2004年06月16日
デス電所『ちょっちゅ念』06/15-17下北沢駅前劇場
大阪の劇団です。前回の東京公演を見逃したので伺いました。
タイトルが・・・ギャグなのでしょうか。すごくインパクトありますよね。
とある島で魚から発症した石化症(人が石のように動かなくなる)が蔓延している近未来の日本。そのエピソードと平行して、ある不幸な老女の生涯の惨憺たる出来事を追っていく。(あぁ、やっぱりタイトルには全く関係ないですね・・・。)
最初は非常に困りました。怒鳴る、わめく、叫ぶ、どたばたするばかりで、すごく不快だったんです。でも開演30分後に始まったオープニングで、タイトル曲『ちょっちゅ念』を役者総動員で踊って歌って、大盛り上がり。元気印の女優さんがキュートに活発に踊ってくれて、プロジェクターで映されるモノクロのCGアニメーションも可愛かったし、パーっと明るくなって、あぁ楽しい・・・というわけで、最後まで観ることが出来ました。
音楽劇とまではいきませんが、かなり歌が多いスタイルです。ギター、ベース、キーボードとヴォーカルでオリジナルの曲を演奏しながら、少々病的で暴力的な2つの物語が進んでいきます。ちゃんと舞台上で生演奏されますし、当日パンフレットは歌詞カードにもなってます。面白いと感じるものもありましたが、やっぱり音楽は上手じゃないと聴きづらいです。一人、歌がお上手な方(キーボードの丸山英彦さん)がいらっしゃって、その方の歌は気持ちよく聴けました。丸山さんがヤクザの息子役で悪魔的な歌を歌うところは楽しかったです。
2つの物語は全く接点が無さそうでしたが、最後の方でほぼ無理やりにつながりましたね。後半は、老女の壮絶な人生の説明と石化症の原因究明とが交互にとっかえひっかえ現れて、観ていて疲れました。別にがんばってつなげなくても良かったんじゃないかしら。後になって色々付け足したりしたんじゃないかな、と感じざるを得ないまとめ方でした。
沖縄の方言(?)を話す女の子(山田千絵)がいたのですが、方言ってすごく可愛いいですね。女優さんは全員で3人だたったのですが、3人とも目が輝いていて凄みがある方々でした。でも、これは大阪の劇団によくある特徴なのですが、女優さんががさつ一辺倒です。そんなことまでやるの!?というパワーは確かに魅力的ですが、女性らしさも大切にしてもらいたいと切に思います。
身体的な感想が最初に立ってしまうのが残念ですが、2時間たっぷりあって長く感じました。そして、クーラーが効きすぎていて寒かったです。あと、隣りの席に劇団Tシャツを着た人が座られたのですが、上演中、一挙手一投足をじ~っと観られているように感じたんですよね。見るからにスタッフだとわかる方は、ちょっと脇の方に座られた方が良いと思います。
作・演出:竹内佑 出演:丸山英彦 豊田真吾 米田晋平 福田靖久 山村涼子 山田千絵 田嶋杏子 松下隆 竹内佑
舞台監督:中村貴彦 美術:清花也 照明:西山茂 音響:佐藤真弓 衣裳:遊光 音楽:和田俊輔 映像:松下隆 イラスト:河井克夫 宣伝美術:イトウユウヤ 制作:西川悦代 製作:デス電所
デス電所:http://deathtic.727.net