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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2003年11月18日

RUP『つかこうへいダブルス2003「幕末純情伝」』11/14-23青山劇場

 つかこうへいさんのお芝居を2本続けて上演。
 しかも広末涼子さんと筧利夫さんが連続出演するというびっくりな企画。私は広末さん目当てで2本とも観に行くことにしました。

 で、結果。目的達成です。
 ヒロスエさいこーーーーーーーーーーーっに、
 かわいーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっっ!!!

 それだけでいい。
 それ以上は望みません。
 ええ、2時間半休憩なしのほとんど暴力のような環境でしたが、それでも満足だと言いきろうじゃありませんか。
 広末さんがあんなに可愛いかったんだから。
 筧さんが相変わらずスゴかったんだから。
 つかさんの素敵なセリフを3個ぐらい味わえたんだから。
 それでいい!それでいいの!!

 『幕末純情伝』は初見です。まずストーリーは、はちゃめちゃです。設定から流れから全部めちゃくちゃ。幕末ものが好きなので、こういうの、受け入れづらいです。
 脚本はつかこうへいさんですが、この演目については演出は杉田成道さんという方。今60歳でTVのドラマなどを作られている方のようです。最初の方で新撰組の旗が降りてくるところは良かったなー。でもそれ以外はほぼ全てが私にとってはNG。男同士の裸のラブシーンをあんなに頻繁に、うじゃうじゃ、誰が見たいんじゃいっ!

 音楽がねー・・・B'Zとかエレカシを堂々と大音量で何曲も聴かされるとは・・・。カラオケじゃないんだからさー。いったい何を狙ったんだろう。ただ好きなだけじゃないの?照明もねー・・・昔の場末のキャバレーのような・・・。なんであんなペカペカな色なんだ?

 広末涼子さん。深い森の中の秘密の涌き水のように清らかで凛としていて、折れそうなほどか弱くって、もー・・・立ってるだけで悲しいの。切ないの。そして、可愛い・・・(ため息)。おっぱい大きいのもGOOD。
 筧利夫さん。早口すぎ。パワフル。まっすぐ。かなわないなーこの人にはっ!って思わせてくれます。広末さんとのキスシーン、背の高さが同じ(か、筧さんの方が低い)だったけど良かった。
 山本亨さん。出てるって知らなかったから、出てきてすごく嬉しかった。でも棒読みだなー。そういう芝居とはいえ、物足りなかった。

 そうそう、みんな広末さんのおっぱい触りすぎ!てゆーか、揉むな!!抱きつくな!!ハラハラしました。客席の皆様もそうでしょう?

 素敵だったセリフを一つだけご紹介します。(完全に正確ではありません。)
 「この世で一番恐ろしいのは、狂った女と男の嫉妬だ。」

 ふぅ・・・何はともあれ『飛龍伝』が楽しみです。

 つかこうへい事務所 : http://www.tsuka.co.jp/
 RUP : http://www.rup.co.jp/

Posted by shinobu at 23:13

少年社中『DEAD TECH WORLD #2「フィルムスター」』11/15-23新宿シアターモリエール

 初めて観た作品が好みでなかったため遠ざかっていた少年社中ですが、今回はけっこう楽しませていただきました。途中でちょっとだるくなっちゃいましたが後半で盛り返し、最後はのめり込みました。

 少年社中の作品にはエンタテインメント中心バージョンと演劇色中心バージョンがあるそうで、今回は後者の方。私はそっちの方が好みだったというわけです。

 東京の「新宿解放区」と呼ばれる区域だけ50年前から同じ時間(24時間)が繰り返されている。私立探偵とその部下は、ある女から「あそこの時間を普通の時間に戻して欲しい」との依頼を受け、危険を承知でその地に入り込む。全ての原因と思われる映画の撮影現場(=シアターモリエール)に2人はたどり着くが・・・。

 中盤以降、私立探偵自身の過去に迫ってくる辺りからどんどんと激しい場面展開になり、そこからクライマックスおよび全ての種あかしにいたるまでは、息つく暇なく楽しませて頂きました。ラストは好きでしたねー。完全に収縮していく感じにみせかけて、実は爆発!っていうのは元気をもらえます。

 この劇団の演技や演出のクセに慣れるまで1時間ぐらいかかりました。いつどこで舞台写真を撮られてもOK!といわんばかりに、一瞬一瞬が絵になるようなポーズの動きの連続で肝心のお芝居の流れはプチプチ切れまくっている状態。そういう演出意図なのでしょう。そして役者さんの声色や演技が、演技演技してるっていうか、ぶっちゃけクサイっていうか。でもそれが狙いにハマってくると面白くなってきました。こういうカラーなんでしょうか。

 映画の有名なシーンやセリフが沢山ちりばめられていましたが、決して粋じゃないんですよね。思いっきり正面からやっちゃうから、ギャグになるならいいんだけど、ならないとだいぶんつらい。私の好みではないですが、他のお客様にはけっこう受けていました。

 音楽はオリジナルで作られているのが多いみたい。派手な感じ。椎名林檎の歌をあれだけ流しても、なんとかなっていたのはすごかった。そういえば『YELLOW』という作品でも林檎ちゃんの歌が効果的に使われていました。音楽が流れるタイミングはちょっと・・・かっこ良くないのが多かったです。

 照明が良かったーっ。それこそ絵になるポーズと絵になる色で、瞬間瞬間が見せ場。豪華だったなー。衣裳も良かったです。ゴミゴミ&ぐちゃぐちゃしてそうでいて、実はカッティングに凝っている感じ。真ん中に扉がある美術も好き。劇画タッチな演技にもぴったり。

 杉浦理史ことピエールさん。ピエールさんの自然な演技のおかげで素直にお芝居に入っていけました。やっぱり笑いとか上手いですね。終盤のシリアスシーンも白熱していて良かったです。

 開演前に大画面で映画が流されているんですが、やっぱり「ニュー・シネマ・パラダイス」は最高。これからご覧になる方、後ろの方の席が全体を観られていいと思います。

少年社中HP : http://www.shachu.com/

Posted by shinobu at 12:20