小劇場界で“ナンセンス”と言えばこの人、ブルースカイさんが作・演出する演劇弁当猫ニャーの10周年記念解散公演です。
前売り完売とHPで早々と告知していましたが、私が観た回はかなり空席がありました。まだ10人ぐらいは座れたんじゃないかなぁ。ただし狭い桟敷席で三角座り、しかも暑い2時間15分です。こんなにしんどい観劇は久しぶりでした。何度も体勢を変えて乗り切りましたが、ほぼ拷問(苦笑)。
でもね・・・それでも「面白かった!!」って声を大にして言えます。ほんと、ブルースカイさんバンザイ!猫ニャー大好き!!
洋太(細川洋平)はのび太みたいに冴えない小学生。母親(池谷のぶえ)はしょぼい遊園地のオーナー。そこに「遊園地」について研究しようと、宇宙人のモモコ(乙井順)とカバレロ(高木康寿)がやってくる。
イギリス政府の役人(ブルースカイ)と謎の大物ミスターX(小澤敏彦)から遊園地買収の話が来て、母親も従業員(久保貫太郎と藻田るりこ)も乗り気。しかし洋太はどうしても遊園地を手放したくない。そこで、利用客を呼び戻すためにモモコとカバレロをマスコットキャラクターにしてみたら大当たり。客足が極端に戻ってきた。しかし良い時期はそう長くは続かなかった・・・。
ストーリーがすんなり進むことはなく、途中でありえない変なシーンが挟まれるのですが、終わってみるとちゃんと起承転結がありましたね。でも脱線振りは絶好調!下記、ネタバレします。
何の脈絡も無くオヤジ役者さんの小澤敏彦さんが、Mr.Childrenの“Tommorow never knows”をバックダンサー付きでフルコーラス熱唱するのが可笑しかった!照明もゴージャスで本当にばかばかしい!!このシーンだけのためにムービングライトが使われてた気がします。私はこれが一番好きだったな~っ。
ブルースカイさんが脚本を見ながら役者さんたちに「ここで宅麻伸が出てきて・・・」と説明する“稽古場シーン”が始まった時は爽快でした。そこで口頭で説明したシーンは、実際にはスコーンと飛ばされて次の展開から始まるんです。このシーンで小澤敏彦さんがCDウォークマンを聞きながら必死でミスチルの歌を練習しているんです!爆笑しましたよ、私。あと、ブルースカイさんが「三上博史さんのものまねをやりたい」って言っておいて、この後のどこかのシーンで突然やるんですけど、そのタイミングが絶妙!
賀来千香子から宅麻伸に進んで「課長 島耕作」、そして“男娼”になるのには仰天でしたね。クライマックスは猫ニャーならではのナンセンス・エログロでした。私はすごく苦手なんですよ、あの露骨なエロ表現。なのに今回は笑っちゃいました~(苦笑)。あの階段の上で洋太が宅麻伸に○○○(書けません)するのを、さすがに見ることはできませんでしたが、うつむきながらこっそり笑ってました。他のお客様もかなり笑ってましたね。
各ステージ30冊限定で解散記念のパンフレットが500円で売ってます。内容はかなり充実しています。
お手製のウチワを配ってくださったり、アンケートにも一工夫あって、劇団の方々の行き届いた心遣いが感じられる、素敵な小劇場公演でした。
演劇弁当猫ニャーは解散しますが、メンバーの方々はダックスープに所属してこれからも活動を続けられるようです。fringe blogで書かせていただきましたが(「ブルースカイさんの才能」)、そんなに深刻になる必要なさそうですね。嬉しい。
作・演出:ブルースカイ
出演:池谷のぶえ/立本恭子/乙井順/細川洋平/小澤敏彦/荒井タカシ/久保貫太郎/高木康寿/藻田るりこ/ブルースカイ
舞台監督&美術:秋山光洋 大道具:(有)イトウ舞台工房 照明:山口功一(イベント・プロデューステイク) 照明助手:シバタユキエ(白黒団) 音響:鏑木知宏(KURSK.sound) 小道具:四方智子 小道具助手:シバタユキエ(白黒団) 衣裳:山口かほり(ブルドッキングヘッドロック) 森川美香 キャラクタデザイン:加藤美保 被り物製作:正名真理子 振付:香川亮(air:man) 映像:仲井陽(ケシュ ハモニウム) 映像助手:田中希代子(ケシュ ハモニウム) 松下岳志(ケシュ ハモニウム) 制作:笠原直樹(チーフ) 島崎陽一郎 制作助手:深沢千有紀 福田裕子 製作:管理事務所
演劇弁当猫ニャー:http://www.neko-nya.net/