松尾スズキさんが作・演出する、大竹しのぶさんと松尾スズキさんの二人芝居、っていうだけで絶対に観たくなりますよね。
4つの短編(コント?)の間に映画がはさまれる短編集でした。こだわりのネタがいっぱい。お二人ともセリフが膨大ですよね、特に大竹さん。
大竹さんはまあ、何も言うことないっていうか。いつもの大竹さんの完成度というか。何でもこなせるし、何でもチャレンジするし、何をやっても可愛い方ですよね。
松尾さんはツッコミがすごく上手いと思いました。声の大きさ、声色、タイミングがすごくバラエティーに富んでいて、意味がわかっていたらもちろん面白いし、その言葉だけでも面白いです。
映画はセリフや細かい演技がめちゃくちゃ面白かったです。舞台で演技しているお二人が映画にも出演されていて、その演技の質の違いに呑まれました。大竹さんも松尾さんも天才ですよね、やっぱり。映画と短編芝居のどちらが面白かったかというと、私は映画の方が好きでしたね。
ここからネタバレします。短編芝居と映画のタイトルは下記。映画はモノクロで続き物でした。
1.「初めてのSM」(湿地帯のラブホにおばちゃん女王様が来る)
2.映画「出しっぱなしの女#1」(出しっぱなしなのは、水。水道工事の男の戦闘もの。)
3.「突起物の女」(頭の上に突起物がある女優が精神科に来る)
4.映画「出しっぱなしの女#2」
5.「これからの人」(精子 VS 精子)
6.映画「出しっぱなしの女#3」
7.「刺したね」 (衝動的に人を刺した不幸な女と、運悪く刺された引きこもり男)
「突起物の女」に強烈な松尾ワールドが顕れていて、大人計画のお芝居を観た時と同じように、やっぱりこの世の闇へと思いを馳せることが出来ました。
あらすじ→精神科医(松尾)のところにちょっとおかしな女優(大竹)が通っている。女優の頭には突起物があり、巨大なコブかと思ったら、精神科医の昔のクラスメイトの下半身だった・・・。精神科医は学生時代にゲイの友人と、ある山に居た。すると地蔵を建てて蓋をしていた地獄の入り口が開いてしまい、友人は自分からその穴に入って自分の身体で穴に蓋をしたのだ。その下半身が、女優の頭から飛び出していた。ということはつまり、彼の下半身が出っぱっているこの世こそが地獄なのだ。
映画のラストで、大竹さんが「籍を入れたらいいじゃない」と決めゼリフを言った時の、あのはにかみ笑顔。あんな顔されたら・・・籍入れちゃうか、逃げるっ(笑)。
言及ブログ↓
IT'S SHOWTIME!! ←同じ回を観てました。
Somethig So Right
くりおね あくえりあむ
作・演出:松尾スズキ
出演:大竹しのぶ 松尾スズキ
映画出演:河井克夫 枡野浩一 植田裕一 秦寛憲 高谷基史
美術:松井るみ 照明:小川幾雄 音響:藤田赤目 衣装:安野ともこ ヘアメイク:大和田一美 舞台監督:瀧原寿子 プロデューサー:北村明子(シス・カンパニー)、長坂まき子(大人計画) 企画・製作:シス・カンパニー、大人計画
公演ページ:http://www.siscompany.com/03produce/09hebi/