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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2003年10月11日

サニーサイド ウォーカー『勝手にノスタルジー』10/10-12ART THEATER かもめ座

 サニーサイド ウォーカーは脚本家の辻野正樹さんと役者の成瀬優和さんとで立ち上げた演劇ユニット。成瀬さんはくろいぬパレードの二枚目役者さんでしたよね。旗揚げ公演です。

 「明日1日分の元気を」「散歩がてら、息抜きがてら」というのがユニットのキーワードだそうです。素敵ですよね。その言葉とおり、暖かいお芝居でした。

 司法浪人している若い男の子。突然自分のアパートに女装した3人の陽気な男たちがやってきた。刑務所から出所したばかりの友人のためにパーティーを開くと言う。勝手に入りこんできた彼等と当然言い合いになるが、あれよあれよという間に部屋に入り込まれて・・・。

 脚本が非常に早くから出来上がっていたと聞きました。なるほど納得でした。役者さん全員がすっかりそれぞれの役とフィットしていたから。本来は役者というのは当然そうでなければならないのですが、そうじゃない作品がほとんどなので(苦笑)そういう意味で完成度の高いお芝居だったと思います。

 脚本自体は展開の予想もつきやすいし、奇抜さが特にあるわけでもなかったです。ただ、そこ、ここに弱さと優しさがこぼれ落ちていました。素直でノーテンキで自然体の男の子たちを終始ほほえんで見つめていました。辻野正樹さんの演出のカラーなんでしょうか。また観たいですね。

 一人暮らしの6畳間が舞台なのですが、柱だけで壁がない状態。窮屈さを感じさせず良かったです。おかげで派手な照明もすっかり馴染んでいました。TVのコワイ話の時に一瞬、真っ青の照明になるのは楽しい。

 成瀬優和さん。正統派の二枚目ですねー。オトボケもお上手で。くろいぬパレードの中でも好きな俳優さんでしたし、これからのご活躍が楽しみです。
 川上冠仁さん(Attic Theater)。純真無垢で素直な男の子のキャラ、ぴったりですよね。ダンスにキレがあってお上手でした。元気ハツラツで可愛かったです。
 青山千洋さん(演劇集団キャラメルボックス)。スペガーvol.3に出てらっしゃいましたよね。予想外の動きと一拍遅れたボケとつっこみが心地よく、見ていてすごく安心な女優さんでした。

 SUNNY SIDE WALKER : http://sunnysidewalker.sunnydays.jp/

Posted by shinobu at 2003年10月11日 18:08