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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2004年08月03日

パルコ『鈍獣 don-ju』07/31-08/22パルコ劇場

 “ねずみの三銃士(生瀬勝久さん・池田成志さん・古田新太さんのお三方のユニット)”の企画で、脚本に宮藤官九郎さん、演出に河原雅彦さん、そして可愛らしい女優さんを迎えてのお祭り騒ぎ、と申しましょうか。
 ・・・途中休憩の時点で帰ろうかと思ったのですが、友人と一緒だったので思いとどまったのが功を奏しました。後半は前半とは打って変わって、緊張感漂うサスペンス・ホラーになりました。

 制作発表の記者会見で、宮藤官九郎さんが「脚本が全然できてないんです」とおっしゃっていたので(笑)期待はしていなかったんですけどね。やっぱりおふざけが過ぎるのは観ていられないというか、私は笑えないし楽しめないんですよね。でも、前半終了の最後のセリフで本題に入られちゃったので、帰れなくなったんです(シテヤラレタリ!)。前半はほんとに「なんじゃこれ?」という感じだったんですが、後半は密度が増し、仕掛けも豪華になり、「これから一体どうなるんだろう!?」と入り込むことができました。(以下、少々ネタバレします)

 田舎のさびれたホストクラブが舞台。ホストクラブといってもナンバー1ホストの古田新太さん一人しかいないんだけど(笑)。小説家の凸山(デコヤマ:池田成志)が失踪し、彼を探している編集者の女(西田尚美)がホストクラブ“スーパーヘビー”にやってくるところから始まります。ホステスやチンピラがその編集者に事の次第を説明することで物語が進むのですが、編集者が見ている劇中劇の型式でやり続ける構成が面白かったです。でも、ラストはね・・・。スプラッター・ホラーって便利だよなって思いました。

 タイトル『鈍獣』が、問題になっている本(小説)の題名になっていたのは良いアイデアですよね。実際に目の前に居る男たちが『鈍いケモノ』なわけですし。

 生瀬勝久さん。冴えないチンピラ役で最初に登場した時、あまりに気持ち悪くて顔をゆがめてしまいました。すごいキャラクターづくり(笑)。
 池田成志さん。何度も繰り返し使うセリフの「おしまい?」「おぼえてないわぁ」が良かった。
 古田新太さん。“俺が一番ソング(タイトルは忘れました)”には笑いました。最後に“ヨコハマ~♪”って歌うんですが、ヨコハマ全然関係ない!!(爆笑)。劇中歌を収録したCDが売ってましたね。

作:宮藤官九郎 演出:河原雅彦
出演:生瀬勝久・池田成志・古田新太、西田尚美、乙葉、野波麻帆
音楽:岡崎 司/松崎雄一 照明:倉本泰史 衣裳:三大寺志保美 音響:大木裕介 ヘアメイク:西川直子 演出助手:菅野将機 舞台監督:福澤諭志+至福団 宣伝美術:河野真一 宣伝写真:岡田貴之 宣伝ヘアメイク:小島裕司 宣伝スタイリスト:藤井享子 製作:伊東 勇 プロデューサー:佐藤 玄 企画:ねずみの三銃士 プロデュース:パルコ
《地方公演→大阪、広島、福岡、神戸》
パルコ劇場内『鈍獣』サイト:http://www.parco-city.co.jp/play/don-ju/

Posted by shinobu at 2004年08月03日 15:53 | TrackBack (0)