2004年04月08日
30-delux『マホロバ』03/19-28シアターVアカサカ
30-delux(サーティー・デラックス)はタイソン大屋さん(劇団☆新感線)と清水順二さん(元MOTHER)らが所属するギリギリ・ボーイズという演劇ユニットの企画名です。
今回は作・演出に西森英行さん(InnocentSphere)を迎えての第2回公演。私は初見です。
とある時代のとある大地。アカツチの村、キバツ国、樹海の三つの世界で戦闘が繰り広げられます。
私はアクションばかりが売りの作品は好みではないので、チラシのビジュアルや30-deluxのイメージからもしかすると自分の苦手な部類かもしれないと思っていたのですが、そんなことはありませんでした。ストーリーや人物像がしっかりと書かれていて、アクションや仕掛けも存分にあり、大満足でした。
作品全体のイメージとしては劇団☆新感線に似ていると思います。新感線みたいに作れと言われて出来る人なんて、そう簡単にはいないですよね。今の小劇場界では西森さんがその人なのではないでしょうか。
ちょっとひっかかったのは、上演時間が少し長いということと、役者さんの技術のばらつきですね。きちんと書き込まれたストーリーだから、情熱と腕力だけでは魅せきれないのだと思います。
オープニングがかっこいいですよね~。大音量の音楽にCG映像と殺陣がリズムよく組み合わされて圧巻です。動ける男優さんってかっこいいなぁと改めて思います。
InnocentSphereの作品でも感じましたが音楽が多いです。でも飽きたりすることなく、結構ノって楽しませていただきました。
衣装も相当がんばって作られています。小道具も凝ってますね。見知らぬ異国の大活劇を成立させるには、こういう具体的な装飾がとても大切ですよね。力を注がれているのがわかりますし、観客としては嬉しいです。
鳥肌モンのシーンがいくつかありました。息子に刺されてまさに死なんとする父王が倒れながら「跡継ぎはお前だ」とその息子を次の王に指名するシーンにはしびれました。
私が一番好きだったのは、アカツチの村を再び攻めてきたキバツ国の新しい王ミズハの姿が、舞台の2階部分からシルエットで表現されるシーン。照明の使い方がかっこいいです。
若松力さん。新しい王になったミズハ役。プロデューサーの清水さんが『今回、「秘密兵器」だ』とおっしゃっていたそうですが(30-deluxのHPのBBSより)、まさにそう!まさかあんなに化けるとは思いませんでした。気弱な坊ちゃん王子だったのに、あんな凶暴な王になるとは。悲しみを湛えてギラギラと光る瞳が美しかった。爆発力もすごいしこれからも注目したいです。
作・演出:西森英行 演出助手:奥村亜紀 永安大海 照明:浜崎亮 音楽:有馬一快 高橋史泰 音響:ヨシモトシンヤ 谷口大輔 音響助手:伊藤裕貴 舞台監督:寅川英司 舞台監督助手:杣谷昌洋 映像:冨田中理 衣裳:村瀬夏夜 メイク:泉淑 ヘアメイク:岡本彩 小道具製作:湯田商店 殺陣指導:清水順二 アクション:山口幹 ダンス振付:田中可奈 宣伝写真:岡崎健志 宣伝・パンフレットデザイン:高松淳子 宣伝スタイリスト:高松浩子 宣伝ヘアメイク:浜口恵美 宣伝小道具:湯田商店 舞台写真:伊東和則 パンフレット写真:小島マサヒロ まかない:湯田商店 WEBデザイン:オオカドカズサ 制作:中島良恵 斎藤努 制作助手:小野貴子 小川永子 アシスタントプロデューサー:角田典子 田中浩補 プロデューサー:清水順二
30-delux : http://www.30-delux.net/