REVIEW INTRODUCTION SCHEDULE  
Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
mail
REVIEW

2004年01月02日

ペテカン『温度計』12/24-29THEATER/TOPS

 ある流行らない喫茶店のお話。冬、春、夏、秋、と1年が巡り、また冬がやってきます。

 まず、こんな喫茶店には行きたくないって思いました。客を客とも思っていない店員。社会性の全くない店長。だから当然のごとく閉店に追いこまれるわけですが、信憑性に欠け過ぎました。「こんなサテン、ないって!」って思っちゃって、それだけで物語に入れないんですよね。とても残念です。

 マイナス4℃のままずっと動かなかった温度計が、喫茶店の閉店パーティーの時に突然に直って正しい温度を表示し出す、という顛末だったのですが、それってものすごいマイナス思考ですよね?どんどんとダメになっていく人々がいて、その人達がやっとあきらめて出ていくとなった時に、タイトルにもなっている”温度計”が正常になるなんて。めちゃくちゃびっくりしました。

 閉店パーティーで「私には歌うことしかできないので、歌わせてください」と自ら言い出して歌う女性がいましたが、それはつらいよねーって思います。「歌ってよ!」と言われておずおず歌ってみたらすごく巧かった、というのならすんなり聴けますが、自分から進んで歌っちゃうと、いくら巧くても「それほど巧くないのに、でしゃばらないほうがいいんじゃない?」って思っちゃいます。歌を歌うためだけの登場人物ってとても悲しいです。

 場面転換の時にTV画面で流れるアニメーションが可愛かったですね。オープニングの時も黒い画面上で白い線がもぞもぞ現れて『温度計』という文字になるのは素敵でした。また、TV画面は電源を切るとその瞬間プチ!と光ってしまうんですよね。それを避けるためだったと思いますが、ずーっと電源が入ったままだったのも良かったと思います。

 齋田吾朗さん。いつも三枚目風だったのが今回はクールな面がクローズアップされていて、とても良かったです。

ペテカン : http://www.petekan.com/

Posted by shinobu at 2004年01月02日 16:01