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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2004年11月16日

佐藤佐吉演劇祭参加・パラドックス定数『5seconds』11/1,2,8,9,16,17王子小劇場

 パラドックス定数は、名前は見たことあったかな?程度で作風についても何も知らなかったのですが、口コミで評判を聞いて観に行きました。「笑いのない『笑いの大学』です」と紹介されて、よくわからなかったのですが(笑)、要するに机を境に2人の男が対話するだけのお芝居、しかも超真面目で笑いなし、ということでした。

 とても面白かったです。大人のお芝居をじっくり堪能できました。
 受付も前説もしっかりしていて気持ちの良い観劇になりました。これなら50代以上のお客様でも大丈夫だと思います。

 本日の20:00の回が千秋楽です。
 全席自由で早い者勝ちになるようですので、観に行かれる方は早めに劇場に向かってください。昨日は遅れてきた方は数人が立ち見でした。
 受付開始:19:00 開場:19:30 料金:前売・当日共通1300円(全席自由)
 問合せ:パラドックス定数研究所 080-5509-5033
 ※劇団ホームページはありません。

 作品についての説明は王子小劇場のHPに書いてある文章が素晴らしいので引用します↓
 『「5seconds」は1982年に起こった羽田沖日航機墜落事故を扱った作品。生存者である機長の元に一人の弁護士が訪れる。事故について口を閉ざす機長と執拗に追う弁護士。墜落直前の空白の五秒間、コックピットの中では何が起きていたのか。1999年初演の作品を大幅改訂しての再演。四方を客席に囲まれた、真っ向勝負の二人芝居。』

 飛行機事故を扱った演劇というと燐光群の『CVR』が最も有名ですが、『5seconds』は事故の後のお話で、墜落機の機長と彼の弁護団の若い弁護士との対話劇です。
 2人芝居ならではの緊張感に加えて男同士の机上の戦いはゾクゾクします。役者さんも達者です。ただ、最後に謎が解けるところはちょっと説明が多すぎるかな~と思いました。また、出来ればスカッと笑える演出も加えたらより深みが増すんじゃないかと思いました。
 パラドックス定数はこれまでにも実際に起こった社会問題や事件を題材に作品を作ってきたそうで、これからもその路線が続くようです。次回もぜひ観に行こうと思います。

 この作品は王子小劇場の佐藤佐吉演劇祭に参加しており、1(月) 2(火) 、8(月) 9(火) 、15(月)16(火) と3週間に渡って月曜日と火曜日の夜に上演しています。これがすっごく助かったんです。私のところまで「あれ、面白いよ」という口コミが届いてくれたので観に行けました。開演が20:00だったのも嬉しいですね。
 毎週月・火はこういうお芝居をシリーズ化して常に上演するとか、いいんじゃないでしょうか?この作品を朗読劇にして色んなキャストで上演するのでも面白いと思います(王子小劇場のスタッフさんたちは既に色々お考えのようです)。

 ★制作面でのことですが、前売りチケットが「期間中有効」というのは早く辞めた方がいいですね。この作品がこれだけ好評なのですから、きっとお客様も増えます。日時指定にしないと安心してチケットを売れないと思います。詳しくはfringe(ナレッジ→若いカンパニーのために→当日精算券から前売券への移行)で勉強してくださいね!

作・演出 / 野木萌葱
出演 / 植村宏司・十枝大介
照明:木藤歩 照明操作:服部巧 音響:福田真由美 宣伝美術:山菜春菜 舞台監督:栗山佳代子 佐藤貴之 制作:パラドックス定数研究所 企画製作:FCCA PARADOX
料金:前売・当日共通1300円(期間中有効・全席自由)
問合せ:パラドックス定数研究所 080-5509-5033 劇団ホームページはありません。
王子小劇場:http://www.en-geki.com/
佐藤佐吉演劇祭:http://www.en-geki.com/sakichi/

Posted by shinobu at 2004年11月16日 00:07 | TrackBack (3)