2005年07月31日
『イブラヒムおじさんとコーランの花たち』松村雄基さんの回の読者レビュー
博品館劇場で上演されていた(7/31千秋楽)『イブラヒムおじさんとコーランの花たち』について、松村雄基さんのファンサイト“Turn Loose”管理人のsatoさんより、松村雄基さんの回の感想文を頂戴しました。「ファンのかなり贔屓目なレポートになってますが」という謙虚なお言葉とともに掲載許可をいただきましたので、ご紹介いたします。
satoさんは「今回は都合があいませんでしたが、他の方の公演も拝見したいと思ってます。ぜひ、シリーズ化して欲しいですよね。」とおっしゃっています。私もお目当ての俳優が出演するなら(笑)、何度でも観たいと思う作品です。
*****「イブラヒムおじさんとコーランの花たち」松村雄基さんの回*****
はじめまして。
いつもしのぶさんのレビュー参考にさせていただいてます。
「イブラヒムおじさんとコーランの花たち」三田さん、浦井さんの
公演も素敵だったようですね。
松村さんの公演も素敵でした。毎年、松村さんは新橋演舞場、松竹座など
大きな劇場での舞台に出演されるのですが、今年は北千住で
水谷八重子さん率いる新派公演に出演してみたり、デビュー25周年を
目前に幅の広い仕事をされているようです。
そんなかの朗読劇でした。私も正直、面白いのかな?なんて…
でも、見事でした。温かく豊かな情景が次々と流れてきて。
拗ねたような表情も見せながら、でも根は礼儀正しく可愛いモモ。
風格があって、穏やかで、慎み深いイブラヒムおじさん。
二人のユーモアたっぷりで、穏やかで優しい、やりとりに たくさん泣きました。
ブルー通りにブリジット・バルドーがやってくるシーン。
「お水、あります?」
「もちろん。マドモアゼル」
「ありがとう。いかほど?」
モモとイブラヒムおじさんだけではなく、綺麗なブリジット・バルドーが確かに見えました。
あの大映ドラマのイメージからでは意外でしょが、茶道・剣舞で鍛えてるだけあって
舞台での松村さんの所作はとても綺麗なのです。
優雅な身のこなしの涼しげなブリジット・バルドーが、風格ある語りとピンと伸ばした姿勢から想像でき。
狭い乾物屋での、女優と 貫禄あるイブラヒムおじさんのやりとりが見えました。
生演奏もよかったです。
ブリジット・バルドーがやってきたときには賑やかで華やかに。
セーヌ川の散策では煌びやかな音楽が、セーヌ川の水面を見せてくれました。
イブラヒムおじさんと海を見に行き、やっと泣くことができたときには
夕景を想像させる、厳かな演出・音楽でした。
笑うから幸せになるのだと教えてもらったモモが色々な人にその武器を使うシーン。
学校の先生相手に算数の問題が分かりません、「どっかーん。にっこり」
モモは凄い武器を手にいれました(笑)
「もう一度、説明しましょうね」と先生。信じられない!怒られない!凄い!びっくり!うっとり。
松村さんの表情がクルクル変わります。
町の娼婦にまでこの武器を使うモモ。また、うまくいきます。
でも父親には通じなかったり… それとも少しは通じたのでしょうか?
最後にイブラヒムおじさんを喜ばせようと、涙を我慢して、笑顔を見せるモモ。
「どっかーん。にっこり」松村さんも悲しみを抑えて、笑顔を。
目には涙があふれて。とっても印象的なシーンでした。
木曜は昼・夜と2公演でしたので、全く噛まなかったというわけではありませんが、
とても聞きやすい穏やかでメリハリのある朗読で。清々しい朗読劇でした。
三田さん、浦井さんの回も観てみたかったです。
今回はDVDを入手していたのですが、しのぶさんのお薦めどおり見ずに行って正解でした。
ありがとうございます。
自分の想像で好きなようにモモやイブラヒムおじさんをイメージできて。
舞台後に、DVDを見て自分のイメージと比較したり。不思議で楽しい時間でした。
********ここまで********
三田和代さん、浦井健治さんに続いて松村雄基さんの回の感想文が揃いました。
榎木孝明さんの回はどんな感じだったんでしょうね。
8月末には麻美れいさんが登場されますよっ。
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ホチキス『殺し文句』07/29-31新宿シアターモリエール
少年社中の役者さんが客演するのと音響が佐藤春平さん(元・少年社中)なのが気になっていたホチキス。愛知の劇団が東京に移動してきたそうです。すごいですね。
チラシも大きなもので目立ってましたし、劇場が新宿シアターモリエールだったので伺ってみました。
≪あらすじ≫
空間移動装置(?)を発明した初老の科学者が、発明品の完成記者発表の時に忽然と消えた。ある女性キャスターがその事件の謎に迫ろうとするが、なぜか上司にも止められ、挙句の果てには5歳の息子を誘拐される。どうやら科学者の失踪事件の背後には、警察や政府までもが絡んでいるらしい。
野川家の家族構成は、根っから主婦の母親、人生あきらめてるっぽいOLの姉、ギャンブルで身を持ち崩している兄、学生服を着たまま引きこもっている弟、そしてオス猫のシリアス。父親はなぜかいない。家族団らんなど遠い昔のことで、今は完全に家庭崩壊している。オレオレ詐欺に騙されそうになった母親は、その詐欺師らに自ら頼み込んで誘拐されることにした。あることを実現したかったからだ。
消えた科学者、女性キャスターと彼女を手助けする刑事、そして野川家の面々の世界が絡み合いながら、家族の秘密が徐々に明かされていく。
≪ここまで≫
前説で猫役の役者さんが猫の姿で「今回のテーマは家族です」と言われた次点でめちゃ引きました。チラシのビジュアルといいタイトルといい、これで家族がテーマなんて・・・期待できないなぁと思いました。しかしながらオープニングが素晴らしかったので「あれ、これはもしかすると・・・?」と気持ちを切り替えられたのですが、残念ながら設定や展開を受け入れられず、楽しめずじまいでした。
装置はかなり建て込んで作ってあり2階部分も上手く使っていましたが、空間全体が埋まってませんでした。役者さんの演技がおぼつかないのもありますが、場面転換がものすごく多く、その処理がうまく行っていないのも原因だと思います。
いろんな種類のギャグがありました。アイデアや意図はとても面白いと思いましたし、チャレンジ精神も感じられましたが、私はお話自体に疑問を感じ続けていたので笑えませんでした。ギターを弾きながらマイクを通してアイドルみたいににこやかに歌いあげる男は面白かったですね。歌も上手いし。あとはネタバレになるので後ほど。
女性キャスター役の方(残念ながらお名前は分かりません)が魅力的でした。背が高くてスタイル良くて、正面切ってはっきりとセリフを言われるのがかっこ良かった。声もいいですね。
客演されていた少年社中の堀池直毅さんとロリータ男爵の丹野晶子さんは、お二人ともそれぞれの持ち味を生かして演じきってらっしゃって、観ていて楽しかったです。
ここからネタバレします。
面白いと思ったのは、空間移動装置で次元の隙間に行ってしまった父親が、母親を救うために遠眼鏡を投げるシーン。宇宙から地球、そして母親が居る工場へと遠眼鏡がぐんぐん飛んでいく映像が流れたのが可笑しかったです。
ストーリーで特に私が受け入れづらかったことを一部書いておきます。愛嬌になる無理と、単に破綻してるだけの無理があるとすると、後者の無理が多すぎました。それにテーマが家族ですしね。
・母親は家出して誘拐されに行くが、その目的が「テレビに出て、自分の気持ちをはっきりと言うこと」だった。テレビに出たい理由は「子供達は自分の言うことを全く聞かず、テレビの言うことは真に受けるから」。
・事件が解決しても女性キャスターの子供は見つからず誘拐されたまま。しかしなぜか彼女はそれほど深刻ではなく、手伝ってくれた刑事のプロポーズを受けたり超能天気だった。
・タイトルの「殺し文句」は「お父さんはいらない」という母親の言葉だった。父親はショックながらもそれを受け入れ、現実世界に戻れる一度だけのチャンスを、誘拐された女性キャスターの子供を助けることに使う。(人間はそんなに簡単に自分の死を受け入れられないと思います)
出演=小玉久仁子/加藤敦/橋本哲臣/船戸健太郎/山崎雅志/堀池直毅 (少年社中) /濱松竜一朗/広瀬愛子/中川智咲子/村上直子/齋藤美和子/丹野晶子(ロリータ男爵)/大畑祐貴/江本和広/山本洋輔/内藤瑛亮/金田恵/星野祐介/米山和仁
作・演出=米山和仁 舞台監督=棚瀬巧 照明=柳田充(Lighting terrace Lepus) 音響=佐藤春平(Sound Cube) 衣裳=有藤加奈子 カバーイラスト=小玉久仁子 美術=ホチキス 宣伝美術=大澤悟郎 制作=山崎雅志/広瀬愛子 制作協力=聖澤毅 企画・製作=ホチキス
前売り開始6/11(土)全席自由 前売2,800円/当日3,000円 ※学割2,300円 計5ステージ
劇団:http://www.hotchkiss.jp/
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2005年07月30日
フジテレビジョン/ネルケプランニング『姫が愛したダニ小僧~Princess and Danny Boy~』07/22-31アートスフィア
大王こと後藤ひろひとさんらが所属するPiperの旗揚げ公演を豪華キャストでリメイク。お祭り騒ぎなアートスフィアでした。夏休みのお楽しみっていう雰囲気ですね。
小学校高学年から中学生ぐらいまでなら全体を最高に楽しめるんじゃないかしら。大人はキャラとかギャグとかを楽しむ方向でしょう。私には2時間30分強(休憩なし)の間、ずっと楽しむのは無理でした。
また、早口すぎてセリフが聞こえないことが多く、たくさんのネタを味わいそびれたのも残念。特に山内圭哉さんの言葉は、すっごく聞きたかったのに聞こえなかったのが悲しい。
大規模な客いじりとか、かなり作り手本位のギャグとか(私好みですが)、安易な展開とか(それゆえ笑えるのですが)、決して全てが一般のお客様向けというわけではないのですが、最後の最後にはちゃんとほっこり、ふっくらとハッピーな気持ちにしてくれます。後藤ひろひとさんの脚本・演出はすごいねぇと思いました。
ここからネタバレします。
身寄りがなくて老人ホームにいるおばあさん(富田靖子)が、なぜか自分を「すみれ姫」だと名乗り、ホームを脱走して昔の家来達(船長=ユースケ・サンタマリア、洗濯女=佐藤康恵、兵士=高杉亘など)を探し出して、彼等とともに愛しの「ダニ小僧」を探しに行くというのが主な流れです。それと平行して、高いビルから飛び降り自殺しようとしているサラリーマン(ラサール石井)のエピソードも描かれます。
役者さんについてはブタ女役の松永玲子さんが群を抜いて光ってました。露出度の高い赤いタイツルックも松永さんならでは。出番が少なかったのが残念。
腹筋善之介さんのパワーマイムはあれだけ長くて、しかもストーリーに特に必要性がないのが素晴らしい(笑)。あれには笑いました。堪能。
他の役者さんは特に印象に残らなかったですね。普通でした。高杉亘さんはセリフが全然聞こえなかったなぁ。
アイルランド民謡が元になった名曲"Danny Boy"が何度も流れました。Danny Boy=ダニ小僧って、面白いですね。こちらできれいなピアノ曲が聴けます。※いきなり音が鳴りますのでお気をつけください
カーテンコール(?)ではマイクを持ってオリジナル曲を歌ったり、お客さんをスタンディングさせてみんなでウェーブやったり、大盛り上がり。ユースケ・サンタマリアさんは、お客様を楽しく盛り上げるのがすっごく上手でした。冷静だった私もスタンディングして拍手してウェーブやっちゃいました。
ちょうどDVD収録日だったようで、シマジジイ役として出演するはめになった観客のおじさんは、カーテンコールでも紹介されて大拍手。そのDVD、おじさんはもらえるそうです。出演者ですものね(笑)。
≪東京、北海道 、仙台、名古屋 、大阪※追加公演あり、広島≫
出演=ユースケ・サンタマリア/富田靖子/高杉亘/佐藤康恵/大路恵美/松永玲子/松村武/Piper(川下大洋/後藤ひろひと/山内圭哉/竹下宏太郎/腹筋善之介)/ラサール石井
作・演出=後藤ひろひと 美術=中根聡子 照明=佐藤公穂 音響=伊東尚司 音楽=山内圭哉 編曲=石田雄一 衣裳=木村猛志 ヘアメイク=双木昭夫 振付=竹下宏太郎 演出助手=若月理代 舞台監督=瀬崎将孝 宣伝美術=高尾裕司 広報=吉田由紀子 プロデューサー=松田誠・永田聖子 企画=Piper/ネルケプランニング 制作協力=吉本興業 主催=フジテレビジョン/ネルケプランニング
前売開始:5/28(土) チケット料金 : S席7,500円 A席6,000円 (全席指定/税込)
休演日:7/26(火) 計12ステージ
公式:http://www.nelke.co.jp/danny/index.html
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2005年07月29日
アートネットワーク・ジャパン『夏休み親子で楽しむ「赤い鳥夕涼み会」』07/29目白庭園内 赤鳥庵
目白庭園指定管理者である西武グループ環境パートナーズが主催する地域の子供向けの催し物です。Ort-d.dのメンバーが構成・演出・出演されるので観に行きました。
目白庭園はJR目白駅から徒歩10分ほどの小さな日本庭園で、閑静な住宅街の中にぽつんとあります。赤鳥庵は池のほとりに建っている数奇屋建築の美しい日本家屋でした。(目白庭園についてはこちらとこちらにも詳しいです。写真はこちらにも)
涼しくなってきた夕ぐれ時に庭園を訪れ、石畳を少し登って赤鳥庵に足を踏み入れると、浴衣姿のお兄さん、お姉さんがにこやかに迎えてくれました。そして畳の匂いがぷ~ん。いっそう涼しい心地になりました。
会場は真ん中の仕切りが取り払われた16畳(8畳間が2間)の和室で、座布団が沢山置かれています。部屋の真ん中、つまり客席と客席の間に通路スペースを設け、そこと和室のまわりの広縁が舞台になります。
客席には3歳から5歳ぐらいの幼稚園児、もしくは小学校低学年の子供とその保護者が多く見受けられました。ピンクの浴衣を着た女の子や、ランニングシャツに半ズボンの男の子など、夏の装いの子供達はすごく元気。お芝居をずっと静かに観ていられるのかしら?と思ったのですが、心配する必要は全くなく、子供達はお話が始まるとちゃんと座布団に座って、最後までお行儀良く観劇していました。和室でシーンとなる瞬間って気持ちがいいです。
【第1部】レコードと朗読でつづるおはなし「注文の多い料理店」 ※こちらで全文読めます。
登場するのは白いシャツに黒い吊りズボン姿の男2人と、紺色の浴衣を着た女3人、そして朗読をするお姉さん(女性はみなさん和服です)。男2人はもちろん原作に登場する猟師たちですが、女3人は“西洋料理店 山猫軒”の店員である山猫たちでした。にゃお~んと鳴いたりネコのような動きをしながら猟師たちを可愛く翻弄します。
おどけた演技や踊りながらの合唱など、子供達を楽しませる要素も沢山ありましたが、声を荒げてセリフを言ったり、ちょっと怖いなと思わせる演出もあり、笑ったりドキっとしたり、よく知っているはずのお話なのにすっかり集中して最後まで拝見できました。
「注文の多い料理店」は私も絵本で持っていまして、子供の頃から何度となく読んでいましたが、山猫たちはボスのために料理を用意しなければならなかったんですね。そういう上下関係に初めて気づきました。うーん深いわー。
音楽はクラシックで、モーツァルトのオペラがかかった時は面白かったな~。
10分間の休憩時間は子供達が舞台になった広縁を行ったりきたりして大はしゃぎ。お姉さんが演奏していた打楽器の周りにもたくさんの子供達が集まって仲良くおしゃべりしています。あぁなんて幸せな瞬間っ!
【第2部】どうぶつたちのうた と おはなし ~児童文学雑誌「赤い鳥」より
少しライトアップされた池と緑をバックに、浴衣を着たお姉さんたちが明るく楽しく、そしてときどき恐ろしくお話してくれる動物のお話が3編。音楽も歌も満載。
一つのお話が終わって次が始まるまでの、作品と作品をつなぐ演出がものすごく丁寧で、上手かったです。お話の終わりをきちんと作り、でも全体の空気は損なわずスムーズに、しかも「次が楽しみ!」と期待しちゃうような誘導なのです。和服のお姉さんたちが作り出す日本語空間にどっぷり浸かった1時間弱(45分ぐらい?)でした。
出演者は皆さん和服ですが、かえる、がちょう、かに、ぞうなどの、布や色画用紙で作った被り物を被っているのが可愛らしくて可笑しいです。
小さな電子ピアノを弾かれていたのは吉本菜穂子さん。打楽器は構成・演出の田丸暦さん。「あかいとり」などの童謡を歌ってらした女性は誰なのかしら。力強くて美しい歌声に聞き惚れました。
「目白庭園のことを地域の皆様に知っていただくべく、楽しいお芝居をご用意いたしました」という主催者挨拶で始まったこの子供向けイベントは、終演後は微笑みがいっぱいでした。美しい目白庭園を見下ろす涼やかな和室で、和服のお姉さんたちが見せてくれた日本のお話は、子供も大人もきっと忘れない、夏休みの豊かな思い出になったことと思います。
こういう作品が日本全国の公共施設で催されたら、日本人の日常の幸せが広がる気がします。この「赤い鳥夕涼み会」は去年から開かれており、次回は9月のお月見の頃を予定されているそうです。
『夏休み親子で楽しむ「赤い鳥夕涼み会」』
おじいちゃんおばあちゃん が こどもだったころ の うたとおはなし
第1部 レコードと朗読でつづるおはなし「注文の多い料理店」
出演=市川梢/大内米治/岡田宗介/小田さやか/杉村誠子/高橋琴美
作=宮沢賢治 演出=倉迫康史(Ort-d.d)
第2部 どうぶつたちのうた と おはなし~児童文学雑誌「赤い鳥」より
「がちょうのお誕生日」「かにの散髪屋さん」「ぞうの鼻はどうして長い?」(タイトルは私が勝手に創作)
構成・演出=田丸暦
出演=三橋麻子/鈴木陽代/吉本菜穂子/安本美華/土井都希和/佐藤浩子/清水さと
定員:60名 参加費:300円(ただし保護者一名につき小学生以下一人無料)
申込み・問合せ:〒171-0031豊島区目白3-20-18 目白庭園 TEL 5996-4810 FAX 5996-4886
企画・制作=NPO法人アートネットワーク・ジャパン 主催=目白庭園指定管理者(西武グループ環境パートナーズ)
Ort-d.d=http://ort.m78.com/
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2005年07月28日
二十一世紀舞踊・Noism05『Triple Bill』07/28-31世田谷パブリックシアター
Noism05(ノイズム・ゼロ・ファイブ)は、金森穣さんが舞踊部門芸術監督をつとめる新潟りゅーとぴあのレジデンシャル・ダンス・カンパニーです。
3人の振付家による3作品をNoism05メンバーが踊ります。全く種類(ジャンル)の違う3作品でした。こんなに毛並みの違う作品を連続で、そして同じダンサーで観られるのはかなり貴重だと思います。
※19:00開演・21:30終演。途中休憩は30分と20分の2回です。前売りは完売で当日券には列ができています。かなりお薦めです。
1「DOOR INDOOR」 by アレッシオ・シルヴェストリン Alessio Silvestrin
白くて閉じた空間で、少人数がにょろにょろとうごめく不思議な作品でした。日本語テキストの朗読(アナウンス)があり、音楽はオペラ「青ひげ公の城」なので、意味や感情などが具体的に表現されています、が、ダンスとの関連はわからず。天井からべろりと吊り下げられた布や、ドアの大きさの布などは何かを象徴しているのでしょうが、やはり私にはわからず。でも無機質な感じがきれいでした。
手と足をにょろにょろさせる動作が印象的でした。『千と千尋の神隠し』に出てくる、蜘蛛みたいな手をガシガシ動かす釜爺(かまじい)みたい。もしくは微生物のような・・・。
振付はかなり細かいところまで決められていて、一人一人、ひとつひとつの繊細で美しい動作が集まって、完成された空間を作り上げるタイプのよう。ダンスの専門家の方曰く「非常にヨーロッパ的」だそうです。
2「ラストパイ」 by 黒田育世(BATIK)
これは・・・ダンサーかなり大変だなって思いました。激しいです。限界に挑戦!みたいな。
上手の舞台面側で、金森穣さんがかなり激しく踊っています。踊っているなぁ、一人だなぁ、と思っていたら、そのまま踊りまくり!40分間(かな?)、休みなく踊りっぱなし!!倒れた??と思ってもまた起き上がる。どんどん汗が体中から吹き出て、流れて、でも、止まらない。
金森さん以外のダンサーは群舞なんですけど(ストーリーもありますが)、これまた振付が身体にものすごく負担がかかりそうなもので、「うわっ、筋がどうにかなるんじゃないの??」と心配になるような。でもさすがにかっちょいいんです。
衣裳はギラギラした黒地にところどころオレンジ色のスパイスが入っておりアグレッシブな印象。全員デザインは違います。男性がスカートはいているのが面白い。
音楽は生演奏で、松本じろさんによるギターの弾き語り。4階ぐらいの高さのイントレ(のような台)の頂上でオレンジの衣裳で歌ってらっしゃいました。パワフル。
終わった時には「ブラボー!」が何度も。スタンディング・オベーションしてる方もちらほら。私は疲れきってましたね~。観てただけなのに。頑張りに魅せられたのは久しぶり。
3「犬的人生」 by 近藤良平
開演直前に近藤さんのギター弾き語りアナウンスが流れて場内爆笑。「もう帰りたい?そんなこと言わずに最後も見て~」って(笑)。
セリフがあったり、動きも演劇っぽかったですね。ダンサーのユーモアのセンスのありなしが、かなり明らかに現れました(笑)。
映像も絵もかなりへなちょこだったよな~(笑)。まあそれも楽しめました。弾ける、楽しいダンス!っていう息づかいがさわやかで良かったです。
1作目はアート、2作目はバトル、そして3作目は、あえて言ってしまうと、お笑い!カラフルで能天気なおバカ衣裳をまとったNoism05を観られるだけでも価値あり(笑)。
3作目で突然に世界がくずれて、いや、広がって(笑)、私はすごく豊かな気持ちになりました。ダンスの美しさ、力強さ、楽しさ、そして自由奔放さが詰まった、欲張り公演だと思います。
≪新潟、大阪、東京≫
出演=Noism05(青木尚哉/井関佐和子/金森穣/木下佳子/佐藤菜美/島地保武/清家悠圭/高橋聡子/辻本知彦/平原慎太郎/松室美香/中野綾子〔研修生〕)
振付=近藤良平〔コンドルズ主宰〕/黒田育世〔BATIK主宰〕/アレッシオ・シルヴェストリン Alessio Silvestrin〔フリー〕 主催=(財)新潟市芸術文化振興財団 企画製作=りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館
S席¥5500 A席¥4500(全席指定・税込み)
金森譲公式サイト:http://www.jokanamori.com/
チケットスペース:http://www.ints.co.jp/Noism05/#top
1「DOOR INDOOR」
構成・演出・振付:アレッシオ・シルヴェストリン 音楽=ベラ・バルトーク「青ひげ公の城」(抜粋) 美術・装置デザイン=アレッシオ・シルヴェストリン テキスト=アレッシオ・シルヴェストリン テキスト翻訳=鈴木恵 陰陽デザイン=アレッシオ・シルヴェストリン 金子敏文 音響デザインアシスタント=高橋政治 照明デザイン=アレッシオ・シルヴェストリン 森島都絵 衣裳デザイン=アレッシオ・シルヴェストリン 舟木亜弓
2「ラストパイ」
構成・演出・振付:黒田育世 音楽&演奏=松本じろ「Last Pie」 装置コンセプト= 照明デザイン=森島都絵 衣裳デザイン=山口小夜子 衣裳製作=中山ゆかり 杉浦真希子
3「犬的人生」
構成・演出・振付:近藤良平 音楽=コラージュ(色んな曲が混ざってました) 装置コンセプト=近藤良平 照明デザイン=森島都絵 衣裳コンセプト=近藤良平 映像=近藤良平 アニメーション原画=Noism05
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2005年07月26日
ク・ナウカ『王女メデイア』07/19-08/01東京国立博物館 本館特別5室
ク・ナウカの代表作の一つで、日本でも海外でも多数上演されています。メルマガでもお薦め作品としてご紹介していました。私は2000年の青山円形劇場公演を拝見して、それがク・ナウカ初見だったため、一気にク・ナウカに心酔してしまいました。
今回の会場は上野の東京国立博物館の本館特別5室。天井が広くて飾り渕が豪華な白い部屋はムード満点。内容はさすがのクオリティーでしたが、残響がひどくてセリフが聞こえなかったのが残念。
やっぱり筋を知っているからか眠くなってしまった瞬間もありました。私は特にこの作品のセリフがすごく好きだったので、セリフが聞こえなかったのも原因だと思います。
メデイアが息子を殺すシーンからはやっぱり興奮しましたね、私。涙も出てきました。今回は女性のドレスが赤かったです(初演は白でした)。
≪言及ブログ≫ 詳しくレポートされているのを集めました。
Somethig So Right
det Motor
微動電信
徒然と(美術と本と映画好き...)
