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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2004年09月12日

Plug-In『Show Case vol.1「Blue Rose」』09/10-14麻布ディプラッツ

 2003年にNEW YORK ACTING WORKSHOPに参加された俳優さんが集まった演劇ユニットです。
 Studio Lifeの役者さんが多数出演されていて、宣伝はほとんど見かけなかったのに前売りは早々に完売していましたね。

 テネシー・ウィリアムズの戯曲のコラージュでした。「ガラスの動物園」「財産没収」「Spring Storm」「カミノ・リアル」「しらみとり夫人」「火刑」「地獄のオルフェウス」「あるマドンナの肖像」「話してくれ、雨のように」「青春の甘き小鳥」「Vieux Carre」という沢山の戯曲から、シーンやフレーズを抜き出して構成しています。
 開演時に総合演出の野村リエナさんがこの作品について簡単な説明をしてくださいました。ちょっと普通とは違ったことをやってらっしゃるわけですし、こういう気遣いが必要ですよね、大人だなーと思いました。

 舞台で演技をしながら涙を流してらっしゃる役者さんが多かったです。最初はちょっと驚きましたが、何人もいらっしゃるので慣れました。たぶん舞台上でも自分の感情を開放するような演技方法なのではないでしょうか。NEW YORK ACTING WORKSHOPのホームページにメソッド等についての情報があります。英語が話せなくても参加できる10日間のコースとか、面白そう。

 役者さんによって、言葉がきちんと話せている人と話せていない人との差がありました。確かに、セリフや動き(段取り)に気をとられて肝心の役柄の気持ちが表現できていない、というのは問題だとは思いますが、あまりに感情、感情と押し出されると、観ている方が引いちゃうんですよね。役者さん個人にとってのリアルが、観客全員にとってのリアルになるわけではないと思います。感情も大切ですが、まずはセリフじゃないかな。言葉が聞こえなければどんなに生き生きとした感情を出していても、観ている方は意味が分からないですから。

 ダンス・シーンがセクシーで良かったです。男は男らしく、女は女らしく、美しかったです。
 ドン・キホーテ役(だと思う)の方が痛々しかった。セリフとか表情や動き全般が暴力的で怖かったです。

 スタジオ・ライフの役者さんはやっぱりきれいでした。美しく在ることに引っ込み思案にならないのが素晴らしい。こういうことが出来る男優さん、少ないですよね。
 舟見和利さん(Studio Life)。立っているだけで、そのはかなかさに目を奪われます。
 前田倫良さん(Studio Life)。『地獄のオルフェウス』のバル役のセリフを話してらっしゃる時の声がきれいでした。

 総合演出の野村リエナさんはアメリカ在住の方なので、Plug-Inとしての次の予定は今のところないそうです。

作:テネシー・ウィリアムズ 上演台本:野村リエナ、水島 Jan 雅美 総合演出:野村リエナ "火刑"演出:青山治 "Spring Storm"演出:水島 Jan 雅美 など
出演:青山治、佐藤智子、大坊健太、俵野枝、手島和貴、新田絵美、羽生田早穂、福井利之、舟見和利、前田倫良、萬代慶太、水島 Jan 雅美、山田浩、山本つづみ
プラグ・イン:http://www.geocities.jp/nyplugin/index.html

Posted by shinobu at 2004年09月12日 00:11 | TrackBack (0)