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Shinobu's theatre review
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REVIEW

2005年01月30日

小鳥クロックワーク『わが町』01/14-17駒場小空間

 西悟志さんの演出は山の手事情社EXTRA企画『作、アレクサンドル・プーシキン』で初めて拝見しました。彼の主宰する小鳥クロックワークは今回が最期公演ということで、劇場は極寒だけれど熱気はムンムンの千秋楽に伺いました。

 ソートン・ワイルダーの『わが町(原題:Our Town)』を脚色した作品です(映画もあるんですね)。ある小さな町に生きる平凡な人々の平凡な生活を、実在する現実の世界とミックスしながら紹介していきます。

 鮮やかな白、紫、緑が印象的で、幾何学的な生地の組み合わせの衣裳を着た若い男女が、バネッサ・パラディの"Be My Baby"に乗って、山の手事情社のルパム(音楽にあわせて身体を動かす踊りのようなもの)のような動きをしながら、どんどんと舞台に出てきて闊歩します。これがカッコイイ!曲がほぼフルコーラス流れてかなり長い時間続くのも良いです。
 『・・・プーシキン』でも選曲が私好みだったのですが、今回劇中に流れた元気一杯の音楽たちははだいたいこんな感じ↓(終演後に頂戴したブツでここまで判明)。
 "Be My Baby"(バネッサ・パラディ)、"It's a small world"、"Fly me to the moon"、"Love is a many splendid thing"、"My favorite things"(←これはどこで流れたっけ?)、"Star Wars Main Theme"、"上を向いて歩こう"。
 これらの音楽がどれもストーリーテラーのごとき存在感を主張していました。

 パンフレットで西さんは『ぼくの創作上の主要なモチーフは、「終わらないということ、しかし、いつかは終わるということ」かもしれない』と述べられています。始まってやがて終わる芝居。生まれて必ず死ぬ人間。この宇宙の中の一瞬間でしかない命が、またたいて、消えて、断続的に繰り返しながら続いているのがこの世界です。猛スピードで捕まえた「未来」を、容赦なく「過去」に変えていく「時間」。そのちょうど端境に確かに存在する「現在」を、観客が作り手と一緒に体感できる、奇跡的にハッピーな空間が生み出されました。例えばラストは銀色の紙(アルミ)吹雪がどっさり、舞台上だけでなく客席にも降り注ぎました。『わが町』の登場人物でもあり、俳優でもある20代のがむしゃらな若者たちと、それを座って観ている観客とが、貴重な「今(現在)」を共有するのです。

 このように、深く狙いを定めた演出が施された非常に面白い作品であるため、役者さんの技術の低さがどうしても気になり、集中し続けるのは困難でした。でも、それも合わせてこの作品なのだと思います。オープニングと同じく"Be My Baby"のフルコーラスに合わせて生き生き、のびのびと呼吸する若者たちを観ながら、うっかり涙が流れました。そう、うっかり、です。だってむずむずと私の胸が痛んだんだもの。きっと悔しかったんだと思います。

 千秋楽だったので、終演後はお祭り騒ぎのごとき様相でした。「終わったーっっ!!」と叫んだり、誰かと抱き合ったりですねぇ、もう目も当てられない(笑)。私は普通の観客として来場したので、そういう内輪な雰囲気に圧倒されつつ昔のことを思い出しました。 
 もう10年以上前の話なのですが、私も学生時代に駒場小劇場(駒場小空間の前身)で役者として舞台に立っていました。小鳥クロックワークの作品や姿勢は、私が居た劇団とは全然違うものなのですが、ちょっと空気が似ている気がしました。若い時って、自分の身体も心も、他人のことももちろん省みず、全身全霊掛けて理想に向かって全力投球します。しかもほぼ無意識に。それは若さの特権というか、若いならこうでなきゃ!って私は思います。でも同時に、『わが町』同様、延々と繰り返させていく「若さ」のループがそこにあったように感じて、ちょっと怖くなりました。つまりこの作品の影響をかなり受けたってことなんですが。

 また、これは私の勝手な考えなのですが、西さんはこれから日本の演劇界で活躍していかれる方だと思うので、ご自分の“ユートピア”駒場に留まっている必要はないんじゃないかなと思いました。学校ってぬるま湯のようで実は牢獄かもしれないですし(笑)。

 これも蛇足ですが、西さんによる『ハウルの動く城』についての詳しすぎる解説が、当日パンフレットとともに配られており、それが最高に面白くって面白くって!開場時間に夢中で読んでたら、いつの間にか開演していました。上演中にちょっとでも気が散るとすぐに心は『ハウル・・・』へと飛んで行ってしまってですねぇ・・・「開演前の読み物にどうぞ」などとお薦めしてはいけないですね、あんなに面白いものは(笑)。

レビュー↓
 fringe blog 
 休むに似たり。
 某日観劇録

作:ソートン・ワイルダー 演出:西悟志
出演:沿道怪至 大河内保珠恵 大沢由加子(ク・ナウカ) 神谷明子 加茂みかん(ひょっとこ乱舞) 小菅紘史 佐々木リクウ(ク・ナウカ) 杉亜由子 鈴木智美 立蔵葉子 チョウソンハ(ひょっとこ乱舞) 中村早香(ひょっとこ乱舞) 広田淳一(ひょっとこ乱舞) 宮城未蹴 若子昭一(ひょっとこ乱舞) 渡辺理英 
スタッフ:江村桂吾 川口典成 木藤歩(balance, inc) 齋藤円佳 佐々木翠 高岸れおな 高橋茉莉香 竹内和延 ツカネアヤ 日下田岳史 松永知秀 宮田公一 和田佳子 和田匡史
小鳥クロックワーク:http://kotori_clockwork.at.infoseek.co.jp/

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2005年01月29日

新国立劇場オペラ『マクベス』01/17, 20, 23, 26, 29新国立劇場 オペラ劇場

 野田秀樹さん初演出のオペラが早くも再演。初演で最高に感動したので再演も迷わずチケットを取りました。私が拝見したのは1/29の千秋楽です。充実の舞台写真はこちら

 感想等はほぼ初演の時と同じです。二度目なので驚きなどはなかったものの、期待していたシーンは期待通りだし、初演の時には心に引っかからなかった細かい部分を楽しむことも出来ました。

 タイトルロールのマクベスを歌うのがカルロス・アルヴァレスさんに変わってたことは、すごい違いでしたね。カルロス・アルヴァレスさんは・・・最後のソロだけめっちゃくちゃ感動しました。それまでは体力温存??って思っちゃうほど影が薄かったですねぇ。

 マクベス夫人は初演と同じくゲオルギーナ・ルカーチさん(イアーノ・タマーさんが降板したため)で、やっぱり迫力のソプラノに体ごと感動しました。演技も最高にお上手で、好戦的なマクベス夫人に血沸き肉踊る心持ちでした。

 マクダフ役の水口聡さんの歌も素晴らしかったです。

作曲:ジュゼッペ・ヴェルディ 原作:ウィリアム・シェイクスピア 台本:フランチェスコ・マリア・ピアーヴェ/アンドレア・マッフェイ 指揮:リッカルド・フリッツァ
演出:野田秀樹 美術:堀尾幸男 衣装:ワダエミ 照明:服部基 振付:木佐貫邦子 演出補:田尾下哲 舞台監督:大仁田雅彦 合唱指揮:三澤洋史 合唱:新国立劇場合唱団 管弦楽:東京交響楽団 主催:新国立劇場
【キャスト】マクベス=カルロス・アルヴァレス マクベス夫人=ゲオルギーナ・ルカーチ バンクォー=大澤建 マクダフ=水口聡 マルコム=内山信吾 侍女=渡辺敦子 医師=片山将司 マクベスの従者=大森一英 刺客=篠木純一 伝令=塩入功司 第一の亡霊=友清崇  第二の亡霊=原由樹 第三の亡霊=直野容子/ほか
新国立劇場内:http://www.nntt.jac.go.jp/season/s246/s246.html

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ヒンドゥー五千回『僕らの家、僕らの海』01/27-02/06下北沢OFF OFFシアター

 いつも奇抜なチラシでちょっと怖いなぁと思っていたヒンドゥー五千回。今回のチラシはノーマルな形で、海で撮影したきれいな写真がメインビジュアルだったので、行きたい気分になっていました。
 静かなお芝居でした。劇団名からアクション・エンタメ系かなぁと想像していたので、意外でした(客って勝手ですよねぇ)。

 高校時代の仲良し男子5人組が10年ぶりに出会って同居を始めた。毛利(成川知也)と青木(爺隠才蔵)はサラリーマン、丸尾(結縄久俊)はフリーターというように、それぞれ違う進路をたどっており、すれちがい気味の同居生活は始まってまだ半年足らず。高校時代の思い出話ばかりする丸尾に、忙しく働いている毛利や青木はイライラしている。

 言いたいこと(表現したいこと)まで行き着くために、ストーリーやセリフが無理やり積み上げられているように感じました。何をしゃべっていても、それは次の、次の、その次のセリフのための前フリのよう。

 時間は、過去→現在→未来という順番に流れていることになっていますが、果たして本当にそうなのか?そう思っていて良いのか?という問いかけがあります。昔、私の知り合いが言っていたのですが、人間が体感できる順番は、現在→過去→未来なのではないか、その方が正しい認識なのではないか、と(渡辺真知子さんの“迷い道(いきなり音楽が鳴ります)”という歌の歌詞を例に出してよく話をしたんです)。
 今(現在)を生きている自分が、自分の生きてきた過去を振り返り、そして未来を展望する。過去も未来も、眺めているのは現在の自分です。というか、過去も昔は現在だったし、未来はいつか現在になりますよね。どっちにしろ全ては現在に集約されるのです。つまり、過去と未来の両方をしっかり見て、実感して生きることこそ、「今(現在)を生きる」ということなのではないか。
 だから、過去を振り返らず、自分の身の回りのこと(現在)もなるべく見ないようにして、前(未来)ばかり向いているサラリーマンの毛利と青木も、過去ばかりで現在と未来を見ていないフリーターの丸尾も、どちらも「現在」を生きられていないのではないか、だから、お互いにわかりあえないのではないか、と。私にはそんな風に映りました。

 この作品では過去に強く焦点が当てられ、過去から現在を眺める視点だったように思います。その方向からだけでは、ドラマ成立には不十分な気がしました。でも、最後にみんなで一緒に出かけますよね?もしかすると、その、出かけるシーンで何かが起こっているのかもしれません。できれば私はその辺りを観せていただきたいなぁと思います。

 同居人以外の登場人物には激しい個性のキャラクターが多く(丸尾の兄、出会いあっせん会社の女・渡辺など)、静かで暗い目の世界に華を添えていました。

 女の同居人(家政婦?)、渕上良枝役の西田夏奈子さんと、可愛らしい“先輩”役の榎本純朗さんの演技がどっしりと落ち着いていて、役柄をしっかり捕らえたリアクションが良かったです。
 渡辺さんにアタックする村越くん(久我真希人)も可愛らしかったですね。できれば「付き合ってください!」って告白して欲しかった。

 構成・演出の扇田拓也さんは役者さんでもあります。青島レコード公演でよく拝見しておりました。『FAT OLD SUN』がすっごく良かったな~。赤いつなぎの“鳥”が忘れられない。あれ、扇田さんでしたよね?

 えと、これはつぶやきです。ヒンドゥーってヒンズースクワットのこと?スクワット5000回って、私なら・・・死ぬ。

構成・演出=扇田拓也
舞台監督:岡嶋健一 舞台美術:袴田長武(ハカマ団) 照明:宮崎正輝 菊池伸枝 音響:井川佳代 宣伝写真:降幡岳 宣伝美術:米山菜津子 WEB:成田憲保 制作:関根雅治 山崎智子 企画・製作・主催:ヒンドゥー五千回
出演:谷村聡一・久我真希人・結縄久俊・向後信成・藤原大輔・西田夏奈子・中尾あや(青島レコード)・水野顕子・榎本純郎・爺隠才蔵(劇団上田)・大原裕人・成川知也
ヒンドゥー五千回:http://www.h5000.com/

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2005年01月28日

東京ネジ『フロウフユウ』01/27-30王子小劇場

 岩手の盛岡から東京に進出してきた、女の子ばかりの劇団だそうです。
 女の子らしいポエティックな空間で、漠然とした、だけど世界を覆いつくすほど巨大な空しさ、寂しさを、ストレートに表現していました。
 今週末の日曜日までです。技術的にはまだこれから、という感じですが、すごく頑張っているし、個性のある作品だと思います。お時間あれば、ぜひ。

 舞台は2060年代の日本。雪が降らなくなってもう約40年。ある家族のお話。母みつる(佐々木香与子)は50歳だというのに超若いルックスで、趣味はギャンブルと買い物。娘のみつこ(龍田知美)は30歳。15歳の時の失恋のせいで人を好きになれないでいる。母は、みつこが中3の時にみつこの担任の先生と突然結婚した。だからこの15年間は、母、新しい父、みつこ、息子のみつお(明石修平)、そしてお手伝いロボットのアイちゃん(宇田川千珠子)の5人暮らしだ。みつことみつおには、温度や体温を自覚できないという共通の障害があった。
 みつおには紐子(ひもこ:佐々木なふみ)という30歳の彼女がいる。ある日、紐子がみつおとのデートに出かけようとした時、突然陣痛が始まった。生まれてきたのは、大きな大人の女(サイトウミホ)と男(田村圭一)だった・・・。