自主映画監督のBlog
楽観的に絶望する
あやふや
ポストパフォーマンストークでは演出の宮城さんと早稲田大学演劇博物館・館長の伊藤洋さん(だと思います。お名前を失念。ごめんなさい)のお二人が登場。
今作と能との類似点や相違点についてお話されていました。伊藤さんが「今の能は形式ばかり難しくなって面白くない」という意味のことを率直に話されていたのに驚き。能の研究者なのに(笑)。「世阿弥が言っていた能の本来の姿とも離れている」とまでおっしゃっていました。でもお能って私、高校生の時に観て以来なんですよね(爆睡しただけでした)。能っぽいものは観たことありますが、本物はまだ。
≪東京、大津≫
出演=美加理/阿部一徳/吉植荘一郎/中野真希/大高浩一/野原有未/萩原ほたか/本多麻紀/江口麻琴/片岡佐知子/諏訪智美/桜内結う/たきいみき/藤本康宏/牧野隆二/池田真紀子/大道無門優也/黒須幸絵
原作=エウリピデス 台本・演出=宮城聰 照明=大迫浩二 衣裳=高橋佳代 演奏構成=棚川寛子 音響=AZTEC(水村良・千田友美恵) 舞台美術原案=木津潤平 舞台監督=岩崎健一郎 制作=大石多佳子・簡野亜耶子・川口舞
前売り開始:5/14(土)指定席(S):【前売】 5,300円【当日】5,500円/指定席(A):【前売】4,300円、【当日】4,500円/自由席:【前売】3,300円【当日】3,500円 ほか各種割引あり ※東京国立博物館平常展入場券つき
休演日:7/25(月)計13ステージ 上演時間約80分(途中休憩なし)
ク・ナウカ=http://www.kunauka.or.jp/
早稲田大学坪内逍遥博士記念・演劇博物館=http://www.waseda.jp/enpaku/
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TBS/Bunkamura『キレイ~神様と待ち合わせした女~』07/06-30シアターコクーン
やっと観て参りました、『キレイ』再演。
19時開演で劇場を出たのが22時50分でしたので、体感上演時間は3時間50分(休憩15分を含む)。なのに全然飽きませんでしたし、最後まで集中して観られました。やっぱり松尾スズキさんは天才だなぁとしみじみ。
でも、なんだか全体的に元気がないように感じました。役者さん、お疲れなのかしら。
「清濁併せ持つ」という言葉がありますが、松尾さんはまさにそれですね。ハスの花みたいだと思いました。ハスは底が全然見えない濁った池からひゅるひゅる伸びて、丸くて大きな花を咲かせます。
早口でセリフわかんないし、声出てないから歌詞も聞こえないし(笑)、役者さんも全体の部分でしかないのに(←これは意図的かも)、ジーンと来ました。真面目に演劇やってるかと思ったら、それを思いっきり茶化しちゃうのもキュート。
それにしても私はずっと冷静なままでしたね。カンパニー全体が一丸となって観客に迫ってくるような、そういう気概は感じられませんでした。ほとんど笑えなかったし。ただただジーーーっと観察している状態でした。それでも松尾スズキワールドに浸ってすっかり毒されたことには変わりないです。
パンフレット(1800円)と2005年版戯曲本(1890円)を買ってしまいました。歌詞はパンフレットに載っているのですが、やっぱりセリフを知りたい!と思ったので本まで購入。えらい出費なのに・・・ほらね、松尾毒(笑)。
≪あらすじ~パンフレットより引用≫ ※ここからネタバレします。
三つの国に分かれ、100年もの間、民族紛争が続く“もう一つの日本”。民族解放軍を名乗るグループに誘拐され、監禁されていた少女(鈴木蘭々)が、10年ぶりに地上へ逃げ出す。過去を忘れた少女は自らケガレと名乗り、戦場でたくましう生きるカネコ一家に加わる。カネコ一家はダイズでできているダイズ兵の死体回収業で生計を立てていた。回収されたダイズ兵は、食用として加工される。その頂点に立つダイダイ食品の社長令嬢(秋山菜津子)と奇妙な友情で結ばれていくケガレ。戦場をうろつき、死体を拾って小銭を稼ぐ、そんな健気なケガレを見守るのは、聖人したケガレ=ミサ(高岡早紀)だった。時空を超えて交感するケガレとミサ。しかし、二人は、もう一つの視線におびえ始める。それは一体、何者なのか。過去、現在、未来の時間が交錯する中、ケガレは、忘れたはずの忌まわしい過去と対決してゆくことになる。
≪ここまで≫
私がじーんと来たシーン(セリフ・歌詞)↓ ※すべて2005年版戯曲本より引用しています。
カスミ&マキシ「ここにいないあなたが死ぬほど好き 私も死ぬほどここにいないから」
カスミ「私の代わりに撃たれたのよ!私が運ぶわ!私の代わりに打たれたんだから、これは、この親切は私のものなの!私の親切の邪魔をしないで!」
ケガレ「あのとき私は、損した、っていったけど、本当は嘘。得をしたの。だってカスミはあのとき、泣きながら、私のストレッチャーを押してくれたんだもの。まっさらのいい所だけになって。カスミの表はあのとき全部私のものになって、とにかく・・・私は儲けたわ」
ミサ「・・・ごめん、ごめん、そういうんで倒れたんじゃないよ。やばいよ。悲しさが足りないよ。こんな悲しさじゃ、カスミのことをきちんと悲しめないよ。・・・もっと感じたいな。感じれない私は、もう嫌い。お金貯めても、一文無しになっても、なんも変わんなかったものな!」
マジシャン「私と一緒に世俗にどっぷりつかって、つかったことに、はにかもう。はにかみつつも鈍感になろう。鈍感は、上品だ。そうだ、国民年金に入ろう。決まった。将来はバラ色だ!」
鈴木蘭々さん。ケガレ役。ものすごく顔色が悪そうで元気がないように見えたんですが、いつもそうなんでしょうか?歌も声が出てないし。でも儚い感じは高岡早紀さんとうまくリンクしていて良かったです。
高岡早紀さん。ミサ役。顔も体も声もきれいだわー。ソロで歌う時も聞き惚れたわー。なよなよっとした動きが可愛かったです。
ダンサーの女性が皆さんすっごく綺麗で、ダンスもうまくて良かったです。メインの出演者が踊れないのでやはりちゃんと踊れる人たちは目立ちます(笑)。
幕開け前は松尾さん(サラリーマン)と顔田顔彦さん(ヲタク)で「電車男」をやってました。松尾さん、たのしーなー。
≪東京、大阪≫
★酒井若菜さんが体調不良により降板し、代わって鈴木蘭々さんが出演。
出演=ケガレ:鈴木蘭々/ミサ:高岡早紀/ハリコナA:阿部サダヲ/カネコキネコ:片桐はいり/ダイズ丸:橋本じゅん/マジシャン:宮藤官九郎/ジュッテン:大浦龍宇一/カネコジョージ:松尾スズキ/ダイダイカスミ:秋山菜津子/ハリコナB:岡本健一
その他キャスト=伊藤ヨタロウ/池津祥子/伊勢志摩/顔田顔彦/宍戸美和公/宮崎吐夢/猫背椿/皆川猿時/村杉蝉之介/荒川良々/井口昇/少路勇介/康本雅子/花井京乃助/江田あつし/蝦名孝一/近藤大介/羽田謙治/前田員範/森内遼/安田栄徳/山崎隆弘/大川麻里江/木村智早/桜井美紀/中尾ちひろ
作・演出=松尾スズキ 音楽=伊藤ヨタロウ 美術=高野華生瑠 照明=大島祐夫 衣裳=戸田京子 音響=山岸和郎 映像=上田大樹 振付=康本雅子 ヘアメイク=大和田一美 演出助手=大堀光威 舞台監督=青木義博 企画・製作=Bunkamura 制作協力=大人計画 主催=TBS/Bunkamura
チケット発売日:5月21日(土) S席9,000円 A席7,000円 コクーンシート4,500円 休演日=7/12(火)、7/19(火)、7/26(火)計30ステージ
公式=http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/event/kirei/index.html
☆追加販売決定!7月4日(月)10:00~
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/event/kirei/index.html#tuika
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2005年07月25日
演劇集団壺会『ミモレガールズ』07/22-24シアターブラッツ
壺会は第2回『エトワール探偵団』(2002年観劇ベスト10の衣裳の次点)、第4回『蜜月』を拝見しましたので今回の第7回公演で3度目。衣裳を核として女の子ならではの濃ゆ~い舞台空間を作り出しています。次はどんな趣向かな?と気になる劇団です。
≪あらすじ≫ ※公演は終了してますのでネタバレします。
そこは不気味な地下世界。下着姿の少女らが他愛もない遊びにふけっている。彼女等は通称ミモレガールズ。成人前に知能の低下が始まり、膝が解けていく病を持っているのだ(ミモレ=膝下丈のスカート)。地上では人間の進化とともに子供を生めない女が増え、出産機能を持つ女はなぜかことごとくミモレとなっていた。ミモレたちは地下に自らの住処を求め、もはや人間の子供は地上からやってくる男とミモレの間だけで生まれるようになっている。
ある日地上からミモレではない女・ナルミ(山本真理)が地下世界に連れて来られた。門番(高橋朋子)に何かの間違いだと主張するが聞き入れられず、同じく連れてこられたばかりのミモレのノゾミ(内海詩野)とともに、出口を探そうとするが・・・。
≪ここまで≫
「~ですわ」「~かしら」などの丁寧なお嬢様言葉があふれる脚本と、夢見がちな女の子視点の舞台空間に独特の味わいがある壺会ですが、今回は悲惨な設定で暗いお話でしたね。救いがないわけではないのですが、舞台美術といい衣裳といいアングラ感がひたすら充満していて、おどろおどろしい空気が漂っていました。
そして上演時間が2時間15分というのは長すぎです。『蜜月』でも感じたのですが、1時間30分にまとめられれば、個性が光る、かなり上質な作品になると思います。
終盤のナルミ(山本真理)とツボミ(内海詩野)の語りのシーンでほろりと来た瞬間もあったのですが、もう疲れてしまっていて何に感動したのか忘れちゃいました。設定や感情を説明するセリフの反復が多過ぎます。一度ザックリと作品を削ってみることを試してもらいたいなと思います。
内海詩野さん。今年たった一人のミモレだったツボミ役。美人だしスタイルいいし、声は低くてハスキーで通るし、演技もうまい!笑いについても達者な方だと思います。
高橋朋子さん。門番役。いやー強烈なキワモノでしたね(笑)。観客にグっと迫ってくるのは迫力がありますが、ちょっと息を抜いて観客から何かを受け取る瞬間を作られると、もっと笑いも起こるだろうし、親しみも沸くのではないかと思いました。
チケット:前売2000円 当日2500円
出演=高橋朋子/内海詩野/川島めぐみ/山村亜希/出野明日香/山本真理/吉澤香織
作=高橋朋子 演出=壺会 舞台監督=横川奈保子 美術=柿崎浩司 照明=加藤九美(RISE) 音響=志水れいこ 美術制作=BAT crew 版画=KYO.U チラシデザイン=ミシキカ チケットデザイン=高橋聡子 協力=Y's factory/高津舞台装飾 制作=壺会
演劇集団壺会:http://www1.odn.ne.jp/~cbu24420/
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『イブラヒムおじさんとコーランの花たち』浦井健治さんの回の読者レビュー
『イブラヒムおじさんとコーランの花たち』はフランスでベストセラーになり、2003年に映画化もされた戯曲です。朗読とピアノ&クラリネットの生演奏との上品で優しいコラボレーションでした。 7/31(日)まで博品館劇場で上演中です。イープラスの得チケで6,300円が4,000円!(+手数料300円)※8月には麻美れいさん、11月に高嶋政伸さんの出演が決まっています。詳細はこちら。
浦井健治さんの回をご覧になった方からご感想のメールを頂戴しました。私は三田和代さんの回を拝見したのですが、浦井さんも素晴らしかったそうです。その方に許可をいただき、感想文を掲載させていただきました。浦井さんのすがすがしいお声が聴こえてきそうなステキな感想文です。どうぞ↓こちらをクリックしてお読みください。
*****「イブラヒムおじさんとコーランの花たち」浦井健治さんの回*****
「イブラヒムおじさんとコーランの花たち」のレビューを読んで、
なんだかいてもたってもいられない気分になり、メールを書き始めています。
私は浦井健治さんの回を観てきました。
しのぶさんのレビューを読んだだけでも、素晴らしい舞台だったことがよくわかります。
三田和代さんだったらきっとそうなるだろうなと思っていました。
期待を裏切らない素晴らしい出来だったんですね。さすがです。
でも浦井さんもとてもよかったんですよ。
舞台が進んで行くうちに、モモと浦井さんが完全にオーバーラップして、
まるで思春期の少年がそこにいるような感じでした。
浦井さんがモモで、その隣にイブラヒムおじさんがいるのです。見えないけれど。
正直に言ってしまうと、全然期待していなかったのです。
ミュージカルは大好きなのですが、ミュージカル俳優の演技はどうも。。。
「ミスサイゴン」で井上芳雄さんのファンになったので、
「ラブ・レターズ」を観に行ったのですが、なんだかピンと来ませんでした。
だから、浦井さんの朗読劇と聞いた時点で、観たいような観たくないような、
とても複雑な気持ちだったんです。
でも観に行って本当によかった。
達者な語りではなかったけれど、耳に心地よい声でした。
娼婦がたむろするパラディ通りも、青くないブルー通りも目に浮かびました。
日用品で埋め尽くされたおじさんの店も、灰色のノルマンディーの海も。
浦井さんは淡々と朗読しているのですが、胸をぎゅっとつかまれるのです。
感情があふれないようにしているのに、気持ちは痛いほど伝わってくる。
ノルマンディーのホテルで、糸が切れたように泣きつづけるモモ。
やっと泣けてよかったね、と思いました。
派手さはないけれど、小さな宝石箱のような作品でした。
ときどき思い出しては、ふたを開けてみたくなるような。
とても若いけれど、ハートのある芝居をする人だと思います。
脚本もとてもよかったですね。
浦井さんの回では、引ったくりにあった娼婦を助けるというエピソードで、
ちょっと笑いが起きていました。
「年寄りだった」「30は過ぎている」というあたりで、くすくすっと。
そうです。
その日の観客のほとんどは、モモからみれば年増の娼婦ぐらいの人ばかり。
(私も含めて、です。)
ここの笑いは、浦井さんならではだろうなと思いました。
********ここまで********
浦井さんへのインタビュー記事がこちらで読めます。
実は、メルマガ号外まであと一歩のお薦め公演だったのです。
松村雄基さん、榎木孝明さんの回はどんな雰囲気なんでしょうね。
「LOVE LETTERS」みたいにシリーズ化されるなら・・・北村有起哉さんを希望♪
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2005年07月23日
劇団カリフォルニアバカンス『Dalix -ダリの経験-』07/22-24東京芸術劇場 小ホール1
カリフォルニアバカンスは池里ユースケさんが作・演出される劇団で、私は初見です。略して「カリバカ」だそうですが、呼びづらい名前だな・・・(笑)。
画家のダリおよびダリの作品を題材にしたストーリーものでしたが、目的が定まっておらず、何につけても散漫な作品でした。ストーリーに一貫性がなく展開もエンディングも苦し紛れで、観ていて苦しかったです。
舞台作品としての印象は、まず立体感がなかったです。東京芸術劇場 小ホール1の高い天井をちゃんと使った大掛かりな美術を作られていましたが、コレの次はアレ、アレの次はコレ、というように、まっすぐ続く線路をただただ直進するように脚本をなぞっていくだけで、奥行きがありません。
また、行き先が決まっていない列車(作品)がときどき身勝手な停止や脱線をします。マイケル・ジャクソンの“BAD”をBGMに大勢が本気で踊ったり、「ぐりとぐら」まがいのキャラが出てきたり、ジャグラーが芸を見せて観客に拍手を強要したり。ひとつひとつは面白いアイデアだったり、芸として見るものがあるのですが、必要性が感じられませんでした。もったいないですね。
ダリの世界を舞台で表現するということは非常にチャレンジングで面白いと思います。主人公の少年がダリの絵の世界の中に、ダリと一緒に入っていくという設定は楽しいですよね。力を抜いて笑えるギャグや皮肉の効いたパロディーもありました。ダンスも上手い人はいました。もっと作品の意図をしっかり決めてから創作をされると良いのではないでしょうか。
役者さんについては、自分のセリフを自分なりに声にしているだけで、舞台上にいる他の役者さんとコミュニケーションをしている人がほぼいませんでした。私が役者をやっていた頃はこうだったんだろうなぁと、恥ずかしい気持ちで眺めていました。
14時開演で私が席を立ったのが16時30分でした。開演前に劇場入り口に長い列が出来る満員状態で、開演はおよそ15分押しでしたので、正味の上演時間は2時間15分だったかもしれませんが、体感時間は2時間30分休憩なしの作品だったということになります。これは長すぎますね。内容も長さも、もっとスリムにできると思います。
出演=石田真一/大口達也/塩田良平/清水智香子/田中美穂/中澤健太郎/宮健一/室野尚武/川村由紀/富岡利佳子/水野顕子/柿ノ木タケヲ(コーヒー牛乳)/木村準(グッチ&ボッチ)/黒田公祐(劇団東京ルネッサンス)/猫道(猫道一家)/吉田ミサイル(吉田ミサイルの世界)/Dance Company MKMDC(加藤枝里子/神崎好加/綺田育子/小早川泉/佐藤直樹/巽徳子/中西和子/花田塁/浜田光/松浦美幸/三宅まるみ)
作・演出=池里ユースケ 舞台監督=小金井伸一 舞台美術=鎌田朋子 照明=宮崎正輝 音響=井上直裕(at Sound) 制作=カリフォルニアバカンス制作部 宣伝美術=金倉ひだり(CVP) 写真=米沢耕 ダンス指導=松尾耕(Dance Company MKMDC) 衣装=北野原愛 協力=突貫屋
前売り開始:6/10(金) 前売り3000円 当日3200円 各種割引あり 計5ステージ
劇団:http://www.karibaka.com/
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劇団M.O.P.『水平線ホテル』07/22-28紀伊國屋サザンシアター
劇団M.O.P.のメンバーが全員そろうのは4年ぶりだそうです。そうですよねぇ、人気俳優がいっぱいだし、作・演出のマキノノゾミさんも引っ張りだこ。ファンにとってはとても嬉しい本公演だと思います。
マキノさんが「これまでの公演の集大成」とおっしゃる今作は、“地中海に浮かぶ孤島に建つホテル”を舞台に、宿泊客と従業員そして予期せぬ訪問者たちが繰り広げる、かなりウェルメイドな推理ものドラマでした。
テレビの大河ドラマみたいだったなぁというのが観終わってすぐの感想です。とてもよく出来た脚本で演出もわかりやすく、豪華な装置にきれいな衣裳、そして上手い俳優が揃っており、誰もが安心して楽しめる娯楽作品だったのではないでしょうか。ただ、私には物足りなかったですね。なんだか新橋演舞場で商業演劇を観ているような気持ちになりました。演出にしても役者さんの演技にしても、もうちょっとスパイスというか、弾けた感じが欲しかったです。特に役者さんは予想できる範囲内の演技しかされていなかったように思いました。
でも、イープラスの得チケ(手数料込みで3,100円)で観られたのはかなりオトクでした。感謝!
