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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2005年02月24日

ホリプロ/テレビ東京『デモクラシー』02/22-28青山劇場

 鹿賀丈史さんと市村正親さんの26年振りの舞台共演というのが売り文句になっている作品です。『You are the Top』で残念ながら実現しなかったんですよね。青山劇場での初日に伺いました。

 冷戦時代の西ドイツ首相(ヴィリー・ブラント:鹿賀丈史)の秘書(ギョーム:市村正親)が、なんと東ドイツのスパイだった。実話を元にした戯曲です。あらすじは公式ページでどうぞ。

 真っ黒な舞台でじっくり聞かせる会話劇でした。これは小さな劇場だったら最高だったかもしれません。きっとシアター1010(2/11-19)の方が良かったでしょうね。
 前半は残念ながら退屈で眠ってしまったところもありましたが、後半は緊張感のあるセリフの応酬を集中して観る事ができました。

 ブラントは東ドイツにとってはいわば味方というか、歓迎すべき西側の首相で、ギヨームは決して彼を陥れるのではなく、反対に彼をサポートする必要不可欠な存在だったというのが面白いです。
 秘書のギヨームがスパイかもしれないという疑念をブラント首相が持ってからの、互いの心を探りあうやりとりがスリリングでした。

 時代を映す密度の濃い男芝居、というだけでかなり面白い脚本だと思いました。でも、地味すぎた演出に疑問でしたね。照明は部分を照らすサスなどは多用されていましたが、色については白っぽいものばかりで、暗くなったり明るくなったりの非常にシンプルな変化しかありませんでした。森の中のシーンぐらい森っぽくすればよかったんじゃないかしら。音響については、効果音はあったけれど音楽がなかったですね。鳥の声とか風の音とかもなかったなぁ。全体的に地味すぎたと思うんです。

 手塚の一行レビューに「「コペンハーゲン」の続きみたい」と書かれていますが、ほんと『コペンハーゲン』に似てると思いました。

《北千住→青山→銀座》
出演:鹿賀丈史 市村正親 近藤芳正 今井朋彦 加藤満 小林正寛 石川禅 温水洋一 三浦浩一 藤木孝
脚本=マイケル・フレイン 演出:ポール・ミラー 装置:堀尾幸男 照明:沢田祐二 衣裳:小峰リリー 音響:高橋巌 舞台監督:渋谷壽久
※演出家が変更になりました。
公演ページ:http://www.horipro.co.jp/ticket/kouen.cgi?Detail=49

Posted by shinobu at 2005年02月24日 00:00 | TrackBack (0)