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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2004年12月11日

竹中直人の匙かげん『唐辛子なあいつはダンプカー!』12/10-29本多劇場

 「竹中直人の会」あらため「竹中直人の匙(さじ)かげん」ということで、岩松了さんの作・演出ではなく、今回はケラリーノ・サンドロヴィッチさん、松尾スズキさん、宮沢章夫さんが脚本を執筆し、竹中直人さんご自身が演出する企画になったようです。宮沢さんが構成にも参加しています。

 一応、時空を超えて兄(竹中直人)が妹(木村佳乃)を探しているという設定がありましたが、別にそれを大切にしているわけではなかったです。この作品はジャンルで言うと何になるのかなー・・・コント集、と見せかけた、歌と踊りのレビュー、かな。

 まあ、ある程度は予想がついていたのですが、それを上回る匙の投げ具合と申しましょうか、投げっぱなしで振り返らないと申しょうか、投げて、ほったらかして、さらにまた投げると申しましょうか。
 2時間ありましたが、1時間弱は寝てたと思います。何をやってもやらなくても、突然踊って歌うんです。最後は出演者さえもどぎまぎするぐらい突然のエンディングでしたね。おやおや。

 誰もが面白い、楽しいと思えるヤワなものが世の中に溢れていて、そうでないものは「つまらない」「価値がない」とされることは、芸術にとって不幸なことだと思います。でも、誰もが面白いと思えるわけではなく、楽しめるわけでもないなら、それ以外の何か、アイデンティティーと呼べるような、どっしりとした存在感のようなものを感じられなければいけないと思います。そういう視点から見ても、この作品は面白くなかったですね。
 私は佐藤康恵さんの長くて細い手足と胸の谷間、そしてその上に高くそびえる首と小さなお顔を見られただけでヨシとするのかも(笑)。

 女性は3人出演されていますが、皆さんすごく肌を露出されていました。佐藤康恵さんなんてキャットウーマンもどきのSMプレイの女王様だし。ラスベガスのショウガールみたいな超ミニドレスとかさー・・・もースタイル良すぎるんだってば!大好きっ!

 木村佳乃さんも相当がんばってらっしゃいました。歌うし踊るし叫ぶし。帝国劇場のミュージカル『ミー・アンド・マイガール』で唐沢寿明さんと共演されてましたね、そういえば。あの時よりも魅力は増していたと思います。
 ラスト近くで竹中さんと木村さんが2人で真剣に演技するシーンがあるのですが、そこはちゃんと芝居の空気になっていて、さすがにお二人とも華のある俳優さんでした。スターならではですよね。

 いっぱい歌があったけど、歌詞がかなり面白かったです。たぶん。
 「クイズ・そっちの方がすげぇ!」はネタ(アイデア)としてはすごく面白かったなー。ケラさんの脚本かなー。パンフレットにも誰が何を担当したのかは書かれていませんでした。というか、構成・演出の時点で相当変わってそうです。

 そう、パンフ売り場に見本が置いていなかったので「見本はどれですか?」と聞いたら、売り子のおにーちゃんが「どれでも適当に見ていいッスよ」と言いました。・・・なるほど。そういうノリなんですね。1000円以上するパンフなのにね。ひどいよな。

《東京公演後→大阪》
作:ケラリーノ・サンドロヴィッチ/松尾スズキ/宮沢章夫(50音順)演出:竹中直人
出演:竹中直人/木村佳乃/佐藤康恵/緋田康人/大堀こういち/矢沢幸治/井口昇/坂田聡/石川真希
演奏:MEN’S5
音楽:MEN'S 5 美術:エドツワキ 照明:日高勝彦 音響:藤田赤目 衣裳:安野ともこ 舞台監督:青木義博 宣伝美術:坂本志保 イラストレーション:白根ゆたんぽ 企画:竹中直人 製作:中村文重 (有)中村ステージプロダクション
お問合せ:中村ステージプロダクション 03-3424-6833

Posted by shinobu at 2004年12月11日 00:29 | TrackBack (0)