家に帰って家族にこの作品のストーリーを話したのですが、かなり夢中になって聞いてくれました。推理ものとして本当に面白い脚本だと思います。
ここからネタバレします。
これから観に行かれる方はお読みにならないでくださいね!!
≪あらすじ≫
舞台は戦時中(1940年代)の夏のイタリア。アンナ(キムラ緑子)が経営する水平線ホテルは地中海に浮かぶ孤島にぽつんと建っている、こじんまりとして家庭的なホテルだ。宿泊客はソプラノ歌手とその夫と付き人、大学教授とその妻と娘、一人で旅をする医者、そしてアンナの昔の恋人のレイ(小市慢太郎)と、のんだくれの謎の男(三上市朗)。のんだくれは毎日どこかに電話をするのだが、相手が出る前に切るのを繰り返している。レイは何年も音信不通だったが突然戻ってきたのだ。なんと不治の病であと3ヶ月の命だと言う。
いつものように船が到着した朝、突然ムッソリーニの親衛隊がホテルを包囲した。イギリスの大物スパイがこのホテルに潜伏しているというのだ。親衛隊のボスのオラーノ(奥田達士)は、スパイを逮捕するまで宿泊客や従業員は決してホテルの外に出てはいけないときつく言い放った。
※劇場サイトに書かれているあらすじと全然違う・・・(笑)。
大学教授は中性子の研究者で、ドイツが原子爆弾の製造に着手したことに大きな不安を持っており、また妻がユダヤ人なのでアメリカへ亡命をしようとしています。アンナの夫は元新聞記者で、ムッソリーニ失脚を決定付けるスキャンダルの証拠を持っていたために、何者かに殺されました。このように、第二次世界大戦という時代背景が大きくストーリーに関係しているのがスリリングでした。
品の有る舞台装置でした。中央に大きくて立派な階段があって、そこがホテルの正面玄関になっています。玄関のすぐ左に受付、右には昔風のエレベーターがあり、そのエレベーターの昇降がムービングの照明で表されるのが面白いし、スマートでした。
「これまでの公演の集大成」というのには意味がありまして、実はM.O.P.の過去の作品からセリフや設定を拝借しているようです(パンフレットに書いてありました)。私は過去の作品をあまり観ていないので、残念ながら「あ!これはあの芝居のセリフだ!!」という楽しみはなかったです。でも『黒いハンカチーフ』と『虚飾の街に別れのキスを』に似てるところには気づいたかも。だって、酒井高陽さんがね、うん、そういう役でしたよね(笑)。でも、そこには気づかなかった方が楽しめただろうな・・・。
≪京都、大阪、東京≫
出演=キムラ緑子/三上市朗/小市慢太郎/林英世/酒井高陽/木下政治/奥田達士/勝平ともこ/白木三保/岡村宏懇/友久航/塩湯真弓/永滝元太郎/竹山あけ美/塩釜明子/神農直隆/岡森諦(扉座)/倉田秀人/小池貴史(京芸)
作・演出=マキノノゾミ 舞台美術=奥村泰彦 照明=大川貴啓 音響=堂岡俊弘 衣裳=三大寺志保美 ヘアメイク=武井優子 舞台監督=藤吉成三 制作=山中歌子 渡辺裕子 橋本香苗 企画・製作=劇団M.O.P. 宣伝デザイン=ヒネのデザイン事務所+森成燕三 写真=伊東和則
前売り開始:5/22(日)指定席4500円 ※東京公演のみハーフプライス・チケット(当日半額券)あり。詳細は劇団サイトへ。 計8ステージ
劇団:http://www.g-mop.com/
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2005年07月22日
鴻上尚史さんの演出で『トランス』2ヴァージョン連続公演
『新編・我輩は猫である』で色んなチラシを拾ってきました。おお、これは!と思った公演です。『トランス』っていくらでも観たくなる作品ですよね。
KOKAMI@network vol.7『トランス』11/08-27紀伊國屋ホール
※詳細はこちら
作・演出=鴻上尚史
出演=【youth version】高橋一生/すほうれいこ/瀬川亮
【elder version】松本紀保/みのすけ/猪野学
美術=松井るみ 照明=坂本明浩 音響=堀江潤 衣裳=山本華漸(Future Eyes) ヘアメイク=西川直子 舞台監督=澁谷嘉久 制作=高田雅士・森田友規子 制作協力=細川展裕
チケット価格=S席5800円 学生席3800円(ぴあ店頭のみ)
チケット前売り開始=2005年10月1日(土)
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2005年07月21日
オン・タイム『プレイ・ウィズ・ミュージック イブラヒムおじさんとコーランの花たち』07/21-31博品館劇場
朗読と音楽のコラボレーション公演です。朗読の出演者は日替わりで、私は三田和代さんが出演する初日(公演の初日でもあります)に伺いました。音楽は作曲者の稲本響さん(ピアノ)と、稲本さんの弟の稲本渡さん(クラリネット)の生演奏です。なんて豪華なんでしょう!
7月の公演についてはイープラスの得チケで6,300円が4,000円です!
※8/29~31に麻美れいさん、11/8~10に高嶋政伸さんの出演が決定しています。
※読者の方から感想文を頂戴しました。→ 浦井健治さんの回・松村雄基さんの回
楽器を演奏する2人と朗読をする三田さんの3人が互いにアイコンタクトとりながら、息をしっかり合わせて、モモ少年とイブラヒムおじさんの暖かい物語を紡ぎだしてくださいました。もー涙がこぼれて、こぼれて・・・やっぱり三田さんは素晴らしい!稲本兄弟のピアノとクラリネットは、そりゃ~も~美しくて、さらにお2人ともかっこいいので目も耳も喜びまくりでございます(笑)。めちゃ早くにチケットを買っていたので最前列で堪能いたしました。前の方の席がお薦めです♪
エリック・エマニュエル・シュミットさんの戯曲については、『謎の変奏曲』で大感動しておりましたので何の心配もせずに前知識ゼロで伺ったのですが、それも功を奏しました。もともとが一人芝居の戯曲ですので、モモ少年の生活やイブラヒムおじさんの素性、2人が住む街の風景などが、俳優によって語られる言葉から、少しずつ、少しずつわかってくるのがとても楽しいのです。また、モモ少年の視点から一人称で語られる彼の少年時代は、静かではありながらも波乱万丈なので、意外な展開にドキドキしながら、次から次にこぼれ落ちてくるイブラヒムおじさんの名言に胸が熱くなります。
もちろん、三田さんの情感あふれる朗読だからこそ、一瞬一瞬を丁寧に輝かせるような楽器演奏だったからこそ、こんなに感動できたんだと思います。
音楽と朗読を助けるように照明と音響効果がありましたが、ちょっとうるさいなーと思うこともありました。音楽と朗読のチームワークがものすごく良いので、照明や効果音にあまり必要性は感じなかったですね。3人が作り出した空間がそれほどに豊かだった、ということです。
実はこの戯曲は既にフランスで映画化され日本でも上映されています。映画を観たことがない方で、これからこの作品を観に行かれる方は、映画の情報を頭に入れずに観に行かれることをお薦めします。できれば映画版のイブラヒムおじさんやモモ少年の顔などは見ない方が、朗読時にご自分で頭に思い浮かべる情景がより豊かになることと思います。映画の詳細はこちら。
もしかするとパルコ劇場のLOVE LETTERSのような不定期連続公演になるのかしら。
ここからネタバレします。
【あらすじ ※映画サイトより引用】
パリの裏町で暮らす13歳のユダヤ人少年モモと、彼のアパルトマンの向かいで小さな食料品店を営むトルコ移民の老人イブラヒム。家族の愛に恵まれない不幸な境遇の中で思春期を迎え、大人への階段を一歩ずつ上っていくモモ。そんな彼の成長に手を貸すことに生き甲斐を見出し、孤独な生活から脱していくイブラヒム。愛も知らずに人生の春を迎えた少年が、人生の晩秋にさしかかった老人と出逢い、限りない愛情を注がれ、人生の楽しみ・喜びを知っていく姿をいきいきと捉えた物語は、人種と世代の壁を超えた人間同士の絆を描く普遍的なヒューマンドラマとして、深く心にしみる味わいを残す。
下記、心に残った言葉を記録しておきます。(言葉は完全に正確ではありません)
【2人でパリを訪れた時】
「ご覧、モモ。セーヌは橋が好きなんだ。女がブレスレットを好きなように。」
「(ブランド店にて)それが贅沢というんだ。ウィンドウも空(から)、店も空(から)。全てが値段の中にある。」
【好きな女の子に対してどうすればいいのか】
「お前の思いは全てお前のもの。お前が与えるものもお前のもの。お前が与えない限り、全て失われる」
「“僕はハンサム?”と聞かれても、女は笑うしかない。お前はアラン・ドロンやマーロン・ブランドーじゃないんだから。美しさというのは、女性の中に見出すものだ。」
【2人でホテルを訪れた時】
モモ「美しすぎる」 イブラヒム「美はどこにでもあるんだ」
【パリからイスタンブールへの旅路にて】
「僕はヨーロッパを見なかった。聞いたのだ。」
「知恵と理性と思想のある人間」
「お前の頭脳はお前のかかとだ。かかとは深く考える。」
「時間を急がないこと。それが幸せへの鍵だ。」
"Monsieur Ibrahim et les fleurs du Coran"
出演(日替わり)=三田和代(7/21夜,7/23昼,7/24夜)/浦井健治(7/22夜,7/23夜,7/24昼) /松村雄基(7/27夜,7/28昼・夜) /榎木孝明(7/30昼・夜,7/31昼)
原作=エリック・エマニュエル・シュミット(Eric-Emmanuel Schmitt) 翻訳=青井陽治 武藤洋 演出=青井陽治 音楽=稲本響 美術=朝倉摂 照明=沢田祐二 音響=高橋巖 舞台監督=北條孝 版権=マーチン・ネイラー 制作=小林真知子 プロデューサー=初見正弘 主催=博品館劇場 オン・タイム TBSラジオ 企画・製作==オン・タイム
前売り開始:6/25(土)全席指定 6300円(税込み)全12ステージ
オン・タイム :http://www.ontime.jp
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椿組05夏・花園神社野外劇『新宿ブギウギ~戦後闇市興亡史~』07/15-24花園神社境内野外ステージ
椿組の夏恒例の花園神社野外ステージはなんと20周年だそうです。気になる役者さんがたくさん出演されているので今年も観に行くことにしました。
お目当ての一人(というか目玉)だった山本亨さんが、19日(火)の本番中に骨折されたために降板されていました。かなりショック・・・でしたが、突然に主役級の役者が降板したことなど全く想像させない、素晴らしい出来でした。
傷ついて戦場から帰還した男たち、飢えに耐えて待っていた女、子供、老人ら日本人が、敗戦直後の何もない焼け野原からどうやって立ち直り、生き延びていったか。活気溢れる闇市を舞台に、少しずつ復興していく新宿が描かれます。
大勢の役者さん(計38人)が土の舞台を走り回り、大きな声で元気いっぱい演技されます。夏祭りの熱気に似ていました。でも、舞台と客席には夜の涼風がすーすーと吹き込むので暑苦しいということはなく、野外ステージならではの楽しみを満喫させていただきました。
ここからネタバレします。
シーンが変わる度に前シーンの数年後の闇市へと時間が移り、ずんずんと未来へ進んでいきます。登場するのはめし屋の家族、洋服仕立て屋、酒屋、医者、絵描き、キャバレーの踊り子、歌手(のたまご)、娼婦、ヤクザ(野田組とブクロ組)、復員兵、進駐軍、警察官など盛りだくさん。
演出は離風霊船(りぶれせん)の伊東由美子さんです。恥ずかしながら離風霊船の作品は観たことがありませんが、この作品の演出はとっても良かったです。まず、活気溢れる闇市の喧騒が非常にうまく作られていました。ヤクザ同士のケンカなど立ち回りも多々あり、汗だくで土にまみれながら役者がからみあうのは見ごたえがあります。
軍服姿で鬼の面を被った、赤紙(あかがみ〕と呼ばれる死神が登場するシーンでは、死体がゆっくりと起き上がり、死神に誘われて退場するのですが、生きている人々も同じく舞台上にいるので「生」と「死」の対比があらわになり、うすら恐ろしい空気が流れました。
登場人物それぞれのバックグラウンドが、少ないセリフと演技でしっかりと表現されていました。酒屋の店主の金本(深貝大輔)が、大阪の鶴橋から出てきた朝鮮人だったというエピソードが特に簡潔で良かったです。
「チョコレートを腹いっぱい食べるのが一生の夢だ」という少年のセリフや、崩れ落ちた闇市を見ながら女が叫ぶ「もともと何にもないところからやってきたんだから、私たちは大丈夫!」というセリフなど、素直にまっすぐ発せられるセリフが胸に響きました。※セリフは正確ではありません。
大詰めで屋台崩しがあって、さらにラストシーンで新宿ゴールデン街のネオンが現れるのが嬉しかったです。装置作るの大変そう・・・。
山本さんが演じるはずだったのは、日本刀で人を切るヤクザの渡会(ワタライ)役。代役の方は稽古場にもいらした方だそうです(お名前はわからず)。お芝居が終わってから「山本さんは一体どの役だったんだろう?」と考えてもわからなかったぐらい、その代役の方はお芝居に溶け込んでいらっしゃいました。昨日の今日で、素晴らしいですよね。でも山本さんの立ち回りも観たかったな・・・・。
★代役の方、わかりました。小林裕忠さん(離風霊船)です。小林さんのもともとの役は松本さんとおっしゃる方が演じられたそうです。詳細はこちら→つばきのつぼみ ※2007/07/21追記
仕込み風景によると、緞帳の絵はゲネプロ直前に即興で描かれたようです。青と赤の地に白い線と黒い文字(Tokyo JAPAN 1947)が効いている、おしゃれな抽象画でした(画=黒田征太郎)。
出演=山本亨(tpt)/若杉宏二(流山児★事務所)/恒松敦巳/円城寺あや/鳥居しのぶ/仁藤優子(ホリプロ)/伴美奈子(扉座)/田淵正博/木下藤次郎/犬飼淳治(扉座)/井上カオリ/長嶺安奈/深貝大輔/沖田乱/小林裕忠(離風霊船)/橋本直樹(離風霊船)/江頭一晃(離風霊船)/東虎之丞/佐藤滋(KAKUTA)/濱田龍司(ペテカン)/李峰仙/中村歩/岡村多加江/なみえ(オフィス★怪人社)/倉林恵美(離風霊船)/西口真生/瀬山江里子/冨樫舞/伊藤新(ダミアン) /林栄次 /平塚真介/真田幹也/宮本翔太/鳥越勇作/よこやまよしひろ/沢りつお(テアトルエコー)/宮島健/外波山文明
作=鈴木哲也 演出=伊東由美子 照明=沖野隆一(RYU CONNECTION) 美術=加藤ちか 音響=青蔭佳代(音スタ) 衣裳=出川淳子 振付=伊藤多恵 演出助手=城田美樹 アクション監督=山田一善(ZEN) テント設計=大塚聡 テント設営=東弘英 舞台監督=吉田均 制作事務=佐野寿衛子 宣伝美術=黒田征太郎 長友啓典 上浦智宏+K2 企画制作=椿組 プロデューサー=外波山文明 主催=椿組
前売り開始:6/1(水)木戸銭:前売3800円 当日4000円(中・高校生2500円) 毎夜7時開演 10ステージ
椿組:http://copain-web.com/shinobu/tubaki/top.html
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2005年07月19日
シス・カンパニー『新編・吾輩は猫である』07/08-08/07シアタートラム
宮本研('88没)が1982年に文学座に書き下ろし、初演された作品です。シス・カンパニーで作年2月に『美しきものの伝説』も上演されていますね。
高橋克実さんが漱石役で小林聡美さんが漱石夫人役です。計7人の出演者はみな実力派ぞろい。
予想していたよりも全体的に暗い作品でした。劇場の暗闇に点る夢の世界を描くという意図があったのかもしれませんが、「暗い」という印象ばかりが残ってしまいました。上手い役者さんばかりだと思って私が期待しすぎたせいでしょうが、役者さんはもっともっと上を目指せるんじゃないかと思いました。
ここからネタバレします。
劇場に入るなりちょっと驚きました。チラシの雰囲気から日本家屋らしき装置があるのかな~と予想していたのですが、目立った大道具は舞台を上下(かみしも)に横切るように置かれた、細長い台のみ。台は木製の縁側のようです。そして黒っぽい鉄パイプで組んだ足場が、その台をぐるりと囲むようにそびえており、高さは劇場の天井近くまであります。
台はずっと同じ位置にあるわけではなく、いくつかのパーツに分かれていてシーンごとにこまめに移動します。組み立てられた小さな世界というイメージが浮かんで面白かったですが、台がスルリと簡単に動くので、役者さんがつまづいたり滑ったりするんじゃないかと少しハラハラしました(笑)。
漱石夫婦の日常と小説の世界とが入り混じる戯曲なのですが、日常シーンは主に台が置かれた舞台面だけで進行し、小説シーンで劇場の広い空間を生かす演出が現れます。特に照明が効果的に使われていました。「夢十夜」の短編(金魚を買う女の話)シーンで舞台の床下から男女が登場する時の、スモークに映る黄色い明かりが幻想的で美しかったです。
役者さんはそれぞれにキャラクターが立っていましたし、決して演技が下手というわけではないと思うのですが、漱石夫婦の対話にしても小説世界にしても、なんとなく空間がスカスカしているように感じました。笑いもけっこう起こっていたんですけど私はほとんど笑えなかったですねぇ。残念。
漱石夫婦のやりとりは時に可笑しく時に深刻で、セリフ自体には味わいがありましたが、長年ともに生きた男女のようには見えづらかったです。なんだか2人とも独りで居るような・・・そういう夫婦だったのかしら(そういう演出意図なのかしら)。
でも、最後の2人きりでの対話は集中して聞くことができました。劇中の漱石夫婦でもあり現代を生きる大人の男女でもある高橋さんと小林さんが、目の前で本気で言葉と心を交わしているように感じられました。
小説シーンで出てくる小道具(金魚屋のたるやバーバーの赤・白・青のサインポール、豚など)は、平たい板に絵を描き、形に添ってまわりを切り取ったプラカードのようなものでした。幼稚園でよく上演されるペープサートを想像してください。童話やおとぎ話のような優しい空気が生まれていました。
出演=小林聡美/高橋克実/高橋一生/梅沢昌代/坂田聡/山崎一/綾田俊樹
作=宮本研 演出=井上尊晶 美術=加藤ちか 照明=小川幾雄 衣装=前田文子 音響=尾崎弘征 ヘアメイク=大和田一美 演出助手=長町たず子 舞台監督=榎太郎 プロデューサー=北村明子 企画・製作=シス・カンパニー 提携=世田谷パブリックシアター
チケット発売日:5月14日(土)6,500円(全席指定・税込) 休演日=7/11(月)、7/18(月) 7/25(月)、8/1(月)計36ステージ
シス・カンパニー:http://www.siscompany.com/03produce/10neco/index.htm
イープラス特集:http://mars.eplus.co.jp/ss/kougyou/syosai.asp?kc=012339&ks=02&os=078
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Hula-Hooper『何かのプレイ』07/15-18OFF OFFシアター
Hula-Hooper(フラフーパー)は菊川朝子さんが脚本・演出・出演される劇団です。今までにも何度も行こうとしてかなわず、やっと今回初見となりました。
ダンスや歌(懐メロ)を挟みながら、若い女の子ならではの感性で『若草物語』を自由に楽しく作り変えられていました。※なんと四女のエイミィが双子になってます。
ストーリーはあくまでも原作に沿っており、パロディーではありませんでした。※原作の内容についてはこちら(1994年のアメリカ映画の解説)に詳しいです。
菊川朝子さんと梅澤和美さんはもともと故林広志プロデュースでお見かけした覚えがありましたので、コントに近いことをやられるのかなぁと思っていたのですが全然違いましたね。ある世界観をもってきちんと一つの演劇作品を演出をされていて、アイデアも可愛らしいなぁと思いました。
しかしながら女優さん達の演技のぬるさが私の肌には合わず、最初の1時間はうとうとしちゃいました。ジョー(菊川朝子)にいじめられた腹いせに、エイミィ(山口奈緒子 or 吉田麻起子)がジョーの小説の原稿をこっそりと燃やしてしまう中盤のシーンから一気に盛り上がり、そこからは寝ないで最後まで観られました。エイミィ役は2人いらしたんですが、家庭教師のブルック先生を演じられた方の女優さんがしっかりしていらっしゃいました。
※ブルック先生とエイミィを演じられたのは山口奈緒子さんでした(2005/07/19追記)
「演技がぬるい」と書きましたが、それで意図どおりだったのかもしれません。いわゆるヘタウマを狙ったのかも。ただ、終盤でジョーがお隣りさんのローリー(吉田麻起子)に「好き」と告白されつつ(口パクですが)、どんどんと迫られていくシーンでは、ジョー(菊川朝子)の表情がものすごくセクシーで目が離せなかったんですよね。あの演技には真に迫ったものがありました。全編そうあるべきとは思いませんが、見入ってしまって時間を忘れる瞬間がもっと欲しかったです。
美術がメルヘンチックで可愛いかったです。舞台中央は四姉妹の家ですが、上手際から劇場入り口へと延長する形で舞台を客席側にせり出して、隣りに住むローリーの家も作られており、OFF OFFシアターの舞台上の上手側にある柱が全く気になりませんでした。舞台の一段下にも客席をつぶして演技スペースが取られており、舞台の上と下でシーンが重なるのが良かったです。
ホームページの劇団紹介に“オンナノコを武器に使わないオンナノコだけで魅せる芝居で・・・(省略)”とありますが、十分オンナノコが武器になっていたように感じました(私が女だからかな)。でもそれでいいんじゃないかしら。だってとってもカワイイし(笑)。
次回は同じ劇場で今作の続編『何かのプレイバック』になるそうです(お芝居中にそのように告知されていました)。
出演=長女メグ:平川道子/次女ジョー:菊川朝子/三女ベス:上枝鞠生/四女エイミィ:山口奈緒子(明日図鑑)/五女エミリィ:吉田麻起子(双数姉妹)/お手伝いのハンナ:田口愛/お母さん:梅澤和美
原作=ルイザ・メイ・オルコット『若草物語』 脚本・演出=菊川朝子 照明=鈴村淳 音響=伝井幸洋 衣裳=竹内陽子 ヘアメイク=入江佐伊子 舞台監督=小野哲史(突貫屋) 舞台美術=斎田創 宣伝美術=菊川朝子+ysht.org 写真=湯澤幸一郎(天然ロボット) 制作=ふらぴすと 制作助手=沼田光弘・佐藤真義 制作協力=日和庵
Hula-Hooper:http://hula-hooper.com
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2005年07月17日
子供のためのシェイクスピアカンパニー『尺には尺を』07/13-19紀伊國屋サザンシアター
私のいちおしカンパニーの新作です!毎年夏に全国を回られます。子供達の夏休みのお楽しみですね。
小学生のお子様達を連れての観劇になりましたので、ちょっとエッチな内容にハラハラ&どぎまぎ(笑)。でも終わってみたらとても好評でした。もちろん大人も大満足。みんなで「面白かった~!」とおしゃべりしながら劇場を後にしました。
開演15分前からイエロー・ヘルメッツが登場しますので、お早めに劇場へGO!