 2階までしっかりと作られた幻想的でキュートな舞台装置で、3つの全く異なる世界のエピソードが始まり、オープニングから驚かされました。古い言い方で前衛的、といいますか、わかりづらい始まり方だったのでちょっと心配になったのですが、徐々に3つが合わさっていき、数々のどんでん返しに引き込まれていきました。
 
 母みつると同じように70歳なのに20代のような姿のままでいる、みつるの母親、つまり祖母のくみこ(佐々木富美子)のが出てきて、「ケサラン・パサランを返して!」と行って来たところで秘密がどんどん明かされていきます。“ケサラン・パサラン”って私にとっては化粧品でしかなく、イメージはずっと化粧パウダーだったんですが(苦笑)、本当は「白い羽のような、ふわふわした、幸せを運んでくるもの」のようですね。この作品では“何でも望みをかなえてくれる魔法の羽”でした。

 母と祖母はケサラン・パサランに不老不死を願ったため、年を取らない身体になっていたのです。また、祖母からケサラン・パサランを奪って逃げた母は、ケサラン・パサランで何でも望みを叶えて30年間生きてきました。だから、娘と息子も実は彼女が願って作ったモノで、人間ではなかったのです。さらに、母が結婚したお父さんは、娘が15歳の時に失恋した教師ロボットだったことも判明します。

 ケサラン・パサランの効力が(なぜか)消えていくにつれて、母は手に入れたものをどんどんと失っていきます。教師ロボットには寿命がきて、不老不死ではなくなった祖母は若い彼氏と新しい人生を歩み始め、お手伝いロボットのアイちゃんは修理から帰ってきたら記憶が全部消えていました。娘と息子はケサラン・パサランの羽が舞い吹雪く中、母の前から姿を消します。このシーンは圧巻でした。観客にマスクが配られていたのはこのためだったのですね(そういうアナウンスが全くなかったのは問題ですが)。
 みつおの彼女の紐子も、ケサラン・パサランの力を借りて“具現人格”という病気のために現れていた男女を消しますし、みつおも彼女が知らない間にいなくなります。望んだだけで何でも手に入った人生だったけれど、突然全てが泡のように消え、たった一人になってしまった母が「これは長い夢だった」と言ってエンディング。

 簡単に望みが叶うことの空しさ、思いが叶わないときの悲しさ、何かを失うことのつらさなど、寂しく切ない気持ちを表現すると同時に、家族や恋人を愛し、大切に思う暖かい気持ちも伝えようとしていました。

 衣裳のセンスがとても良いです。普段着にちょっとした工夫を加えて登場人物のキャラクターもわかりやすく表せていました。
 音は音楽も効果もまだまだですが、意図は理解できました。
 舞台は、カーテンがうまく動いていなかったり、階段が危なっかしかったり、観ていて不安になるところは沢山あるのですが、王子小劇場の高い天井を使って最大限に冒険しているのがわかりました。
 
 制作(受付)とか、舞台転換とか、技術と経験が物理的に不足しているところが目立ちますし、脚本については言葉がまだ練り足りない(率直過ぎる)と感じました。演出にも穴があります。でも、それこそこれから公演を続けていけば克服できることばかりです。やりたいことを頑張ってやっているのが伝わってきたので、終わった時はすがすがしい気持ちでした。

 明石修平さん(bird's-eye view)。みつお(息子)役。カ、カ、カッコ良過ぎます・・・・もう、スターですよ、スター!『ハウルの動く城』で言うと間違いなくハウル。もうっ、とにかく必見!
 龍田知美さん。みつこ(娘)役。しっとり、押さえた演技が素晴らしいです。片思いをしていた彼に告白するシーンは切なくて泣きそうになりました。久しぶりに小劇場エンタメ系で良い女優さんに出会えました。どこかで拝見したなぁと思っていたら(劇)べっちん『鬼ロック'04』に出てらっしゃいましたね。あの時も心に残る方でした。

王子小劇場賛助公演
作:佐々木なふみ 演出:佐々木香与子
出演:佐々木香与子 佐々木富貴子 佐々木なふみ 龍田知美(以上、東京ネジ) 平野圭(ONEOR8) 明石修平(bird's-eye view) 宇田川千珠子 浦井大輔(コマツ企画) 田保圭一 サイトウミホ
舞台監督:長谷川ちえ 舞台美術:袴田長武 照明:工藤雅弘(Fantasista?ish) 音響:島崎諒(JAPWORKS) 衣装:藤川亜紀子 宣伝美術:大倉英輝 混 制作:柴田優子
東京ネジ:http://tokyoneji.amnesic.org/

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2005年01月27日

TBS・電通・TOKYO FM『アダム・クーパー 危険な関係』01/22-02/16五反田ゆうぽうと簡易保険ホール・青山劇場

 国際的に活躍する日本でも大人気のバレエ・ダンサー、アダム・クーパーさんが演出・振付・主演されます。豪華キャストに豪華衣裳&美術&生演奏。大人がうっとり堪能できる、刺激的で官能的なダンス・エンターテインメント作品でした。
 終演後に「R指定だよね~」という声も聞こえましたが、はい、その通りだと思います(笑)。R18ぐらいかな。でも本当にこの作品の意味を味わおうとするなら、R25じゃないかしら~ん。

 「この作品を“バレエ”と呼んでほしくない」(パンフより)とご本人がおっしゃるように、確かにバレエという枠に収まる作品ではなかったです。コンテンポラリー・ダンスの振付が多用されていますし、音楽も音響もけっこう冒険が見られます。まるで言葉を話し続けているかのように踊るので、全体として演劇に近いですね。中でも、高らかと美しい声で歌うダンサーには驚きました。彼女(マリリン・カッツ)はピアノを弾いたりもしていましたよね。

 『危険な関係(原題(仏語):Les liaisons Dangereuses)』は1782年にピエール・コデルロス・ラクロによって書かれた書簡体小説です。最近はヨン様主演の映画『スキャンダル』がありました。私は中学生か高校生の時にグレン・クローズ&ジョン・マルコビッチ主演の映画をビデオで見たんですが、意味が分からなかったことを覚えています。今回は痛いほどわかりましたよ~っ。全身全霊、何もかも投げ出してしまう恋情!恍惚!大人だから、燃えれば燃えるほどに悲しいんですよね。

 ヴァルモン子爵(アダム・クーパー)は元・恋人のメルトイユ侯爵夫人(サラ・バロン)と組んで、まるでゲームのように淑女・処女をどんどんと誘惑し、落としていくが、貞淑なトゥールベル夫人(サラ・ウィルドー)に本当に惚れてしまい・・・。

 第1幕はオープニング、登場人物および設定の説明・・・と来て、ちょっと退屈しました。でも、ヴァルモン子爵があどけない少女セシル(ヘレン・ディクソン)を襲うシーンは、あまりの過激さにちょっとビビったものの、そんなスリルにゾクっとするような快感も覚え、また、アダム・クーパーとヘレン・ディクソンのダンス技術の素晴らしさに見とれて、釘付けになりました。
 あの天蓋付きベッドはAMP『白鳥の湖』を思い起こさせます。美術デザインは同じ方(レズ・ブラザーストン)なんですね。ベッドの天井からクルっと回転してアダムが降りてきちゃった時は戦慄でしたよ、あそこまでやられたら観念するしかないかも(笑)。

 休憩20分を挟んで第2幕が始まると、登場人物一人一人の感情の揺らぎが細やかな振付で余すところなく表現され、目が離せなくなりました。
 ヴァルモン子爵の誘惑をかたくなに拒んでいたトゥールベル夫人は、徐々に自分がヴァルモンに惹かれていることに気づき、必死でその感情を抑えようとするけれど、やはり頭に浮かぶのは彼のことばかり・・・という風に、舞台上で彼女一人で葛藤するシーンには胸が熱くなりました。頭ではなく体が彼を求めているという風に表現しているのが大人向けです。理性(貞操観念・社会通念・プライド・倫理観など)と感情(恋心・性欲など)が拮抗する様が、サラ・ウィルドーの麗しい身体によってしとやかに、しかし熱く表現されます。

 かつら(ウィッグ)を取って自らの姿を露わにしたヴァルモン子爵が、トゥールベル夫人の部屋に入ってきてからは、男と女の心と心がぶつかり合い、それが愛になって合わさって、2人の体ごと昇華する様子が、私の目に胸に、直接伝わってきて涙が流れました。

 恋や愛などという言葉では表せないほどの至福の時を得た2人でしたが、ヴァルモン子爵が悪夢から目覚めてふと我に返ったときに、一瞬にしてその天国が音を立てて崩れ落ちます。人間には、愛が怖くなることがあるのです。その慈悲深さに、おおらかさに、自分が押しつぶされてしまう気がするのだと思います。ただそこに身を投げてしまえばいいのですが、人間にはその勇気がないことが多いのです。愛にしても恐怖にしても、映画でジョン・マルコビッチが“beyond my control”と連発していたのを思い出しました。そう、「自分の手におえない」「自分にはどうしようもない」のですね。

 この作品では、ただ「走る」という動きがとても効果的でした。ドンファンの魔の手から逃げようと無心にドタバタと走るセシルには、少女ならではの無垢なか弱さがプラスされました。また、逃げつつもまた手を引かれて、ヴァルモン子爵の胸にギュっと抱き戻されるトゥールベル夫人の、ゆらめきながら舞台を縦横に走る姿からは、セクシーな息遣いが聞こえてきそうでした。

 演劇に慣れ親しんでいる私がバレエを観ていつも思うのは、「声(言葉)がないのになぜこんなにも雄弁なんだろうか」ということです。言葉を発するよりもはっきりと、確実に想いを伝えてくれるんですよね。

 セシルとトゥールベル夫人のことばかり書きましたが、悪玉のメルトイユ侯爵夫人(サラ・バロン)の存在は重大でした。熟女の誘惑って凄みがありますよね(笑)。遊びでしかない肉体関係を表すちょっと暴力的なダンスがかっこ良かったです。何度も着替えてくる衣裳がゴージャスでした。特に真紅のドレスは象徴的。

 ネタバレになるので書きませんが、装置がかなり凝っていて、デザインも重厚でセンスが良いです。ラストは衝撃!

 カーテンコールは2回あったのですが、スタンディング・オベーションしてる方がけっこういらっしゃいましたね。まだ幕が開けてから数日しか経っていないのを考えると、かなり評判がいいのだと思います。私も強く拍手をしました。

《東京→名古屋→長野→神戸→大阪》
演出・振付:アダム・クーパー 共同演出・美術デザイナー:レズ・ブラザーストン 作曲:フィリップ・フィーニー 照明デザイナー:ポール・コンスティブル サウンド・デザイナー:アンディー・ピンク 音楽監督:スティーブン・レイド 
出演:アダム・クーパー、サラ・ウィルドー、マリリン・カッツ、サイモン・クーパー、リシャール・キュルト、ダニエル・デヴィッドソン、ヘレン・ディクソン、ナターシャ・ダトン、バーネビ・イングラム、デーミアン・ジャクソン、ウェンディ・ウッドブリッジ、ヨランダ・ヨーク・エドジェル
招聘:TBS 制作:TBS Adam Cooper Productions Ltd. 主催:TBS・電通・TOKYO FM
チケットスペース内:http://www.ints.co.jp/cooper/adamcooper.htm

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2005年01月26日

フジテレビジョン『歩兵の本領 soldier's mind』01/21-02/06紀伊國屋サザンシアター

 浅田次郎さんの自伝的小説『歩兵の本領』をウォーキングスタッフの和田憲明さんが脚本化、演出は杉田成道さんです。主演は窪塚俊介さん。他にもテレビや映画でご活躍の役者さんが揃っており、紅一点の水川あさみさんは初舞台、という企画です。

 予想していたよりもかなり面白かったです。やはり脚本が良いのは重要ですね。演出がシンプルでわかりやすく、爽やかでした。

 原作本をロビーで購入し、帰り道にぱらぱらと見てみたら、かなり書き換えられていることがわかりました。読み比べると面白いと思います。
 ※これより以下、「 」内の文章は原作よりの引用、もしくは劇中のセリフです。

 いきなり巨大な日の丸がバサッと降りてきて緞帳のように舞台を飾り、軍服姿のパク・トンハさんが登場したかと思うと、ミュージカル俳優ならではの美しい声で君が代斉唱・・・ショッキングなオープニングでした。

 1970年に自衛隊に志願して入隊した渡辺(窪塚俊介)が、任期を終えて除隊するまでの自衛隊の中での生活を描きます。ずらりと並んだ軍服姿の若人たちにひるみました。突然くりひろげられる軍隊の日常。1年、2年と経っていき、だんだんと若者達が自衛隊の生活に慣れていく姿を見ながら、観客も徐々にその世界を受け入れていきます。
 浅田次郎さんご自身の経験に基づく内容だからでしょう、素直にリアルに感じられました。自衛隊ってなんだかんだ言われていても本質的に軍隊なんですね、やっていることは。 

 自衛隊は英語ではThe Self-Defense Forces。特殊な存在ですよね。1970年代の日本は高度成長期真っ盛り、学生紛争などもあって自衛隊にとっては“受難の時代”でした。今50代の方の青春時代になるのかな。
 佐々木(高橋一生)「軍隊といえば他の国ならまだましだっただろうに、この国では名誉も誇りもなかった。」

 この作品から私が大きく感じ取ったのは、2つの“対話”です。命がけの、真のコミュニケーションというのかな。パンフレットには“友情”とも書いてありました。(ここからネタバレします)

