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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2005年02月14日

西永福『ハローハロー、へび女』12/27, 28下北沢OFF OFFシアター

 下北沢OFF OFFシアターでやる、年末平日2日間だけの女2人芝居。西永福という女優2人ユニットは、この作品で旗揚げのようです。
 チラシビジュアルやキャッチコピーから、オムニバス・コントかと思っていたのですが、きちんとした3幕もののストーリー芝居でした。

 苗字の発音が同じ、愛川かつ子(永野麻由美)と合川まき子(西森光枝)は高校時代の同級生。元・ちびっこアイドルで今もきゃぴきゃぴしているかつ子が、十数年(?)振りに田舎に帰ってきて、惣菜屋で働く地味で冴えないまき子に会いに来た。

 劇場中央に簡単なテーブル1台とイスが2脚あり、2方向から客席が舞台を挟む形でした。喫茶店、居酒屋、うなぎ屋で、かつ子とまき子が面と向かい合って、話し続けます。キャラクターとしては、かつ子がボケでまき子がツッコミですね。けっこう笑えました。

 第1幕、第2幕で徐々に物語の設定や2人の性格が明らかにされてきて、第3幕のどんでん返しが痛快でした。女子高校時代の切ない思い出や、ひた隠しにしてきた本音が可愛らしいセリフとともに少しずつ明かされ、2幕までに起こった出来事の裏側・真相がぽろり、ハラリと暴かれていきます。
 昔から詩が好きだったまき子が、第3幕で「私、詩集を出すの」と言った時はじーんと来ちゃいました。それもまた裏返しになってしまうのが、上手い脚本です。脚本を書かれた鈴木健志さんは東京小店という劇団の所属のようですが、今度本公演を観てみたいですね。

 2人とも出ずっぱりでしゃべりっぱなしの1時間20分。当然ですが、お稽古も大変でしょうし、本番も緊張の連続ですよね。ベテラン俳優が出ているものでも2人芝居ってすごいなーと思うんです。正直なところ全然期待していていなかったんですが、すごく面白かった。
 脚本についても演技についてもまだまだ改善できる点があると思いますので、再演をされてはいかがでしょうか。装置もほぼいらないですし、気軽にカフェとかで。また観たいです。

脚本:鈴木健志(東京小店)演出:西永福
出演:永野麻由美(Rel-ay) 西森光枝
舞台監督:天谷俊介 照明:柳本友紀 音響:秋山龍(Rel-ay) 制作:Rel-ay西永福制作部 協力:東京小店 Rel-ay
Rel-ay内・西永福:http://www.rel-ay.com/play/nishi-eifuku/

Posted by shinobu at 2005年02月14日 23:17 | TrackBack (0)