いちおし日本製シェイクスピア。毎回すごく楽しみにしていて、その期待を裏切らないカンパニーです。
今回も笑って泣いて、満足して劇場を後にできました。カーテンコールが3回。ブラボーの声も何度も掛かりました。
『シンベリン』はシェイクスピア作品の中でも「ロマンス劇」に属するとされる作品です。人間の能力を超える超自然的な力(神の力)が働いて、最後は大団円で終わるタイプ。『テンペスト』とかに似ているんですね。
たしかにラストがあまりにうまく納まり過ぎだと言えるかもしれませんが、私は気持ちよく受け止められました。実はラストがどうなろうと、あんまり気にならなかったというのが本音です。だって、そこにいたる過程が最高に楽しいし感動的なんですから。
演出は山崎清介さん。手拍子と黒マント、そしてシェイクスピア人形の腹話術。おなじみの構成もやっぱり面白いです。
誤解しあって憎みあい、お互いに行方知れずになってしまった夫婦が、あれよあれよと運命にもてあそばれながらも奇跡的にラストシーンで出会う展開はあまりにスマート!シンプルであることは美しきことかな。
いつもは脚色が田中浩司さんなのですが、今回はじめてそのお名前がありませんでした。山崎さんが両方やられたのかもしれませんね。そんなに違いは感じなかったのですがあえて挙げるとすると、いつもなら紙にたくさん書き留めるセリフがあったのに今回はなかったかも。
このカンパニーの作品を観ることが、子供にとって毎年の恒例行事になるといいなと思います。
子供のためのシェイクスピアカンパニー : http://homepage1.nifty.com/j-ishikawa/c-ro.html
Posted by shinobu at 2003年07月23日 20:50