 1つは老人と若者との対話です。特攻隊の生き残りである川原准尉(花王おさむ)が、かぼそい声で『若鷲の歌』を歌うシーン。桜吹雪がさらさらと舞い落ちる中、歌を歌う年老いた軍人の背中を見ながら、和田(的場浩司)が真摯な気持ちで敬礼をします。
 「川原准尉の小さな体は、少年飛行兵のまま成長を止めたのだと思った。その夜、私はこの世で最も気の毒な、最も救いがたい、どんな念仏にも祈りの言葉にも成仏することのできない幽霊を、この目で見た。
 それは勝手に戦をして、勝手に負けて、その理不尽なツケを私たちの世代にそっくり押し被せた軍人のなれの果てにはちがいなかった。だが少なくとも彼は、サラリーマンのような身なりで通勤はせず、サムライを気取ろうとはせず、おのれの居場所を求めながら、勲(いさおし)なき軍隊の中をさまよう、翼をもがれた若鷲だった。」(原作より引用。渡辺の独白として使われていました。)

 “戦争”が、できるだけ思い出したくない暗い過去となってしまっている現代の日本において(実は今って戦争中かもしれないですが)、私を含む現代の若者は、戦争に行った先人達のことをほぼ無意識に切り離してしまいがちです。それを、この作品が引き合わせ、繋いでくれました。戦争は良くないです。軍隊なんて必要ないならない方がいい。それは当然です。でも、明治、大正、昭和の時代に生きた若者は、恋人を、家族を、国を守るために命を捨てて戦ってくれたのです。彼らが居たことを、彼らのおかげで今、私たちが在ることを、決して忘れてはならないし、それはこれからの未来へもずっとずっと繋っていくことなのです。
 私の祖父は徴兵されて満州に出兵したのですが、運良く生きて帰って来られたので、私は今ここにいます。その祖父も数年前に亡くなったため、私は家族で戦争を実際に体験した人の話を聞くことがなくなりました。自分から進んで、先祖との対話のチャンスを求めていかなければいけないと思います。

 2つ目は、目の前に居る身近な人との対話です。「いつか絶対に殺してやる」と、和田のことをずっと憎んできた渡辺ですが、いざナイフで殺し合うというチャンスがやってきても、彼にはできなかった。
 渡辺「本当に、本当に、人を殺すのは難しいです。不意を突くのがいいですね。」
 和田「そいつが一番難しい。」
 得体の知れない化け物を倒すなら、不意打ちが得策かもしれません。でもいったん知り合いになってしまうと、寝込みを襲うのも難しい。(原作とはかなり変わっている部分です)
 除隊すると決心した渡辺に、和田が決闘をいどむクライマックス。殴りあう二人を見て、涙がぽろぽろこぼれました。和田が渡辺を大切に思う気持ち、渡辺が和田を慕う気持ちの双方がぶつかり合い、重なり合い、やがて柔らかく溶け合って、体は傷つけ合ってぼろぼろになっているのだけれど、2人は輝きます。
 人間のコミュニケーションって色んな方法があって、本気の殴り合いもその中の一つなんですよね。ラッパ屋『裸でスキップ』で「バカヤロウ!」と罵り合う兄弟の姿とダブりました。

 佐々木(高橋一生)が高校時代の彼女・マミ(水川あさみ)に会いに行くシーンで、心に残ったセリフがありました。佐々木は、なぜ自分が大学受験に失敗した直後に自衛隊に入隊することを選んだのかを、自問自答します。
 「(大学受験に失敗して、浪人をして)何者でもない自分が、マミとそれなりに幸せになってしまうことがいやだったのだ。」(このセリフは原作にはありませんでした)
 凛としていて素敵だなと思いました。この真面目さって、今の若者にはない気がします。私にもないかも。
 あと、高橋さんは“電話ボックスに入って電話を掛ける”というマイムがめちゃくちゃ上手かったです。

 的場浩司さん。主人公(窪塚俊介)の宿敵、和田役。めちゃくちゃかっこ良かったです。本当に軍人でした。殴ったり蹴ったりのアクションも腰が据わっていて非常に安定しています。柔道をやってらしたそうですね、さすが!こういう男に惚れたいな~。惚れたいって願望になってる時点でムリですが(笑)。
 
 高橋一生さん。大学受験に失敗して自衛隊に入った佐々木役。言葉がはっきりしていて、演技も本当にお上手です。ハンサムで清廉潔白な好青年♪ただ、テレたように笑う時の表情と声が、ちょっとくずれ過ぎじゃないかな。突然山中たかシさんみたいに(笑)、つまりべったりと扉座っぽくなっちゃうんですよね。美形一直線も狙っていただけると嬉しいです。

 窪塚俊介さん。主人公の渡辺役。これが初舞台だそうで。ちょっとフラフラしてる感がありましたが、輝いてました。やっぱりお兄様に似てらっしゃいますね。

 ※劇場へのエレベーターでSMAPの草なぎ剛さんと一緒でした。ビビった。ほんとに。私にとって草なぎさんが主演した『蒲田行進曲』(初演)が、観劇人生を運命付けた作品ですので、本当に勝手なことなのですが、私の人生を変えた張本人に出くわした気分でした(笑)。

原作:浅田次郎「歩兵の本領」(講談社刊) 脚本:和田憲明 演出:杉田成道 企画:大多亮 プロデュース:岡村俊一
出演:窪塚俊介 高橋一生 森本亮治 水川あさみ 花王おさむ こぐれ修 武田義晴 友部康志 橋爪遼 荻野貴匡 パク・トンハ 的場浩司
主催:フジテレビジョン 企画製作:フジテレビドラマ制作センター アール・ユー・ピー
RUP内:http://www.rup.co.jp/200411hohei/index.html

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2005年01月23日

G-upプロデュース『Brains』01/22-30シアターVアカサカ

 川上徹也さん(PLAY MATE)の脚本を寺十吾さん(tsumazuki no ishi)が演出するなんて奇想天外だなぁと思っていたら、キャストも多彩すぎて目がチカチカしちゃうほど(笑)。
 プロデュース公演の可能性の広さを感じますよね。G-upプロデュースはこれが2回目。1回目の『金魚鉢の中で』も面白い企画でした。

 シナリオライターの大山田鉄男(遠山俊也)は、テレビのプロデューサー南青山さゆり(藤田記子)に脚本執筆の仕事をもらうが、なんと〆切が明日。夜通し書くしかない。自分の脳の中さまざまな“性質”たちを総動員して、必死でアイデアを出していくが・・・。

 “プライド”(桂憲一)、“モラル”(宮下今日子)、インテリジェンス(前田剛)・・・というように、一人の役者が一つの性質を演じます。全員で10種類の性格がそれぞれに個性を主張しあう、セリフの行き来が激しいコメディーでした。
 
 エッチな表現が割と露骨なので、ちょっと大人向けだなぁと思いながら照れつつ観ましたが、役者さんが皆さん堂々としているので引いちゃうことはありませんでした。脚本執筆とセックスとを重ね合わせるのはなるほどなぁと思います。知のオーガズムって言いますものね。

 ここからネタバレします。
 
 中盤で本当に机の下に隠れっぱなしだった隠れキャラの“トラウマ”(杉浦理史)が登場するのはすごく面白いですね。その部分がもうちょっとしっかりと描かれていれば、深いドラマになったんじゃないかなぁ。物足りない気がしました。

 “性格”全員で必死に考え出した面白い脚本というのが、この『Brains』そのものだったという展開には「え、マジで?それは安直すぎるよね?」と途中で恐れをなしたのですが、最後にシナリオライターの大山田鉄男とテレビのプロデューサー南青山さゆりの配役が逆転したのが救いでしたね。『Brains』について2人が語ったオチが、そのままこの作品のラストシーンになったのは気持ちよかったです。

 役者さん一人一人は達者な方ばかりのはずなのですが、皆さん、セリフが早口すぎるし腹の底から声が出ていないようで、全体的に空回りをしている印象でした。初日だったからだとすると、これから良くなるのでしょう。想像を絶する衣裳をお召しだった(笑)“エモーション”役の木村靖司さんは、存在感の確かなクオリティーの高い演技を見せてくださいました。

 G-upプロデュースの次の公演は『DEEP FOREST(仮)』5/25-6/5新宿スペース107。『金魚蜂の中で』のほさかようさんの脚本をこの3月に『お父さんの恋』でパルコ劇場に進出する板垣恭一さんが演出します。キャストも楠見薫さん、細見大輔さん(演劇集団キャラメルボックス)、新谷真弓さん(ナイロン100℃)と超豪華!これは見逃せませんね。

作・川上徹也(PLAY MATE) 演出・寺十吾(tsumazuki no ishi)
出演:遠山俊也 桂憲一(花組芝居) 木村靖司(ラッパ屋) 福田転球(転球劇場) 藤田記子(カムカムミニキーナ) 宮下今日子(サードステージ) 前田剛(BQMAP) 武内由紀子(吉本興業) 高倉良文(ネコ脱出)、杉浦理史(bird's-eye view) 櫻井智也(MCR) ムロツヨシ(紳士スラックス)
音響:平田忠範(GENG27) 照明:廣井実 舞台美術:秋山光洋 舞台監督:中村信一 宣伝美術:松井秀樹 映像:仲野慶吾(K5) 演出助手:岡野正一 衣装協力:塚本淳子 制作:G-up鎌田千穂子 プロデューサー:赤沼かがみ
G-up:http://www.g-up.info/

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2005年01月22日

松竹・シネマ歌舞伎『野田版 鼠小僧』01/15-28東銀座 東劇

 歌舞伎を映画館で上映するという画期的な企画、それもプラチナチケットだった大人気作品『野田版 鼠小僧』ですから、これはもう必見です。お値段だって当日2000円ですよ、前売りだったら1800円!安い!
 『野田版 鼠小僧』は2003年の八月納涼歌舞伎として歌舞伎座で初演された作品で、2003年のしのぶの観劇ベストテンの第2位でした。

 私は中村勘九郎さんの舞台挨拶がある初日に伺いました。襲名披露公演を控えて、ますます貫禄を感じられる立派なおじ様でした。だけど映画の中でははちゃめちゃにはじけて、飛んで踊ってらっしゃるんですよね~っ、本当に魅力的な方だと思いました。

 どうしても『アカドクロ』映画館上映と比べちゃうんですが、『アカドクロ』は舞台を観ている気分に近いものが味わえましたけど、歌舞伎ですからね、花道がありますので観客が映っちゃうんです。あくまでも“舞台中継”を観ている状態からは脱却できませんでした。でもね、泣けましたよ、やっぱりラストで。凄いな~、この作品は。

 演出の野田秀樹さんはNODA MAP『走れメルス』に出演中で、銀座ではシネマ歌舞伎が上映中、初台ではオペラ『マクベス』(再演)が上演中という、去年に引き続いて今年も野田YEARか!?と思わせんばかりのご活躍ですね。
 そう、野田演出『マクベス』(初演のレビューはこちら)、まだ空席あるんですよ。ご覧になってない方はぜひぜひぜひ!マクベス夫人役は初演と同じ方。素晴らしいソプラノですよ。

 ↓観に行かれた方のレビュー
 演劇とか転職のこと
 赤心沖光

松竹・シネマ歌舞伎『野田版 鼠小僧』01/15-28東銀座 東劇
作・演出:野田秀樹 出演:中村勘九郎 坂東三津五郎 中村福助 中村橋之助 ほか
美術:堀尾幸男 照明:勝柴次朗 衣装:ひびのこづえ 
※1/15(日)の11:00、13:30の回は舞台挨拶あり
シネマ歌舞伎:http://www.shochiku.co.jp/nezumi/

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2005年01月21日

現代演劇協会 劇団昴 現代舞台芸術セレクション『ゴンザーゴ殺し』01/21-26東京芸術劇場小ホール1

 2003年度の第三回朝日舞台芸術賞を受賞した劇団昴の作品が早くも再演。私は初見です。「ハムレット」を題材にしたバックステージものということで、期待して伺いました。
 休憩を挟んで約3時間。前半終了したところで帰ろうかしら・・・と思ったのですが、思いとどまって良かった!盛り上がるのは最後の1時間です。急展開に大どんでん返しの連続。ブルガリアの傑作戯曲を味わいましょう。

 『ハムレット』の中に登場する旅芸人の一座にスポットを当てたお話です。芸人達はハムレット王子に頼まれて「ゴンザーゴ殺し」という作品をクローディアス王の前で上演することになります。そこには現クローディアス王がハムレットの父王を暗殺したことの確証を得るための、ハムレット自身が書いたセリフ数行も付け加えられていました。この設定は原作と同じです。ハムレットのあらすじはこちら

 (ここからネタバレします)

 中盤までは、原作と同じ時間の流れの中での旅芸人たちを、だらだらと描いている状態で、役者さんのわざとらしい演技でもしらけてしまい、非常に退屈でした。でも、宰相ポローニアスとハムレットの親友ホレーシオの行動および性質が原作と全く違っていたので、「なんで???」と思っている内にどんどん引き込まれていきました。

 旅芸人たちに、『ゴンザーゴ殺し』を上演するよう依頼し、追加のセリフを渡したのがホレーシオになっているのです(上演依頼の発端はハムレットですし、追加脚本の筆跡もハムレットのものですが、旅芸人に直接会って依頼したのはホレーシオ)。宰相ポローニアスも、『ゴンザーゴ殺し』を上演することを確認し、毒薬による王の暗殺シーンの稽古をしっかりと見ているのに、そのまま素通りします。実は彼らは2人とも、クローディアス政権へのクーデターを企む反体制勢力なのです。これには驚いた。
 王の傘をきて宰相でいながら実は王の失脚を企んでいるポローニアスと、ハムレット王子の親友でいながらハムレットを利用して捨て駒にして、自分がのし上がろうとしているホレーシオ。この2人のやりとりはすごくスリリングです。

