南アフリカ発のミュージカルです。去年6月のBunkamuraオーチャードホールでの日本初演を見逃したので、今度こそはと伺いました。
もーーーーーーーーっっ!!感動感動感動!!!
涙が溢れて止まらない!脚が震えっぱなし!心臓もなんだか不可思議な状態っ!これはぜひぜひ体験すべきです!!
タイトルの"UMOJA(ウモジャ)"の意味は、英語で"The Spirit of Togetherness"。日本語では「心の結束」と訳されていました。
太鼓(アフリカン・ドラム)の音がドスンドスンと鳴り響き、アフリカの民族衣装らしき衣裳を身に着けたダンサーが、信じられないくらい大きなパワーで踊りだします。
一体何なんだろう、この感覚・・・。ドキドキじゃない、わくわくでもない。でも体は震えている。心臓が何かに触れられている。気持ちが何かに突き動かされている。涙がボロボロこぼれてくる。足の裏がしびれている・・・あ、私、このリズムと音に共鳴してるんだ・・・!!
オープニングでは、アフリカがまだ西洋によって発見される前の時代の音楽と舞踊が披露されました。そして、その後のアフリカの歴史を辿っていきながら、それぞれの時代に生まれたアフリカン・ミュージックおよびダンスを紹介していく構成になっています。シーンとシーンの間にナレーターの男性が南アフリカの黒人と音楽との、切っても切れない関係について楽しく話してくださいます。基本的に日本語字幕が表示されるので理解するのに問題はありませんでした。でもね、言葉なんて別に必要ないです。次から次に出てくるパワフルでワイルドでソウルフルでピュアな(あぁカタカナばっかりになっちゃった)、今までに体験したことのないパフォーマンスが繰り広げられるんですから!
つややかで力強い歌声と全力でぶつかってくるダンスが、舞台から次々と飛び出してきます。私はこぼれる涙をハンカチでぬぐいながら、ただただ口をポカンと開けて、サウス・アフリカンの命の輝きに身を任せました。まるで自分の体の中で地震が起こってるみたい。頭の中はずっと、幸せな“非常事態”でした。
シーンごとに衣裳がじゃんじゃん変わります。民族服を着てトップレスだった時はあまり目にも留まらなかった女優さんが、ナイト・ドレスを着て出てきた時にはその美しさに愕然としました。なんて細い足首、なんて細いふくらはぎ、そして、なんて長い脚!
ハンティング・ダンス、ガンブーツダンス、スウィング、スネークダンス、ゴスペル、アフリカンドラム、マリンバ、ジャズ&ソウル・・・これでもか!というほど踊って歌って叩いて、シャウトしてくれました。ゴスペルの後のPOPS風ソウルやヒップホップにはちょっと心が冷めてしまいましたが、ラストにまた大挽回しました。
プリミティブな世界から、差別、虐待を受けた苦しい時代を経て現代までを辿り終わると、またオープニングの民族衣装&舞踊に戻ります。エンディングではこれまでに辿ってきた全ての時代の人々が出てきて、皆で“ウモジャ”を熱唱します。『赤鬼~タイ・ヴァージョン』で感じた躍動感と似ていましたが、こちらの方が格段に熱い気がします。「ヘタに気取った来日ブロードウェイ・ミュージカルよりも数段上だよ」という噂を聞いていたのですが、本当にそうだと思いました。歌もすごいしダンスもすごいです。
これは記録として書いておきますが、照明&音響のオペレーションがミスしまくってました。びっくりしましたね~、この公演規模でスピーカーにノイズとか入ると(笑)。でもね、そんなのどーーーーーーーでもいい!ほんっとに全然関係ないです。だってダンサーだって振付バラバラだし(爆笑)。スピリットは完全に共有していたんですよ。それって奇跡だよねっ!
チケット代が海外招聘ミュージカルということで、ちょっと高い目なんですよね。青山劇場で上演中の『ビッグ・リバー』よりも高い・・・(汗)。S席 13,000円/A席 12,000円/B席 10,000円/バオバブ席 5,000円です(バオバブ席って何?)。だからなのかどうかはわかりませんが、空席が目立ちました。でも会場はノリノリ!スタンディング・オベーションしてる方もいっぱいいらっしゃいました(私は気弱なのでなかなか立つことが出来ません)。終演後はパンフレットやCD、アクセサリー売り場に観客が殺到!
今週末24(日)13時の回が千秋楽です。ぜひお時間を作って観に行って下さい!!空席があるなんて、それは良い席をGETできるチャンスですよ!
補足:開場時間にロビーで出演者によるマリンバの演奏が聞けます。かな~りお得です。開演10分前までやってくれますので、ぜひお早めにご来場ください。上演時間は休憩20分を挟んで約2時間20分です。
【お問合せ】テイト・チケットセンター:03-3402-9911
クリエーター:トッド・トワラ&テンビ・ニヤンデニ
振付:トッド・トワラ 衣装デザイン:テンビ・ニヤンデニ プロデューサー:ジョー・テロン
出演:ナレーター/パフォーマー 36名/ミュージシャン 5名 (予定)
主催: 朝日新聞社 / TOKYO FM / テイト・コーポレーション
後援: NHKエンタープライズ21 / 南アフリカ共和国大使館
企画招聘: テイト・コーポレーション
ウモジャ2004年日本公演公式サイト:http://www.tate.jp/umoja2004.html