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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2004年02月19日

tpt『Angels in America<第2部「ペレストロイカ」>』01/21-2/29ベニサン・ピット

 ピューリッツァ賞、トニー賞 (1・2部 2年連続) を受賞、ロンドン ナショナル・シアターによる“20世紀の傑作20”にも選出されているトニー・クシュナーの戯曲の第1部、第2部連続公演です。
 第1部のレビューに全体についてのレビューをまとめています。

<第2部「ペレストロイカ」>

 両性具有の天使(チョウソンハ)がプライヤー(斉藤直樹)に人類が生まれた真実について具体的に話すのですが、すごく壮大で空想的なのですが、私はそれを信じるタイプなので引き込まれました。

 チョウソンハさん(天使役)の、つかこうへい劇団のテイストがこんなにtptで生かされるなんて、思いもよりませんでした。もちろん大声じゃないセリフも非常に心がこもっていて冷静で良かった。これからのご活躍を追いかけたいです。

 ルイス(池下重大)とジョー(朴昭熙)とが初めてあんな風に口説かれたら誰でもベッドインしちゃうよな~って思いました(笑)。「匂い、味・・・」のくだりです。男同士のラブ・シーンなのに全く引きませんでした。うっとりしたぐらいです。

 クライマックスの天使全員集合シーン。本を持ってたたずむプライヤーが着ていたマントはユダヤの布でしたね。モーゼのイメージ。それを脱いで病人用の白い服に戻るのが象徴的。「もっと、命を!」

 これだけチョウソンハさん、朴昭熙さんとミーハー言ってても、全編を通して静かに私の心に住み着いたのはプライヤー役(主役)の斉藤直樹さんでした。清らかな心を持った彼を通して、全人類の根源的な希望、そしてそれが報われない悲しみを体全体で感じました。


■今公演のキャッチコピー(tptのHPより)
 豊かな想像力を駆使し、現実と幻想、時を超え歴史を辿り'80年代レーガン政権下のアメリカが抱える-政治・経済・宗教・人権・法律・医療etc-深く、暗い闇をゲイ、エイズの幻想曲の過激なユーモアで鋭く照射する。

■どこかに載ってた宣伝文(引用元不明。おそらくぴあ等のプレイガイド)
 ピュリッツァー賞(93年)、トニー賞(92年、93年)他、多数の演劇賞を受賞し、一大センセーションを巻き起こした「エンジェルス・イン・アメリカ」が、9年ぶりに日本で上演される。演出は、9年前の銀座セゾン劇場公演同様、ロバート・アラン・アッカーマンが手懸ける。”国民的テーマに関するゲイ・ファンタジア”というサブタイトルが付けられた本作品は、エイズ・政治・宗教・民族・差別といった現代のアメリカ人が抱える様々な問題を、過激なユーモアと、現実と幻想が交錯するスピーディな展開で描き、ロンドン・ナショナルシアターの“20世紀の最も偉大な戯曲20本”にも選ばれた傑作だ。ベニサン・ピットという濃密な空間で、ぜひ1部、2部共に観て欲しい!

■TVドラマ「エンジェルス イン アメリカ」
OVER THE RAINBOW
WOWOWで放送決定!

PPTP(Post Performance Talk Project)内
pptpVol.7『エンジェルス・イン・アメリカ』をめぐって
パネラー:ロバート・アラン・アッカーマン(演出家)、たほりつこ(アーティスト)、長谷部浩(演劇評論家)、薛珠麗(翻訳家)

【レビュー】
Tabla Rasa
Theatre Cafe Diary
No hay banda 第1部第2部

レパートリー1・2一挙上演
<第1部「ミレニアム」>1/20(火)~2/29(日)
<第2部「ペレストロイカ」>1/21(水)~2/29(日) 
出演 THE COMPANY :中川安奈/山本亨/朴昭熙/斉藤直樹/矢内文章/池下重大/松浦佐知子/植野葉子/深貝大輔 + Angels:チョウソンハ/藤沢大悟/小谷真一
作:トニー・クシュナー new version by tpt workshop 訳:薛 珠麗 演出:ロバート・アラン・アッカーマン
デザイン(美術&衣装など):ボビー・ヴォヤヴォッツキー 照明:沢田祐二 音響:高橋 巖 ヘア&メイクアップ:鎌田直樹 舞台監督:久保勲生
tpt : http://www.tpt.co.jp/

Posted by shinobu at 2004年02月19日 23:34 | TrackBack (0)