 王の前で『ゴンザーゴ殺し』が上演されるのは原作どおりですが、上演後、旅芸人たちは国家反逆罪の罪に問われ投獄されます。そこに原作には登場しない残忍非道な刑吏(金子由之)が現れてから、目を離せなくなります。

 拷問を受け、刑吏に脅されて、役者達が偽証をさせられるシーンは胸がつんざかれるような心地でした(セリフは正確ではありません)。
 刑吏「名前は?」役者「くそぶた」
 刑吏「職業は?」役者「こえだめあさり」
 刑吏「なぜここにいる?」
 役者「フォーティンブラスに頼まれてクローディアス王暗殺のために来た・・・(等)」
 座長のチャールズに全ての罪を押し付ける発言を強要されるのもつらすぎます。人間が一番醜く、悲しい存在となる瞬間だと思います。

 反逆罪への刑罰は全員がおよそ死刑という冷徹なものでした。しかしここで大どんでん返しが起こります。ホレーシオが現れ、ハムレット、クローディアス王、王妃、レアティーズの4人が死に、フォーティンブラスが新王になった、つまりクーデターが起こったと告げるのです。役者達は無罪放免どころか新政権樹立への最大の功労者として讃えられることになり、さらに役者達は王立劇場の所属俳優になり、座長は王立劇場支配人に任命されます。この展開はすごく爽快でしたが、政治によって翻弄される罪なき人民という構図がはっきりと見て取られ、複雑な気持ちでした。

 最後に座長チャールズがホレーシオにたずねます。「我々がもらうはずのお金はどうなるんですか?そして、その先は?」それに対するホレーシオの返答がすごい。「その先は、沈黙だ」。そう、新たな政権の下でもやはり発言の自由はないのです。もらうはずの約束のお金もその一言でわかるように、もららえるはずもありません。約束は守られない。

 社会主義時代のブルガリアの姿が色濃く投影された作品であることは言うまでもありません。フォーティンブラス王の時代となっても刑吏は刑吏のままで残ることもはっきり言明されました。そういえばポローニアスもホレーシオも、官僚たちは政権が変わっても同じ場所に居続けるのですね。日本も然り。

 戯曲はものすごく面白いのですが、演出と演技はあんまりでしたね。ぜひ新演出・新キャストで、どこかでやってくれないかな~。

 素晴らしいレビュー(観劇日記)がありました。
 Alice in Tokyo
 劇団昴公演『ゴンザーゴ殺し』
 ~陰謀と策謀が渦巻くスパイ小説もどきのスリリングなドラマ~

作:ネジャルコ・ヨルダノフ 訳:中本信幸 演出:菊池准
ポローニアス:内田稔 チャールズ:石波義人 ホレイショー:水野龍司 刑吏:金子由之 ヘンリー:石田博英 プロンプター:坂本岳大 エリザベス:小沢寿美恵 アマリア:米倉紀之子 オフィーリア:吉田直子 ベンボーリオ:西本裕行
声の出演:小山武宏 久保田民絵 鉄野正豊
美術:島次郎 照明:森脇清治 音楽:上田亨 衣装:吉井千和 音響:山北史朗 振付:川原あけ未 演出助手:宮越洋子 舞台監督:岡田志乃 協力:黒木辰男 宣伝美術:北村武士 絵:スタシス・エイドゥリゲヴィチウス 制作:荒川秀樹
主催:(財)東京都歴史文化財団 東京芸術劇場 (財)現代演劇協会 劇団昴公演
*第三回朝日舞台芸術賞受賞
劇団昴:http://www.bekkoame.ne.jp/~darts/

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2005年01月20日

1月21日(土)夜にFM西東京「たけがき2」に出演します。

 FM西東京の演劇情報番組「たけがき2」に出演いたします。
 2004年の観劇ベストテンをさらりとお話し、1月末から2月のお薦めお芝居を4本紹介する予定です。

 西東京市およびその周辺地域でお聴き頂けます。
 1月22日(土)21:30~22:00
 FM 84.2MHz

たけがき2(ツー):http://takegaki.k-free.net/

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2005年01月16日

遊園地再生事業団+ニブロール『トーキョー/不在/ハムレット』(本公演)01/09-23シアタートラム

 宮沢章夫さんが主宰する遊園地再生事業団の公演です。
 「今年5月のリーディングからスタートし、映画上映、実験公演、準備公演とさまざまなスタイルでの取り組みを行ってきた同作品の完成版」です(公演ページより)。

 第一弾『リーディング公演・第一稿』05/06-09神楽坂die pratze
 第二弾・映画『be found dead』07/17-23池袋シネマ・ロサ
 第三弾『実験公演』09/02-05横浜STスポット
 第四弾『準備公演』10/14-17麻布die pratze
 そして、第五段が『本公演』です。

 遊園地再生事業団のTOPに書かれているのは下記↓
 「『トーキョー/不在/ハムレット』はほぼ一年をかけて様々な公演スタイルを経、「本公演」を立ち上げるまた異なる「舞台の作り方」の試みである。」

 そう、「試み」なんですよね。「試み」自体には、ゆるぎない大きな価値があると思います。ただ、宮沢章夫さんの作品とはいえ「試み」に前売り4500円払うのはちょっと高い気がしました。舞台上の役者さんが、意図を充分にわかって演じているわけじゃないように見えて、荒削りな印象だったからです。ダンスカンパニー・ニブロールの矢内原美邦さんが演出協力として参加されていますので、5度目とはいえ完全に新しい作品を作られたのだとすると、仕方ないのかな。それとも、そういう初々しい、新鮮な味わいを大切にしたのかしら。パンフレットを買い忘れたのでそこのところはよくわかりませんが、「若い役者さんが一生懸命がんばっているなぁ」と冷静に眺める視点を忘れることができない2時間でした(あ、もっともっと上演時間は長かったです。つらいなぁと感じるぐらいに)。

 『トーキョー・ボディ』の時と同じ、淡々と過ぎていく緻密な時間でした。どこかシラっとした空気が全体を支配しています。常に冷静なんですよね、作っている側も観ている側も。客席に、舞台に立っている役者さんと似た雰囲気の人がすっごく多いのが面白かったです。どっちも舞台みたい(笑)。

 登場人物や設定はたしかに『ハムレット』と被っているのですが、ローゼンクランツとギルデンスターンが具体的に出てきていること以外は、全く意識せずに済んでしまいました。ストーリーよりも構図とか演出方法に目が行くので、セリフや人物像などはあまり覚えていないです。

 『トーキョー・・・』と同じく舞台上の演技が大きなスクリーンにライブ中継されます。映像は時にすごくシュールで、手前に大きく映っている人物と、その後ろにひっそりと映っている人物との構図が面白かったです。

 ダンスは生々しくスパイシーで、引き込まれました。衣裳もニブロールのデザインなんですね。娼婦(いせゆみこ)が着ていたエプロンがすっごくおしゃれ!あれ欲しい。

 笠木泉さん。姉(島村巻子)役。しっかりしたセリフで、存在感がありました。オールツーステップスクールという劇団の方ですが、ペンギンプルペイルパイルズによく出演されていますよね。
 三坂知絵子さん。卓球が上手い斉藤菜都美役。『トーキョー・・・』の時に引き続き、脱いでらっしゃいました。「脱ぐ人だ」というイメージを持ってしまったのが悲しいです。

《東京公演→京都》
作・演出・美術:宮沢章夫 作曲:桜井圭介 演出協力:矢内原美邦(ニブロール)
出演:大河内浩 伊勢由美子 岩崎正寛 笠木泉 片倉裕介 上村聡 岸建太朗 熊谷知彦 佐藤一晃 柴田雄平 鈴木将一郎 田中夢 南波典子 渕野修平 三坂知絵子 山根祐夫
舞台監督:森下紀彦 照明:齋藤茂男 音響:半田充(MMS) 美術協力:武藤晃司 衣装:今村あずさ+矢内原充志(ニブロール) 映像:鈴木謙一 浅野晋康+高橋啓祐(ニブロール) 舞台監督助手:丸岡祥宏 照明オペレーター:加藤学 演出補:小浜正寛 演出助手:江尻芳生 相馬弥 谷川純一 三浦美帆 村田裕子 宣伝美術:Front photo:木奥惠三 Back photo, Design:斉藤いずみ 舞台写真:引地信彦 票券:熊谷由子(ぷれいす) 制作:永井有子 製作:(有)ウクレレ 共催:世田谷パブリックシアター
遊園地再生事業団:http://www.u-ench.com/
公演サイト:http://www.u-ench.com/fuji/tah.html

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2005年01月15日

新国立劇場演劇『城 Das Schloss』01/14-30新国立劇場 小劇場

 半年がかりのワークショップから作り上げられた、カフカの世界。松本修さんのカフカというと2001年、2003年の『AMERIKA』以来です。2003年にその『AMERIKA』で読売演劇大賞優秀演出家賞、毎日芸術賞千田是也賞を受賞されています。
 休憩15分間を挟んで3時間半。金曜日の夜18:30~22:15の戦い。・・・疲労困憊です。ほんっとにつらかった。

 『AMERIKA』は初演だけ拝見していたのですが、この『城』も全体的にはほぼ同じような印象の作品でした。膨大なページ数の物語を、沢山の俳優とスタッフが一シーンずつ丁寧に作っていき、舞台の上に並べていきます。

 カフカの世界を松本さん流に表現できれば、それで良いんでしょうね、この作品は。役者とスタッフが半年もの間、一緒に力をあわせて作り上げること自体に価値があるのでしょう。『トーキョー/不在/ハムレット』で感じたのと同じことです。

 小説を演劇に作り変えていき、作った後から上演用に削っていく作業をされたそうですが、「いっぱい作って、最後に削る」という手法では全体像を見ることが難しくなるんじゃないかなと思いました。特に重要とは思えないところで異様に長い時間が割かれたりしていて、気持ちが集中できなくなることがしばしば。作り手が情熱をそそぎすぎて、観客がしらけてしまうことってよくありますよね。

 役者さんは初演のように若者ばかりではなく、熟年の方がかなり増えています。あきらかに技術的にレベルアップしているはずなのですが、これといって魅力的な人が目立つわけではなく、やはりモザイク模様というかパッチワークというか、人物が没個性のままに点在しているようで、退屈しました。

 音楽とダンスは初演同様にものすごく楽しかったです。ダンサーではなく役者が踊る井手茂太さんの振付が、とても味わい深いです。

 カフカ語録が字幕で出てくるのが面白くて、その時は必死で目を開いて読み、味わいました。
 真っ暗な舞台は3階まで作られていて、何度も降り続ける紙ふぶきがきれいでした。無数のドアがどんどん移動するのはすっごく楽しかった。

 田中哲司さん。主役のK役。出ずっぱりでセリフ量も多いですね。初日だったとはいえ、ちょっとセリフを間違いすぎじゃないかな~。でも、堂々としたりフラフラしたり、なんとなくぽっかりと存在している感覚は素敵でした。
 石村実伽さん。色白でとってもきれいな方でした。上半身ヌードでKと抱き合ったり、かなりの体当たり演技でしたね(私はあまり好みではないですが)。ダンスがお上手でした。
 松浦佐知子さん。女将役など2役。終盤の女将役の時にスカっとするほど面白い演技を見せてくださいました。役者さん全員がこのレベルだったら非常に面白い作品になったかもしれません。・・・いや、それはハードル高すぎますよね(笑)。

作:フランツ・カフカ  池内紀訳「カフカ小説全集③」より 白水社刊
構成・演出:松本修
美術:島次郎 照明:沢田祐二 音楽:斎藤ネコ 音響:市来邦比古 衣裳:太田雅公 振付:井手茂太 文芸助手:宮坂野々 演出助手:川畑秀樹 舞台監督:米倉幸雄 主催:新国立劇場
出演:田中哲司 坂口芳貞 小田豊 真那胡敬二 福士惠二 小嶋尚樹 高田恵篤 宮島健 AKIRA 小河原康二 中田春介 佐藤淳 石母田史朗 粕谷吉洋 若松力 石村実伽 大崎由利子 石井ひとみ 葉山レイコ 秋山京子 井口千寿瑠 木下菜穂子 太田緑・ロランス 金子智実 平川愛 松浦佐知子
新国立劇場内:http://www.nntt.jac.go.jp/season/s251/s251.html

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2005年01月11日

2004年しのぶの観劇ベストテン

 2004年は258本の中から選びました(2004年の観劇リストはこちら)。
 「すっごく面白かった!」と思ったものに印をつけていったら、74本ありました。258本中74ヒットというと、2割8分6厘ですね。う~ん・・・いつもなら最初に3割5部ぐらいは行くんですけどねぇ。
 2004年がハズレを多く引いた年だったとは思えないので、私が少しずつ辛口になってきている、のかな・・・?

