2004年02月02日
文学座『風の中の蝶たち』01/30-2/8紀伊国屋サザンシアター
浅野雅博さん(文学座)目当てで観に行きました。高橋礼恵さん(文学座)も好きだし。
明治時代の自由民権運動のお話で、実話を元にしているようです。
つまらなくて驚きました。紀伊国屋サザンシアターで一体何が起こっているんだろう?と。途中休憩で帰ろうかと思ったのですが、浅野さんの行く末も気になるし、稽古場雑記(のりのり散歩道)を読んで楽しみにしていた高橋さんの殺陣もまだ披露されていなかったので、そのまま残りました。後半が始まると、さすがは文学座のお客様です。私の隣りと前だけでも4人いなくなっていました。賢くて厳しいお客様です。
あんなに貫禄があって技術のある役者さんが勢ぞろいなのに、展開が軽くてどんな事件も素通りしてしまう。恋愛が山ほど出てくるのに全く色気がない。脚本はそんなにつまらなくないと思うんですよね。演出のせいじゃないのかなー。もっともっと濃密に、皮肉に、そして最後は切ないけれど暖かく終わらせることが出来たんじゃないかなー。
まず、音楽が無かった。人が熱い恋の告白をしたり、裏切ったり戦ったり死んだりするのに、ピチピチと泣くすずめの声や、せみの声、人ごみ、船の汽笛などの効果音しか鳴りません。最後のエピローグ部分(?)で初めて音楽がかかったと思いますが、雰囲気としてはまるで「徹子の部屋」のエンディングみたいな感じでした。
美術もさびしかったですね。舞台奥のホリ幕が見え過ぎだと思います。いろんな場所に転換するからシンプルにするのも手段の1つですが、あまりにインスタントでした。
あと、楽しみにしていた殺陣なんですが・・・もともと高橋さんはそれを得意とする役者さんじゃないようですし、それを踏まえて作らないと絵にならないと思います。でも、殺陣の後の高橋さんの演技はやっぱり素晴らしかった。声もいいし素敵な女優さんだと思います。
エンディングがまたまたびっくりでした。加藤武さんが観客に向かって登場人物の行く末を一人で全部しゃべってしまうという大技。いやー・・・なんとかなるというか、なんとでもしちゃうんですね。加藤武さんの凄さを再確認いたしました。
脚本:吉永仁郎(山田風太郎原作による) 演出:戌井市郎
出演:北村和夫・加藤 武・原 康義・石川 武・押切英希・中村彰男・田中明生・大原康裕・浅野雅博・岸槌隆至・松井 工・外村史郎・山本郁子・山崎美貴・高橋礼恵
スタッフ:装置…中嶋正留 舞台監督…寺田 修 照明…山内晴雄 演出補…黒木 仁 音楽…坂田進一 制作…白田 聡 音響効果…秦 大介 票券…松田みず穂 衣裳…中村洋一 殺陣…渥美 博
文学座 : http://www.bungakuza.com/
浅野雅博ファンサイト「かーてんこーる」 : http://gohatto.jpn.org/asano/