演出は堤泰之さん(プラチナペーパーズ) 。3本立てなのですがその3本が完全につながっていて、1本のお芝居を観た気分でした。
私は「お芝居」とか「舞台」を題材にした話はすごく苦手なんです。よっぽど作りこんだコメディーとかサスペンスなら大丈夫かもしれませんが、他人事とは思えないというか、ハラハラしちゃって楽しめないんですよね。残念ながらこの作品は生々しい楽屋裏のお話だったので、感情移入は出来ませんでした。観客ほぼ不在っていうのが一番受け入れづらかったです。
男子楽屋、女子楽屋、スタッフ楽屋の三箇所での、それぞれの開場から開演までの30分間を描きます。少しずつ重なったりシンクロしたりしているのも見所です。時間がぴったりなのが素晴らしかった。開演5分押しで開演のブザーが鳴るんですが、3幕ともちゃんと時計が19時5分なんですよね。
■男子楽屋
作:大田善也(散歩道楽)
このお芝居の全てを説明する幕になりますから、自然と情報収集をするためにじっくり観られました。
つかみあいの喧嘩をする演出は良くなかったと思います。無理がありました。
本間剛さん。演劇経験があるコンビニ店員役。本間さんのことは何度か拝見しているのですが、いつもうまいなーとうならせられます。KERA MAP『青十字』で大阪弁を話すヤクザのボス役でした。あの時もしびれたんだよなー。今回は「もちろん」を言い間違えた演技が特に良かったです。
成清正紀さん(KAKUTA)。侍の衣装を着たメイクの濃い男役。演技がうまいですね。しっかりと作った演技で安心できます。新劇の技術があるんだなーと思いました。
■女子楽屋
作:桑原裕子(KAKUTA)
ストーリーが無理でしたー・・・。開演直前に役者が「私達、舞台降ります!」と言い出すんです。それだけでもう観られない。つらすぎました。
鈴置洋孝さん。自分勝手な演出家役。この幕のキーパーソンなんですが、私はどうしてもこの方の演技が合いませんでした。正視できなかった。ガンダムのブライト・ノア役の声優さんなんですって。早く知っておけば耳をそばだてたのに~。
■スタッフ楽屋
作:塩塚晃平(桜丘社中)
2幕のダメージが最後まで響いてしまいました。常に客観視をする自分から抜け出せず、楽しめませんでしたね。
桑原裕子さん(KAKUTA)。舞台監督助手の役。トボけてて素直で本当にかわいらしかったです。心の底からセクシーに見えました。どうやら惚れたね。
いろいろ文句を書いてますが、結局こういうお芝居は私の好みじゃないってことに尽きると思います。『煙が目にしみる』は大好きだったんですけどね。ちょっと押し付けがましく感じちゃいました。
雷電 : http://www.sanpodouraku.com/raiden/
Posted by shinobu at 2003年12月05日 00:14