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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2004年10月15日

山の手事情社20周年記念公演Yamanote7481『jamゴールドブレド』10/06-17青山円形劇場

 劇団 山の手事情社の20周年記念公演3本立ての内の1作です。私は『夏の夜の夢』に続いて伺いました(残念ながら『オイディプス@TOKYO』は観られませんでした)。内容は主に“即興演技”で、清水宏さんが出演されるのも大きな目玉です。
 明日、あさっての土日のチケットは、早々から前売り完売でした(予約のない方は、当日券のキャンセル待ちになります)

 あぁ・・・疲れた(笑)。役者さんも舞台上で全力投球、神経過敏状態ですので、観客もハラハラどきどきです。

 私は学生時代に学生劇団で役者をやっていました。しばらく休んでいましたが、5年ほど前も数回舞台に立ったりしていました。で、こうやって色んなお芝居を観て、俳優さんを見て、気づいたんですよね。私には出来ないってこと。「こんなこと、私にはムリっ!」って。特に山の手事情社の俳優さんについては毎度そう思います(笑)。

 恥ずかしながら白状いたしますと、俳優って、脚本に書かれたことを解釈して、演出家に言われたことを実現する職業だと思っていたんです。でも、それだけじゃないんですよね。自分でどんどんと作り出していかなければならないんです。むしろそれが俳優の本分です。解釈することひとつをとっても、それは創造することなんですよね。

 さて、レビューを書くのが遅れている内に、お知り合いの中から内容についてすごく詳しく書かれたレビューが早々と出ていました。藤田一樹の観劇レポートは私と同じ回をご覧になっており、すごく細かいところまで書いてらっしゃいます。

 某日観劇録は違う回をご覧になっているので、比べると本当に即興でやってるんだなってわかります。「山の手事情社、恐るべし」です。だいたい3作品連続公演っていうのが脅威ですよね。今は解散したMOTHERの公演で、そういうのがあったのを思い出しました。あれは4作品だったかなー。同じく青山円形劇場でしたね。

 『jamゴールドブレド』では、清水宏さんの凄さを体感できたのが一番の収穫でした。与えられた3つのお題から、その場で短編芝居を作り出すコーナーでは、清水さんがいたチームがダントツで面白かったです。世界観を作るというよりは、露骨に「面白い」ことを目的にされていて、その潔さというか、笑いに対する執念に圧倒されました。

出演:柳家花緑 山本芳郎 倉品淳子 野々下孝 岩淵吉能 太田真理子 水寄真弓 河村岳 浦弘毅 森谷悦子 山口笑美 久保村牧子 植田麻理絵 鴫島隆文 名久井守 野口卓磨 山田宏平
構成・演出:安田雅弘 照明・舞台装置:関口裕ニ(balance, inc) 音響:斉見浩平 衣裳:渡邉昌子・栗崎和子→『夏の夜の夢』『オイディプス@TOKYO』 寒河江真紀(lame☆trap)→『jamゴールドブレンド』 舞台監督:本弘 宣伝美術:福島治 演出助手:小笠原くみこ 制作:福冨はつみ 製作:劇団山の手事情社・(有)アップタウンプロダクション
山の手事情社オフィス:http://www.yamanote-j.org

Posted by shinobu at 2004年10月15日 23:39 | TrackBack (0)