★チャンネル・パナソニックの13チャンネルで前回公演『ハムレット』の映像および『尺には尺を』の稽古場風景が見られます。昨年震災にあわれた新潟の小千谷市ではチケット代が無料!パナソニック素敵!!
黒いマントに黒い帽子を着込んだ俳優がクラッピング(手を叩く)をしながら登場し、マントを脱ぐと鮮やかな衣裳をまとった人物が現れるというお馴染みの演出に、毎度のことながらうっとり。翻訳家・演劇評論家である松岡和子さんが、ポストパフォーマンストークで「子供のための“大人の”シェイクスピア」とおっしゃっていましたが、まさにその通り!今作でも笑いいっぱい、見所いっぱいに原作の大切なところを伝えてくださり、エンディングでは独自の視点も提案されていました。とにかくこのシリーズは必見です!
※過去作品のレビュー→2001年、2002年、2003年、2004年
≪あらすじ~パンフレットより引用~≫ ※ここからネタバレします。
ある日、ウィーンの公爵ヴィンセンシオ(伊沢磨紀)は、自分の治めている国の政治を部下のアンジェロ(山口雅義)に任せ、姿を隠してしまう。厳格で真面目なことで知られていたアンジェロは、権力を手にしたとたん、長い間使われていなかった厳しい法律を引っ張り出し、次々に国民を罰していく。兄クローディオ(間宮啓行)に死刑が言い渡されたことを知った見習い修道尼イザベラ(大内めぐみ)は、兄の命を助けてほしいとアンジェロに頼みに行く。清純なイザベラを観て、アンジェロは彼女に恋をしてしまい、兄の命を助ける代わりにひと晩一緒に過ごすようい彼女にせまるのだった。困り果てたイザベラの前に謎の修道士が現れ、イザベラが傷つくことなく、兄の命が助かる良い方法があると耳打ちするのだが・・・
≪ここまで≫
大昔に小田島雄志さんの翻訳を読んだことはあったんですが、ほとんど忘れてました(苦笑)。権力者が弱者に「体を売るなら願いをかなえてやる」と迫るなんて、なんとハレンチな!でも現代にも通じる、というかまさに今起こっていますよね(冷汗)。400年前の人間がそれをどう感じたのか、どう切り抜けたか(フィクションですが)が描かれますが、当然ながら現代ではもうなくなってしまった感のある貞操観念や社会通念に基づいており、そのギャップを俳優が「ええっ!!」と叫ぶ、大きなリアクションで埋めていく力技が微笑ましかったです。
アンジェロに「兄を助けたければ私と一夜をともにしろ!」と迫られたイザベラが、「そんなことをするぐらいなら兄が死んだ方がまし!」と言い切るのに爆笑しました(笑)。
アンジェロ役の山口雅義さんがちゃんと役作りをされているからとはいえ、あまりに怖いお顔だったので、子供達が怖がらないかしらと少し不安になったのですが(笑)、その顔のままでどんどんと壊れていく(ギャグになっていく)ものだから、蓋を開けてみると子供達の間で人気No.1でした~。
【ポストパフォーマンストーク】
松岡和子さんと脚本・演出・出演の山崎清介さんお2人のポストパフォーマンストークがありました。
松岡さんって知識も教養もある上にほがらかで、本当にお話しするのがお上手。聞き応えのあるトークでした。
『尺には尺を』のエンディングは上演される際の最大の注目ポイントだそうで、この作品では「アンジェロ観察旅絵日記」が「公爵観察絵日記」に変わるんですよね(笑)。「見せ掛けの装いには見せ掛けの装いを、偽りの行いには偽りの行いを、早急には早急を、猶予には猶予を、類には類を、尺には尺を」に、「観察には観察を」が追加されていたエンディングに、松岡さんはいたく感動されたとのこと。私も素晴らしいと思いました。
★8/28深夜1時よりNHK BS2で『オセロー』の放送が決まっているそうです。佐藤誓さんと吉田鋼太郎さんのオセローとイアーゴーなんじゃないかな。必見ですよね!
★stage note archivesさん も早速チェックされていますが、次回公演は来年3月に新国立劇場で『十二夜』、夏に東京グローブ座(復活!)で『リチャード三世』です。『十二夜』はこれで3演目になりますが、脚本から変更されると山崎さんがおっしゃっていました(ポストパフォーマンストークで)。私は2000年に再演された『十二夜』でこのカンパニーにハマったんですよね・・・あの出会いに心から感謝しています。
≪新潟、山形、東京、福岡、鳥取、愛知、山口、富山、三重、長野、滋賀、大阪、京都、静岡、新潟≫
出演=伊沢磨紀/山口雅義/間宮啓行/彩乃木崇之/戸谷昌弘/山谷典子/大内めぐみ/山崎清介
作=W.シェイクスピア 翻訳=小田島雄志 脚本・演出=山崎清介 照明=山口暁 音響=近藤達史 美術=岡本謙治 衣裳=池谷泉・阿部朱美 演出補=小笠原響 舞台監督=工藤静雄
チケット発売日:5/9(月) 料金:全席指定(前売・当日とも)大人4,800円 子供(中学生以下)3,000円 計8ステージ
華のん企画:http://canonkikaku.com/
子供のためのシェイクスピアカンパニー:http://homepage1.nifty.com/j-ishikawa/c-ro.html
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松竹『七月大歌舞伎「NINAGAWA十二夜」』07/07-31歌舞伎座
蜷川幸雄さんが初演出される歌舞伎です。原作はシェイクスピアの『十二夜』。尾上菊之助さんが主膳之助(しゅぜんのすけ=セバスチャン)と琵琶姫(びわひめ=ヴァイオラ)の2役を演じられます。
串田和美さんや野田秀樹さん演出の歌舞伎(コクーン歌舞伎)に比べると普通の歌舞伎に近かったですね。4時間半(休憩2度を含む)はちょっとつらかったですが、美しいものを見せていただきました。
あらすじはこちら。有名な作品ですし、ストーリーを知ってから観に行かれても問題ないと思います(チケットは売り切れですが、幕見のシステムがありますのでどうぞ歌舞伎座にお問い合わせください)。
とにかく尾上菊之助さんに見とれました。きれいな声ですよね~。女役、男に変装した女役、そして男役の計3役を演じられたことになると思いますが、どれも違う演技をされていて(当然といえば当然ですが)、衣裳を早替えして登場した瞬間の立ち姿、そして第一声にときめきました。「あぁ、今度はこの役ね!」って。菊之助さんはストレート・プレイ『若き日のゴッホ』で初めて拝見したんですが、期待通りの美青年でいらっしゃいました。菊之助さんの追っかけはしたいかも(笑)。
普通の歌舞伎と明らかに違ったのは舞台装置と音楽かしら。演技と衣裳に遊びが多く、セリフが現代語に近くて分かりやすいのもある気がします(普段から歌舞伎をよく観ているわけじゃないのですが、そう感じました)。
シェイクスピア作品では私、道化が出てくるシーンで退屈しちゃうことが多いんです。残念ながら今回もまたそうでした。尾上菊五郎さん演じる丸尾坊太夫(まるお・ぼうたゆう=マルヴォーリオ)が織笛姫(おりぶえひめ=オリヴィア)への恋心をネタに思い切りからかわれる流れは、全体的に展開がゆっくりだったように思います。市川亀治郎さん演じる織笛姫の侍女の麻阿(まあ=マライア)は、セリフの速さや声色の変化、そして突然の意外な動きで笑いをガンガン取っていましたね。素敵でした。
たぶんこの作品の特徴として私の記憶に残るのは、主役の尾上菊之助さんと奇抜な舞台美術、そしてバロック音楽が流れる中で語られる、思い通りにならない切ない恋、の3つだと思います。「思う相手に思われず思わぬ相手に思われる恋のロンドが展開する」と筋書きにありますように、けなげな恋心の交差に胸キュンしちゃうのです。
男装して獅子丸(ししまる=シザーリオ)と名乗っている琵琶姫(尾上菊之助)は、大篠左大臣(おおしのさだいじん=オーシーノ公爵)にひそかに恋をしています。その一途な眼差しとけなげな身振りがカワイイ!
しかしながら左大臣(中村信二郎)は美しい織笛姫(中村時蔵)に片思いをしており、獅子丸は左大臣に織笛姫への恋文を届けるよう命じられます。実際に会ってみると確かに美人で、けれども気位の高い織笛姫に、獅子丸はちょっぴり嫉妬しつつ怒りもこみ上げてきて、「あなたは残酷だ!」などと正直に気持ちをぶつけてしまいます。恋する乙女の感情は押さえられず、ついつい口から体から出てしまうんですよね。でも獅子丸は絶対に品位を落とさないんです。それが美しい!
獅子丸に一目ボレしてしまった織笛姫(中村時蔵)は、所作はもちろんのこと、わがままっぷりがプリンセスらしくて良かったです。歌舞伎役者さんは王族・貴族などを無理なく演じられますよね。演劇の役者さんでそれが出来る人って少ないと思います。
シェイクスピア作品では道化にあたる捨助(すてすけ=フェステ)を尾上菊五郎さんが演じられていたことに、筋書を読んでから気がつきました。誰なのかな~って呑気に思ってたんですよね・・・情けない(涙)。丸尾坊太夫と2役だったんですね。人間国宝・・・そうなのか・・・・すごい。
ここからネタバレします。
テレビや雑誌などで既に紹介されていますが、舞台美術に鏡を使っているんです。一番初めに幕が開いた途端、観客の目の前に広がるのは巨大な鏡。観客は自分たちが座っている観客席をババン!と見せ付けられるのです。大竹しのぶ・唐沢寿明主演の『マクベス』でもこの鏡が使われていましたが、すごく感動したんですよね。この鏡は前から光を当てると鏡になるけれど、後ろから当たると透けるので、マジックのような面白い演出が見られます。
あと、座席が2階の上手側後方だったので花道がほとんど見えなかったんですが(なのに10,500円なのねぇ、悲し)、鏡のおかげで花道を歩く役者さんが正面から見えたのが嬉しかった(笑)。
先日『まちがいの狂言』を観たばかりだったので、双子の兄弟(『十二夜』の場合は兄妹)が出てきて取り違えられるシェイクスピアのコメディーが続きました。実はこの『十二夜』の後に観たのがこどものためのシェイクスピアカンパニー『尺には尺を』だったんですよね~(笑)。どれも全部面白かったです。
出演=市川左團次/中村時蔵/坂東秀調/中村信二郎/市川亀治郎/坂東亀三郎/尾上松也/尾上菊之助/河原崎権十郎/市川團蔵/市川段四郎/尾上菊五郎 ほか
作=W. シェイクスピア 訳=小田島雄志 脚本=今井豊茂 演出=蜷川幸雄 装置=金井勇一郎 照明=原田保 演出助手=浅香哲哉 作曲=杵屋巳太郎 作調=望月長左久 竹本作曲=野澤松也 音楽=笠松泰洋 声楽指導=山本義人 音響=田中剛ニ 振付=藤間豊之助 立師=尾上菊十郎 坂東橘太郎
1等席14,700円 2等席 10,500円 3階A席 4,200円 3階B席 2,520円 一階桟敷席 16,800円 43ステージ
公式:http://www.shochiku.co.jp/play/index_kabukiza_0507.html
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2005年07月16日
MIKUNI YANAIHARA Project Part 1『3年2組』07/15-18吉祥寺シアター
ニブロールの振付家である矢内原美邦さんが作・演出・振付される“演劇パフォーマンス”です。
セリフが有るダンスだし、ダンスが有る演劇でした。「ダンスや演劇の枠組みを超えた舞台作品」というのに納得です。ニブロールが初見だということを別にしても、私が今までに観たことのない種類の作品だったように思います。
いわゆる普通の演劇に親しんでいる私にとって当たり前のことが、全然当たり前じゃないところから、この作品は始まっているんだなと思いました。ニブロールは劇団ではなくダンスカンパニーなので(ダンス以外にも色んな活動をされていますが)、演劇(舞台作品)を作る際のスタート地点がまず普通の劇団とは違うんですね。
演劇好きの私には少々とっつきにくいこともあったのですが、ラストには感動していました。あぁ~・・・なんか、いい意味でプチ・ショック。凄い人がいるもんですね。
ここからネタバレになりますので、観に行かれる方はお読みにならない方がいいと思います。
舞台上には何も置いておらず、客席からまっすぐ向かって正面には白いスクリーンが貼られています。黒い床に白い模様が広がっており、後からわかるのですがそれは紙吹雪でした。開演5分前(18:55)頃からさらに紙吹雪が降り始め、ステージ上にどんどんと降り重なっていきます。
音楽が鳴るのと同時だったかと思うのですが、白いスクリーンに映像が映し出されました。動画は上手から下手へとかなり速いスピードで動いていきます。映し出されるのは通り過ぎていく木々、鉄橋から見える夕日、舞い散る花びらや葉っぱ。下手から上手へと走っている列車の車窓から外を眺めてると思えばぴったりです。
音楽、映像とともに役者さんも登場します。セリフはものすごく早口で怒鳴るようにしゃべります。動き(振付)も早いです。止まったりもしますが、どんどん間が詰められていくように、次々と動きが始まります。しゃべっている内容は・・・3年2組のクラスメイトたちに、先生が将来の夢を書くよう言って、書けたらそれをタイムカプセルに入れる・・・云々。早口だし怒鳴るし、必然的にかつ舌が悪くなるのでとても聞こえづらくて、しかもたまに聞こえてくる言葉がものすごく心に響くものだったので、私にはそれがストレスになりました。「うぐ~・・・聞きたいのに聞こえないよぉ!」という感じで(笑)。
季節をめぐりながら同じスピードでずっと流れていく映像、激しく早く動き続ける俳優の身体、声、そして開演前とラストに降り注がれた紙吹雪に、言葉はわからなかったけれども(←しつこいですが)、過ぎ行く時間、終わりに近づいていく命、生まれて消える私たちの、一瞬間の広がりを感じました。
本日初日で、チェルフィッチュの岡田利規さんをゲストに迎えてのポストパフォーマンストークがありました。司会は演劇ライターの徳永京子さん。出演者は岡田さんの他に、矢内原美邦(やないはら・みくに)さんと映像の高橋啓祐さん、そして役者さん(ダンサーさん)が3人。
ものすごく充実した内容で、耳かっぽじって聞かなきゃ損!って感じでしたね。舞台の上における「身体」と「言葉」のリアリティについて深く真剣に考えて創作をされていることを知り、自分が無意識に前提として受け入れていたことは決して前提などではなく、ただの惰性だったかもしれないことに気づかされました。
※矢内原さんのブログ→ 矢内原美邦の毎日が万歳ブログ
岡田さんのブログ→ チェルフィッチュブログ2
吉祥寺シアター・オープニングステージ
出演=足立智充/稲毛礼子/上村聡/鈴木将一郎/関寛之/渕野修平/三坂知絵子/矢沢誠/山本圭祐
作・演出・振付=矢内原美邦 映像=高橋啓祐 音楽=スカンク 衣装=広野裕子 イラスト=カネコアツシ 宣伝美術=石田直久 舞台監督=横尾友広 瀬川有生 照明=森規幸(balance,Inc.DESIGN) 制作=中西茜 主催=MIKUNI YANAIHARA project/財団法人武蔵野文化事業団
前売り開始:5/20(金)入場料 :全席自由 前売 3,000円 当日 3,500円 学生2,500円(ニブロール限定受付) ほか会員割引あり 全6回公演
吉祥寺シアター内:http://www.musashino-culture.or.jp/k_theatre/ev_050715.html
ニブロール:http://www.nibroll.com/
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2005年07月14日
劇団桟敷童子『博多湾岸台風小僧 ……泣イテ、騒イデ…彼岸花』07/09-18ザ・スズナリ
劇団桟敷童子(げきだん・さじきどうじ)というと、上演する場所にこだわりがあり、作風はアングラっぽく、そして舞台装置がすごいという噂を聞いていました。
チラシビジュアルが私の好みではないので今まで伺いませんでしたが、劇場が下北沢ザ・スズナリなので初チャレンジを決心。tptによく出演される池下重大さん目当てでもあります。
舞台衣装を着てメイクもしている役者さんが劇場前で迎えてくれました。劇団の名前が描かれたのぼりもたくさん立っていて、スズナリなのになんだかテント公演な気分。狭くなった劇場入り口を抜けると超満員で、イスが取り払われてひな壇のみになった客席の座布団席にようやく座れました。夏のお祭りみたいな空気。ちょっと暗いけど。
たしかにアングラっぽいというか、今ドキのお芝居ではなかったです。チラシビジュアルは内容にとっても合ってるかも。
役者さんはセリフを大声で叫びますし、演技もすべからく熱いです。理不尽に虐げられている貧民のお話で(あらすじはこちら)、出てくる人はほぼ全員が粗野で乱暴です。その中から良くも悪くも人間の本当の姿がギラリと現れる・・・という感じかな。ずっと悲しげな空気が流れていました。
何かと彼岸花にスポットが当てられ、その存在が強調されます。役者さんは赤い花をグっと睨み付けて、ズシンと重く、激しく、セリフを吐き出します。あぁ、昔こういうのあったよな~って思いました。子供の頃(1970年代)にテレビで観たのかしら・・・なぜか知っているんですよね、この雰囲気。
装置は確かにすごかったです。まさかああなるとは!って思いました。でも作品に入り込めなかったので、残念ながらそれほど感動はできませんでした。同じ音楽が何度も流れるのもつらかったかな。
次は本物のテント公演だそうですよ。
劇団桟敷童子『風来坊雷神屋敷』10/15-30北区・飛鳥公園内 特設天幕劇場
出演=東憲司/原口健太郎/稲葉能敬/池下重大/桑原勝行/小野瀬弥彦/鈴木めぐみ/外山博美/川原洋子/小林ちさと/山本あさみ/もりちえ/松本しゃこ/板垣桃子/川田涼一/ヨネクラカオリ(劇団阿佐ヶ谷南南京小僧)/朱源実
作=サジキドウジ 演出=東憲司 美術=塵芥 照明=Jimmy 照明操作=(株)FREE WAY 音楽=川崎貴人 チラシ画=横岳由紀子 チラシデザイン=山田武 写真=浅香真吾 舞台監督=吉田フユノ 舞台協力=松下清永 大津英輔
前売り開始:5/22(日) 前売2,800円 当日3,300円 学割2,300円(受付時に配布される整理番号順に入場。全席自由。)計14ステージ
劇団桟敷童子:http://www8.plala.or.jp/s-douji/
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グリング『カリフォルニア』07/12-18THEATER/TOPS
