三条会独特の世界を体感したくて、片道1時間30分かけて西千葉まで行きました。
演出家の関美能留さんが、第3回千葉市芸術文化新人賞を受賞されました(今年2/10発表)。
『若草物語』というと、あの4人姉妹が出てくるアメリカの有名な小説です。三条会版『若草物語』は3部構成になっており、「1幕 便所 便所が何より楽しい。」「2幕 学校 異性のことだけを考えていた。」「3幕 友情 男女間なり国家なりを越えた友情なんて妄想かしら。」という筋書がパンフレットにありました。わけわかんないなー(笑)。
三条会のお芝居について、難しいことは私にはわからないです。頭がぐっちゃぐちゃになって、客席で「一体どうしたらいいのかわっかんないよ!!(爆笑)」と言いたくなる、三条会独特の熱い可笑しみというのを、私は好きなんだと思います。汗とか唾とか鼻水とか、ちょっと気になるんですが(笑)。
ここからネタバレします。
赤白のお祝いの幕で舞台が隠されています。幕が開くと、なんと客席よりもずっと狭い、横長のステージでした。おそらくホールを通常ではなく縦に使っているのでしょうね。
1幕は、とりあえず坊主頭の男優さんが4人、ずらりと舞台に並んでキバっています。坊主なのに毛糸のおさげ髪をひっつけているのが可笑しいです。で、うんこしてるポーズなんだな、コレが(笑)。おそらく洋式トイレですね、あの腰の高さは。思いっきりキバりながら、ずっと若草物語のセリフをしゃべるんです。すごく苦しそうに、時にはスッキリしたように。お客さん、どうしたらいいのかわからないですよね、いきなり目の前でキバられちゃったら(笑)。とにかく全力でキバっているのに言うことは「お母様にプレゼントを差し上げましょうよ!!!」みたいな敬虔な言葉なので、おかしくっておかしくって(笑)。苦笑の連続でした。長いキバりシーンの後に、きれいなドレスの女優さんが4人出てきました。彼女達も4人姉妹の役でした。
2幕は、女優さん達の出番。長女のメグ(寺内亜矢子)と次女のジョー(大川潤子)がダンス・パーティーに招待されて、何を着ようかしら、手袋は必要かしら、などと身支度について喧々諤々しゃべりまくります。そうね、女の子なら誰しもデートの前に命がけで悩むんですよ、着る服について。でも、スカートに焼け焦げがあったり、手袋がしみだらけだったり、髪をカールしようとしたら燃やしちゃったり、てんでうまく行かないんですよね。その様子をものすごく大げさに演じるので、さらに笑いを誘います。
ジョー役の大川潤子さんの鍛え上げられた肉体美が迫力でした。ダンスっていうのか舞踏っていうのか、あの舞(?)にはただただ圧倒されてですねぇ、夢に見そうです(笑)。
3幕は、4人姉妹以外の登場人物が出てきて、原作をよく覚えていない私にはちんぷんかんぷんな世界になってしまいました。まあ、ストーリーが大事なのかどうかもわかりませんので、その雰囲気だけ味わえればいいのかなぁと思っていたのですが、全てが私にとって唐突過ぎて、残念ながら眠たくなってしまいました。女優さんが着物を着て出てきたのはきれいでしたね。
4人の男優と女優がてんやわんやに暴れまくって(私にはそう見えました)、ラストもやっぱりキバって終わりした。うんこって、人間なら絶対にしなきゃだめだし(しないと死んじゃうし)、人類共通の事象ですよね。結局人間って、生まれて死ぬまでうんこし続けるし、どんなに成長してもしなくても、うんこはするんですよね。歌舞伎やアメリカ、清純な成長物語などをちょっとちゃかしながら、人間って可笑しいよね、可愛いよねってことを表していたのかなぁと思いました。
作/ルイザ・メイ・オルコット 演出・構成/関美能留
出演:寺内亜矢子(ク・ナウカ) 大川潤子 阿佐見真紀 舟川晶子 立崎真紀子 三村聡(山の手事情社) 榊原毅 橋口久男 中村岳人
照明:佐野一敏 音楽:粟津裕介(発条ト) 宣伝美術:川向智紘 制作:高辻千浩
三条会:http://homepage2.nifty.com/sanjokai/