シアター21は見逃さないようにしています。
「Three Days of Rain」は日本語に訳すと「3日続きの雨」。アメリカの戯曲です。
技術の有る役者さんとスタッフによる濃厚な3人芝居でした。どこをとっても上質で、安心して観られます。でも、ちょっと拍子抜けしちゃいましたね。思わせぶりなキャッチコピーでミステリーの要素を期待させるけれど、たいした秘密じゃなかったんだもの。
「3日続きの雨」とは、死んだ父親の日記の冒頭の文章です。たしかにあの日、雨が降っていなかったら二人は恋に落ちなかった。もう一人の彼は公園で未来の妻にばったり出会うこともなかったかもしれない。でも、そんなのは今も昔も変わらず日常茶飯事じゃないかなーって思います。わざわざミステリー・タッチのドラマチックな出来事としてあらわす必要がない気がします。
それに、その秘密が明かされることによって伝わってくるメッセージが少なすぎると思いました。観客にゆだねすぎって言うか。どうとでも取れる状態で放られたというか。それも意図かもしれませんが、私には物足りなかったなー。
堀尾幸男さんの美術。シンプルだけど細かいところにこだわりが感じられます。
小田島恒志さんの翻訳は、「超」とか「ぶっちゃけ」とか、遊び心が入ってて面白いです。
鵜山仁さんの演出ですが、「雨続きの3日間」に起こる”事件”の前触れとして二人がバクバクとサラダを食べるところの照明と音楽はさすがだなと思いました。でも、全体としてはちょっと地味すぎるかなー。眠くなっちゃった。
高橋和也さん。巧いです。技術がすごいなっていつも思います。ずっと追いかけたい俳優さんです。1幕ではちょっと変わった弟の役ですが、少しコミュニケーションが少なすぎる気がしました。
神野三鈴さん。あいかわらず妖精のように美しい方。セミヌードも披露。いやん。でも今回はナーバスすぎる気がします。涙流しすぎですよね。私は大ファンですが。
浅野雅博さん。コミカルで好感度大。すごく好きになってしまいました。こういうシリアスなお芝居には適度の笑いをはさむのが通ですよね♪
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Posted by shinobu at 2003年07月29日 22:14