 さあ、「2004年しのぶの観劇ベストテン」の発表です!!
 今年はいろいろ多い目に載せてみました。レビューにも目を通していただければ幸いです。

■作品ベストテン■
 ①tpt『Angels in America<第1部「ミレニアム」>』01/20-2/29ベニサン・ピット
  tpt『Angels in America<第2部「ペレストロイカ」>』01/20-2/29ベニサン・ピット

 ②新国立劇場演劇『こんにちは、母さん』03/10-31新国立劇場 小劇場

 ③俳優座劇場プロデュース『高き彼物(たかきかのもの)』09/02-12俳優座劇場

 ④こまつ座『太鼓たたいて笛ふいて』04/02-29紀伊国屋サザンシアター
 ⑤北九州芸術劇場プロデュース『ワルプルギスの音楽劇 FAUST《ファウスト》』03/06-21世田谷パブリックシアター
 ⑥ニ兎社『新・明暗』10/22-11/07世田谷パブリックシアター
 ⑦少年王者舘KUDAN Project『真夜中の弥次さん喜多さん』01/6-13シアターグリーン
 ⑧世田谷パブリックシアタープロデュース シリーズ「レパートリーの創造」『見よ、飛行機の高く飛べるを』11/01-21シアタートラム
 ⑨ナイロン100℃『消失』12/03-26(12/2プレビュー)紀伊国屋ホール
 ⑩ラッパ屋『裸でスキップ』01/3-25THEATER/TOPS

 ・次点 チェルフィッチュ『三月の5日間』02/13-15スフィアメックス

 →→→ やっぱり2004年の大事件は『Angels in America』でしょう!
     なんと10本中5本が再演もの。永井愛は今年も強し。

■演出■
 三浦基 
  (青年団リンク・地点『三人姉妹』11/10-21アトリエ春風舎)

 ・次点 ジャンカルロ・ナンニ(teatro Vascello)
  (ク・ナウカ プロデュース『かもめ・第二章』01/14-18スフィアメックス)

■男優■
 三上博史
  (パルコ/ニッポン放送『HEDWIG AND THE ANGRY INCH』05/14-06/06パルコ劇場
   パルコ/ニッポン放送『HEDWIG AND THE ANGRY INCH 新宿ナイツ』6/23, 24東京厚生年金会館)

■女優■
 草笛光子
  (新国立劇場演劇『請願-静かな叫び-』06/22-07/8新国立劇場 小劇場)

■脚本■
 マーティン・マクドナー (日本語訳:目黒条)
  (パルコ・プロデュース『ピローマン』11/06-11/23パルコ劇場)

 ・次点 エリック=エマニュエル・シュミット (日本語訳:高橋啓)
  (松竹・サンシャイン劇場提携公演『謎の変奏曲』05/21-06/06サンシャイン劇場)

■美術■
 松井るみ
  (オペラシアターこんにゃく座『オペラ 花のラ・マンチャ騎士道 あるいは ドン・キホーテ最後の冒険』02/12-22シアタートラム)
   北九州芸術劇場プロデュース『ワルプルギスの音楽劇 FAUST《ファウスト》』03/06-21世田谷パブリックシアター
   シス・カンパニー『ダム・ウェイター Aヴァージョン』05/10-06/06シアタートラム
   シス・カンパニー『ダム・ウェイター Bヴァージョン』05/10-06/06シアタートラム
   シス・カンパニー『ママがわたしに言ったこと』09/04-10/03青山円形劇場
   遊機械オフィスプロデュース『溺れた世界』10/03-24シアタートラム
   テレビ朝日・シーエイティプロデュース『マダム・メルヴィル』10/15-11/14スフィアメックス
  2004年は松井るみさんの美術を12作品観ました。良かったものを上記に挙げています。

 ・次点 礒沼陽子
  (新国立劇場演劇『てのひらのこびと』05/11-27新国立劇場 小劇場
   新国立劇場演劇『INTO THE WOODS』06/09-26新国立劇場 中劇場)

■衣装■
 渡邉昌子
  (山の手事情社『道成寺』05/26-30 ASAHIスクエアA
   劇団山の手事情社EXTRA企画『作、アレクサンドル・プーシキン』07/28-08/01こまばアゴラ劇場
   山の手事情社20周年記念公演Yamanote7481『夏の夜の夢』10/08-17青山円形劇場)

☆ミュージカル☆
 新国立劇場演劇『INTO THE WOODS』06/09-26新国立劇場 中劇場
 ※メルマガ号外→『ビッグ・リバー』『ウモジャ』『ROCK MUSICAL SHIROH

☆オペラ☆
 新国立劇場オペラ『マクベス』05/13-28新国立劇場 オペラ劇場
 ・次点 新国立劇場『こどものためのオペラ劇場 ジークフリートの冒険~指環を取りもどせ! ~』08/06-08新国立劇場 中劇場

☆ダンス☆
 SePT独舞vol.12『白井剛ソロダンス「質量, slide , & .」』11/26-28シアタートラム

●企画●
 Ort-d.d(オルト・ディー・ディー)
  (Ort-d.d + こふく劇場『so bad year』02/17, 18東京芸術劇場 小ホール1
   Ort-d.d『乱歩プレイ(防空壕・断崖・人でなしの恋・芋虫)』04/24, 25高円寺・山椿美術館
   Ort-d.d、東京国立博物館『四谷怪談』07/01-07東京国立博物館「表慶館」
   STスポット・ポかリン記憶舎+Ort-d.d『夢乃プレイ~音楽劇《少女地獄》~』10/09-11横浜・山手ゲーテ座
   11回BeSeTo演劇祭・Ort-d.d『こゝろ』11/10-11学習院女子大学 やわらぎホール)
 ※毎回、あっと驚く企画で、完成度の高い芸術作品を作られています。

●コラボレーション●
 新国立劇場演劇『THE OTHER SIDE/線のむこう側』04/12-28新国立劇場 小劇場
 ※脚本:チリ、演出:韓国、キャスト・スタッフ:日本

●話題●
 TBS『浪人街』05/16-06/23青山劇場
 ※空前絶後の豪華キャスト。

 KAKUTA花やしき公演・浅草花やしき提携『ムーンライトコースター』05/27-30ゆうえんち浅草花やしき
 ※ゆうえんちで演劇。

 Oi-SCALE/僕AREA←Spectators[B.A.S.]プロデュース『ヒミズ』05/28-30ラフォーレミュージアム原宿
 ※無名の小劇場劇団が人気漫画を舞台化。

 第11回BeSeTo演劇祭 
 ※日本、中国、韓国3カ国の共同の国際演劇祭。2004年は日本で開催されました。

●アイドル芝居● 
 テレビ朝日・シーエイティプロデュース『マダム・メルヴィル』10/15-11/14スフィアメックス
 ・次点 フジテレビジョン『ハンブルボーイ』11/07-28東京グローブ座
 ※超有名なアイドルが、演劇界の実力の有るスタッフと共に、質の高い舞台を作ることが多くなりました。

★小劇場系(3作品 劇団名あいうえお順)★
 少年社中『アサシンズ-THE VALLEY OF ASSASSINS』11/06-14中野ザ・ポケット
 ペンギンプルペイルパイルズ『スマイル・ザ・スマッシャー』4/7-14ザ・スズナリ
 reset-N『ROSE』11/30-12/05こまばアゴラ劇場
 ※企業スポンサーがついた公演や、大手のプロデュース公演と区別しています。

□メルマガ号外(ベストテン・各部門外)□
 こまつ座『父と暮らせば』07/27-08/01紀伊国屋サザンシアター
 こまつ座『花よりタンゴ』08/06-22紀伊国屋サザンシアター
 劇団M.O.P.『虚飾の街に別れのキスを』08/06-12紀伊國屋ホール
 TBS/Bunkamura『ヤック トゥア デ~ン 「赤鬼」タイバージョン』09/14-22シアターコクーン
 青年座 下北沢5劇場同時公演『』11/25-12/05本多劇場
 ※メルマガ号外は誰が観ても楽しめそうなものを選んで発行しています。

【参考】
 第39回紀伊国屋演劇賞
 第4回朝日舞台芸術賞
 第12回読売演劇大賞の中間選考報告


◎選出対象作品
 2004年1月1日から12月31日までの間に初日を迎えた公演のうち、高野しのぶが観劇した舞台作品。
 2004年初演ではない作品(再演)も含まれます。 

◎判断基準
 ・最初から最後まで心地良く観られたか
 ・知らなかったことに気づかせてくれたか
 ・恋のときめきを感じさせてくれたか
 ・終演後、心に幸せな気持ちを残してくれたか
 ・明日からの活力の源になってくれたか

◎ひとつの作品が複数の部門で選ばれることがないように選出されています。
 (なるべく多くの作品を記録に残したいので。)
◎団体、個人等についての表記は敬称略です。

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2005年01月10日

ネットワーク ユニット Duo【俳優指導者養成ゼミ2004】12/06-10, 13-17森下スタジオ②

20041221 morishita-studio.JPG
新しくてきれいな森下スタジオ

 【俳優指導者養成ゼミ2004】レポート②です。①はこちら。③は執筆中です。

■山中ゆうり先生
 ゆうり先生はムーブメント・ティーチャー。つまり“動きの先生”なのですが、実は“言葉の魔法使い”です。私が勝手に命名しました(笑)。
 朝10時に全員集合してゼミの一日が始まる時の、最初の呪文はコレ。

 「目の前に境界線があります。その先は、日常を超えた世界です。」

 生徒は気持ちの準備ができてから、おのおの自分のペースで足を踏み出して、一歩前進します。そしてゆうり先生が「ようこそ」とご挨拶。日常から意識的に自分を解放することで、自由な行動が出来るようになります。人間は意外に自分で自分を縛っているものですよね。
 そして・・・これって、劇場です!私は劇場に“日常を超えた世界”を求めて足を運んでいます。その劇場を作るのが、俳優。日常・非日常を自由自在に行き来することが俳優の仕事なんですね。

20041221 zemi-run.JPG

体と心が、他者および世界と一緒に動きます。

 日常を超えた世界にみんなが集まったら、エクササイズ(体操)が始まります。

 「鼻からきれいな酸素を吸って、いらない考えや、邪魔なものを、吐く息と共に体から出してください。」
 「ぽっかりと存在しています。」
 「きれいな酸素が鼻から深くゆっくりと入ってくる。」 
 「体が洗われていく。」
 「上半身が楽に、大きくなってくる。」
 「まわりの空気が自分の体を動かしてくれる。」

 生徒は徐々に体と心をほぐしていきます。体を客観視することによって、心(脳)によって動かされる体を知り、その体の周りにある空気、つまり世界を知ります。その世界の中に存在する自分、世界がないと存在しない自分、世界と一体である自分、というように、生徒は「自分」というものをエクササイズによって体感していくのです。さらに、耳からはゆうり先生の魔法の言葉が溶け込んできて、頭脳からも「自分」を自覚していきます。

 そして、これまた私の心にビビっと響いた言葉、“腰の遊び時間”が始まりました。要するに腰のストレッチなのですが、「腰」を擬人化することで深く、優しく自分を見つめていく時間なのです。

 「腰の気が済むまで気持ちのいいところを探していってあげます。『ありがとー!』というところで止まってあげる。」
 「『気持ちいい!ここだー!』というところを丁寧に探していきます。」
 「狩りに出かけていくみたいに探し続けてあげます。」

 腰が済んだら全身に“狩り”に行きます。

 「全体がくまなく気持ちよくなるように、探しに行ってあげます。すみずみまで気持ちよくなれるように、全身くまなく隅々まで気持ちよくなっていって、幸せな体になっていく。」
 「よつんばいになって、首、背中、の運動。顔をグーチョキパーにして。体の気の済むまでやらせてあげます。」


★衝動を与えるエクササイズ
 すっかり体と心が気持ちよくなったら、次のエクササイズへと進んでいきます。
 “衝動を与えるエクササイズ”は、2人1組になって片方が片方に何らかの刺激を与え、その刺激を利用して「“何事も始まって終わる”ということを学ぶためのもの」です。

 例えば右手を正面からつついてみる。つつかれた方は、つつかれたままに素直に右手を後方に揺らします。そして反動で元の位置に戻ってくるのを待ちます。そのまま止まらないで、つつかれた力がだんだん大きくなるように、右手を降り続けます。徐々に大きく、大きく。この場合は振り子のような動きになりますね。右手だけでなく体も一緒になって、大きく前後に振り動かされていき、これ以上大きくは動かせない、もう充分だ、という限界まで達すると、今度は徐々に動きを小さくしてきます。そして、最後は静かに止まります。
 
 「楽しい!気持ちいい!がポイントです。体が『ああ、いいや』と思うまで。」
 「自分からあの動きをするのが大変ですよね。助けがあるからできる。」
 「外からの衝動をもらえれば、どれだけ楽しいか!!」
 「衝動に正直に答えられるからだがあれば、声は自然と出る。『は~』とか『ふ~』とか。」

★指会話
 そして、私が感動して泣いてしまった“指会話”のエクササイズ。2人1組になって向かい合って地べたに座り、手を前に出して、指だけで2人のコミュニケーンを図ります。まずはゆうり先生と女生徒のを見せていただいたのですが、本当に指しか使わないのに、明らかに“対話”がそこにありました。

 ゆっくりと語り始めるゆうり先生の手に、女生徒はさすがに戸惑います。「だって、“手”じゃん。“手”だけじゃん。どうやって“話”できる?う~・・・とりあえず動かしてみよう!」という感じ。しかし、「相手が手を動かし終わってから、自分が動かす」というルールに則って続けていくと、あら不思議、手がしっかり言葉を話しているように見えてくるのでうす。しかも本当に相手のことを想っている正直な感情が、2人の間を行ったりきたりしながらお互いを暖かく包んでいくのが、遠くから眺めている私のところまで届きました。

 「『始まりがあって、展開があって、終わる』これを感じるエクササイズです。相手を見て、対話する。」
 「しゃべる時に、ではなくて、しゃべる前に息を吸う時に、セリフ(表現)は始まっている。」

 たくさんあったエクササイズの中から“衝動を与えるエクササイズ”と“指会話”をご紹介しましたが、この2つからもわかるのは、“あなたがいるから、私がいる”というフィロソフィー(哲学)です。演劇の手法だけを学ぶのではなく、人間がこの世界に存在している意味が、エクササイズからわかるのです。


