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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2003年08月26日

こまつ座『頭痛肩こり樋口一葉』08/15-26紀伊國屋サザンシアター

 『頭痛肩こり樋口一葉』は1984年のこまつ座の旗揚げ公演が初演。今回が10演目となります。早々に前売り完売でした。人気演目なんですね。私は初見です。

 お盆のお話。毎年同じ家に同じように集まる女たち。そして女の幽霊。暗転する度にその次の年のお盆のエピソードが始まります。(例外が1度あり)

 悲惨な話ですよぉ・・・ほんと。貧乏、成金、借金、身売り。裏切り、喧嘩、決闘・・・あぁ列挙するだけでも寒気が・・・・。なのに、コメディーなんです。客席中が笑いの連続です。

 恨みが残っているから成仏できない女の幽霊の花蛍(はなほたる)。その原因をつきとめるべく毎年化けて出てきていますが、それがめぐりめぐって・・・樋口一葉のところまで!人間誰しもつらい事を抱えているし、どんなひどい仕打ちにも、やんごとない(止むを得ない)理由がある。恨んでも仕方ない。許すことで全てが終わる。その瞬間に新しい何かが始まっているんですね。

 いつものこまつ座でした。期待を裏切らない、ものすごいサービス精神でした。客席の方までぼんぼりが吊るされていたり、客席まで蛍が飛んできたり、仕掛けが暖かくて楽しかったです。白装束の幽霊達がゆらりと風流に舞うエンディングは美しかった。

 有森也実さん。非常に好感度大。ちょっとテキパキしすぎかな~。でも、最後に幽霊になって着物姿で出てこられた時のしっとり感は色っぽかったです。
 久世星佳さん。歌う時と踊る時はさすが宝塚の貫禄した。だけど基本はコメディエンヌですよね~。この方が出演されると微笑が絶えなくなります。
 新橋耐子さん。おいおい、やりすぎだってば!(笑)と突っ込みを入れたくなるほど、おどけた幽霊さん。女優が演じる成熟した道化のお手本を見た気がしました。花蛍役は、10演中9演を新橋さんが演じられています。

Posted by shinobu at 00:55 | TrackBack