宮城聰さんが演出を手がけるク・ナウカ。2人(動く人と話す人)で1役を演じるというスタイルを確立されています。美加理(みかり)さんという高い技術を持った素晴らしい女優さんがいらっしゃって、彼女を観られるだけでも至高の幸せです。
あぁ楽しかった~・・・感動した~・・・・。
マハーバーラタってこんなあらすじだったのかー。痛快!自然と顔に笑みが溢れました。体中で感動して何度か泣きました。
アジア系ムード音楽のような素朴でゆったりとした調べが美術館ロビーに広がりました。もちろん生演奏です。それが突然ケチャのような早いリズムに変わってお芝居の幕開け。ものすごく官能的でした。奥の階段から現れる白装束の役者さんたち。なんと和紙でできた衣裳なんです。
名君と名高いナラ王は、悪魔に取り付かれたせいで賭け事に夢中になり、あっという間に落ちぶれてしまう。王宮を追い出された王と、けなげにも彼に付いて行った王妃(美加理)は、森の中ではぐれてしまうが、幾多の苦難を乗り越えて二人は再びめぐり合う。
先がわかっているのにドキドキして、大団円を迎えて涙するという黄金律です。悪魔が去って行くのがあっけらかんとしてて良かったなー。
「私がかつて慣れ親しんだこの味!」と、その料理を作ったのが夫だとわかるくだりは、なんとも民族性が現れていますよね。味覚って本当に大切。その人の文化そのもの。大切にしなきゃなー。
「ダイナマイトだよ~」の歌とか、かなりナンセンスな笑いも盛り込まれていました。昔からやってらしたのでしょうけど、新たなク・ナウカの一面を発見した気持ち。デキる人達は何でもデキちゃうってこと。
美加理さん。無表情なムーバーの役をよく拝見してきましたが、今回はセリフもけっこうしゃべりますし、表情も豊か。目の力や口の開け方など、ものすごく細かい顔の動きで感情をあますところなく表現されていました。和紙の着物をヒョイとつまみ、ぴょーん!とパーカッションを飛び越えるのがキュート。見とれるばかりでした。
阿部一徳さん。たった一人で弁士状態。感動的です。
こんなこと、実現していることが奇跡。見たら誰もが幸せになれる舞台だと思いました。レビューが遅れてすみません。大評判で当日券GETもかなり大変だったとの噂です。
東京国立博物館の館長さん(であろう方)の挨拶がありました。「平常展入場券つきですので、ぜひまたここ(博物館)にいらしてください!」すごく熱意の有る言葉でしたので、ぜひ行こうと思っています。というか本来なら開場前にゆったりと館内で過ごすのがベストですよねぇ。残念ながら叶わなかったのでまた今度。
ク・ナウカHP : http://www.kunauka.or.jp/
Posted by shinobu at 2003年11月04日 21:38