青木豪さんが作・演出されるグリング。青木さんは演劇集団円の次世代の劇作家書下ろしシリーズに取り上げられたり、東京グローブ座の『エデンの東』の脚本も書かれています。
私は今回が初見なんです。いつもチラシがちょっと怖くって足が遠のいちゃってたんですよね(きれいなチラシなんですけどね)。お気に入りの役者さんが出演されるのでやっと観に行きました。
タイトルが『カリフォルニア』でキャッチコピーが「安いホテルとか、安いワインとか、あるいは安い夢とかに、カリフォルニアはつきものだ。これは多分、他人から見たら ただただ安く、当人からしたら死に至るほどの、ある恋愛についての物語。」です。つまり、チラシを見たとしてもお芝居の詳しい内容はよくわからない状態で観劇することになります。
いい意味で裏切られました。「えええええっっ!」とびっくりして息を呑み、そして、甘くて苦い恋の秘め事をドキドキしながら覗き見させていただきました。
これから観に行かれる方は、あらすじ自体がネタバレになりますのでどうぞお気をつけください。
≪あらすじ≫
舞台は小さな整体院。院長の細川(中野英樹)は妻の柊子(藤本喜久子)とランチを食べに行くのが日課だ。というのも、柊子はある事故から体調不良および精神不安定が続いており、家で昼食を作ることが出来ないのだ。
整体院が入っているマンションでは住民や店舗オーナーが集合する幹部会が定期的に開かれており、たまに整体院が会議室として使われる。議題はゴミの分別や違法駐車についてなど。会長の根津(鈴木歩己)以外はあまりやる気がなく、集まっても世間話や噂話だけで終わることもある。
住民以外に整体院に頻繁に訪れるのは、柊子の学生時代からの後輩の亜希(桑原裕子)。柊子と共同でアニメキャラクターが登場する同人誌(漫画)を描いており、暇があればいつでも原稿片手にやってくる。柊子の兄・洋介(杉山文雄)も自転車で転んで捻挫したため、通院を始めた。
ある日、柊子が見知らぬ男と浮気をしているという噂が細川の耳に入ってきて・・・。
≪ここまで≫
マンション住民の井戸端会議や整体院に通う人々のたわいもない日常会話の中に、不倫、ねずみ講、同人誌、リストカットなど、スパイシーなトピックが入り込んできます。一見何事も無さそうな平凡な日々の中に、ずしりと重くて残酷な事実が横たわっており、「それでも、生きていかなければならない」現実が描かれます。
だからといって深刻すぎないし、クスっと笑える優しい空気がずっとありますので、気持ちよく観ていられました。ただ、「そんな過去があったの!?」と異常に驚かされることもしばしば。敢えてさりげない演技をするように演出されているかもしれませんが、観ているだけでももう少し読み取れるような、わかりやすい感情表現があっても良かったのではないかと思いました。
ここからネタバレします。
柊子の不調は子供を事故で亡くしたことに起因しています。柊子が料理をしていて目を話した隙に子供がマンションのベランダから転落死したのです。・・・簡単には立ち直れませんよね。
柊子の浮気の相手というのは「見知らぬ男」ではなく、なんと亜希でした。2人は中学、高校と同じ学校に通っていた先輩・後輩同士で、その頃からレズビアンの関係だったのです。
※柊子と亜希の関係について書いてみますと↓(セリフから私が読み取ったことです。間違ってたらごめんなさい)
2人は中学、高校時代にかけて恋人同士だったが、柊子の方から別れ話を切り出して2人の関係は終わっていた。柊子は細川と結婚し一児を設け、いわゆる普通の家庭を築いたが、亜希の方は柊子への想いを断ち切れず、リストカットを繰り返していた。
そして柊子の子供が事故死してちょうど一周忌の日、亜希の方から柊子に再び連絡を取り、同人誌の共同執筆が始まる。亜希はすっかり立ち直り、他人に迷惑をかけない程度に普通の生活ができるようになる。しかし、柊子の夫である細川に対する嫉妬や憤りはつのっていた。
柊子は我が子を死なせてしまったという自責の念から逃れられず、作品にも病んだ気持ちが現れる。体と心の不調も続いていた。
柊子が(おそらく)数年ぶりに亜希に身体を許す、整体院のベッドでのラブシーンはすごく官能的でした。具体的動作としては包帯で柊子の手をしばって、亜希がそっと柊子の胸元のボタンに手を伸ばす・・・っていうだけなんですけどね、もー私ってば超興奮っ(笑)。大人ですしね~、美女同士ですしね~、そういう見かけだけの要素でも十分魅力満点のシーンですが、演技が良かった!さりげなくて、堂々としてて。ホントに覗き見してるみたいでした(笑)。
桑原裕子さん。細川に本音を言っちゃうシーンの演技が絶品でした。めちゃくちゃハラハラしましたね、「えっまさかっ、もう言っちゃうの?今、言っちゃうの?!」って(笑)。そして柊子にこっぴどくフラれる瞬間、たちまち目に涙が溜まり、泣くのをこらえながらセリフを言うシーンでは、私も泣いちゃったよ(泣くなよ私)。
藤本喜久子さん。『高き彼物』では根っからの“いい人”を演じていらっしゃり、今作でマンション住民同士で話をしている時の演技がその時と同じ雰囲気だったのが残念。でも亜希と二人きりでいる時は大人の女の色気を感じました。窓の外から宙に浮いて細川の方をかすかに振り返る時の、暗い横顔が恐ろしく、美しかったです。もともととても美人な方なんですけどあのシーンがやっぱり心に残ります。
≪言及ブログ≫
こんなものを買った。
※当日パンフレットの青木さんの文章に「流石に11回目(第11回公演なのです)になりますし、今まで通りを続けるってのもどうかなぁ、と思ってしまったのです。」とありました。ポストパフォーマンストークがあり、今回の新しい試みについて話されていました。
【ポストパフォーマンストーク】
司会:なすび
出演者:青木豪 ほか出演者全員
なすびさんがほがらかに話を進めてくださって、楽しい時間がすごせました。裏話的ネタも多かったですが、青木さんがグリングという劇団およびこの作品の内容について、丁寧に詳しく話してくださり、私はグリングがだいぶん好きになりました。
シャーリー・マクレーンとオードリー・ヘップバーン主演の映画「噂の二人」を観て、レズビアンのお話を書くことを思いつかれたそうです。
グリングという名称の由来にはちょっと驚きましたね。もともとはオーストリアにある知的障害者の病院の名称「グギング」をそのまま拝借したそうなんですが、旗揚げ公演の時に劇場さんが間違えて「グリング」と表記してしまったことがきっかけで(何にかは忘れました)そうなったそうです。確かにグリングの方が発音しやすくって私は好きですね、って私の好みなんて関係ないか(笑)。
さて、今回はじめて青木さんがチャレンジされたのは「登場人物を死なせること」だそうです。また、トークの後に関係者から聞いたのですが、今までの公演はすべて一幕もので、暗転を使ったことがないそうです。それはかなり大きな変化ですね。今回は場所は同じですが、暗転を挟んで時間が変化しました。土曜日、10分後、約1年後のように。
出演=藤本喜久子(無名塾)/桑原裕子(KAKUTA)/杉山文雄/鈴木歩己/中野英樹/萩原利映/辰巳智秋(ブラジル)/鬼頭典子(文学座)
作・演出=青木豪 照明=清水利恭 美術=田中敏江 舞台監督=筒井昭喜 効果=島貫聡 音響オペレータ=都築茂一 宣伝美術=高橋歩 宣伝写真=中西隆良 制作=菊池八恵 企画制作=グリング
一般前売り開始日 6/4(土) 前売3,200円・当日3,500円(税込/全席指定)計10ステージ
グリング:http://www.gring.info/
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2005年07月12日
シーエイティプロデュース『ラスト・ファイヴ・イヤーズ "THE LAST FIVE YEARS"』07/09-21シアター・カイ
山本耕史さん とNaoさん の2人だけが出演するミュージカルです。セリフはほとんどなく、全編が歌と音楽で構成されています。演出は鈴木勝秀さん。
2002年ニューヨーク初演で韓国・カナダ・ヨーロッパでも上演され、このたび日本初上陸だそうです。
こちらで3月のロサンジェルス公演をご覧になったクワストさんのレポートが読めます。舞台写真はコチラ(シアターガイドより)。
ジェイミー(山本耕史)とキャサリン(Nao)という2人の若いカップルの5年間をそれぞれの視点から描くというスタイルでしたが、色々唐突で意味がよく分かりませんでした。終演後にパンフレットを読んで構造を知り、「そりゃー面白い!」って思いましたが、残念ながら観ている時は頭にハテナマーク状態。これからご覧になる方はこちらに詳しいことが書かれてありますので、読んでから観に行かれても良いのではないかと思います。
山本耕史さんは期待通りの歌とダンス(動き)を披露してくださり、やっぱり輝いていらっしゃいました。なんであんなにかっこいいんやろねぇ・・・パワーがみなぎっています。また、シアターXという小さい劇場で観られるのがすごくありがたいです。NHK大河ドラマ「新撰組!」の土方があんなに近くに居ると思うとちょっと感動ですよね、単なるミーハーですが(笑)。
Naoさんはavextrax所属の歌手なんですね。ミュージカルも初舞台。演技はちょっと観ているのがつらかったかな。歌うので精一杯という感じ。
音楽はとても良かった!生演奏なのも嬉しいです。歌詞は英語が多いな~とも思いましたが(突然日本語から英語になるので何を言っているのかわからなくなるのです)、日本語訳がうまくリズムに合っていて聴きやすかったです。でも、作品の構造や2人の性格をちゃんと理解できるほどは説明してくれていなかった気もします。原語(英語)で聴けたらきっと深いところまで味わえるんでしょうね。こればっかりは仕方ないなぁ。
シアターX公演は完売ですが、横浜BLITZ公演については終演後に劇場でチケットを販売していました。お問い合わせはこちらへ。
ここからネタバレします。
ジェイミーは恋に落ちてから破局へと時系列どおりに演じて行きますが、キャサリンは破局から時間をさかのぼって2人の出会いまでを演じます。なのでオープニングからキャサリンは「彼が去ったけれど、私はどうすればいい?」と歌い出し、ジェイミーは「君こそ待ちわびた女神さ」と歌うのです。
中盤で2人が同じ気持ちだった瞬間が訪れるのですが、それが結婚式のシーン。全然わからなかった・・・・。
ジェイミーは初めて書いた小説がいきなり有名になるラッキーな男で、大学時代からの恋人のキャサリンと結婚し、順風満帆な人生をひた走ります。反してキャサリンは売れない女優でオーディションをしても落ちちゃうし、つまらないお芝居のツアーで旅回りを余儀なくされるし、どうやら才能はないみたい。そもそもが合わない2人だったのねぇとパンフレットを読んで知りました。これは悲しいな~。観ている時にわかりたかったな~。
舞台美術はごくシンプルな白い部屋でした。下手側にジェイミーのデスクとイス、上手側に箱型のベンチがあるのみ。床は茶色の木製で、舞台奥には白い壁がそびえています。壁には窓が2つあり、バラの花やブラインドの影などが映像で映し出されます。壁全体がスクリーンになって動画が映写されることもあり、ジェイミーが書いた短編「The Schumuel Song(老仕立屋シュムール)」を読む(歌う)シーンではアルファベットの文章が壁に大きく現れて、小説、朗読、歌、音楽が合わさったダイナミックな空間になりました。
面白い作品だと思います。ミュージカル俳優さんのペアで再演希望~。
≪東京、広島、東京(亀有)、仙台、郡山、大阪、福岡≫
出演=山本耕史(ジェイミー)/Nao(キャサリン)/ピアノ・指揮:前嶋康明/ギター:田代衛/ベース:井上哲也/ヴァイオリン:工藤美穂
作詞・作曲=ジェイソン・ロバート・ブラウン(Jason Robert Brown) 演出=鈴木勝秀 訳詞=高橋亜子 音楽監督=深沢桂子 翻訳=五十嵐寿 照明=原田保 美術=二村周作 音響=井上正弘 衣裳=尾崎由佳子 振付=夏貴陽子 演出助手=金子紘子 舞台監督=二瓶剛雄/小澤久明 ヘアメイク=スタジオAD 舞台製作=クリエイティブ・アート・スウィンク/加賀屋吉之輔 宣伝美術=永瀬祐一 宣伝美術=西村淳 宣伝ヘアメイク=西岡和彦 宣伝衣裳=飯島明子 票券・宣伝・運営=インタースペース 主催=TOKYO FM 提携=シアターX 協力=スフィア 制作=神戸丈志 倉本康正 プロデューサー=江口剛史 企画・製作=シーエイティプロデュース
東京公演発売日4/17(日)6,500円(全席指定・税込)計16ステージ
プレビュー公演:7/4@スフィアメックス(6000円) 追加公演:8/4-5@横浜BLITZ(6500円)
シーエイティプロデュース:http://www.stagegate.jp/
チケットスペース:http://www.ints.co.jp/last/index.html
ぴあ:http://t.pia.co.jp/promo/play/last5years.jsp
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2005年07月11日
クリオネ・プロデュース『パリアッチ~Pagliacci~』07/10-18全労災ホール/スペース・ゼロ
ペンギンプルペイルパイルズの倉持裕さんが作・演出されるクリオネのプロデュース公演です。豪華キャストですね。
タイトルの『パリアッチ』はイタリアのオペラ『道化師』から来ています。
≪あらすじ≫
舞台はあるオペラ劇場のVIPルーム。劇場では上演時間が合計6時間(本編3時間と休憩3時間)の大人気オペラが上演されており、なんと1年に渡るロングラン中。VIPルームに集まるのは作曲家の細川(小林高鹿)と彼に関わりのある人物たち。オペラに出演しているソプラノは細川の恋人の美鈴だ。
美鈴のマネージャーの宇賀(伊達暁)や細川の友人で劇作家の水内(細見大輔)、ウェイトレスの多希(瀬戸カトリーヌ)、そして警備員の西巻(こぐれ修)と大寺(郷本直也)など、いつものメンバーがいつも通り、時間つぶしや休憩目的でVIPルームを出入りするが、その日は意外な訪問者が・・・。
≪ここまで≫
芸達者で独特の魅力がある役者さんがそれぞれの個性を存分に発揮してらっしゃいましたが、全体的にはまとまりがなく、倉持さんがペンギンプルペイルパイルズの本公演で見せてくださる、観客を煙に巻く不可思議な展開と雰囲気や、その中から徐々に立ち現れてきて最後にグっと胸に届いてくるメッセージが感じられませんでした。
現実と空想の境い目がよくわかりませんでした。別に無理にわかる必要はないと思うんですが、わからなくても感動はしたいので(←わがまま)、そういう意味で残念でした。
全体の感想はそんな感じですが、役者さんの奮闘も含め、細かい部分はすごく楽しませていただきました。セリフ(言葉)がやっぱり面白いんですよね。
ここからネタバレします。
stage note archivesさんがネタバレ注意部分(文字が白色に反転されています)で書かれていますように、私もほとんどが細川の空想の世界なのだろうと思っていたんです。VIPルーム自体も彼の空想なのかな、とも(これは大胆すぎかも)。でもパンフレットを読む限りでは、マネージャーの宇賀が狙撃手(玉置孝匡)を雇ったことも現実で、河川清掃員の一篠(つまみ枝豆)とその妻の久留子(野口かおる)も実在する人物だそうで、だとするとそれをすんなりとは受け入れられなかったです。
細川の空想から生まれた堀込という男(片桐仁)は、細川が昔もっていた“情熱”そのものであり、最後には彼が自ら細川に詰め寄って“情熱”を呼び覚ましてもらうという、最重要人物です。でも、それが伝わってこなかったですね。片桐さんは、片桐さんだけで存在していたような。お一人でもめちゃくちゃ面白いんですが(笑)。プリセタ『オートマチック』での玉置孝匡さんのような存在感だったらカッコ良かったんじゃないかな~。
小林高鹿さん、本当にピアノ弾かれてますよね?びっくりしました。聞き惚れたわ~。そのピアノ演奏が「作曲家が本当の意味で生き返った」ことを表していると理解できたらもっと感動できたと思うんですけどね~。私はストーリー自体をわかっていませんでした。
≪福岡、神戸、東京≫
出演=小林高鹿/瀬戸カトリーヌ/片桐仁/細見大輔/伊達暁/ぼくもとさきこ/郷本直也/野口かおる/玉置孝匡/つまみ枝豆/こぐれ修
作・演出=倉持裕 美術=中根聡子 照明=倉本泰史 音響=堀江潤 衣裳=原まさみ ヘアメイク=鎌田直樹 舞台監督=上野博志 演出助手=福原麻衣 制作=川﨑眞樹・高田喜絵 プロデューサー=渡辺順子(クリオネ) 制作協力=細川展裕(ヴィレッヂ) 主催=財団法人日本劇団協議会 提携=全労済+株式会社スペース・ゼロ 企画・製作=株式会社クリオネ
東京公演発売日:5/14(土)料金:前売4500円 当日4800円 計10ステージ
クリオネ内:http://www.clioneinc.com/produce/produce2.html
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2005年07月10日
【マールイ・シアターズ ワークショップ】08/05-20劇団俳小
劇団俳小で「マールイ・シアターズ ワークショップ」が開催されます。ロシアのマールイ劇場というと、NHK芸術劇場で去年の11月に見た『かもめ』は大傑作でした。
【日程】
2005年8月5日(金)~8月20日(土)
(全14回 2クラス)日曜休み 全14日間
Aクラス(未経験者クラス)14:00~17:00
Bクラス(経験者クラス)18:00~21:00
※ワークショップ経験者が経験者クラスになります。
【場 所】アトリエ俳小
【受講料】77,000円
【締切日】7月29日
【定 員】20名
【講 師】ウラジーミル・ベイリス氏(ロシア・マールイ劇場主任演出家)
★応募方法などの詳細はこちら。
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三谷幸喜さんの新作映画のエキストラ募集中!
三谷幸喜さんの新作映画のタイトルは
『THE 有頂天ホテル』 だそうです。
(ネットで検索しただけなので正式かどうかはわかりませんが)※2005/07/13加筆
記事が出ています→スポニチ、サンスポ
出演=役所広司、原田美枝子、戸田恵子など(?)
