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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2004年01月21日

グループる・ばる『片づけたい女たち』01/10-25シアタートラム

 永井愛さんの書き下ろし新作なので勇んで伺いました。
 「グループ る・ばる」は松金よね子・岡本麗・田岡美也子の女優3人の演劇ユニットです。

 高校時代、バスケットボール部で同級生だった女3人組。みな50代になっている。ツンコ(岡本麗)と連絡が取れないため、オチョビ(松金よね子)とバツミ(田岡美也子)がツンコの家に押しかけてみたら、ツンコはすっかり引きこもってしまっていて、ゴミ溜めのようになった部屋にうずもれていた。

 お芝居が大好きな仲良し女優さん3人組と劇作家が集まって、色んなアイデアを出しつつ作り上げた(と思われる)、心温まるコメディーでした。笑いに包まれた社会派演劇といいますか、永井愛さんの脚本には本当に心打たれます。
 客席には年配の方々も若者もたくさん。立ち見も出ていました。笑いが絶えませんでしたね。私は笑うよりも涙ぐむ方が多かったですが。

 仕事に忙殺されて課長まで上りつめたが、悩みを抱えて部屋を全く片付けられないまま引きこもっている独身のツンコ。
 金目当てでじじぃと結婚し、子供は作らず暇を持て余しているが、そろそろ羽振りが悪くなってきたバツミ。
 しなびた定食屋のオカミとして毎日朝から晩まで働き、ウマの合わない嫁との争いで心が休まらず、般若心経をとなえるのが日課になっているオチョビ。

 今回の脚本で永井さんは“決して告発されない傍観者の罪”について最も強く描かれていた気がします。身につまされる思いです。また、“跳び箱の後ろ会議(のような名前でしたが正確ではありません)”の弊害は私にも思い当たることでした。他人に相談するよりもまず自分の頭で考えて、自分一人で実行することから始めるのが大切な気がしています。難しいと思いますが、ツンコが気づいたのと同じように、私も1つずつやっていけたらと思いました。

 片付けたいんだけど、片付かないという気持ちにものすごく共感しつつ、どんどんと片付いていく部屋を見て爽快な気持ちになっている自分に気づきました。年を取れば取るほど片付かなくなっていく自分の部屋(家)。さ、私も片付けよっ。・・・あ、今日はムリだから、明日・・・(笑)。

主演者:「グループ る・ばる」松金よね子・岡本麗・田岡美也子
スタッフ 作・演出:永井愛 美術大田創 照明:中川隆一 音響:原島正治 衣裳:竹原典子 演出助手:鈴木修 イラスト:荒井良二 宣伝美術:高橋雅之 舞台監督:小山博道 制作進行:加治真理 制作補助:西原栄 制作協力:トム・プロジェクト グループ る・ばる顧問:篠原公雄 共催:世田谷パブリックシアター 企画制作:グループ る・ばる 協力:二兎社/東京乾電池/(株)テイクワンオフィス/エム・カンパニー 

グループ る・ばる : http://www5f.biglobe.ne.jp/~lebal/

Posted by shinobu at 2004年01月21日 22:24