★「稽古はお客様のため」
 最後に、このゼミがあることの意味を端的に表しているゆうり先生のお言葉をご紹介します。

 「ワークショップや訓練場は役者のため。稽古が始まったらお客様のため。」

 舞台作品を作ることになると、だいたい1~2ヶ月間の稽古期間があります(私の経験上)。出演者や演出家が集まる稽古場では、当然のことながら俳優のための基礎訓練の時間はありません。プロフェッショナルの俳優は、稽古が始まったら作品を観に来てくれるお客様のために稽古をするのです。
 だから俳優は、自分自身の技術力アップおよび新しい知識を得るために、こういったゼミやワークショップを積極的に利用すればよいのです。

 今の日本に、このゼミが「存在する」ということがわかっただけでも私は一歩前進したと思います。これから少しずつでも、この演劇コミュニケーションを経験した俳優が増えていくことで、日本の演劇がより質の高い、より沢山の人を幸せにするものになることは間違いありません。

Posted by shinobu at 16:13 | TrackBack

2005年01月09日

石原正一ショー『天使だらけの傷』01/06-10下北沢駅前劇場

 石原正一ショーは10周年を迎えたそうです。10周年記念パンフレットが売ってました(1000円)。
 とりあえず知り合いが出ているので観に行くことにしました。だって人数が・・・多いっす(笑)。キャストは総勢43名。

 「70年代のドラマにかぶれた中学高校時代のもんもんとした頃の想いを、どうぞご覧ください」と、石原さんが当日パンフレットでご挨拶されています。つまり、1970年代日本の文化、といいますか、その頃ヒットしたドラマやアニメなどのパロディーが満載。タイトルの『天使だらけの傷』も笑えますよね(「傷だらけの天使」参照)。70年代を知っている人はめちゃくちゃ楽しめます。知らない人は・・・ちょっと置いてかれちゃうかも。私はツボばかりでした(笑)。

 ここからネタバレします。

 覚えている限りの題材を挙げますと(順番はめちゃくちゃです)→「傷だらけの天使」、「機動戦士ガンダム(アムロ、ハロ、アムロ父、マチルダ中尉、シャア・・・つまり初代ガンダム)」、「ゲームセンターあらし」「太陽にほえろ!」、映画「タクシードライバー」、「前略おふくろ様」、「仮面ライダー」、「スケバン刑事」、「同棲時代」、映画「ジョーズ」・・・あと、任侠ものドラマなど。オープニングで今奈良さんが「傷だらけの天使」のショーケンの姿で出てきたと思ったら、ぞくぞくとショーケンが増え始め、駅前劇場の舞台が無数のショーケンで埋まりました。アホや・・・アホすぎてサイコー♪
 サマワの自衛隊派遣や小泉首相ならぬ中島首相など、時事ネタもたくさんありました。けっこう突っ込んだ発言もあって、小劇場ならではの活気を感じました。

 ストーリーがちゃんとあったんです。43人もの濃すぎるキャラの登場人物が、最後には一つの流れに無理やり合流していくのは圧巻(笑)。でも2時間30分、駅前劇場のイスに座っているのはつらかったかも。

 舞台上に居る人たち、とにかく楽しんでらっしゃいます。こういうことって、アドリブとかネタ披露とかを出来る人と出来ない人の差がはっきり表れますよね。とりあえず“出来るヤツら”ばかりが揃えられていますので、誰かがコケてもちゃんとフォローがあります。観客は何もしないで待ってれば、ちゃんと笑わせてもらえます。
 ちょっとエロが激しすぎかな。元ハイレグの人が出るとそういう風合いが増しますよね。

 谷川俊太郎さん作詩の歌“ひとくいどじんのサムサム”を歌ってくれたのが最高。すみません。私は爆笑しました。こちらでは全歌詞と音楽あり(突然流れます)。

 日替わりゲストがありまして、私が観た回は光浦靖子さんでした。へー、彼女はお笑い芸人なんですね。女優さんだと思ってました。

《大阪公演→東京》
作・演出=石原正一
舞台監督:久保克司(スタッフステーション) 照明:櫛田晃代 音響効果:TKJ sound 美術:清花也 衣裳:金崎めぐみ 小道具:島田麗子 宣伝美術:ペィ・トキジュン for nextatic design 制作:松井康人 中村藍子 根岸ゆか里 企画・製作:石原正一ショー 
【出演】今奈良孝行・伊達暁・久保田浩・美津乃あわ・西田政彦・新井友香・後藤英樹・千田訓子・平林之英・末満健一・山田かつろう・坂口修一・野村朋子・岸潤一郎・行澤孝・峰明大・福山俊郎・信平エステベス・まついきよし・今仲ひろし・日詰千栄・園本桂子・重田恵・羽賀友妃子・西山ひな・三谷恭子・梅本真里恵・小山茜・稲田真理・みきあすか・石原正一・康ヨシノリ・小椋あずき・千代田信一・林真也・ほりゆり・安元遊香・洪明花・石川ユウヤ・日高勝郎・辰巳智秋・葱師ゆか里・山本裕子
*キャストは総勢43名です。
石原正一ショー:http://www.k3.dion.ne.jp/~halashow/
石原正一ショールーム:http://blogs.dion.ne.jp/beta/

Posted by shinobu at 22:07 | TrackBack

2005年01月08日

パルコ『なにわバタフライ』12/18-01/26パルコ劇場

 三谷幸喜さん脚本・演出の女一人芝居。戸田恵子さんがミヤコ蝶々さんを演じます。
 三谷さんだし♪戸田さんだし♪♪ そういう期待を裏切らない面白さのその上に、一人芝居というジャンルにも挑戦している、完成度の高い作品でした。
 前売りは完売しています。当日券のお求め方法はこちら

 ネタバレします。これからご覧になる方はお読みにならない方がいいです。

 私がミヤコ蝶々さんのことを初めて見た時、彼女は芸能界のご意見番的存在でトーク番組に出てらっしゃいました。ご夫婦で漫才をしている芸人でらしたことも、この作品で初めて知ったのです。だからこの作品が蝶々さんのありのままを描いたのか、それとも三谷さんの創造が多くを占めているのか全くわからないので、一人の女の物語として楽しむことにしました。

 蝶々さんの楽屋に彼女の自叙伝を出版したいという記者が訪ねてきて、蝶々さんが彼に自分の人生を語っていくという設定でした。他人に説明していく形の一人芝居というとオーソドックスなのですが、この設定は最後にひっくり返されるのが三谷流。

 三谷さんって、脚本が面白いだけじゃなくて、演出家としてすごい手腕を持ってらっしゃるんだなと改めて感心させられました。ジャンルとしては確実に一人芝居なのですが、私は普通のお芝居だと思って観ていましたね。

 特に装置をいじることなく、温泉旅館、アパートの一室、鰻屋の2階、暗い病室などへの場面転換をすんなり成立させて、一人芝居の制約・不自由さを全く感じさせません。また、戸田さんが舞台美術の中に普通に置いてある小道具を使って、ササっと観客の前で衣装を替えて7歳の子供になったのには驚かされました。

 視線や身振り、照明によって、対話している相手を巨人に見せたり小人にしたしするのは特に面白いアイデアでした。舞台に戸田さん一人しか居ないことは「一人芝居」なのですから明らかです。そこで戸田さんが普通の人間と普通に話す演技をしても、それは「舞台上で許された嘘(実際は舞台上に人は居ないけれど、居るものとすること)」の枠を超えません。しかし、登場人物を人間にはありえない形状(背丈5mの巨人)にすることによって、存在していない役に新たなアイデンティティーが与えられ、本当は居ない人間がしっかりと舞台上に居て、戸田さんと話をしているように見えてくるのです。

 私は、暗転中や場面転換中に感動できるかどうかを、作品を味わう一つのポイントにしています。舞台から役者が消えて、劇場が真っ暗になり、音楽だけが流れるのに身を任せている時、もしくは、言葉がない空間で美術、照明、音楽が奏でる物語世界を全身で感じている時に、涙が溢れてくることがあるのです。この作品でもそういう瞬間がありました。前半と後半の間の衣装替えの時間に、マリンバと打楽器の生演奏が、戸田さん、ミヤコ蝶々さん、大阪の女たち、そして客席の観客全員を優しく包んでくれました。

 戸田恵子さんは愛知出身なのですが、ところどころイントネーションが違うところはあれど、「いかにも大阪の女だなぁ」と関西出身の私が納得できるぐらいに、リアルなしゃべり方をマスターされていました。言葉って、語や音の違いだけではなくって、その言葉自体に文化が入っていますよね。戸田さんは大阪弁の心を体得されていたと思います。そのためか、「ほんと、大阪の女ってこうなんだよね・・・」と、個人的な思い入れを頭からはずすことが出来ないまま、最後まで観ることになりました。だって、「これって私のことじゃない!?」って思ってしまったから(苦笑)。心にグサっとささることが多くって、つらくもなりました。「“誰かのために”といつも言い訳して、実は自分が臆病で傷つきたくないだけだった」ということ、どんな女の人にも図星かもしれませんね。

 小竹満里さん(マリンバ・打楽器)と山下由紀子さん(打楽器)の生演奏が素晴らしいです。奏者のお2人も戸田さんも、舞台上に居るのは全員女性ですね。三谷さんが、ミヤコ蝶々さんを通じて全ての“尽くす女(および尽くしていると思っている女)”への愛をくれたように思います。

 @niftyシアターフォーラム『なにわバタフライ』開幕

《東京公演→大阪》
作・演出 三谷幸喜
出演 戸田恵子
生演奏 小竹満里、山下由紀子
美術:堀尾幸男 照明:服部基 音響:井上正弘 衣裳:黒須はな子 ヘアメイク:河村陽子 演出補:白井美和子 舞台監督:松坂哲生 宣伝美術:高橋雅之 宣伝写真:西村淳 製作:伊東勇 プロデューサー:佐藤玄 制作:毛利美咲 企画協力:(株)コードリー 制作協力:松竹芸能(株) 協力:日向家 企画・製作:(株)パルコ
公演サイト:http://www.parco-play.com/web/page/information/naniwa_butterfly/

Posted by shinobu at 17:48 | TrackBack

2005年01月07日

ホリプロ主催 ブロードウェイミュージカル『サウンド・オブ・ミュージック』01/06-23東京厚生年金会館

 ジュリー・アンドリュース主演のミュージカル映画(1965年アメリカ)が世界的に超有名です。
 誰もが聞いたことのある名曲の数々とオーソドックスで優しい演出に、心温まりまくり!てゆーか、涙ボロボロっす。こういうの大好きっ。
 イープラス得チケありますよ!1/12(水)~14(金) S席9,500円→4,800円

 有名な作品ですのでネタバレします。ストーリーがわかっていても充分楽しめると思います。

 第二次世界大戦中のオーストリア。若くておてんばな修道女マリアは、7人の子供の家庭教師としてトラップ大佐の家に雇われる。母親を亡くし明るさを失っていた子供達だったが、歌がいっぱいの愛溢れる生活を通じて、笑顔を取り戻した。トラップ大佐とマリアもお互いに心を寄せ合っていき、やがて一家には至福の時が訪れる。一方で、平和なオーストリアにはナチス・ドイツの影が忍び寄っていた。

 ほがらかで、素直で、心優しい登場人物たち。ちょっぴり恥ずかしくなるぐらい純粋なラブ・シーン。最年少の5歳の女の子が超カワイイ!!!
 目玉は何と言っても歌でしょう。皆さんとってもお上手です。ヘンな技とか使わないでそのまま歌い上げてくださるので、聴いている方もリラックスして、透明な心持ちで受け入れることができます。あぁ~・・・心が洗われるよぉっ!

 我が家には映画のLD(レーザーディスク)があるんです。そう、私の母が大好きだから。何度か観ましたので歌もストーリーも画像もよ~く覚えていました。自分でも歌いましたしね。“エーデルワイス”は学校の音楽の授業でも習いました。ジャズのナンバーとしても有名な“私のお気に入り~My Favorite Things”は、今だに「そうだ、京都、行こう」(by JR西日本)とか思ったりもします(笑)。

 私は映画よりもこのミュージカルの方がかなり好きですね。まずマリアが無邪気で純粋で可愛いです。そして演出がシンプルで、余計なことをしないのが良いです。装置はスタンダード過ぎる気がしましたけど。

 ナチスの手から逃れるために参加した合唱コンクールで、ナチスの巨大な旗をバックに、祖国オーストリアへの愛のメッセージである“エーデルワイス”と、お別れの歌“So long, Farewell”を歌うのには泣けます。コンクール終了後に一家は修道院に逃げ込み、後は山を越えてスイスに抜けるしか道はない、となった時に“すべての山に登れ~Climb Ev'ry Mountain”をシスターが大合唱。そうか、だから「山を登る」のね!
 そして、一家が笑顔で修道院の階段を上って出て行くところで終幕・・・そう、映画のように「スイスに脱出できました!」とまではいかないんです。もしかするとつかまるかもしれない、でも、家族全員が一丸となって、自分を信じて、前へ進んでいくんですよね、夢をつかむために。初日だったせいもあるかもしれませんが、幕が下りたときの会場の拍手はすごかったです。音楽が演奏されている間は最後の最後まで手拍子もありました。

 ※トラップ一家って実在してたんですね、パンフを読んでびっくり。実在のマリア・フォン・トラップさんの自伝がドイツ映画になり、ブロードウェイ・ミュージカルになって、それからアメリカ映画になったそうです。

《東京公演→名古屋→大阪》
音楽:リチャード・ロジャース 作詞:オスカー・ハマースタイン2世 脚本:ハワード・リンゼイ&ラッセル・クラウス 演出:ダレット・ノリス
イープラス内:http://click.eplus.co.jp/?5_99472_273344_6
ホリプロ内:http://www.horipro.co.jp/ticket/kouen.cgi?Detail=45
「サウンド・オブ・ミュージック」永遠の魅力:http://www.1soundofmusic.com/