エキストラを募集しています。詳細はこちら。
こまつ座『國語元年』06/03-12紀伊國屋ホール
こまつ座はいつも前売り完売ですよね。私が劇場に着いた時には当日券も完売していました。『國語元年』は4演目ですが、私は初見です。
時は明治7年。文部省官吏の南郷清之輔(佐藤B作)の家では妻や妻の父、女中らが皆それぞれのふるさとの言葉で話すものだから、家の中にはさまざまな方言(おくに言葉)がにぎやかに溢れかえっている。
ある時、清之輔に「日本全国のはなし言葉を統一せよ」との命令が下り、清之輔は誰にでも理解でき、どこの土地の人間にも公平な「はなし言葉」を生み出そうとするが・・・。
最初は誰の言葉も全く意味がわかりませんでした。方言である上にかなり早口ですし。いったいどうなることやらと少し心配になったんですが、舞台で起こることを静かに見ている内に、登場人物のバックグラウンドや性格がわかってきて、次第に言葉がわからなくてもストーリーがわかるようになりました。この感覚は面白かったです。人間のコミュニケーションは言葉や意味だけではないんですね。
笑いがいっぱい起こっていましたが、ちょっとドタバタが過ぎたかな。作品としてはお年を召したお客様向けかも。
ここからネタバレします。
善意からはじまった言葉作りが、言葉というものの核心に近づくに連れて、いやおうなしに政治と関わって行ってしまうという展開に、なるほどと唸らせられました。清之輔が考案した「はなし言葉」は日の目を見ることなく、明治10年に西南戦争が勃発。清之輔は心を病んで南郷家は離散してしまうというエンディングには、どしりとした苦味があって良かったです。
ベテラン俳優が作るどたばたコメディーには、いつも心の底から感心させられます。たかお鷹さん演じる居候の公家はどうしても憎めないキャラクターで、何かやるたびに大爆笑を巻き起こしていました。山本龍二さん演じる会津出身のどろぼうも、おまぬけさんなのに凄みが有り、キーマンらしい存在感でした。
作:井上ひさし 演出:栗山民也
出演:佐藤B作 土居裕子 沖恂一郎 剣幸 山本龍二 たかお鷹 植本潤 角間進 後藤浩明 田根楽子 野々村のん 岡寛恵
音楽:宇野誠一郎 美術:石井強司 照明:服部基 音響:深川定次 衣裳:渡辺園子 振付:謝珠栄 歌唱指導:宮本貞子 宣伝美術:安野光雅 演出助手:大江祥彦 舞台監督:加藤高 制作:井上都 高林真一 谷口泰寛
当日・前売り:5250円 学生:3150円
≪市川、東京≫
こまつ座内:http://www.komatsuza.co.jp/kouen_kako/chirashi/kokugo.html
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2005年07月09日
東宝ミュージカル『モーツァルト!』07/04-08/20帝国劇場
タイトルロールが井上芳雄さんと中川晃教さんのダブルキャストです。初演は2002年で、初舞台だった中川晃教さんは文化庁芸術祭賞・演劇部門新人賞や読売演劇大賞・杉村春子賞を受賞されています。私は今回が初めてで、中川晃教さんヴァージョンを観ました。
う~ん・・・苦手でした。途中休憩で帰らずに最後までいましたが、楽しめずに家路に着きました。
もともとはウィーン劇場協会が製作したミュージカルで、それを演出家の小池修一郎さんが日本語に訳詞されていますので、仕方ないことではありますが、歌詞の日本語がなめらかではないです。そして特に歌がうまいわけじゃないし・・・聴き入ることができませんでした。
楽しめなかった主な理由は、おそらくお話がずーっと暗かったことだと思います。モーツァルトというと、これは映画『アマデウス』と舞台『アマデウス』の知識ですが、子供の頃は神童と謳われたけれど、わがままな性格が災いして名声を得ても長続きせず、父親との確執や妻との不仲などの不幸が続き、最後は借金にまみれで病気になって孤独に死んじゃいますよね。うわお、かいつまんで書くと暗すぎる。
でも、恋に落ちたり、作品が大絶賛されたり、皇帝から寵愛を受けたり、幼児期以外にもモーツァルトがスポットライトを浴びていた時期はあったんですよね。なのに、全編通じてずーーーーっと陰鬱な空気が支配しているんです。何かにつけて悪い仲間に誘惑されたり、妻の親が金をせびりに来たりして、幸せな未来が全く想像できないし、主役のモーツァルトにいつも何らかの影が落ちているから、彼(=中川さん)のことが好きになれなくって。
演出については、成人したモーツァルト(中川晃教)と幼児期のモーツァルト(子役)がいつも2人セットで登場するのが面白かったです。
音楽は、途中休憩の直前とエンディングに大合唱する「影を逃れて」(こちらで動画が観られます)が良かったです。それだけっていうのが・・・悲しい。
中川晃教さんは、動きがガチガチであんまりでしたね。劇団☆新感線『SHIROH』があまりに良かったから、どうしても求めるレベルが高くなっちゃう。
コロレド大司教役の山口祐一郎さんはいつもミュージカルで主役の方ですが(「レ・ミゼラブル」や「エリザベート」など)、私は初めて拝見しました。赤と金色の豪華な衣裳がとてもお似合いで、めちゃおもろい人でした~。
吉野圭吾さんも良かったですね。役割を万全に果たしてくださったというか。『SHIROH』でもそう思いました。
≪大阪、東京、名古屋、福岡≫
出演=市村正親/高橋由美子/井上芳雄(ダブルキャスト)/中川晃教(ダブルキャスト)/西田ひかる(7/4-29)/木村佳乃(7/30-8/26)/久世星佳(7/4-29)/香寿たつき(7/30-8/26)/阿知波悟美/花王おさむ/吉野圭吾/山口祐一郎ほか
脚本・作詞=ミヒャエル・クンツエ 作曲=シルヴェスター・リーヴァイ オリジナル・プロダクション=ウィーン劇場協会 演出・訳詞=小池修一郎 音楽監督=甲斐正人 美術=堀尾幸男 照明=勝柴次朗 衣裳=有村淳 歌唱指導=楊淑美/山口正義 振付=前田清実 音響=大坪正仁 ヘアー・メイク=宮内宏明 舞台監督=廣田進 演出助手=小川美也子/末永陽一 オーケストラ=東宝ミュージック(株)/(株)ダット・ミュージック 指揮=塩田明弘/西野淳 翻訳協力=萬代倫子/名和由理 プロダクション・コーディネーター=小熊節子 製作=岡本義次/坂本義和
S席¥12,500 A席¥8,000 B席¥4,000 計41ステージ 休演日:7/20(水)、8/17(水)
モーツァルト!:http://www.toho.co.jp/stage/mozart/welcome-j.html
イープラス特集:http://eee.eplus.co.jp/s/mozart05/
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2005年07月08日
雷電『雷電披露宴』07/06-13駅前劇場
雷電は「隣り合った三つの部屋で、同時刻におこった出来事を描く三話構成(=ザッピングシステム)」という独自のスタイルで公演を行う演劇ユニットです。演出はプラチナペーパーズの堤泰之さん。脚本は上演順に、桜丘社中の塩塚晃平さん、散歩道楽の太田善也さん、KAKUTAの桑原裕子さんです。
第一回公演『雷電支度部屋』の舞台は舞台裏(楽屋)でしたが、今回はド田舎のイケてない結婚式場の控え室でした。
【第一話】来賓控え室で噂の的になるのは新郎の兄の満夫(塩塚晃平)。みんな満夫から金を借りているらしい。村の様子(常識)について語られる。
【第二話】新郎(横山真二)は3人兄弟の末っ子。新郎の性格や3兄弟のおいたちが、ある人物によって明らかにされる。
【第三話】新婦(中村早千水)は4人姉妹の三女。マリッジブルー気味になっているが、誰も気にかけてくれない。性格の全然違う姉妹と気の弱い父親のドタバタ。
芸達者な役者さんが揃っているけれど、なんとな~く間が悪くて笑えなかったり、面白いキャラクターを作っているんだけど、周りとうまく溶け込めずに浮いてたり、ストーリーの大切な一言を含むセリフなのに、早口で聞こえなかったり。「こんなはずじゃないんだけど・・・」という空気が流れているように感じました。公演の後半になってきたら面白くなるかもしれませんね。
お話自体はほんわかしてそうでいて、実はかなりブラックな要素が多いです。私はあまり楽しめなかったので、個々の役者さんの演技や持ち味を楽しむ方向に気持ちを切り替えました。
【第一話】来賓控え室(脚本=塩塚晃平)
全体的に「うまく運んでいない」状態だったのですが、司会役の若狭勝也さん(KAKUTA)が出てきて救われました。
「ボールなしのボーリングをする」のは明らかに無理なことなので、それを受け入れさせるパワーとか勢いが欲しかったです。
【第二話】新郎控え室(脚本=太田善也)
黒づくめの服の女役の高山奈央子さんと、市長の息子役の川本裕之さん(お二人ともKAKUTAの役者さん)がすっごく面白かったです。次男の満夫役の塩塚晃平さん(桜丘社中)も柔軟で良かった。
謎のおばあさん役の麻生美代子さんは麻生さんご自身がすごく魅力的で見とれました。声もステキ。
【第三話】新婦控え室(脚本=桑原裕子)
ウェディングドレス姿の新婦役の中村早千水さん(bird's-eye view)が美しかった!そして新婦の昔の恋人役の成清正紀さん(KAKUTA)がエッチで、二人のラブシーンが良かったな~。ビバ!美男美女。最後に成清さんが立ち去る時の、「結婚おめでとう」と言うまでの長い間がすごくセクシーでした。
次女の夫で犬のように扱われている越後役の本間剛さん。変わり身の早さとやらし~演技に苦笑させてもらいました。
新婦の父親役の鈴置洋孝さんがじっくりと長いセリフを語られましたが、やっぱりこう、NHKの朝のドラマみたいっていうか、私は苦手ですね。
出演=【第一話】大谷典之/太田善也/川原万季/照屋実/前田こうしん/若狭勝也/和田太美夫 【第二話】麻生美代子/川原安紀子/川本裕之/塩塚晃平/高山奈央子/田中完/谷中田善規/横山真二 【第三話】臼井静/四條久美子/鈴置洋孝/中村早千水/成清正紀/原扶貴子/藤本樹子/本間剛/弓納持京子
演出=堤泰之(プラチナペーパーズ) 脚本=【第一話】塩塚晃平(桜丘社中) 【第二話】太田善也(散歩道楽) 【第三話】桑原裕子(KAKUTA) 演出助手=田村友佳・松田昌樹 照明=久賀和浩 音響=高塩顕 美術=田中敏恵 舞台監督=横尾友広 衣装=渡辺まり・ワタナベユカ・野澤爽子 宣伝美術=川本裕之 スチール撮影=相川博昭 表紙モデル=臼井静 WEB制作=ngvaiiton.com 制作=五十嵐正至+制作集団Quarter Note[茂木尚美 杉山葉 鵜殿有正] 票券=藤野和美[オフィスREN] 企画・製作=成清正紀 後援=TBS RADIO & COMMUNICATIONS
前売り開始:5/30(月) 指定席/前売・当日共¥3,500 自由席/前売・当日共¥3,000 計10ステージ
雷電:http://www.raidenet.com
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燐光群『上演されなかった『三人姉妹』』07/06-17紀伊國屋ホール
燐光群の坂手洋二さんの新作です。紀伊國屋ホールの劇場内全部が舞台の、濃ゆ~い2時間10分でした。
チェーホフの『三人姉妹』を知っていれば面白み倍増!ご存知ない方は戯曲を読んでから観に行かれると良いと思います(知らないと楽しめない可能性もあります)。
最初からかなりブっ飛んだ(奇抜な)演出なので、正直なところとっつきにくかったです。でも、セリフのシャワーの中に身を投じ、集中して言葉を身体の中に入れるようにしたら、意外に早くその世界に入って行けました。
強い主張を含んだ複雑な構造の脚本です。誰にでもお薦めできる手軽なエンタテインメントではありません。でも、やっぱり坂手さんの作品は見逃せないと思いました。
客席のほぼ半分も舞台として使われており、通路も演技スペースになります。あぁ何から書いてもネタバレに・・・(冷汗)。でも読んでから観に行かれても、演劇ならではのディープな世界を味わえることには変わりありません。
≪あらすじ≫
『上演されなかった『三人姉妹』』という戯曲を上演中の劇場が、テロリストに占拠された。彼等の要求は、彼等の母国からこの国の軍隊の撤退させること。それが受け入れられなければ、劇場の観客を全員射殺して自分達も自殺するという。
それでも舞台に居た女優3人は演技を止めようとしない。劇場関係者やテロリスト、観客をも巻き込んで、『三人姉妹』と極限状態の劇場の現実が入り混じっていく。
お芝居がはじまる前に、途中で非常ベルが鳴ることや武装組織に占拠されるエピソードがあることなど、この作品の構造と流れがきちんと説明されます。劇場の外の世界と、劇中(劇場内)の現実と、『上演されなかった『三人姉妹』』と、『三人姉妹』原作という多重構造を、頭をフル回転させながら楽しむ、大人向けの作品だと思います。
ここからネタバレします。
『三人姉妹』のストーリーを最初から最後まできちんと辿っていきますので、テロリストに拘束されている“現実”と『三人姉妹』の内容とが重ねられていく過程で、“現実”にどうしてもムリが出てきます。それを「上手いこと組み込んであるな~」とすんなり見届けられるかどうかは人それぞれだと思います。私は「そこまでしなくてもいいのになぁ」と思いました(例えば、イリーナを取り合う軍人2人の決闘など)。
最後は、機動隊が劇場に突入してテロリストは全員射殺され、観客も100人以上が死ぬという結果になります。観客の死因のほとんどが毒ガスによるものだとも。ロシア学校人質事件(2004年9月)を思い出しました。イラク戦争を直接想起させる場面も多数。
≪言及ブログ≫
デジログからあなろぐ
≪東京、神戸≫
出演=立石凉子/神野三鈴/中山マリ/川中健次郎/鴨川てんし/猪熊恒和/大西孝洋/下総源太朗/JOHN OGLEVEE/江口敦子/樋尾麻衣子/宇賀神範子/内海常葉/向井孝成/裴優宇/小金井篤/杉山英之/久保島隆/桐畑理佳/工藤清美/塚田菜津子
作・演出=坂手洋二 照明=竹林功(龍前正夫舞台照明研究所) 音響=島猛(ステージオフィス) 舞台監督=森下紀彦 美術=じょん万次郎 衣裳=宮本宣子 演出助手=吉田智久・清水弥生 文芸助手=久保志乃ぶ・宮島千栄・圓岡めぐみ 写真=酒井文彦 宣伝意匠=高崎勝也 制作=古元道広・近藤順子
一般発売日 5/29(日) 前売券¥4,000 当日券¥4,300 ほか各種割引あり 休演日=7/12(火)計12ステージ
劇団内:http://www.alles.or.jp/~rinkogun/sanninshimai.html
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2005年07月07日
時間堂『月輝きながら太陽の照る』07/07-17Gallery LE DECO(7/6プレビュー)
渋谷駅東口から徒歩5分ぐらいの明治通り沿いにある、ギャラリー“LE DECO(ル・デコ)”で行われる演劇公演です。公演期間中は正午から夕方6時まで“時間堂カフェ”もオープンされます。
青年団リンク・髙山植物園の髙山さなえさんの脚本を、時間堂の黒澤世莉さんが演出されるということで、高山さんの作品も時間堂も初見なので一石二鳥だな~と、お得な気分でプレビューにお邪魔してきました。
会場はLE DECOの1階です。コンクリートのちょっと崩れた壁や天井は白く塗られて露出しています。夕方でしたから全面ガラスのギャラリー入り口から太陽の光が入っており、全体的に明るい空間でした。入り口からまっすぐ奥に進むと、中央には木綿のちょっと黄ばんだ白色の布が広く敷かれていて、その両サイドにイスが並べられていました。どうやら細長い舞台になるようです。
天井からは、針金と糸、そして透明プラスチックの薄い板で作られた、手作りのナチュラルな印象のモビールが5個ほどぶら下がっています。あと、縦に電球が5~6個ならんだ照明も数本。観客誘導係のスタッフさんは白いシャツに黒いスカートなど、モノトーンで、おしゃれなカフェの店員がよく着ているようなデザインのお洋服を着ています。
ダンス・パフォーマンスや朗読劇が似合いそうな空間でしたが、かわいらしい衣裳を着た役者さんがぞくぞくと登場して始まったのは、しっかりした起承転結のある、パンチの効いた鋭いセリフがいっぱいの、ちょっと怖いお芝居でした。
≪あらすじ≫
結婚式場の新郎新婦の控え室。披露宴が終わって次は二次会というところだが、なぜか新婦が動こうとしない。ウェディングドレスを脱ごうとしないのだ。新郎をはじめ新郎新婦の兄や妹たちは新婦に早く着替えるよう促すのだが、いつまで経っても新婦は新郎に甘えたり、わがままを言ったり、謎の落ち着きを見せたまま。
そんなこんなでだらだらとくっちゃべっている内に、この結婚の裏の意外な、恐ろしい事実が明かされていく。
上演時間は1時間強でしたが、最初の45分はつらかったです。だって女の子がブサイクなんだもの!いえ、顔かたちのことじゃないんですよ、衣裳もかわいいし、ヘアメイクも凝ってるし、女優さんもかわいいんですよ。意図的に描かれている“女の子像”がすっごく醜いんです。男に思いっきり露骨に言い寄ったり、汚い言葉遣いで自虐的に男とケンカしたり。見るに堪えない!反対に男の子はクールに装いつつ弱者ぶるから、ちょっと憎たらしいなぁと思いながらも可愛らしくも見えたため、女をわざと汚く描いている脚本および演出に不快な気持ちになりました。
そして45分経った頃に衝撃の事実が明かされます。目が点になりました。そこから15分強は、それまでに描かれていた世界がバタバタと裏に表にひっくり返り続ける、きりもみ状態に陥った飛行機のような展開。・・・恐ろしい脚本でした。
男と女という全く違う生き物の係わり合い(歴史)、そしてこれからも延々と続く“生存”をめぐる戦いを描いていました。
舞台からはけた俳優は全員、中2階のロフトスペースで待機するので、上演時間中ずっと出ずっぱりです。ロフトでおしゃべりをしたり、舞台を覗き込んだり、時には舞台上の人とアイコンタクトもしていました。また、衣裳が抽象的なものだったので、“男 VS 女”という構図がより鮮やかに伝わったと思います。
衣裳がすっごくよく出来ています。色は白黒のモノトーンで、女はうずまき、男は直線をモチーフにしています。カッティングというのかな、お洋服としてもすごく緻密に作られているのがわかりました。ドレスのドレープや体のラインの出かたとか、ほれぼれしましたね。ヘアスタイルもおしゃれでした。
これは本当によくあることなんですけど、役者さんの力が脚本と演出に負けています。演劇ファンだけではなく、ギャラリーの前をふらりと通った会社員など、一般の大人が安心して楽しめる作品を生み出すポテンシャルがあると思いました。だから役者さんにがんばってもらいたいし、時間堂の世界を作ることが出来る役者さんを新たに見つけた方がいい気もします。
普通の劇場ではないところでの公演は、観に来る方も上演する側にとっても予想外のことが起こりがちです。例えば今回は、役者さんがはじめて登場するところでドアを開けたスタッフさん(もしかすると演出家さん)が、床に敷いてあったすだれ(?)で足を滑らせて転びかけたんです(笑)。そうやって起こってしまったトラブルを、ライブならではの空気感を生む要素として利用していけるぐらい、余裕があるといいなと思います。けっこう長期間の公演ですから徐々に豊かな空間になっていくのではないでしょうか。
ここからネタバレします。
実は、新婦の兄と新郎がホモ・セクシュアルの恋人同士だった。さらに新婦の兄は新婦の妹(二女)と近親相姦の関係で、二女は兄の子を身ごもっている。兄には妻がいるのだが、妻が身ごもっているのは新郎の子である。兄は愛する新郎の子供が欲しいため、自分と近い遺伝子を持っている妹(新婦・長女)と結婚させ、新郎の子供を産ませようとしているのだ・・・。
なんてこったい!!不道徳極まりないです。タブーがかわいい服着て行列してる(笑)。
兄の目的は「種の保存」で「生めよ増やせよ」を合言葉に、子供を生む“道具”である女をどんどん身ごもらせます。しかしその恐るべき企みを、兄の妻も、そして新婦も知っていた!!・・・となって急展開です。
男女ともがんばって戦ってましたが、真剣であればあるほど滑稽に見えました。生まれてくる子供を私物化している(できると思っている)のが浅はかだな~と思います。
出演=稲村裕子/川根有子/キムラマナコ/福島千陽/両角葉/久米靖馬(クロカミショウネン18/UNITレンカノ)/小林タクシー(ZOKKY)/根津茂尚
作=髙山さなえ(青年団リンク 髙山植物園) 演出=黒澤世莉 共催=Gallery LE DECO
前売り開始:不明 一般2,000円 高校生以下1,000円
休演日:7/11(月) 全13ステージ 各回40名様限定
劇団:http://www.seriseri.com/jikando/
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ブロードウェイ・ミュージカル『プロデューサーズ』07/06-24東京厚生年金会館
爆笑パロディー映画でも有名なメル・ブルックスさん作詞・作曲・脚本・プロデュースのミュージカルです。トニー賞史上最多12部門受賞。アメリカ、ロンドンで大ヒットしてこのたび初来日。
チラシの雰囲気から『コーラス・ライン』などの普通のミュージカルかと思っていたんですが、大間違いでした!作品のカラーは・・・モンティ・パイソン(Monty Python)に似てます!爆笑というよりは苦笑に次ぐ苦笑(笑)!も~笑いすぎてミュージカルだってことも忘れてました。
いや、音楽も歌も踊りもほんっとに素晴らしいです。でもね、これ、とにかく普通のミュージカルじゃないです。あぁ、こんな言い方だと語弊がありますが、とにかく騙されたと思って観に行ってください!
