tptは見逃さないようにしています。
アメリカのレイプのお話でした。レイプの起こる様子、その直後、そして顛末。
女3人暮らしの一軒家に見知らぬ男が入ってくる。その時一人で家にいたマージョリーはその男に襲われて・・・。
アメリカではレイプ事件というと「お互い様」というイメージが強いそうです。「男をその気にさせた(誘惑した)女も悪い」という考え方が普通にあるらしい(当日パンフレットより)。だから、圧倒的に女が弱者である時のレイプの様子を生々しく演劇で見せることによってレイプおよび言葉によるレイプの卑劣さ、残酷さを知らしめたことが、このお芝居のハリウッドでの功績のようです。
私はレイプについて「女から誘う」というようなイメージは全く沸かないなー。日本人だからかも。これから観られる方は、異文化に触れる気持ちで挑むとより深く楽しめるかもしれません。
男(千葉哲也さん)がマージョリー(中川安奈さん)を襲うシーンは、激しければ激しいほどストーリーに説得力が増すので、ああでなければならないんですよね。スーザン・サランドンやファラ・フォーセット、カレン・アレンなどの大女優が演じてきたマージョリーの役ですが、怪我が絶えなかったそうです。
女友達がマージョリーに対して赤裸々な反発心を表すシーンがとても興味深かった。このお芝居の見所じゃないかな。アメリカっぽいし。マージョリーってやっぱりヤな女なんだよねー。美人でスタイルよくてお金持ちでわがままで(笑)。そうとう魅力的な女ですよ、それだけで。
会話劇は二転三転するのがスリリングで面白いですよね。
舞台はリアルな木造の一軒家のリビングで、アメリカの田舎のイメージが非常によく出ていました。くらげの水槽が良いスパイスになっていましたね。お金持ちが住んでいる家なんだってことがオープニングから暗に示されていてかっこいい。
ベニサンピットでtptだからこそ上質にできる作品です。千葉さんで笑えるのが救い。他ではなるべく観たくないなー、レイプの話なんて(笑)。
出演:中川安奈 千葉哲也 伊澤希旨子 富沢亜古
作:ウィリアム・マストロシモーン 訳:常田景子 演出:松本きょうじ 美術:中根聡子 照明:佐野雅昭 衣裳:原まさみ 音響:藤田赤目 ヘアメイク:鎌田直樹
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