モーリス・パニッチさんの作品ということで、最近カナダの戯曲が注目されているんですね。『ハイ・ライフ』や『サラ』もそうみたい。『セブンストーリーズ』の原題では"7 stories"。7階という意味と7つのお話という意味が掛けられているんですね。
2時間弱のお話でしたが、1時間ぐらいは寝ちゃったかも・・・。体調が良くなかったのもありますが、やっぱり退屈だったな~。ものすごいいびきをかいて寝ているおじさんもいました。何しろ展開がないんですよね。だけど最後は・・・・感涙!素敵!!夢を見ました。幻が見えました。
ビルの7階で飛び降りようとしている男。ベランダのある7つの部屋からそれぞれの住人達が勝手気ままに話しかけてくる。(あとは寝てたのでよくわからない・・・)
宮田慶子さんの演出は最後に大きな力を発揮しました。ネタバレになるので書きませんが、演劇だからこそできる夢がそこにありました。戯曲だからユーモラスに語ることができる、深刻なテーマも胸を打ちました。
「鏡を見ればそこには私を閉じ込めている体という牢獄がある。」
「忘れれば。何もかも忘れれば。今まで自分がやったこと、今の自分の状態。全て忘れれば、飛べる。」(セリフは正確ではありません。)
舞台装置(加藤ちかさん)がすごかった!!あれで動いたりしてくれたら退屈しなかったと思うんだけど、それでも観られただけでも価値がある美術でした。7階から下を眺める状態が真横から観られるんです。あーうまく言葉では言い表せない~。とにかく一見の価値あり!
相島一之さん。7階から飛び降りようとしている男の役。死のうとしている男で、ずーっと7階のベランダの枠の外で、いつ飛び降りようかと思いながら住人達と会話を続けます。すごい緊張状態のはずなんだけど、常にどこかユーモラスで可愛いらしいんです。最後の長ゼリフに泣けたなー・・・。相島さんで良かった。
深浦加奈子さん。おばあさん役。ゆったりとおばあさん口調で話す内容が、味があって面白くて、最後の奇跡へとすんなり飛翔しました。
RUP : http://www.rup.co.jp/index2.html
Posted by shinobu at 2003年12月13日 14:50