舞台写真はこちら(シアターガイドより)。
人種差別、女性蔑視、老人虐待、ナチス礼賛など、不謹慎極まりない題材だらけです。だけど笑わずにはいられない!!三谷幸喜さんが下記の賛辞を寄せている意味がよ~くわかりました。
「映画『プロデューサーズ』はもともと大好きな作品。登場するキャラが全員変人、なのにとてつもなく愛しいんです。知る人ぞ知る傑作だったのが、今はこんなにメジャーになって、メル・ファンにとっては感涙の極み。こうなったら次は『ヤング・フランケンシュタイン』のミュージカル化をぜひ。お願いします、メル先生!」(プログラムより引用)
海外から招聘された作品って、作者や演出家の名前は覚えますが出演者までは気にならないのがほとんどなんです。でもこの作品では、主要な役を演じた役者さんの顔と名前を覚えたい!っていう気持ちになりました。歌と踊りはもちろんですが、演技もすごく面白いんですよね。演出のスーザン・ストローマンさんが「うまく私たちを笑わせることができた者だけが、オーディションに合格した」(プログラムから引用)とおっしゃっています。だから笑いに関してプロの人が勢ぞろいしているってことですよね(笑)。
ここから細かく書いていきます。これから観に行かれる方は読まれない方が良いと思います。
≪あらすじ1≫ ※プログラムから引用
1959年、ニューヨーク・ブロードウェイ。マックス・ビアリストック(Bob Amaral)は、かつて“ブロードウェイの王様”とまで呼ばれていたスゴ腕のプロデューサーだが、最近は鳴かず飛ばずの不作続き。『ハムレット』を翻案した新作ミュージカル『ファニー・ボーイ』も散々に酷評され,即座にクローズになってしまう。それでも懲りない彼は、金づるの“金持ち・有閑・夫なし”の老婦人を時間差で連れ込んでは甘い言葉を囁き、小切手を切らせて新作の資金にしようとしていた。
そこへやってきたのは気弱な会計士のレオ・ブルーム(Andy Taylor)。マックスの帳簿確認をしたいたレオは不思議な事実に気づく。当たらなかった作品は、制作費は投資家からの資金で賄われ、かつ配当を払わずに済むため結果黒字になるという事に。これにマックスは飛びついた。「投資家から必要より多く出資を募り、絶対当たらない作品を創れば・・・大儲けだ!」。プロデューサーにあこがれていたレオも巻き込まれ、二人の“史上最低のミュージカル製作”が始まる。
≪引用ここまで≫
マックス役のボブ・アマラルさんとレオ役のアンディー・テイラーさん、そしてミュージカルを作るメンバーの演技がまさにモンティ・パイソンなんですよね~(笑)。「それ、わかる人にはわかるけど、わからない人のほうが多いんじゃない?ってゆーかそんなの見せられたら困るかも(笑)」と突っ込みたくなるような細かいギャグがいっぱい。私は楽しくてしょうがなかったです。
マックスは淫乱なおばあ様とスケベなごっこ遊びをすることで小切手を手に入れるんですが、この表現がめちゃくちゃ誇張されていて可笑しいんです。同じ服を着たおばあ様たちがワンサカうごめいている“LITTLE OLD LADY LAND(小さな老婦人の国)”は卒倒モノ(笑)。ブランコに乗ってウフフフフっと微笑むおばあ様、歩行器につかまりながら全員でタップダンス、さらにバック転までしちゃう無数のおばあ様。そしてその全員からにこやかに小切手をむしりとるマックス。
気の弱いレオは何かトラブルがある度に、赤ん坊の頃から肌身離さず持っている毛布の切れ端に、頬をすりすりします。これがめちゃ情けない!でもカワイイ!会計のルーチンワークの毎日の中で、レオがプロデューサーになる夢を見るシーンは最高にわくわくしました。
≪あらすじ2≫
スウェーデン出身のゴージャスで奔放な美女ウーラがオーディション希望で事務所に現れた。取り敢えず秘書としてウーラを採用し、資金集め、オーディション、稽古と一歩一歩計画を進めていく二人。
≪引用ここまで≫
このウーラ(Ida Leigh Curtis)がまさに女性蔑視コーナー担当(笑)。胸ボン!腰キュッ!お尻ボン!足は細くてめちゃ長い!!って感じで超スタイルいいんですよ。それで完全にお尻まで見えちゃうような振付で踊りまくるんです。「身についているものは見せびらかしなさいって教えられたの!」という内容の歌を歌いながら。もちろんマックスもレオもウーラに悩殺されます。またこのウーラのスウェーデン語なまりの英語が可笑しいんですよね~。
絶対に失敗するミュージカルの脚本として選ばれたのが『Spring time for Hitler(ヒットラーの春)』。演出および振付などのスタッフワークを担当するのが全員ド派手なゲイ。後半でこの作品が劇中劇として披露されます。ヒットラーを崇拝し、第二次世界大戦にもドイツが勝っちゃうという内容なんです。強烈ですよ、ホント(笑)。ハーケンクロイツの腕章をつけたドイツ軍人が足を上げて踊りますし、ゲイのヒットラーが腰をくねくねさせながら「HEIL(万歳)!僕を!」と歌いあげます。異常に豪華な衣裳や装置がさらに苦笑を誘いましたね。つらかったな~、笑いをこらえるのが。だって内容が内容だから大声では笑いにくいんですよぉ。客席は大うけでしたけどね(笑)。
そして二人が必死で作り上げた最悪のショーの幕は開いたのですが、その後どうなったか・・・ネタバレします。
≪あらすじ3≫
そして初日の夜。突拍子もない物語の演出、俳優たちの怪演に始めは唖然としていた観客たちが、ニ幕からは爆笑に次ぐ爆笑、拍手喝さいのカーテンコールまで始める始末。翌朝、各新聞に出た劇評も絶賛の嵐で、劇場はチケットを求める人々に取り巻かれた。
大番狂わせにおろおろする二人に、さらなる不運が追い討ちをかけて・・・。
≪引用ここまで≫
成功してしまうだろうな~とは思っていましたが、まさか二重帳簿がばれて投獄される方向に堕ちるとは予想できなかったな~。投獄されたマックスがそれまでの流れを1曲にまとめて歌うのは圧巻でした。
意外に早くに出所できた二人がブロードウェイに舞い戻り、どんどんと新作を作って大ヒットを飛ばしていったというハッピーエンドになるんですが、その新作っていうのがまたスゴイ。例えば『セールスマンの死 on Ice』とかね(笑)。
それにしてもやんちゃな作品だったな~。「そんなことしていいの!?ダメだよね!?」って思うようなことの連発ですから。チケット代が高いのが難点ですが、まあ観て損はないと思います。8月にジャニーズのいのっちが出る『プロデューサーズ』もありますが、中身は全然違うでしょうしね。
"THE PRODUCERS" the new MEL BROOKS musical
出演=Bob Amaral(ボブ・アマラル)/Andy Taylor(アンディー・テイラー)/Rich Affannato(リッチ・アファナート)/Ida Leigh Curtis(アイダ・リー・カーティス)/Stuart Marland(ステュアート・マーランド)/Bill Nolte(ビル・ノルティ)/ほか
脚本・作詞・作曲・プロデューサー=メル・ブルックス 脚本=トーマス・ハーマン 演出・振付=スーザン・ストローマン
S席13000円 A席11000円 B席9000円
主催=TBS/ホリプロ/キョードー東京/朝日新聞社
公式:http://www.theproducers.jp/
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2005年07月05日
芝居バトン!from 「stage note archive」
音楽バトンなるものが流行しているなーと思っていたら、stage note archiveさんから回ってきました「芝居バトン」!!
嬉しいようで恐ろしい・・・(笑)。
まともに答えられるのかワタシ!?(まともなんてムリ!)
そんな時間はあるのかワタシ!?(ない!)
だけど速攻で答えちゃうっ!(楽しいから♪)
1.今まで行った芝居の本数。もしくは去年行った芝居の本数。
今まで・・・わ、わからない。おそらく1300~1400本ぐらいではないか、と。観始めたのが1999年ですのでそんなにキャリアはないのでござる。
去年行った芝居の本数は258本です(同じ作品を2度以上観たのは本数に含めていません)
2.次に見に行く芝居。
7/6(水)夜
ブロードウェイ・ミュージカル『プロデューサーズ』です。
その直前にある公演のプレビューを観せていただくのですが、公でないようなので伏せておきます。
3.一番最近見た芝居。
7/2(土)昼
アトリエ・ダンカン・プロデュース『おんなの話』@シアター1010
あら、2と3の答えを見たらミュージカルファンみたい?
4.よく行く、または特別な思い入れのある5劇団、もしくは5人の芝居人。
劇団・・・は、難しいのでパス!芝居人は、演劇関係者なら誰でもいいんですよね、うふふ♪ 以下、順不同です。
・栗山民也さん(演出家)
新国立劇場の演劇の芸術監督です(もうすぐ鵜山仁さんに引き継がれます)。そして新国立劇場演劇研修所の所長さんでもあります。
西洋の空気を生み出す名人でありながら、日本の真髄を知っている日本人。王道も当然こなされますが、やんちゃでわがままなお顔がチラリと見える演出が私の好みド真ん中。
公演プログラムに栗山さんが書いてらっしゃる文章を読む度に涙ぐみます。こまつ座『國語元年』(2005年6月で4演目)のプログラムから引用します。
「いま世界中で起きている出来事の中で、演劇という時間の芸術をいちばん魅力的なこととしてうけとめてほしい、と願っています。(中略) いまは肉声を聞いたり肉眼で見たりして理解する力が衰えています。たしかに、テレビは必要以上にテロップが出るようになったし、メールも一方通行の情報処理だから、勝手に吐き出しているだけで、返ってこない。世界中がとても危険なコミュニケーションの有様に陥っている気がします。
そんな世界の中で救いとなるのは演劇だけだ、と思います。お互いの肉声だけで確認しあう演劇は、一方通行になっていない唯一の芸術であり、劇場はそれを肉眼で確認できる場所なのです。」
次回新作→『ツキコの月』(だと思います)
・井上ひさしさん(劇作家・小説家・こまつ座の座付き作家)
はじめて井上ひさしさんの作品を観たのは『夢の裂け目』でした。涙が流れて流れて止まらず、井上さんと出会えて、自分が同じ時代に生きていることに感謝しました。これからも井上さんの作品を観続けます。そして、子へ、孫へとずっと伝えていきたいと思っています。
直近で観られる作品→『もとの黙阿弥』
・永井愛さん(劇作家・演出家・二兎社主宰)
永井愛さんの作品を初めて観たのは『こんにちは、母さん』の初演です。上演中ずっと笑いながら号泣。再演には私の大切な人を2人連れて観に行きました。そこでもまた号泣。
この場を借りて告白&お詫びいたします。こっそりニ兎社の出演者オーディションを兼ねたワークショップに応募したことがあります。なぜか第一次の書類選考に受かってしまって(!)第二次に出たのですが、もちろん落ちました(笑)。
一応役者をやってたとはいえ、永井さんに会いたい一心で行ってしまったのよね・・・ただのアホです。永井さん、ニ兎社の皆様、ごめんなさい。
次回新作→『歌わせたい男たち』
・三田和代さん(女優)
はじめて三田さんを観たのは『夜への長い旅路』のモルヒネ中毒になってしまっている母親役です。三田さんに出会って、役者になることを本当にあきらめたんですよね、私。「自分には絶対にこんな仕事はできない」ってわかったんです。今思うと、なんてだいそれたことを考えたんでしょうねぇ(笑)。
舞台上の三田さんにお会いする度に、嬉しくて、ありがたくて、胸が一杯になります。
次回出演作→『プレイ・ウィズ・ミュージック イブラヒムおじさんとコーランの花たち』
・北村有起哉さん(男優・ファンサイト“一葉の寫眞”)
はじめて有起哉さんに出会ったのはマキノノゾミ演出の『かもめ』でした。自殺する直前に少年のように泣きじゃくるトレープレフにフォーリン・ラブ。それ以来追いかけています(1本ほど逃しましたが)。ものすごく心がきれいな方なんです(勝手に断言)。
ただいま出演中→『LAST SHOW』
以上、私の個人的な思い入れを基準に「めちゃくちゃ魅力的!!」と思う人を選んでみました。
なんと全員、初めてお目にかかったのが新国立劇場!演劇のことなど何も分からなかった数年前の私は、まず国立の劇場で知識を得ようとしたんですよね。そういう意味でも新国立劇場は私が最も愛し、感謝している劇場です。
5.バトンを渡す何人か。
うー・・・これは困りましたねー。渡すとしたら「stage note archive」のぴーとさんと「踊る芝居好きのダメ人間日記」のあおしさん!って言いたいところでしたが(笑)、すでにお二人には渡っており・・・・。5人じゃなくていいんですよね?
では、だめもとで↓
「ネットワーク ユニット デュオ」の川南恵さん → 受け取っていただけました!
「PLAYNOTE.NET」の谷賢一さん
「Club Silencio」のno hay bandaさん → 受け取っていただけました!
勝手に投げちゃってごめんなさいっ。皆さんお忙しいと思うので「万が一、気が向いたら」ということでよろしくお願いいたしまーす。
2005年07月04日
東京セレソンDX『夕ーゆうー』06/28-07/10ザ・ポケット
“切ない夏の風鈴三部作”と銘打った3作品連続公演の第1弾です。
現在の東京セレソンDX(デラックス)の作・演出を手がけるのははサタケミキオさん。TVドラマ『アタックNo.1』の脚本を書かれている方です。劇場入り口にお花がいっぱい並んでいるはずですね。もちろん上戸彩さんからも届いていましたよ。
1980年代初頭の長崎。古きよき昭和の日本。舞台は民宿を営んでいる相川家の裏口の方の店先。ビール、缶ジュース、駄菓子などが並んでおり、近所の人々が集まるちょっとした社交の場にもなっている。
相川家の欣也(飯島ぼぼぼ)、元弥(宅間孝行)、雅弥(猿田モンキー)の男3兄弟は、それぞれが学校で番を張っている(長男はもう卒業しているが)荒くれ者で、3人まとめて通称キングギドラと呼ばれ、恐れられている名物兄弟だ。相川家の隣りに住む夕(阿南敦子)は3人の幼なじみで、ひそかに次男の元弥に心を寄せている。
夕は、親友の薫(関本なこ)が片思いをしている憲太郎(西村清孝)との仲を取り持とうと、元弥に頼んで憲太郎に相川家に来てもらうことにした。薫にその場で告白をさせようという作戦だ。しかし実は元弥が薫への恋を親友の憲太郎に相談しており、薫の告白をてっきり自分へのものだと勘違いして・・・。
いや~ん、甘酸っぱい青春の1ページですよね~。そんなエピソードが満・満・満載。おそらく30代から40代の方には懐かしくほほえましい場面が山盛りなのではないでしょうか。私もその範囲に入りますので「そういえば・・・」と思い出すこともしばしば。
先にご紹介したのは全体のごく一部で、そこから元弥と夕を中心に長崎の人々を描いてきます。期間はおよそ10年ぐらいかな。一人一人のキャラクターもしっかりしていましたし、片思い、三角関係、新しい恋、別れなどの恋愛モノの王道をひた走りつつ、時代の移り変わりやそれによる家族の変化についても、細かいところまでよく行き届いた脚本でした。
役者さんは個々のキャラクターを際立たせる大げさ目の演技をされていましたが、好感の持てるものでした。でも、頭を叩いたり身体を押したり、暴力が多かったのは私はつらかったです。叩くといってもギャグにちゃんとなるので客席には笑いもたくさん起きてましたけどね。あと、女優さんに色気がないのはこの劇団のカラーなのでしょうか。男優さんは皆さんすごくかっこいいのに、もったいないなーと思いました。
ラストは泣いているお客さまが多かったですが、私の好みではなかったですね。ギャグについてもそうですが、やっぱりTVっぽいんですよね、全体が。親子がそろって見られる2時間ドラマとかにはぴったりじゃないでしょうか。
ここからネタバレします。
本っ当~によく出来た青春ドラマなんですよ。でもね、道学先生『エキスポ』とかもそうですが、喪服で始まるお芝居って私、積極的に苦手なんです。幕開け早々がっかり。そして元弥が死んでしまうラストはもっとがっかりでした。いや、あくまでも私の好みの問題ですからね、必ず泣ける仕組みになっているストーリーっていうのは観客フレンドリーだし、お好きな方が多いと思います。『世界の中心で、愛を叫ぶ』とか『いま、会いにゆきます』とか『四日間の奇蹟』とかもそうですしね。
この三部作は全て再演です。それぞれにテーマ曲があるそうで、『夕』はオフコースの「言葉にできない」(アルバム『オーヴァー(over)』に収録。明治生命のCMでおなじみ)でした。最近すっかり流行って誰でも口ずさめるようになりましたが、『夕ーゆうー』の初演は2003年ですので、その頃は全くメジャーではなかったそうです。でも“言葉にならない”とうい歌詞の歌が流れる中、ヒロインが「言葉にならない」というセリフを言っちゃうのは・・・苦手です。
高校生だった三男の雅弥だけは東京に出て、浪人していたのに大学には行かずに役者を目指すようになり、27歳になった時にはホストになっていたというのが良かったですね。都会で暮している私にはとても身近でリアルに感じました。
相川家の3兄弟はみんなカッコ良かったです。三男に勉強を教えるアニメおたくのガリバー(丸山麗)が私のいちおしキャラでした(笑)。
出演=宅間孝行/阿南敦子/西村清孝/杉田吉平/飯島ぼぼぼ/村上和彦/越村友一/松永亜樹/あい/丸山麗/中川優子/高橋亜里沙/関本なこ/高橋千華(アガトリイ)/猿田モンキー
作・演出=サタケミキオ 照明=日高勝彦 舞台監督=松井佐知子 舞台美術=向井登子 音響=飯島弘敬(Acoustic DuB) 宣伝美術=グラフマニア演出助手=「夕」:小渡志乃 「口笛」=水谷かおり 「ぴえろ」=万田ユースケ 制作=碓井夕梨子・村上和彦 協賛=ぼちぼち イイジマルーム
前売3,300円 当日3,500円 セット券あり
東京セレソンDX:http://www.ts-dx.com/
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2005年07月03日
アトリエ・ダンカンプロデュース『音楽劇・おんなの落語』07/01-12シアター1010
ラッパ屋の鈴木聡さんの作・演出です。6編の落語をもとにして書かれたある女の人生。“木の実ナナ・オン・ステージ”でした。
音楽劇ということで昔なつかしのナンバーに新しい歌詞を付けて、エピソードとエピソードの間で木の実さんが歌声を披露してくださいます。
主役の木の実ナナさんをずーっと見つめっぱなしの2時間でした。着物の着こなしやパっと目を引く歌い方など、やっぱり大スターは大スターですね。
木の実さんは着物を何度も着替えますし3人の男優さんも何役も演じられますから、普通のお芝居に比べて転換の時間(暗転中・衣裳替えの時間)がめちゃくちゃ長いのですが、お客様が気にしている様子など全くなく、新橋演舞場や新宿コマ劇場の座長芝居のような雰囲気を感じました。
≪あらすじ≫
昔は売れっ子女郎だったお染(木の実ナナ)だが、年をとった今となっては後輩の女郎(植本潤)に抜かれて客がつかず、うだつの上がらない日々をすごしている。いっそのこと心中してしまおうと思い、貸本屋の金蔵(陰山泰)と一緒に海に飛び込もうとしたのだが、ちょうどその時に金の算段がついたため、金蔵だけを飛び込ませて自分は生き残ってしまう(「品川心中」より)。
田舎者の金持ち(植本潤)をうまく騙して金を借りたお染は、同様にヤクザもの(陰山泰)も騙して合計20両の金を手に入れ、愛する芳次郎(内田滋)に渡す。というのも芳次郎は眼を病んでいて、どうしても薬代が必要だというからだ。しかし・・・(「文違い」より)
男に惚れたり惚れさせたり、かけおちしたり捨てられたり、器量よし・度胸よしの江戸の女郎、お染の波乱万丈の恋路を描きます。お染役の木の実さんを囲む3人の男優(陰山泰/植本潤/内田滋)が何役も演じ分けて、「品川心中」「お直し」「文違い」「風呂敷」「駒長」「芝浜」の古典落語6編がつながった一つのストーリーを、にぎやかに、笑いたっぷりに見せてくれます。
出演者が4人だけのお芝居なのですが、すごくがやがやしたムードでした。舞台に居る4人がすっごく楽しそうなんですよね。たぶんそれで私も楽しかったんじゃないかな~。ただ、年配の方向けのお芝居だとは思いました。
陰山泰さんは木の実さんとカップルになるのにとても似つかわしく、植本潤さんはお得意の女形はもちろん、キワモノも存分に演じられて魅力爆発でした。内田滋さんはとにかく美しくて、出てこられるたびにドキっとしました。
ここからネタバレします。
曲は“コーヒールンバ”“この胸のときめきを”“ボーイハント”“オンリーユー”“サマータイム”“ヘイ・ポーラ”“ケ・セラ・セラ”“ラストダンスは私に”“お祭りマンボ”といった具合。“ラストダンスは私に”の歌詞は「自分自身の幸せを望むのではなく、他人を幸せにしてそれで自分も幸せになる」という内容で、お染が最後に魚屋の熊五郎と一緒になって、彼を成長させて自分が幸せになるというハッピーな結末とつながっていました。“ラストダンス・・・”のもともとの歌詞にもぴったりで、これにはちょっとホロリな気分でした。
≪北千住、長崎、北九州、小郡、静岡、大阪、神戸、釧路、札幌、仙台、新潟、名古屋、立川、茨城、鎌倉、君津≫
★北千住公演は14:00開演のみ
出演=木の実ナナ/陰山泰/植本潤/内田滋
作・演出=鈴木聡 美術=島川とおる 照明=大石真一郎 音響=高橋巖 音楽監督=久米大作 振付=神崎由布子 衣裳=中山信弥 かつら=桑原春雄 演出助手=則岡正昭 舞台監督=津田光正 宣伝美術=鳥井和正昌 宣伝写真=加藤孝 宣伝=る・ひまわり 営業=須川晴夫 制作助手=島袋佳 制作=岸憲一郎 制作統括=小池義圓 プロデューサー=池田道彦 主催=読売新聞東京本社 提携=シアター1010 制作協力=シーエイティプロデュース 運営=東京音協 企画・製作=アトリエ・ダンカン
4月8日(金)前売開始 チケット料金S席 8,000円/A席 5,000円(税込・全席指定)
アトリエ・ダンカン内:http://www.duncan.co.jp/works/rakugo/index.html
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2005年07月02日
メルマガ号外 パルコ・プロデュース『ラストショウ』
パルコ・プロデュース『ラストショウ』
07/01-24パルコ劇場
≪東京、大阪≫
公演情報はこちら。
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“しのぶの演劇レビュー” 号外 Vol.19 2005.7.2 456部 発行
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今、面白い演劇はコレ! 年200本観劇人のお薦め舞台♪
★★ 号 外 ★★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
パルコ・プロデュース『ラストショウ』
07/01-24パルコ劇場
≪東京、大阪≫
☆作・演出=長塚圭史
ビッグな若手脚本・演出家の長塚圭史さんの新作。
出演=風間杜夫、永作博美、古田新太 ほか豪華キャスト。
日時指定・全席指定 7,500円
公演情報↓
http://www.parco-play.com/web/page/information/lastshow/
公式サイト↓
http://www.parco-play.com/web/play/lastshow/
◎観劇後のコメント◎
長塚圭史さんは、スプラッターホラー映画的な作風でも有名です。
怖くて、気持ち悪くて、ハラハラどきどきして、
「どうしてそこまで過酷な状態にするの??」
という疑問が頭の中をずっとめぐりました。
でも、最後には大声を出して笑いながら、涙をボロボロこぼしていました。
私にとって長塚圭史さんは「大好きな役者さん」であり、
「小劇場出身の大型新人」「将来が期待される脚本・演出家」でしたが、
もうその将来が今日、来てしまいました。
美術もセンスが良く、出演者の方々もプロ。カッコいいです。
※上演時間:約2時間(休憩なし)
※公式サイトにも公演プログラムにもあらすじが載っていませんので
ここでも書くのは控えておきますね。
《チケットについて》
●東京公演の残席状況(チケットが有る回を下記に挙げます)
・チケットぴあ ※7/1(金)7:00時点
http://t.pia.co.jp/news/lastshow/lastshow.jsp
7/ 7(木)19:00、7/14(木)19:00、7/15(金)19:00、
7/20(水)19:00、7/21(木)14:00&19:00
・イープラス ※7/2(土)0:00時点
http://mars.eplus.co.jp/ss/kougyou/syosai.asp?kc=012499&ks=02
7/14(木)14:00 のみ
・楽天チケット ※7/2(土)0:00時点
http://ticket.rakuten.co.jp/index12534.html
7/21(木)14:00&19:00、7/22(金)19:00
・その他取り扱いプレイガイド
ローソンチケット http://www2.lawsonticket.com/
CNプレイガイド http://www.cnplayguide.com/evt/cttop.aspx
●チケット料金(日時指定・全席指定) 7,500円
●当日券情報
開演の1時間前よりパルコ劇場受付カウンターにて販売開始。
【お問い合わせ】
東京公演:パルコ劇場 TEL 03-3477-5858
大阪公演:キョードー大阪 TEL 06-6233-8888
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆ 【編集後記】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎月刊号を出した翌日に号外を出してしまい、お騒がせしてすみません。
でも、本当に感動しました。『ラストショウ』。
◎パフォーミング・アーツ・マガジン[バッカス]02号
私が書いた劇評(Ort-d.d『四谷怪談』について)が掲載されています。
http://www.7andy.jp/books/detail?accd=31442121
◎皆様の観劇感想をお寄せ下さい!