Posted by shinobu at 01:18 | TrackBack

2005年01月05日

NODA MAP『走れメルス』12/03-01/30シアターコクーン

 初演は野田秀樹さんが20歳の時(22歳の時に書き換えたものが今の形だそうです)。
 再演希望No.1なんですってね。今回で7演目です。

 膨大なセリフを、一気に、早口で、どなり声で、まくしたてて、役者さんは舞台上を走り回って・・・・。観ていて本当に疲れました。役者さん、これを2ヶ月もやるなんて凄いです。尊敬します。

 言葉だけでなく構造とかもいろいろ面白そうなんですが、聞こえないし。苦しい。なんかスポーツみたいなんですよね。
 私が初めて野田さんを観たのは1992年に日本青年館で上演された『贋作・桜の森の満開の下』(再演)です。夢の遊眠社を観たのはそれが最初で最後でした。当時(私は10代でした)も面白いと思わなかったんです。だから野田さんのこういう作品には基本的に私は合わないのでしょう。

 美術と照明との競演が良かったです。粗大ゴミのがれきの下に70年代が埋まっている、反対に言うと、70年代の遺物たちは今、粗大ゴミとなっている。おっと、美術は加藤ちかさんなんですね。堀尾幸男さんじゃないんだ。

 いつかこの、野田さんの若々しい戯曲を、野田さん以外の人が演出したのを観てみたいと思いました。セリフゆっくりで、走らない方向で。それか、完全にデフォルメするとか、抽出するとかで。

 「予想」を反対読みすると「嘘よ」になるのにはビビっと来ました。

作・演出:野田秀樹
出演:深津絵里 中村勘太郎 小西真奈美 河原雅彦 古田新太 峯村リエ 濱田マリ 池谷のぶえ 野田秀樹 小松和重 浅野和之 松村武 腹筋善之介 六角慎司 櫻井章喜
美術:加藤ちか 衣裳:ひびのこづえ 選曲・効果:高都幸男 映像:奥秀太郎 ヘアメイク:河村陽子 舞台監督:瀬崎将孝 プロデューサー: 北村明子 企画・製作:NODA・MAP 提携:Bunkamura
野田地図:http://www.nodamap.com/

Posted by shinobu at 23:54 | TrackBack

2005年01月04日

佐藤佐吉演劇祭参加・クロムモリブデン『ボウリング犬エクレアアイスコーヒー』12/29-01/03王子小劇場

 東京国際芸術祭2004のリージョナルシアター・シリーズに出場していたのですが、私は今回が初見です。
 期待していたよりも面白かった!はっきりと独自色があるってことの強さを思い知りました。関西の劇団なのに関西っぽさをアピールしていないのも良いです。

 劇場は開場時間から、弦楽器と女性ヴォーカルの生演奏に打ち込み音楽(パソコンに打ち込んで作られた音楽)も合わせられた、本格的なライヴハウス状態。天井の高い王子小劇場が赤いカーテンに包まれており、大人っぽいいかがわしさがある、しっとりした空間になっていました。
 もうすぐ開演かな~...ぐらいの時間に舞台監督さんがてくてく歩いてきて「演奏はここまで、これから本編です」とご挨拶。奏者と女性シンガーを紹介している途中にいきなり役者が出てきてそのまま本編突入。
 もうちょっと勢いがあれば始まりのわくわく感が理想的に増徴したと思うのですが、ちょっと控えめでしたね。でも期待感が持てるオープニングでした。

 ネットの掲示板で知り合った自殺志願者が待ち合わせをしている。今からみんなで集団自殺だぜぃ!しかし、その中にはある女(死にたい女:奥田ワレタ)の自殺を止めたいと思っている人物(元気な女:齊藤桂子)と、ある悪巧みをしている人物(パリと東京を行ったり来たり:山本景子)が潜んでいた。つぶれたボウリング場に集まる謎の多い人物たち。(・・・ストーリーはあまり覚えていませんねぇ。ハンドルネームも間違ってたらごめんなさい。)
 
 作品の印象を具体的な何かに例えるとすると、短編クレイアニメとか、音楽のプロモーション・ビデオ(PV)です。いろんな色が交じり合った画面がグルグルっと動いて、何かが出来上がった瞬間にパッと止まる感じ(クレイアニメ)。歌手(この場合は役者)がカメラに向かってノリノリ&ナルシスティックに踊り歌って自己アピールし、次々に違う歌手と入れ替わりながら目まぐるしく回り、背景は浜辺、宇宙、台所などにひっきりなしに変化します(PV)。映画だと大昔に観たブラッド・ピット主演『ジョニー・スエード』に似てるような・・・(赤いカーテンとか、ナルシスト具合とか)。

 衣裳も照明もカラフルで、音楽もけっこう派手です。役者さんは一人一人のキャラクターをきっちり固定して、濃い演技をしています。でも、ごてごてしていないからシンプルで美しいんですよね。決めるところはハデに決めて、押さえるところは丁寧に押さえる。そのバランスが心地よいです。どこで舞台写真を撮っても絵になります。小刻みに変化するキャラクターや場面転換もリズミカルで楽しかった。

 演出(青木秀樹)によって作品世界が緻密に作り上げられているのがガツンと伝わってきました。美術、衣裳、照明、音響のスタッフワークは言うまでもなく、俳優が役割をきっちり果たしており、舞台上で表現されるひとつひとつの細かい仕掛け全てに、一本通った意図が感じられました。

 ただ、中盤で退屈しちゃったんですよね。たぶんストーリーがそれほど練られていないんじゃないでしょうか。当日パンフレットにも「今回は台本の無い処から始めてみました。(青木秀樹さんの文章より引用)」と書かれていますし。

 あと、細かいことですが、途中でヒロイン(死にたい女:奥田ワレタ)がなぜか関西弁になりましたね。ここまで独特の世界を作ることができているのだから、最初から最後まで標準語に統一した方が良いんじゃないかなぁ。それか、全編関西弁にするとか。

 全体としては、見所がいっぱいあって、私自身、勉強させていただけたところもあり、満足でした。関係者の方に「次回は誰か誘ってきてください」と言われたのですが、私だったらお友達の役者さんを誘いたいと思います。小劇場界で、技術よりもノリや個性を売りにしている役者さんは観た方がいいんじゃないかな。ノリと個性はすっごく大切だけど、それも使い様なんだってことがこの劇団の役者さんを見ればわかると思います。

 黒人のボブ役(板倉チヒロ)は外国人だからこそのボケと穏やかなツッコミをするキャラクターでした。それを演じきっているのが見事です。

作・演出 / 青木秀樹
出演 / 森下亮・金沢涼恵 ・板倉チヒロ・山本景子・重実百合・信国輝彦・奥田ワレタ・齊藤桂子(dd69)・大沢秋生(ИEUTRAL)・岡本竜一  
クロムモリブデン:http://crome.jp/
王子小劇場:http://www.en-geki.com/
クロムモリブデン制作・役者の森下亮さんのブログ・アメイセンソウ:http://blog.goo.ne.jp/ac75

Posted by shinobu at 20:49 | TrackBack

青年団リンク・地点『雌鶏の中のナイフ~Knives in Hens』01/01-23アトリエ春風舎

 三浦基さんのとびきりブッ飛んだ演出が観られる青年団リンク・地点。私は去年の11月の『三人姉妹』に続き、2度目です。 
 地点は今年、東京から京都に拠点を移されるそうで、次に東京で三浦さんの作品を観られるのはちょうど1年後、2006年の1月になるそうです。まだ観た事のない方は、ぜひこのロングラン公演を逃さないでくださいね。1ステージに約30人の観客という贅沢な空間です。23日まで小竹向原のアトリエ春風舎にて。(2005年7月10日加筆)

 あるのどかな田舎の農村。馬を育てている農夫ウィリアム(大庭裕介)の妻(安部聡子)は、毎日のら仕事に精を出している従順な乙女。ある日、夫の代わりに水車小屋に粉を挽きに行くことになった。水車小屋の番をしている男(小林洋平)は昔、自分の妻と子を殺したと噂されている、村の嫌われ者。
 男になるべく近寄らないようにしていた女だが、何度も水車小屋に通う内にいやいやながらも言葉を交わすようになる。ある日、男からペンを持たされて、女は生まれてはじめて自分の名前を文字で書いたのだった。そして・・・。

 ものすごくエロティックな、女1人、男2人の3人芝居でした。『三人姉妹』の時と同様、セリフは文節および音で分割されて、独特のスピードと音程で発せられます。完全にコントロールされた動き、言葉によって、私の心のかゆいところまで、いや、かゆいのかどうかもわからないけれど、あきらかにツボである部分まで、細やかな感情が伝わってきました。
 今作では普通の会話のようなしゃべり方をするところも結構あり、その量は『三人姉妹』より多かったです。

 夫の「かわいこちゃん」でしかなかった妻が、水車番との出会いによって自分自身を発見し自立していくのですが、夫が死んだ(殺した)後に女が「何を見ても新しいし、面白い。だからお前(水車番)と一緒に村を出ては行かない」という結論に至るのは、ちょっと意外でしたが納得でした。彼女自身の世界が現れた瞬間に、記号でしかなかった彼女の言葉に命が吹き込まれたんですね。

 舞台中央に大きな木の机(のような台)があります。天板の大きさが奥行き1m、横幅3mぐらい。その上に女が乗っており、下に夫が寝そべっています。水車番は舞台上手奥から登場します。『3人姉妹』でも姉妹らは何らかの台の上に乗っていました。
 机には色んな小道具がくっついていたり、刺さっていたりして、あきらかに男根をイメージさせるものがありました。夫が支配する世界に女が乗っかっているんですね。そしてラスト近くで机がバタン!と横に倒され、女が一人で住む家に変化するのは面白いです。

 女優の安部聡子さんに比べると男優さん2人ともがちょっぴり迫力不足だった感がありますが、単に安部さんが凄すぎるのでしょう。あの滑舌(かつぜつ)には参った。芸ってこういうことだよなって。しみじみ。感動。

"Knives in Hens" by David Harrower
出演:安部聡子/大庭裕介/小林洋平
作=デイヴィッド・ハロワー 翻訳=谷岡健彦 演出=三浦基
舞台美術=杉山至×突貫屋 照明=吉本有輝子 照明オペレーター 松本明奈 音響=田中拓人 衣装=すぎうらますみ  演出助手=井上こころ 舞台監督=桜井秀峰 宣伝美術=京 制作=田嶋結菜 総合プロデューサー=平田オリザ
公演ページ:http://www.seinendan.org/jpn/infolinks/infolinks041208.html

Posted by shinobu at 01:15 | TrackBack

2005年01月03日

ネットワーク ユニット Duo【俳優指導者養成ゼミ2004】12/06-10, 13-17森下スタジオ①

 ネットワーク ユニット Duoが主催する俳優指導者養成ゼミ2004を見学させていただきました。今年のカリキュラムはこちら

 私がお邪魔したのはムーブメントの山中ゆうり先生と、ヴォイスの池内美奈子先生のクラスを1回ずつ。今年の8月に新国立劇場で俳優養成サマーコースがあったのですが、そこでも山中先生と池内先生が講師をされていました。

 ※サマーコースのことは新聞にもたくさん取り上げられました。ネットワーク ユニット Duoコラム内「新国立劇場俳優養成サマーコース続報」をご覧ください。

 関係者からもお話を聞いていたのですが、“劇作家の井上ひさしさんや演出家の宮田慶子さんからその指導ぶりを絶賛された”山中先生と池内先生の授業に、私自身が興味津々、期待満々で森下スタジオにお邪魔しました。

 俳優指導者養成ゼミは2003年にも開催されており、その内容はこちらで読めます。すごく詳しく書かれていて読み応えアリです。また、今回のゼミの内容もゼミ・レポートにアップされています。
 ウェブ上で読めるゼミ参加者の方々の日記などはこちら↓
 
 ・風琴工房主宰・詩森ろばさんのブログLIVESTOCK DAYS(12/6以降)
 ・アンノウン サーカス所属アーティスト・入交恵さんMy Diary(12/6以降)
 ・明樹由佳さんが所属するラ・カンパニー・アン内・「a la vala」 身体と声と言葉のワークショップ(12/28と12/29)
 ・オフィスプロジェクトM主宰・丸尾聡さん丸尾の死ぬまで日記(12/15以降)

 これから2回ぐらいに分けてレポートしたいと思っています。
 「見学した」というよりは「目撃した」という気持ちです。知っていると思っていて実は知らなかった、“コミュニケーション”という奇跡を。

 レポート②はこちら。③は執筆中です。

Posted by shinobu at 16:41 | TrackBack

2005年01月02日

メルマガ 2005年01月のお薦め舞台

 2005年1月のお薦め舞台10本+αをご紹介します。
 今年もよろしくお願い申し上げます。

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 “しのぶの演劇レビュー” Vol. 7     2005.1.1  368部 発行

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   今、面白い演劇はコレ! 年200本観劇人のお薦め舞台♪
                   
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 ◎あけましておめでとうございます

 おかげさまで、去年の7/1より発行開始いたしましたこのメルマガも
 今回で第7号です。号外を合わせると合計20回目の配信となりました。
 登録者数も初回の152名から368名となり、より多くの方に演劇情報を
 お伝えできるようになったことを心から嬉しく思っております。

 これからもこつこつと観劇を続け、皆様にとって忘れられない一期一会と
 なるような舞台作品を、たくさんご紹介していきたいと思っております。
 今年もどうぞよろしくお願い申し上げます♪


