REVIEW INTRODUCTION SCHEDULE  
Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
mail
REVIEW

2004年10月01日

男子はだまってなさいよ!4『バカ・ワールドカップ』9/30-10/3ラフォーレ・ミュージアム原宿

バカワールドカップ.jpg
画像元はこちら

 “男子はだまってなさいよ!”は、細川徹さんが作・演出をするシュールな笑いのコントをやるユニットだと聞いていました。シティーボーイズのお芝居の脚本も手がけてらっしゃいます。私は初見です。
 ラフォーレ原宿なので気軽な気持ちで行ってみようと思ったら、大人計画の面々やバナナマンまで出演されていて、かなり入手困難なチケットでした。

 会場のほぼ中央にプロレスのリングのような四角い舞台があり(柱とロープはありません)、四方から観客が囲みます。いつも客席がある方から見て上手と下手の角に、花道のような通路が作られていて、そこから役者さんが登場します。リング舞台の真ん中はお盆になっていて、ところどころで情けない感じで回転し、笑いを誘いました。

 ・・・はい、コントでした。ここから全てネタバレです。
 特徴としては、とにかくお下劣!!これに尽きます。とりあえず脱ぎます。そして白ブリーフ一丁になります。オ○ンチンだし、う○こだし、肛○です(苦笑)。一人前の大人がやることじゃないよ!!っていう意味で笑えるのもありますが、私はそういう方向では楽しまないので、やはり技というか心意気というか、役者さんの芸を見られたと思った時に、笑いましたし、喜びました。

 ウィンブルドンを目指すテニス少年2人組(荒川良々さんとバナナマンの日村勇紀さん)が時空を超えてワープしながら、最後はバカ・ワールドカップに出場しちゃう展開はちょっと面白かったです。

 テニス少年二人組がなぜか浄水場に行って、ありえない衣裳のバカ3人に会うというコントで、この作品のカラーに直接触れた気がしましたね。だって、マッチ棒で作ったBATHING APEのTシャツって、その発想は一体何!?犬用の服を着て両手をパイル地の便座カバーに突っ込んでいた大堀さんが最も強烈でした。このコントの間はずっとあっけにとられ続けました。

 大堀こういちさんのことは、ずいぶん前に不条理劇で拝見したような気がしたのですが(本当のところは分かりません)、本領発揮といいましょうか、パワー全開でした。語尾に必ず「ぴゅー」と言ってしまうボランティア活動(?)をしている男の役は凄かった。岩松了さん&竹中直人さん的な香りです。

 佐伯新さんと近藤公園さんが、へび使いのおばさん(池津祥子さん)に会いに行く話では、ピンクのTシャツに水色の短パンをはいた佐伯さんのキャラクターにホレボレ。ズボンからテントを出すのはやめて!!(笑)。あの躍動感とスピードがギャグをさらにナンセンスに、色濃くするんですよね。

 たまたま私が観た10/1(金)の回にはナイロン100℃のみのすけさんがゲスト出演されてまして、私はみのすけさんが一番好きでしたね~。「やまとだましい」という、おそらくオリジナルであろう汚くて情けない歌の弾き語りに、苦しげな笑いが止まりませんでした。「吸って!吸って!」って言うくせに吸い付いたら「やめて!」と言う、超長い髪型の人間役も凄かったなあ。何事にも動じないあの笑顔が目にこびりついています。
 ※藤田一樹の観劇レポートによると藤田くんが観た回は竹中直人さんがゲストだったそうです。HPでは公開されていませんが、日替わりだったようですね。どんなサプライズにも驚かない場所だった気がします。竹中直人さんが現れても小泉純一郎さんが現れても、なるほどな~ぐらいに思ったでしょう。

作・演出 : 細川徹
出演:大堀こういち バナナマン(設楽統・日村勇紀) 荒川良々 五月女ケイ子 佐伯新 井苅智幸 細川徹
ゲスト:池津祥子 近藤公園 他
舞台監督:橋本加奈子(SING-KEN-KEN) 照明:佐藤啓 音響:島猛(ステージオフィス)美術:松本英明 衣裳:今村あずさ(SING-KEN-KEN)  宣伝美術:内田雅之(VOLTAGE) 演出助手:伊藤のぶゆき 制作:木村香波子/100V
男子はだまってなさいよ!:http://www.dansiwa.com/

Posted by shinobu at 2004年10月01日 22:14 | TrackBack (0)