このメルマガについてのご感想でももちろん結構です♪
ご感想は転用させていただくことがあります。
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許可無く転載することを禁じます。
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2005年07月01日
7月2日(土)夜にFM西東京「たけがき2」に出演します。
FM西東京の演劇情報番組「たけがき2」に出演いたします。毎月第一土曜日に出演の予定です。
今回は前半に新国立劇場『うら騒ぎ/ノイゼズ・オフ』の感想をお話し、後半は7月に観られるお薦めお芝居を数本ご紹介します。今月は大スターが出演する舞台が目白押しなんですよね。
西東京市およびその周辺地域でお聴き頂けます。
7月2日(土)21:30~22:00(の内の約10分間)
FM 84.2MHz
たけがき2(ツー):http://takegaki.k-free.net/
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メルマガ 2005年07月のお薦め舞台
2005年7月のお薦め舞台10本+αをご紹介します。
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“しのぶの演劇レビュー” Vol. 13 2005.7.1 454部 発行
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今、面白い演劇はコレ! 年200本観劇人のお薦め舞台♪
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○○ 今回のもくじ
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◆1【今月のお薦め10本+α】
◎No.1→ ク・ナウカ『王女メデイア』
07/19-08/01東京国立博物館 本館特別5室
≪東京、大津≫
http://www.kunauka.or.jp/
◆2【先月のベスト3+α】
◎No.1→新国立劇場演劇『うら騒ぎ/ノイゼズ・オフ』
06/27-07/14新国立劇場 小劇場
http://www.nntt.jac.go.jp/season/s268/s268.html
◆3【ポスト・パフォーマンス・トークを楽しもう!】
観た時にわからなくても、話を聞けばびっくり&すっきり♪
◆4【7/30(土)前売り開始! こまつ座『小林一茶』】
井上ひさしさんの傑作“推理もの”戯曲が15年ぶりに再演!
http://www.komatsuza.co.jp/kouen_new/index.html
◆5【編集後記】
◎おかげさまでメルマガ発行一周年!
◆6【このメルマガについての注意事項】
◎はじめての方はどうぞお読みくださいね♪
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◆1 【今月のお薦め10本+α】
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※★印がいちおし公演です(3本)。
※初日の早い順に並べています。
※掲載内容:主催・『題名』・日程・会場・コメント・価格・URL
1.アトリエ・ダンカンプロデュース
『おんなの落語』
07/01-12シアター1010
≪北千住、長崎、北九州、小郡、静岡、大阪、神戸、釧路、札幌、
仙台、新潟、名古屋、立川、茨城、鎌倉、君津≫
☆ラッパ屋の鈴木聡さんによる作・演出。
木の実ナナさんと個性豊かな男優3人の4人芝居。
S席 8,000円 A席 5,000円
http://www.duncan.co.jp/works/rakugo/index.html
★2.パルコ・プロデュース『ラストショウ』
07/01-24パルコ劇場
≪東京、大阪≫
☆作・演出=長塚圭史
ビッグな若手脚本・演出家の長塚圭史さんの新作。
出演=風間杜夫、永作博美、古田新太 ほか豪華キャスト。
全席指定 7,500円
http://www.parco-play.com/web/play/lastshow/
3.TBS/Bunkamura『キレイ~神様と待ち合わせした女』
07/06-30シアターコクーン
≪東京、大阪≫
☆松尾スズキさんのオリジナル・ミュージカルの再演。
酒井若菜さんが降板し、代わって鈴木蘭々さんが出演。
出演=高岡早紀、阿部サダヲ、宮藤官九郎、ほか豪華キャスト。
S席9,000円 A席7,000円 コクーンシート4,500円
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/event/kirei/index.html
☆追加販売決定!7月4日(月)10:00~
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/event/kirei/index.html#tuika
4.松竹『七月大歌舞伎「NINAGAWA 十二夜」』
07/07-31歌舞伎座
☆原作はシェイクスピア。蜷川幸雄さんが歌舞伎を初演出。
出演=尾上菊之助、尾上菊五郎 ほか
1階桟敷席 16,800円~3階B席 2,520円
http://www.shochiku.co.jp/play/index_kabukiza_0507.html
5.シス・カンパニープロデュース
『新編・吾輩は猫である』
07/08-08/07(日) シアタートラム
☆作=宮本研 演出=井上尊晶
小林聡美さん(TVドラマでもご活躍。三谷幸喜さんの奥様)、
高橋克実さん(TV「トリビアの泉」出演中)、ほか豪華キャスト。
全席指定 6,500円
http://www.siscompany.com/03produce/10neco/index.htm
6.クリオネ・プロデュース『パリアッチ』
07/10-18全労災ホール/スペース・ゼロ
≪福岡、神戸、東京≫
☆ペンギンプルペイルパイルズの倉持裕さんの作・演出。
出演=小林高鹿、瀬戸カトリーヌ、片桐仁、ほか個性派キャスト。
前売4500円 当日4800円
http://www.clioneinc.com/produce/produce2.html
★7.子供のためのシェイクスピアカンパニー
『尺には尺を』
07/13-19紀伊國屋サザンシアター
≪新潟、山形、東京、福岡、鳥取、愛知、山口、富山、三重、
長野、滋賀、大阪、京都、静岡、新潟≫
☆作=W.シェイクスピア 脚本・演出=山崎清介
子供のためのシェイクスピアカンパニーの新作です。
大人4,800円 子供(中学生以下)3,000円
http://canonkikaku.com/info/shakespeare.shtml
http://homepage1.nifty.com/j-ishikawa/c-ro.html
★8.ク・ナウカ『王女メデイア』
07/19-08/01東京国立博物館 本館特別5室
≪東京、大津≫
☆ク・ナウカの代表作の一つ。国立博物館での上演も目玉です。
原作=エウリピデス 台本・演出=宮城聰
出演=美加理、阿部一徳 ほか
指定席(S)5,300円・指定席(A)4,300円 (当日券は200円増し)
ほか各種割引あり ※東京国立博物館平常展入場券つき
http://www.kunauka.or.jp/
●お薦めポイント●
エウリピデス作のギリシア悲劇『メディア』を
ク・ナウカ独自の2人1役という演技手法で表します。
演出家の宮城さんご自身が「ク・ナウカの作品の中で
もっとも面白い作品(のひとつ)」とおっしゃっています。
メルマガ前々号の【お薦め前売り情報】でもご紹介しました。
英語字幕のある回もありますよ。
9.博品館劇場/オン・タイム
『プレイ・ウィズ・ミュージック イブラヒムおじさんとコーランの花たち』
07/21-31博品館劇場
☆出演(日替わり)=三田和代/浦井健治/松村雄基/榎木孝明
どうやら役者さんお一人で朗読する形式のようです。
エリック・エマニュエル・シュミットさんの脚本が超お薦め。
全席指定 6300円
http://www.ontime.jp
10.劇団M.O.P.『水平線ホテル』
07/22-28紀伊國屋サザンシアター
≪京都、大阪、東京≫
☆エム・オー・ピーの本公演。劇団員総出演です。
作・演出=マキノノゾミ
出演=キムラ緑子、三上市朗、小市慢太郎 ほか
指定席4500円
※東京公演のみハーフプライス・チケット(当日半額券)あり。
http://www.g-mop.com/
★★★――――――――――――――――――――――――――――――
今月はチケット代が高めの作品ばかりのお薦め10本でした。
3000円台のお芝居も特別に3本ご紹介します。
――――――――――――――――――――――――――――――★★★
●雷電(らいでん)『雷電披露宴』
07/06-13駅前劇場
☆同時刻に別々の場所で起こる3つのお話。登場人物がリンクします。
演出=堤泰之(プラチナペーパーズ)
脚本=塩塚晃平(桜丘社中)・桑原裕子(KAKUTA)・太田善也(散歩道楽)
指定席:3,500円 自由席:3,000円(前売・当日同額)
http://www.raidenet.com/
●グリング『カリフォルニア』
07/12-18THEATER/TOPS
☆作・演出の青木豪さんは色んな公演で脚本提供・演出されています。
出演=藤本喜久子(無名塾)、鬼頭典子(文学座)、
桑原裕子(KAKUTA)、辰巳智秋(ブラジル) ほか
前売3,200円 当日3,500円
http://www.gring.info/
●劇団乱発タックル
『心をこめてボッタクれ~弱気なヤツほどよくキレる~』
07/22-24駅前劇場
☆お好みは分かれるかもしれませんが、
清水宏さん作・演出・出演というだけで笑いがこみ上げてきます(笑)。
前売3,000円 当日3,300円
http://tackle-tackle.com/
◎しのぶの今月の全予定(26本+α)はscheduleに掲載しています。
キャスト・スタッフ情報あり!
http://www.shinobu-review.jp/schedule.html
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◆2 【先月のベスト3+α】
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1.新国立劇場演劇『うら騒ぎ/ノイゼズ・オフ』
06/27-07/14新国立劇場 小劇場
http://www.nntt.jac.go.jp/season/s268/s268.html
☆観ている方もお芝居に参加しているような気持ちになって
公私混同しながら楽しめる、サービス過剰なドタバタ劇(笑)!
今も上演中です。どうぞお見逃しなく~。
*レビューはこちら↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/0627233031.html
2.森崎事務所 M&Oplays『隣りの男』
06/15-26本多劇場
http://www.morisk.com/iwamatsu.htm
☆何から何までこだわり尽くめの劇空間。
じめじめした肌感覚が今も残っています。
*レビューはこちら↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/0615235136.html
3.ダンダンブエノ『礎(いしずえ)』
06/22-07/01青山円形劇場
≪東京、大阪≫
http://www.dandanbueno.com/
☆倉持裕さんの脚本も面白く、役者さんの演技合戦にも舌鼓。
近藤芳正さんのスピーディーな演出もかっこ良かったです。
東京公演は本日千秋楽。次は大阪です。
*レビューはこちら↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/0628233907.html
+α(ダンス公演)
二十一世紀舞踊『禁色(きんじき)』
06/08-11世田谷パブリックシアター
≪東京、6/24-25@京都芸術劇場、7/3@北九州芸術劇場≫
http://www.setagaya-ac.or.jp/sept/jouhou/05-2-4-2.html
☆出演:白井剛/伊藤キム
ぶつかりあう男と男。身体が劇場を支配した衝撃のダンス。
*レビューはこちら↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/0610223741.html
→→→[バッカス]03号は【特集・ドキュメント伊藤キムの軌跡】
http://www.7andy.jp/books/detail?accd=31546431
◎メルマガのバックナンバーはこちら↓で全て公開中!
http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000134861
メルマガ号外は誰が観ても楽しめそうなものを選んで発行しています。
6月は残念ながら発行しませんでした。
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◆3【ポスト・パフォーマンス・トークを楽しもう!】
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“ポスト・パフォーマンス・トーク”とは、公演終了後に
その作品に関わったスタッフや出演者が劇場に再び登場して、
作品についての解説をしたり、観客と語り合うイベントです。
(別名:アフタートーク、シアタートーク、ポストトーク等)
http://dic.yahoo.co.jp/tribute/2004/06/02/1.html
たいていの場合、チケットの半券を持っていれば無料で参加できます。
観客からの質疑応答タイムが設けられており、手を挙げて当てられたら
自分の質問に演出家や役者さんが直接答えてくれます♪
ドイツのシャウビューネ劇場来日公演『ノラ』では、観客と演出家が
熱いトークで盛り上がり、私は作品についての疑問がすっかり解けました。
ポストトークのレポートはこちら↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/0621012626.html
■今月のお薦め公演のポスト・パフォーマンス・トーク
☆新国立シアター・トーク『うら騒ぎ』
日時:7/ 5(火)14:00開演の回 終演後
出演者:白井晃 ほか
http://www.nntt.jac.go.jp/season/s268/s268.html
☆こどものためのシェイクスピアカンパニー
『尺には尺を』アフターパフォーマンストーク
日時:7/16(土)19:00開演の回 終演後
http://canonkikaku.com/info/shakespeare.shtml
☆ク・ナウカ『王女メデイア』アフタートーク
日時:7/26(火)&7/27(水)19:30開演の回 終演後
http://www.kunauka.or.jp/
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◆4【7/30(土)前売り開始! こまつ座『小林一茶』】
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“絶対お薦め!!”の舞台のチケット前売り情報です。
井上ひさしさんの傑作“推理もの”戯曲が15年ぶりに再演!
こまつ座『小林一茶』
09/08-25紀伊國屋サザンシアター
☆作=井上ひさし 演出=木村光一
出演=北村有起哉/高橋長英/キムラ緑子/小林勝也 ほか
一般:5250円 学生:3150円(学生券はこまつ座での販売のみ)
全22ステージ
http://www.komatsuza.co.jp/kouen_new/index.html
第三十一回讀賣文学賞・第十四回紀伊國屋演劇賞を受賞しています。
主役の小林一茶役の北村有起哉さんは、私のいちおし男優さん♪
本日開幕のパルコ劇場『ラストショウ』にも出演されている演技派です。
こまつ座の公演は大人気で、前売りチケットは完売することが多いです。
ぜひ発売日にゲットしてくださいね。
≪チケット前売開始≫
7月30日(土)10:00~
※東京以外の地域の公演については、こまつ座にお問い合わせください。
こまつ座 03-3862-5941
http://www.komatsuza.co.jp/
●メルマガ前号でご紹介した新国立劇場のキッズオペラも、
大人券の発売日が迫っています。ぜひチェックしてください♪
新国立劇場『こどものためのオペラ劇場
ジークフリートの冒険~指環を取りもどせ!~ 』
07/30-08/01新国立劇場 中劇場
公演情報↓
http://www.nntt.jac.go.jp/season/s266/s266.html
初演時のメルマガ号外↓
http://blog.mag2.com/m/log/0000134861/90630705?page=2#90630705
≪大人だけでも入場できる一般チケット発売情報≫
前売り開始:7月9日(土)10:00~
※チケット代は大人も子供も2,100円!(激安!!)
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◆5 【編集後記】
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◎おかげさまでメルマガ発行一周年を迎えることが出来ました!
「メルマガ読んで観に行ったよ!」というメールやレビューサイトの
ゲストブックへの書き込み、そしてトラックバックに支えられて、
ここまで続けて来られました。皆様、本当にありがとうございます!
◎ウェブログが大流行して、誰でも手軽に(最短だと3クリック!)
自分のホームページが持てるようになりました。
観客の率直な観劇感想がどんどんアップされています。
お目当ての公演のレビューが、簡単にたくさん読めるような
ウェブサイトが作れないものかと、ただいま試行錯誤中です。
◎パフォーミング・アーツ・マガジン[バッカス]02号
私が書いた劇評(Ort-d.d『四谷怪談』について)が掲載されています。
http://www.7andy.jp/books/detail?accd=31442121
◎「劇場に足を運ぶことが、日本人の習慣になって欲しい」
それが私の望みです。
これからもこつこつ、地道に進んで行きたいと思っております。
皆様、どうぞよろしくお願いいたします♪
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◆5 【このメルマガについての注意事項(毎号同じ内容です)】
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