 ◎このメルマガについて
 年間200本以上の様々な舞台作品を観ている高野しのぶが発行する、
 “今、東京で観られる面白い演劇”をご紹介するメルマガです。
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 演劇は、その時その場所でしか味わえない、とっておきの感動体験です。
 世界中で最も公演数が多いと言われている東京では、
 毎日、たくさんの劇場で初日の幕が開いています。
 そこで、過去5年間で1000本もの舞台作品を観てきた私の目で確かめて、
 オンタイムでお薦め演劇情報をお届けするのが、このメルマガです。

 毎月1日に私が観るお薦め公演10本のご紹介メールを配信します。
 そして、実際に観に行って面白い作品に出会ったら、
 その翌日の午前中までに、お薦め作品の“号外”を配信します。
 これで、とっておきの公演を見逃すことはありません♪
 


○○ 今回のもくじ
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 ◆1【今月のお薦め10本+α】
   
   ◎No.1→ 新国立劇場オペラ『マクベス』
       1/17, 20, 23, 26, 29新国立劇場 オペラ劇場
       ☆野田秀樹さんが演出したオペラの再演。
       http://www.nntt.jac.go.jp/season/s246/s246.html


 ◆2【先月のベスト3】

   ◎No.1→ ナイロン100℃『消失』
       12/03-26(12/2プレビュー)紀伊国屋ホール
       《東京公演後→大阪、北九州、滋賀、松本、盛岡、新潟》
       http://www.sillywalk.com/nylon/


 ◆3【シネマ歌舞伎『野田版 鼠小僧』1/15~28@東劇】

   ◎作・演出:野田秀樹/主演:中村勘九郎の傑作歌舞伎を映画館で!
    http://www.shochiku.co.jp/nezumi/


 ◆4【国立の俳優学校が今春スタート!】

   ◎今春、新国立劇場に演劇研修所が開設されます。
    http://www.asahi.com/culture/update/1223/004.html


 ◆5【編集後記 & ジンガロ(ZINGARO)情報】

   ◎2004年しのぶの観劇ベスト10は、1/11に発表予定。
   ◎PR 騎馬オペラ ジンガロ『ルンタ』チケット発売中!
    土日ステージが大人気!チケットのご予約はお早めに♪
    http://www.zingaro.jp/

 ◆6【このメルマガについての注意事項】

   ◎はじめての方はどうぞお読みくださいね♪


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 ◆1 【今月のお薦め10本+α】
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 ※★印がいちおし公演です(3本)。
 ※私が観に行く順に並べています。
 ※掲載内容:主催・『タイトル』・日程・会場・URL・コメント


1.青年団リンク・地点
  『雌鶏の中のナイフ Knives in Hens』
  01/01-23アトリエ春風舎
  ☆三浦基さんの演出は必見です。脳みそが揺さぶられます。
   http://www.seinendan.org/jpn/infolinks/infolinks041208.html


2.NODA MAP『走れメルス』
  12/03-01/30シアターコクーン
  ☆作・演出:野田秀樹
   出演:深津絵里 中村勘太郎 小西真奈美 河原雅彦 古田新太 他
   いつもの豪華キャスト。河原雅彦さん、腹筋善之介さんが楽しみ。
   http://www.nodamap.com/


★3.パルコ『なにわバタフライ』
  12/18-01/26パルコ劇場
  《東京公演→大阪》
  ☆作・演出 三谷幸喜。戸田恵子さんの一人芝居。
   ミヤコ蝶々さんの生涯を描くそうです。
   http://www.parco-play.com/web/page/information/naniwa_butterfly/


4.遊園地再生事業団『トーキョー/不在/ハムレット』(本公演)
  01/19-23シアタートラム
  《東京公演→京都》
  ☆作・演出・美術:宮沢章夫
   ワークショップや朗読公演など、約一年かけて創ってきた作品の本公演。
   http://www.u-ench.com/fuji/tah.html


5.新国立劇場演劇『城 Das Schloss』
  01/14-30新国立劇場 小劇場
  ☆作:フランツ・カフカ
   構成・演出:松本修
   長期間のワークショップから作られています。
   演出:松本修/作:カフカ『AMERIKA』も面白い作品でした。
   http://www.nntt.jac.go.jp/season/s251/s251.html
 

6.劇団昴 現代舞台芸術セレクション『ゴンザーゴ殺し』
  01/21-26東京芸術劇場小ホール1
  ☆第三回朝日舞台芸術賞受賞作品です。早くも再演。
   シェイクスピア『ハムレット』に出てくる旅劇団のお話。
   http://www.bekkoame.ne.jp/~darts/


7.G-upプロデュース『Brains』
  01/22-30シアターVアカサカ
  ☆PLAY MATE、tsumazuki no ishi、花組芝居、ラッパ屋、転球劇場、
   カムカムミニキーナ、サードステージ、BQMAP・・・etc.の
   作家、脚本家、俳優が集まったプロデュース公演です。
   http://www.g-up.info/


8.フジテレビジョン『歩兵の本領 soldier's mind』
  01/21-02/06紀伊国屋サザンシアター
  ☆原作:浅田次郎 脚本:和田憲明(ウォーキングスタッフ)、
   演出:杉田成道 企画:大多亮 プロデュース:岡村俊一
   出演:窪塚俊介 高橋一生 パク・トンハ 的場浩司 ほか
   なるほど、いかにもフジテレビの企画ですね(笑)。
   窪塚俊介さんとパク・トンハさんが和田憲明さん作品に出ると思うと
   観たくなります。演出には期待していませんが・・・。
   http://www.rup.co.jp/200411hohei/index.html


★9.新国立劇場オペラ『マクベス』
  01/17, 20, 23, 26, 29新国立劇場 オペラ劇場
  ☆作曲:ジュゼッペ・ヴェルディ 原作:ウィリアム・シェイクスピア
   演出:野田秀樹 美術:堀尾幸男 衣装:ワダエミ
   照明:服部基 振付:木佐貫邦子
   http://www.nntt.jac.go.jp/season/s246/s246.html

  ●お薦めポイント●
   野田秀樹さんが初めて演出したオペラで、
   目も耳も心もすっかり魅せられる芸術的作品です。
   特に“魔女”の新解釈が面白く、笑いもありますよ。
   初日写真はこちら↓
   http://www.nntt.jac.go.jp/frecord/opera/2003%7E2004/macbeth/macbeth.html


★10.少年王者舘KUDAN Project『劇終/OSHIMAI~くだんの件』
  01/26-02/01横浜相鉄本多劇場
  ☆作・演出:天野天街 出演:小熊ヒデジ、寺十吾
   1995年から何度も再演を重ね、アジア公演も実現しています。
   先鋭的な実験劇の傑作『真夜中の弥次さん喜多さん』も
   このチームの作品です。
   http://www.officek.jp/kudan/


+α(私はおそらく行けません)
  燐光群『屋根裏』
  01/22-27梅ヶ丘BOX
  《東京公演→ニューヨーク・ロサンジェルス・マイアミ・ピッツバーグ・
   ワシントン(予定) 伊丹・北九州・金沢・熊本・岡山・松本 他》
  ☆アメリカ&国内ツアーに先駆けた特別プレビュー公演。
   作・演出:坂手洋二
   紀伊國屋演劇賞、読売演劇大賞[最優秀演出家賞]受賞。
   小空間ならではの緻密な作品。笑いもあります。
   舞台だけでなく劇場も非常に狭いので、体調を万全に!
   http://www.alles.or.jp/~rinkogun/yaneura2005.html


 ◎しのぶの1月の全予定(24本+α)はscheduleに掲載しています。
  キャスト・スタッフ情報あり♪
  http://www.shinobu-review.jp/schedule.html


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 ◆2 【先月のベスト3】
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1.ナイロン100℃『消失』
  12/03-26(12/2プレビュー)紀伊国屋ホール
  《東京公演→大阪、北九州、滋賀、松本、盛岡、新潟》
  http://www.sillywalk.com/nylon/
  ☆上演時間2時間45分、休憩なし!・・・長い!!
   (↑これが理由で号外を出しませんでした)
   映像、音楽、ナンセンス・ギャグ、達者な俳優等の
   いつものナイロン100℃クオリティーに、
   のっぴきならない悲しみがひたひたと満ちる美しい作品でした。
  *レビューはこちら↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2004/1208005129.html


2.reset-N『ROSE』
  11/30-12/05こまばアゴラ劇場
  http://www.reset-n.org/
  ☆「日本がイラクの立場だったら?」とリアルに想像できる
   クール&スタイリッシュな現代劇でした。
   クオリティーが非常に高く、若者の集団創作という点でも
   未来を感じられた作品でした。   
  *レビューはこちら↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2004/1229180326.html

  ※作・演出の夏井孝裕さんの脚本が、文学座の若手カンパニーによって
   2月に2作品連続上演されます。
   http://www.saistudio.net/html/studio_performance_vol14.html


3.東宝・SHINKANSEN☆RX『ROCK MUSICAL SHIROH』
  12/07-29帝国劇場 
  《東京公演後→大阪》
  http://www.toho.co.jp/stage/shiroh/welcome-j.html
  ☆新感線とは思えないような社会派作品。 
   気持ちよく聴けてノれる日本製ロック・ミュージカルでした。
  *レビューこちら↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2004/1220221309.html
  *号外はこちら↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2004/1215111514.html


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  http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000134861
  メルマガ号外は誰が観ても楽しめそうなものを選んで発行しています。


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 ◆3 【シネマ歌舞伎『野田版 鼠小僧』1/15~28@東劇】
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 ◎松竹・シネマ歌舞伎『野田版 鼠小僧』
  2005年 1/15(土)~28(金)@東劇
  作・演出:野田秀樹 出演:中村勘九郎 ほか
  http://www.shochiku.co.jp/nezumi/
  レビューはこちら↓
  http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2003/0818210443.html

 ○2003年8月、歌舞伎座で上演された大ヒット作『野田版 鼠小僧』が
  東銀座・東劇のスクリーンでデジタル上映!

  映画館で本編の前に流れる宣伝映像を観たのですが、
  観客の笑い声も大胆に入って、かなり臨場感がありそうです。
  俳優のアップが見られるのが嬉しい。
  私は家族で観に行くことにしました♪
  
 ※1/15(日)の11:00、13:30の回は舞台挨拶あり
  お問合せ:東劇 03-3541-2711
  http://www.shochiku-eigakan.com/east/s004/index.html


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 ◆4 【国立の俳優学校が今春スタート!】
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 ◎今春、新国立劇場に演劇研修所が開設されます。
   http://www.asahi.com/culture/update/1223/004.html

  「演劇研修所」は俳優養成のための機関で、
  選ばれた若い俳優に、世界の最先端の俳優教育が施されます。

 ○去年8月には、演劇研修所の開設に先立って
  俳優養成サマーコースが開催されていました。
   http://www.nntt.jac.go.jp/release/r346/r346.html
  上記サイトに載っていますが、講師陣が豪華!!
  →井上ひさし、宮田慶子、永井愛、三田和代、栗山民也 等(敬称略)
  
  現役の演出家や俳優以外にも俳優養成のプロフェッショナルの
  先生が参加されており、新たにできる研修所にも引き継がれる
  可能性が高いです。もちろん今まで日本にはなかったことです。

 ○国立の俳優学校が出来るということは、国際的競争力を持つ
  エリート俳優が輩出されて、日本の演劇の質の向上につながります。

  観客にとっては、上手い俳優が出演する、上質の舞台作品を
  観られる機会が増えるわけです♪
 
  学校の詳細は今月末ごろに公開される予定です。
  俳優さんは研修生の公募情報を要チェックですよ!

  新国立劇場:http://www.nntt.jac.go.jp/

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 ◆5 【編集後記 & ジンガロ(ZINGARO)情報】
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 ◎2004年しのぶの観劇ベスト10は、1/11に発表する予定です。
  今年は総観劇本数257本の中から選びます。
  色々考えながら選んでいる最中なのですが、号外を出したものが
  必ずしも入るわけじゃなさそうなんですよね・・・。
  なるべく多くの作品をご紹介できるようにしたいと思っています。


 ◎PR 騎馬オペラ ジンガロ『ルンタ』チケット発売中!
  土日ステージが大人気!チケットのご予約はお早めに♪

  ジンガロ『Loungta(ルンタ・風の馬)』
  3/12-5/8木場公園内ジンガロ特設シアター
   http://www.zingaro.jp/

  ☆ジンガロ公式サイト→ABOUT→ジンガロ紹介ムービーで、
   ジンガロの過去公演等のストリーミング映像が見られます。
   LONG VERSIONがおすすめ!超かっこいいですよ!!
   公式サイト→ http://www.zingaro.jp/

  ※私はジンガロ日本公演実行委員会事務局に勤務しています。
   ジンガロ情報は“しのぶの演劇レビュー”内でフォローしています。
   http://www.shinobu-review.jp/review.html


 ◎パフォーミング・アーツ・マガジン[バッカス]02号
  私が書いた劇評が掲載されている雑誌です。  
  こちらでネット購入できます!
  Kinokuniya BookWeb(紀伊国屋書店ネットショップ)
   http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?W-NIPS=9978823190


 ◎「劇場に足を運ぶことが、日本人の習慣になって欲しい」
  それが私の望みです。
  これからもこつこつ、地道に進んで行きたいと思っております。
  皆様、どうぞよろしくお願いいたします♪


 ◎皆様の観劇感想をお寄せ下さい!
  このメルマガについてのご感想でももちろん結構です♪
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Posted by shinobu at 16:59 | TrackBack