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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2004年06月02日

マレビトの会『島式振動器官』06/02-06こまばアゴラ劇場

 マレビトの会は、劇作家の松田正隆さんの作品を上演するためのプロデュース・グループです。京都の劇場 アトリエ劇研を拠点に活動し、アトリエ劇研がソフト・ハード、運営全てにおいて協働するプロジェクトだそうです(当日パンフレットより部分的に抜粋)。
 芸術家と劇場が手を組んで共に舞台作品を作り上げることは、東京の劇場でもどんどん実現してもらいたいですね。

 飛べない巨大な鳥が住む町。鳥ハンターとして生計を立てている犬男(いぬお・枡谷雄一郎)は、その怪鳥のくちばしで胸を貫かれて瀕死の状態。横たわる犬男の部屋に男と女が訪ねてきて・・・。

 初日、満員のこまばアゴラ劇場でした。開演直前の完全なる静けさが何とも味わい深かった。

 松田正隆さんの脚本を平田オリザさんが演出される作品はよく目にしますが、松田さんご自身が作・演出される作品は私は初めてでした。
 かなり長い、独白のような散文調のセリフを、役者さんが静かにたたずみながら(横たわりながら)しゃべります。ひとつひとつの単語、文字が過剰な装飾なしに発せられます。皆さん、声に張りがあるというか、おそらくその人自身の等身大の存在としてしゃべっているからか、すごくダイレクトに声が響いてきます。そこに居る、目の前の人間(役者)に惹きつけられました。ただ、話している内容はとても難しかったので意味が全て理解できたわけではなかったです。

 瓶が数十本、テーブルの上に置いてあるのがきれいでした。最後は地震のように揺れましたよね?音響の効果だったのでしょうか。きれいでした。

 実は、どうしても眠気に勝てませんでした。昼間に肉体労働的な仕事をしていたことが主な原因ですが(泣)、集中力が持たなかったです。私のように平日働いている人間がマレビトの会を見るのは、休日の昼公演が良いかもしれません。体調万全で挑みたいものです。

作・演出:松田正隆
出演:山本麻貴 武田暁(魚灯) 田中遊(正直者の会) F・ジャパン(劇団衛星) 枡谷雄一郎 
舞台美術:奥村泰彦 照明:吉本有輝子 照明オペレーター:高原文江 音響:堂岡俊弘 音響オペレーター:小早川保隆 演出助手:牛尾千聖 舞台監督:清水忠文 宣伝美術:古関剛(greenroom) 制作:杉山準 岡本司 安藤きく 企画:松田正隆 杉山順 提携:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
アトリエ劇研:http://www.gekken.net

Posted by shinobu at 22:04