浅丘ルリ子さん初見&仲村トオルさん初舞台ということで私はずいぶん前からチケットを取っていたのですが、やっぱり安売りになっちゃってショック。チラシのビジュアルにもおののきましたし、全然期待せずに伺いました。
川底に住む河童の4姉妹が、悩める若い弁護士(仲村トオル)を助けるために、人間の世界に出て来て彼にさまざまなお芝居を見せていきます。芥川龍之介さんの作品を次々にダイジェストで披露してくれるのでとっても楽しかったです。「羅生門」「偸盗」「開化の殺人」「藪の中」「河童」等。「地獄変」が特にエキサイティングでした。
ただ、後半は無理だらけで疲れちゃいました。「河童」のストーリーどおり主人公の青年(仲村トオル)が精神病院に入ってしまうんです。新春公演なのにクライマックスが精神病院っていうのはどう考えても暗すぎですよね。また、富田靖子さんの役がとって付けたような展開になってしまっていたと思います。浅丘さんと仲村さんのラブシーンってお約束なんでしょうけど、私は正視できなかったです。なんか恥ずかしくって。
衣装(小峰リリー)が豪華絢爛でした。多くの出演者が何度も着替えるし、それぞれのデザインも個性的で材質も良いものばかり。浅丘さんがこれでもか!これでもか!とカツラも衣装もとっかえひっかえ着替えて出て来てくださるのが楽しくてしょうがなかったです。ただ、ラストに近づくにしたがってデザインがエスカレートしてきて、挙句の果てのカーテンコールでの河童のお皿帽子には、笑いがこらえられませんでした。浅丘さん、すごい。爆笑してすみません。
舞台美術(荒川淳彦)が物語ごとに大胆に変化して嬉しかったです。やっぱり日生劇場ですから基本的に「豪華」で行ってもらいたいです。
浅丘ルリ子さん。一つ一つのセリフに愛がこもっていました。女優ってこういう人のことを言うんだなって感動。「浅丘ルリ子」というブランドは本物なんですね。
仲村トオルさん。映画「ビー・バップ・ハイスクール」の頃と同じ声で懐かしかったです。乱暴な役は迫力がありました。体も大きいしとっても舞台栄えされる方ですね。日本総合悲劇協会に出られるのが非常に楽しみ。
深沢敦さん。安定した演技で多くの役柄をリアルに見せてくださいました。かっこいいです。
原作:芥川龍之介 脚本:堀井康明 演出:星田良子 装置:荒川淳彦 衣裳:小峰リリー
出演:浅丘ルリ子・原田美枝子・仲村トオル・保田圭・富田靖子 笹野高史・岩崎加根子・深沢敦 他
製作:細川潤一・吉田訓和 製作=東宝 後援:フジテレビジョン
日生劇場 : http://www.nissaytheatre.or.jp/
Posted by shinobu at 2004年01月20日 01:48