 チケットデザイン=高橋聡子 制作=壺会
演劇集団壺会の公式ウェブサイト「壺帳」 : http://www1.odn.ne.jp/~cbu24420/